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第三部・第24話 「砂漠の国から来た少年――陽介と“再生の火”」
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🏜 ミズノ農場・北門前
砂塵混じりの風が、ミズノ農場の大地を撫でた。
農場の北門に、一行の異国風のキャラバンが現れる。
先頭に立っていたのは、浅黒い肌に琥珀色の瞳を持つ少年だった。
「はじめまして。私はバザル連邦より参りました。リーファと申します。魔導技術局所属――ですが、まだ15歳です」
彼は一礼し、背負った魔導器入りのケースを大事そうに撫でた。
「この国の油芋燃料……我々にとって、“火を取り戻す鍵”になるかもしれません」
________________________________________
☀ リーファの過去と願い
その日の夕方、応接室でリーファは自らの来歴を語った。
「……私の村は、油田がありました。古くは“砂漠の黄金”と呼ばれた油が支えていたのです。
でも、ある年、精製炉の事故で炎が暴走し、村は炎に包まれました」
陽介も紬も、言葉を失った。
「火を制御できなかった我々は、火を禁忌としました。燃料も魔力依存。だが、代償は大きく――」
彼は懐から、焦げた古文書を取り出した。
「我々は、“再び火を使える未来”を模索してきました。油芋は、再び“火を安全に使う”術だと信じています」
________________________________________
🔥 安全燃焼技術の伝達
紬は即座に動いた。
「リーファ君、今までに“燃焼実験”はしたの?」
「いえ、文献で知っただけで、現物は初めて見ます」
「よし。うちのラボで“実験設備”を見せる。安全バルブ、冷却ライン、温度制御装置……全部教える。炎を友にするには、まず“炎を恐れすぎない”ことが大事だから」
リーファの瞳が、ほんの少し潤んだ。
「……ありがとう。あなたたちは、炎に手を差し伸べてくれるんですね」
________________________________________
🌱 畑にて、陽介とリーファの会話
その夜、ふたりはミズノ農場の油芋畑を歩いていた。
「火は、奪うものでもある。でも与えるものでもある」
「……ええ。火は“責任”なんですね」
「それを持てるように、君が来たんだよ。自国に戻ったら、君がリーダーになる。俺は“火のバトン”を渡すだけだ」
「……受け取ります、陽介さん」
少年はまっすぐに、炎ではなく“人の言葉”を信じる目をしていた。
________________________________________
📜 協定の締結
数日後、バザル連邦との間に技術支援協定が締結された。
• 油芋の栽培指導と燃焼技術支援
• 安全精製設備の無償提供(初期モデル)
• 魔導機器との併用実験プロジェクトの共同実施
レオネルは苦笑まじりに言った。
「まるで“火の外交官”だな、ヨウスケ。次はどの国の火をともすんだ?」
陽介は静かに答えた。
「火だけじゃない。“命をつなぐ燃料”だからこそ、きちんと育てて、届けたい」
砂塵混じりの風が、ミズノ農場の大地を撫でた。
農場の北門に、一行の異国風のキャラバンが現れる。
先頭に立っていたのは、浅黒い肌に琥珀色の瞳を持つ少年だった。
「はじめまして。私はバザル連邦より参りました。リーファと申します。魔導技術局所属――ですが、まだ15歳です」
彼は一礼し、背負った魔導器入りのケースを大事そうに撫でた。
「この国の油芋燃料……我々にとって、“火を取り戻す鍵”になるかもしれません」
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でも、ある年、精製炉の事故で炎が暴走し、村は炎に包まれました」
陽介も紬も、言葉を失った。
「火を制御できなかった我々は、火を禁忌としました。燃料も魔力依存。だが、代償は大きく――」
彼は懐から、焦げた古文書を取り出した。
「我々は、“再び火を使える未来”を模索してきました。油芋は、再び“火を安全に使う”術だと信じています」
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🔥 安全燃焼技術の伝達
紬は即座に動いた。
「リーファ君、今までに“燃焼実験”はしたの?」
「いえ、文献で知っただけで、現物は初めて見ます」
「よし。うちのラボで“実験設備”を見せる。安全バルブ、冷却ライン、温度制御装置……全部教える。炎を友にするには、まず“炎を恐れすぎない”ことが大事だから」
リーファの瞳が、ほんの少し潤んだ。
「……ありがとう。あなたたちは、炎に手を差し伸べてくれるんですね」
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🌱 畑にて、陽介とリーファの会話
その夜、ふたりはミズノ農場の油芋畑を歩いていた。
「火は、奪うものでもある。でも与えるものでもある」
「……ええ。火は“責任”なんですね」
「それを持てるように、君が来たんだよ。自国に戻ったら、君がリーダーになる。俺は“火のバトン”を渡すだけだ」
「……受け取ります、陽介さん」
少年はまっすぐに、炎ではなく“人の言葉”を信じる目をしていた。
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📜 協定の締結
数日後、バザル連邦との間に技術支援協定が締結された。
• 油芋の栽培指導と燃焼技術支援
• 安全精製設備の無償提供(初期モデル)
• 魔導機器との併用実験プロジェクトの共同実施
レオネルは苦笑まじりに言った。
「まるで“火の外交官”だな、ヨウスケ。次はどの国の火をともすんだ?」
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