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第十四話 暗黒の帳
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「ふはははは!!どうした悪魔人間!!この程度か?」
声高らかに笑って煽るグラシャラボラス。自分が飛び出した穴を眺めていると、そこからぬぅっとグローブを嵌めた手が出てきた。
「ったく!無茶して!!」
崩れた石畳から現れたのはもちろんリョウ。頭の口も怒り心頭である。地上に出て登ってきた穴を覗き込む。
「……そうだな……おかげで俺の仕事が減ったようだ……」
対してウロボロスの悪魔崇拝者たちは地下で崩れた瓦礫に埋もれて死傷者を出していた。
「……おいお前ら、勝手に死ぬんじゃねぇぞ!聞きたいことがあるんだからな!」
地下にリョウの声が反響する。信者たちは唸るばかりで返事を返す事は出来ないが、生きている事だけは分かる。あまり時間をかけると死にそうだ。頭上を見上げるとグラシャラボラスがこちらを見ている。
「……制限時間付きの討伐か……面倒なこったな……」
「なんで?ゲーム感覚で面白そうじゃん」
「……聞く分にはな……」
実際戦うのはリョウである事を思えば頭の悪魔は気楽なものだ。中々動かないリョウに痺れを切らしたグラシャラボラスは翼を羽ばたかせてゆっくりと下に降りてくる。
「どうした悪魔人間?……ああ、飛ぶ事が出来ぬのか。惨めなものよなぁ、地を這うネズミというのは」
「……ざけんな。制空権を持っている奴が偉いってのか?お前なんぞ俺の敵じゃねぇよ……」
目を外さない様に穴から離れる。足場が不安定だと動きづらい。相手にはいろいろ言うが、正直制空権があればこんなことを考える必要などない。
「ふっ……今に分かる」
グラシャラボラスは鼻で笑うと、その大きな羽を目いっぱい広げてバサッと一つ羽ばたく。その瞬間多くの羽根が亜音速の速度を持って射出される。まばらに発射された羽根は絨毯爆撃のように頭上に降り注いだ。安全圏からの遠距離攻撃。制空権を持つものの基本中の基本。
しかしその攻撃は地下で予習済みだ。余裕をもって避けられない程の弾幕に代わっただけである。リョウはコートを翻し動き出した。この弾幕から逃げる為、本気で踏ん張るとバコッとリョウの足場が抉れる。
「遅いな。それでは避けられ……」
ズガンッ
全ての羽根が同じタイミングで地面をたたく。地面が抉れ、リョウのコートも穴だらけになった。だが肝心のリョウの姿がない。グラシャラボラスの目が少し見開く。
「ほう、やるな……」
思ったより速い。人間がこれだけの範囲、これだけの速度の攻撃を避けられるとは思えない。何かカラクリがあると察する。考察するグラシャラボラスの背後を取ったリョウは、コートを脱いだ身軽な姿で大砲から打ち出された砲弾のごとく殴り掛かった。
「しかし!!」
ドンッ
突如上昇したグラシャラボラスの勢いに負けて吹き飛ばされる。
「くっ……!」
空中で体勢を立て直して難なく着地に成功するも、背後を取ったのに攻撃を与えられなかったことは大分悔しい。かなり高い空中で停止すると豆粒ほどのリョウをその光る眼で見下ろす。
「余を前に下手なトリックを使うとは生意気な人間よな。そんな汝に教えてやろう、余の二つ名の訳を」
上顎と下顎を結ぶ布を両手で抱えるように取る。ガパァッと口を開けるとその口に黒い靄が姿を現した。
「包め!暗黒の帳!」
口から放たれた黒い靄は信じられない速度を持って辺り一帯を包み込む。破損したビルも天を衝く高い時計塔も一瞬の内に包み込まれた。
「なになになに?何なのこれ?」
夜の闇より暗く、視界ゼロと言えるほどに全く見えない。まるで空気穴すら無い箱の中に入れられたような暗さだ。頭の口も何も見えなくなって困惑している。
『余の空間に閉じ込めた。もはや汝は袋のネズミよ』
音が反響してどこに居るのか全く分からない。と、突如リョウは虚空に殴り掛かった。
「は?何してんの?」
その変な行動に頭の口は呆れ気味だ。リョウは何も見えずひたすらキョロキョロしている。
