最強賢者の最強メイド~主人もメイドもこの世界に敵がいないようです~

津ヶ谷

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第99話 王都出発

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 あらから、あっという間に一週間が経過した。
今日はミア姫がオリエンスへ行く当日である。

「また、しばらく屋敷を開けることになってすまんな」
「いえ、屋敷は我々にお任せを」

 セザール、ディルク、アルマ、そしてシャルに屋敷の管理を任せ、樹とアリアは表に止まっている馬車へと向かった。
馬車の側面にはオリエンス王国の王家の家紋が、先導する馬には綾瀬家の家紋が描かれていた。

「樹さんの家の家紋ってカッコイイですよね」

 ミアが描かれた家紋を見て呟いた。

「まあ、陛下からもらっただけだけどな」

 綾瀬家の家紋は桜をモチーフにしたものだ。
元日本人の樹としてはこの家紋は凄く気に入っている。

「さて、出発しようか」
「「はい」」

 ミア、アリア、樹の順に馬車へと乗りこむ。
セザールたち使用人に見送られ、馬車は動き出した。

「今回は少し、長旅になりそうだな」
「そうね」
「はい」

 ここからオリエンス王国までは丸5日はかかるであろう。
何事もないことを祈るばかりである。

「にしても暇だよな」

 御者はミアの使用人がやってくれるため、樹はただ馬車に乗っているだけなのだ。

「じゃあ、あなたの今までやってきた冒険の話を聞かせなさいよ」

 ミアが言った。

「そう言われてもな、あんまり話せるようなことやってないぞ。人身売買組織のボスを掃除したり、ドラゴン倒したり、魔人族倒したりしたくらいか」
「はぁ、聞いた私がバカだったわ」

 ミアがため息交じりに言った。

「あ、大迷宮の攻略とかもやって来たな」
「その話聞きたい!!」

 ミアが目を輝かせた。

「迷宮ってのはマナが濃いから人間は戦闘しにくいんだ。それに、深く潜れば潜るほど魔獣も凶暴化する。結構、最深部まで行くのは苦労するぜ」
「私も行ってみたい」
「いや、駄目だろ」

 樹は真顔で言った。

「何でよ! ケチ!」

 ミアは頬を膨らませた。

「仮にも隣国の姫さんを迷宮に連れていって怪我でもさせてもみろ。うちの責任問題になりかねん」
「でも、樹の後ろにいたら魔法からも物理攻撃からも守ってくれるでしょ」
「そりゃそうだが、万が一ってことがあるだろう」

 そんなことを話しているうちに王都を出発して数時間が経過していた。

「アリアさんはどうして樹と組むようになったの?」
「それは、自分より強い男の人に初めて出会いまして。この人なら付いて行ってもいいと思えたんですよ」

 アリアは微笑みを浮かべながら言った。

「へぇ、確かにアリアさんも相当な腕よね。それでもこの男の方が強いのね」

 ミアは樹を横目で見た。

「ええ、多分、本気を出されたら三分持たせるのがやっとでしょう」
「え、あれ、本気じゃないの?」
「そうですね半分ってところですかね。あの方の腹の中は底が知れませんからね」

 アリアは優しく微笑んだ。
 
 そして、やがて日は傾いてくるのであった。
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