異世界転移が決まってる僕、あと十年で生き抜く力を全部そろえる

第三部・第11話「商品開発、始まる！──農業が世界を変える第一歩」

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🧠 開発会議、開催！
「それでは本日の“農産物商品化戦略会議”、始めます！」
陽介がまとめた木製のホワイトボード（手作り）に、紬が書き込みながら議事を進める。
今日の議題は三つ：
1. スイートコーンの加工品展開
2. トマトの保存と調味料化
3. 異世界流通に耐える包装技術の検討
テント内には、ケルツ商会・エスフォル商会・ファルモン商会の代表たちが並び、農場騎士団のメンバーと共に真剣な顔で議論に参加していた。
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🌽 スイートコーンの缶詰プロジェクト
まず挙がったのは、大人気となった“焼きスイートコーン”。
「これを“常温で長期保存”できるようにしたいですね」と紬。
「缶詰という発想は新しいが、金属加工がまだ難しい地域も多い」とケルツ商会の担当。
「ならば粘土質の耐熱瓶を魔法で加工して“密封保存瓶”として売り出すのは？」とファルモン商会。
「見た目も映えるし、おしゃれな土産品として王都で話題になりそうですね」
一同がうなる。
陽介は思わず「チームって、いいなぁ……」としみじみ。
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🍅 トマトから生まれる“革命の調味料”
「次に、このトマト。やはり保存が難点です」と紬。
「ならば潰して濃縮して……“ソース”にするのはどうだ？」と、エスフォル商会のレナードが提案。
「トマトソース！ ピザもどきにも応用できるかもしれないし、煮込み料理に革命が起きるぞ！」
「名前は……“赤の奇跡”なんてどう？」
「それ、売れそう」
陽介は笑いながらうなずいた。
「よし、レナード。この“赤の奇跡”の初出荷、任せた」
「はいっ！」
かつて陽介を見下していた男の顔が、まっすぐ輝いていた。
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📦 魔道具×保存技術の融合
保存と輸送をテーマにした議題では、ケルツ商会のエレナが声を上げた。
「魔導具師と協力し、“保冷効果を持つ箱”を開発中です。高価ですが、王都や王城向けには有効かと」
「いいね、それ。農業って“味”もだけど、“届ける仕組み”がないと広がらないから」
「さすが団長……！」
騎士団の若手がうっとりしていたが、紬のチョップで現実に引き戻された。
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🤝 商人たちの変化と成長
昼休憩中、陽介と紬は焚き火のそばでコーヒー代わりの薬草茶を飲んでいた。
「なんかさ、みんな本気で関わってくれてるの、嬉しいよね」
「うん。もう“他人”じゃなくて、“仲間”になってる」
陽介は笑った。
「仲間って、過去の過ちより、“今どうあるか”で決まるんだな」
「じゃあ陽介も、毎朝布団で寝坊する過去は水に流して、今からは……」
「ちょ、それは反省中です！ 団長だって人間です！」
ふたりの笑い声が、テントの外まで響いていた。
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🛒 初のブランド名、決定！
数日後、商品会議でブランド名が正式決定された。
《ミズノ印》シリーズ
• 「赤の奇跡」：トマトソース
• 「陽の粒」：スイートコーン保存瓶
• 「青空瓶詰」：枝豆＆ナスのオイル漬け
王都や地方の富裕層向けに“プレミア農産物”として出荷される予定となり、
農場騎士団は名実ともに、“貴族の道楽”から“国家規模の産業”へと一歩踏み出した。