『ふはははっ見えまい!そして分かるまい!余がどこに居るのか』
その声が聞こえて少しすると、今度は鋭い後ろ回し蹴りを放った。当然空振り。
「ちょっとマジで大丈夫?」
その問いにようやくリョウが答える。
「……あいつの声が反響して耳元で囁かれたように感じた……不味いな……音で判別も無理だ」
目も見えない耳も駄目ならもう鼻しかない。
「……チッ……ここでお前が頼りになるとは……」
「あ、ふーん。そゆこと?あんた一人じゃどうしようもないって事ね?」
ふっふーんと得意気になっている。これは日頃の鬱憤を晴らすチャンスだとニヤつき始めた時、敏感な鼻は感じ取った。
「あっ!後ろ!!」
一も二もなく条件反射で教えてしまった。リョウはバッと後ろを振り返る。しかし、見えないし音も駄目なら攻撃のしようがない。あてずっぽうになるがとにかく思い切って攻撃を仕掛ける。
ブォンッ
外した。その時。
ズバシュッ
体中が切り刻まれる。何とか切断まではいかなかったが深い切り傷でさらにお気に入りのインナーがボロボロに引き裂かれた。
「がっ……!!」
『くふははははっ!!』
また高らかに笑う。その笑い声が反響して鬱陶しい。敵を知覚する事が出来ないというのはどこまでも面倒な事だ。
”黒翼の暗殺者”の異名は、暗黒を武器に変えて一方的に殺すところから来ているようだ。視覚と聴覚を頼りにしている生き物にとってこれほど厄介な敵はいない。頭の口が感覚器官として持っている異常な嗅覚を自分が使えない限り攻撃は当たらないだろう。即ちリョウでは勝ち目がない。(最早これまでか……)と感じた正にその時。
「手を貸しましょうか?」
女の声が耳元で聴こえた。グラシャラボラスの声ではないことに気付いて後ろを振り返る。そこにいたのは体から光を放ち、暗闇を払いのける女たち。アークの面々だ。暗闇の中で光るこの技は。
「……無限光か……」
それは生命の樹になぞられて名がつけられたアークの誇る伝統の技。自らを輝かせることの出来る無限光はこの暗闇の大敵。
「初めましてトゥーマウス。貴方に直に会いたいと思っていました。ようやく夢が叶った思いです」
隊長格と思わしき美女が話しかけてくるが、今はそれどころではない。
『んん……何者だ?』
またも新しい者たちが間に入ってきた。それも日光や電灯、火すら飲み込む暗闇をわずかながら払い、その姿を現している。経験則に無い存在に警戒を強める。スッと隊長格らしき女がこちらを見たのを察知した。
(馬鹿な……見えているのか?)
女は薄っすら笑ってその姿勢のままリョウに話しかける。
「本当ならあなたも一緒に倒さなきゃダメなんですけどね。当面はあれを倒す事が我らアークの使命。どうでしょうか?敵の敵は味方って事で手を組みませんか?」
それに答えたのは頭の口だ。若干嬉しそうに応える。
「ナイスな提案ね!乗らない手はないわ!ほら、あんたじゃ勝てないし」
その通りだ。どうせこのままでは勝てなかったし、渡りに船とはこの事だろう。
「……良いだろう……だがこれだけは言っとくぞ?アークの女ども……」
切り刻まれた痛ましい体をグッと伸ばして見せつけるように立つ。
「……こうなりたくなけりゃ前に出るな。お前らは俺の支援に回れ……相手はソロモンの悪魔だ。暗闇が払えるからと言って勝てるなんて思うな。お前らがどうなろうが知ったこっちゃねぇが、ヤバいと思ったら迷わず逃げろ……以上だ」
一瞬何を言われているのか分からず全隊員がきょとんとする。リョウは真面目な顔で隊長の女の観ている方に顔を向ける。
「……どこにいる?」
「あそこ」
スッと指を差すが、やはり見えない。
『弱きものほどすぐに群れるものよな。まぁしかしこうでもないと面白くない。遊女共も来た事だし血と肉の狂宴を始めようぞ』
相変わらず声が反響して耳障りなことこの上ない。その時、右隣から肩をトントンと叩かれる。
「……何だ……?」
「ね、こいつ倒したら一杯飲みにでも行かない?」
この場に似つかわしくない提案。頭の口は食い気味に応えた。
「お酒を!?飲みたいわ!リョウ!!さっさと滅ぼしちゃいましょ!!」
口からペロペロと舌を出して酒の味を思い描いている。リョウは虚空を睨みながら口をへの字に曲げる。
「……お前ら馬鹿か?……ったく……もし万が一にもお前が生き残れたら考えてやるよ……」
声高らかに笑って煽るグラシャラボラス。自分が飛び出した穴を眺めていると、そこからぬぅっとグローブを嵌めた手が出てきた。
「ったく!無茶して!!」
崩れた石畳から現れたのはもちろんリョウ。頭の口も怒り心頭である。地上に出て登ってきた穴を覗き込む。
「……そうだな……おかげで俺の仕事が減ったようだ……」
対してウロボロスの悪魔崇拝者たちは地下で崩れた瓦礫に埋もれて死傷者を出していた。
「……おいお前ら、勝手に死ぬんじゃねぇぞ!聞きたいことがあるんだからな!」
地下にリョウの声が反響する。信者たちは唸るばかりで返事を返す事は出来ないが、生きている事だけは分かる。あまり時間をかけると死にそうだ。頭上を見上げるとグラシャラボラスがこちらを見ている。
「……制限時間付きの討伐か……面倒なこったな……」
「なんで?ゲーム感覚で面白そうじゃん」
「……聞く分にはな……」
実際戦うのはリョウである事を思えば頭の悪魔は気楽なものだ。中々動かないリョウに痺れを切らしたグラシャラボラスは翼を羽ばたかせてゆっくりと下に降りてくる。
「どうした悪魔人間?……ああ、飛ぶ事が出来ぬのか。惨めなものよなぁ、地を這うネズミというのは」
「……ざけんな。制空権を持っている奴が偉いってのか?お前なんぞ俺の敵じゃねぇよ……」
目を外さない様に穴から離れる。足場が不安定だと動きづらい。相手にはいろいろ言うが、正直制空権があればこんなことを考える必要などない。
「ふっ……今に分かる」
グラシャラボラスは鼻で笑うと、その大きな羽を目いっぱい広げてバサッと一つ羽ばたく。その瞬間多くの羽根が亜音速の速度を持って射出される。まばらに発射された羽根は絨毯爆撃のように頭上に降り注いだ。安全圏からの遠距離攻撃。制空権を持つものの基本中の基本。
しかしその攻撃は地下で予習済みだ。余裕をもって避けられない程の弾幕に代わっただけである。リョウはコートを翻し動き出した。この弾幕から逃げる為、本気で踏ん張るとバコッとリョウの足場が抉れる。
「遅いな。それでは避けられ……」
ズガンッ
全ての羽根が同じタイミングで地面をたたく。地面が抉れ、リョウのコートも穴だらけになった。だが肝心のリョウの姿がない。グラシャラボラスの目が少し見開く。
「ほう、やるな……」
思ったより速い。人間がこれだけの範囲、これだけの速度の攻撃を避けられるとは思えない。何かカラクリがあると察する。考察するグラシャラボラスの背後を取ったリョウは、コートを脱いだ身軽な姿で大砲から打ち出された砲弾のごとく殴り掛かった。
「しかし!!」
ドンッ
突如上昇したグラシャラボラスの勢いに負けて吹き飛ばされる。
「くっ……!」
空中で体勢を立て直して難なく着地に成功するも、背後を取ったのに攻撃を与えられなかったことは大分悔しい。かなり高い空中で停止すると豆粒ほどのリョウをその光る眼で見下ろす。
「余を前に下手なトリックを使うとは生意気な人間よな。そんな汝に教えてやろう、余の二つ名の訳を」
上顎と下顎を結ぶ布を両手で抱えるように取る。ガパァッと口を開けるとその口に黒い靄が姿を現した。
「包め!暗黒の帳!」
口から放たれた黒い靄は信じられない速度を持って辺り一帯を包み込む。破損したビルも天を衝く高い時計塔も一瞬の内に包み込まれた。
「なになになに?何なのこれ?」
夜の闇より暗く、視界ゼロと言えるほどに全く見えない。まるで空気穴すら無い箱の中に入れられたような暗さだ。頭の口も何も見えなくなって困惑している。
『余の空間に閉じ込めた。もはや汝は袋のネズミよ』
音が反響してどこに居るのか全く分からない。と、突如リョウは虚空に殴り掛かった。
「は?何してんの?」
その変な行動に頭の口は呆れ気味だ。リョウは何も見えずひたすらキョロキョロしている。
『ふはははっ見えまい!そして分かるまい!余がどこに居るのか』
その声が聞こえて少しすると、今度は鋭い後ろ回し蹴りを放った。当然空振り。
「ちょっとマジで大丈夫?」
その問いにようやくリョウが答える。
「……あいつの声が反響して耳元で囁かれたように感じた……不味いな……音で判別も無理だ」
目も見えない耳も駄目ならもう鼻しかない。
「……チッ……ここでお前が頼りになるとは……」
「あ、ふーん。そゆこと?あんた一人じゃどうしようもないって事ね?」
ふっふーんと得意気になっている。これは日頃の鬱憤を晴らすチャンスだとニヤつき始めた時、敏感な鼻は感じ取った。
「あっ!後ろ!!」
一も二もなく条件反射で教えてしまった。リョウはバッと後ろを振り返る。しかし、見えないし音も駄目なら攻撃のしようがない。あてずっぽうになるがとにかく思い切って攻撃を仕掛ける。
ブォンッ
外した。その時。
ズバシュッ
体中が切り刻まれる。何とか切断まではいかなかったが深い切り傷でさらにお気に入りのインナーがボロボロに引き裂かれた。
「がっ……!!」
『くふははははっ!!』
また高らかに笑う。その笑い声が反響して鬱陶しい。敵を知覚する事が出来ないというのはどこまでも面倒な事だ。
”黒翼の暗殺者”の異名は、暗黒を武器に変えて一方的に殺すところから来ているようだ。視覚と聴覚を頼りにしている生き物にとってこれほど厄介な敵はいない。頭の口が感覚器官として持っている異常な嗅覚を自分が使えない限り攻撃は当たらないだろう。即ちリョウでは勝ち目がない。(最早これまでか……)と感じた正にその時。
「手を貸しましょうか?」
女の声が耳元で聴こえた。グラシャラボラスの声ではないことに気付いて後ろを振り返る。そこにいたのは体から光を放ち、暗闇を払いのける女たち。アークの面々だ。暗闇の中で光るこの技は。
「……無限光か……」
それは生命の樹になぞられて名がつけられたアークの誇る伝統の技。自らを輝かせることの出来る無限光はこの暗闇の大敵。
「初めましてトゥーマウス。貴方に直に会いたいと思っていました。ようやく夢が叶った思いです」
隊長格と思わしき美女が話しかけてくるが、今はそれどころではない。
『んん……何者だ?』
またも新しい者たちが間に入ってきた。それも日光や電灯、火すら飲み込む暗闇をわずかながら払い、その姿を現している。経験則に無い存在に警戒を強める。スッと隊長格らしき女がこちらを見たのを察知した。
(馬鹿な……見えているのか?)
女は薄っすら笑ってその姿勢のままリョウに話しかける。
「本当ならあなたも一緒に倒さなきゃダメなんですけどね。当面はあれを倒す事が我らアークの使命。どうでしょうか?敵の敵は味方って事で手を組みませんか?」
それに答えたのは頭の口だ。若干嬉しそうに応える。
「ナイスな提案ね!乗らない手はないわ!ほら、あんたじゃ勝てないし」
その通りだ。どうせこのままでは勝てなかったし、渡りに船とはこの事だろう。
「……良いだろう……だがこれだけは言っとくぞ?アークの女ども……」
切り刻まれた痛ましい体をグッと伸ばして見せつけるように立つ。
「……こうなりたくなけりゃ前に出るな。お前らは俺の支援に回れ……相手はソロモンの悪魔だ。暗闇が払えるからと言って勝てるなんて思うな。お前らがどうなろうが知ったこっちゃねぇが、ヤバいと思ったら迷わず逃げろ……以上だ」
一瞬何を言われているのか分からず全隊員がきょとんとする。リョウは真面目な顔で隊長の女の観ている方に顔を向ける。
「……どこにいる?」
「あそこ」
スッと指を差すが、やはり見えない。
『弱きものほどすぐに群れるものよな。まぁしかしこうでもないと面白くない。遊女共も来た事だし血と肉の狂宴を始めようぞ』
相変わらず声が反響して耳障りなことこの上ない。その時、右隣から肩をトントンと叩かれる。
「……何だ……?」
「ね、こいつ倒したら一杯飲みにでも行かない?」
この場に似つかわしくない提案。頭の口は食い気味に応えた。
「お酒を!?飲みたいわ!リョウ!!さっさと滅ぼしちゃいましょ!!」
口からペロペロと舌を出して酒の味を思い描いている。リョウは虚空を睨みながら口をへの字に曲げる。
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