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第六十七話 謝罪
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一限目が終わり、休み時間に入った時、春田は自ら木島の席にやって来た。
そこには虎田を抜いた木島の2人の取り巻きがいた。
完全にアウェーの中、まず口を開いたのは木島だった。
「……何の用?」
取り巻きの2人には何故こんなにピリピリしているか分からなかった。
「いや……朝の事、謝りたくてな……」
春田は自分の首筋を撫でながらバツが悪そうにしている。木島は腕を組んで尊大に春田を見る。
「あっそ、それで?」
春田の謝罪を待ち受ける木島。自分には悪い事などこれっぽっちもないような態度だ。嫌な奴だし、謝りに来た側からすればムッとしてしまうような態度だ。大体、木島が始めた事なのに、なんで春田が謝るのかと無性に腹も立つ。そんな気持ちをぐっとこらえて、「ここだけだ」という気持ちで謝る。
「……ごめん木島さん。俺が悪かったよ……」
出来る限り申し訳なさを演出する。悪いのはこちらだと言わんばかりに……。
というのもこれには理由がある。これ以上の厄介ごとを減らす事。この一点に尽きる。
木島は様子を窺うように春田を注視している。しばらく2人の沈黙が続いた後、取り巻きの1人が沈黙に耐えられず、騒ぎ出す。
「……え?なになに?何があったの?」
雰囲気をぶち壊す友達。
木島は自分から言わないと終わらない事に気付き、頭を振って気持ちを振り払う。
「分かった分かった。もういいわよ」
「じゃあ……これで終わりだな?」
「もういいって言ってんじゃん。あっち行ってよ」
春田は木島の癇癪をしばらく見た後、踵を返して席に戻る。
春田が離れたのを確認して、3人でコソコソ話し合う。
「なんであいつと喧嘩みたいなことになってんの?つか謝りに来るってなんなん?」
「……ちょっと言い合いになっちゃってさ。あいつが謝りに来たからこれでお終い」
「えー?教えてくんないんだ……」
木島は席から立ち上がって、「トイレ」といって席を離れる。
残された2人も何が何やらといった感じだが、木島が帰ってくるまで携帯をいじる。
当の木島はトイレに行く道中でもブツブツ文句を言っている。
「……なによあいつ……なによあいつ!」
トイレの個室にこもると、様式の便座の上に座り、顔を隠す。
木島自身から突っかかっていったのは、自他共に認める逃げようのない事実だ。
春田に突っかかり、喧嘩をすることによって、傷心した自分の元にいつもの様に虎田が慰めに来る。春田と自分ではそりが合わないとし、「みゆきも、もうあいつに関わらないで」と春田から離れるように促す。そこで虎田の口から、事の発端や、春田が虎田にした恥ずべき行いを聞き出し、今後一切近寄らないようにする流れが……。
だから今回も同じだと思っていた。
今まで自分の性格の悪さが災いして、その都度、敵を作ってきたが、どちらも謝る事がなく、結局、仲直りもすることなく、たくさんの人と対立してきた。
虎田だけが唯一の理解者として側にいてくれたのだ。虎田が突っ張ってた自分を変えてくれた。
元から陽キャ気質だった木島が周りに認められるようになるのはそう苦労するほどでもなかった。
周りの友達も、そうした中で木島を認め、ついてきてくれた数少ない存在だった。だからこそ、仲間を守るという大義名分で色々な事を行動できる。
だが、いつもの手が使えないとなれば、作戦を変える必要がある。
「なんで謝ってくんのよ!ムカつくムカつく!」
地団駄を踏んで悔しさを表す。
大体、虎田がやって来ることが前提なのだ。
春田はいつものように何食わぬ顔で一人でいればいいのに、なんで他人に迷惑をかけるのか。
腹が立っても思い付くことはない。
ともかく、「一度、冷静になって考えることか必要だ」と心に言い聞かせる。
次の授業もあるので表情筋を揉みほぐす。
通常状態の顔を作ってトイレから出た。
そこには虎田を抜いた木島の2人の取り巻きがいた。
完全にアウェーの中、まず口を開いたのは木島だった。
「……何の用?」
取り巻きの2人には何故こんなにピリピリしているか分からなかった。
「いや……朝の事、謝りたくてな……」
春田は自分の首筋を撫でながらバツが悪そうにしている。木島は腕を組んで尊大に春田を見る。
「あっそ、それで?」
春田の謝罪を待ち受ける木島。自分には悪い事などこれっぽっちもないような態度だ。嫌な奴だし、謝りに来た側からすればムッとしてしまうような態度だ。大体、木島が始めた事なのに、なんで春田が謝るのかと無性に腹も立つ。そんな気持ちをぐっとこらえて、「ここだけだ」という気持ちで謝る。
「……ごめん木島さん。俺が悪かったよ……」
出来る限り申し訳なさを演出する。悪いのはこちらだと言わんばかりに……。
というのもこれには理由がある。これ以上の厄介ごとを減らす事。この一点に尽きる。
木島は様子を窺うように春田を注視している。しばらく2人の沈黙が続いた後、取り巻きの1人が沈黙に耐えられず、騒ぎ出す。
「……え?なになに?何があったの?」
雰囲気をぶち壊す友達。
木島は自分から言わないと終わらない事に気付き、頭を振って気持ちを振り払う。
「分かった分かった。もういいわよ」
「じゃあ……これで終わりだな?」
「もういいって言ってんじゃん。あっち行ってよ」
春田は木島の癇癪をしばらく見た後、踵を返して席に戻る。
春田が離れたのを確認して、3人でコソコソ話し合う。
「なんであいつと喧嘩みたいなことになってんの?つか謝りに来るってなんなん?」
「……ちょっと言い合いになっちゃってさ。あいつが謝りに来たからこれでお終い」
「えー?教えてくんないんだ……」
木島は席から立ち上がって、「トイレ」といって席を離れる。
残された2人も何が何やらといった感じだが、木島が帰ってくるまで携帯をいじる。
当の木島はトイレに行く道中でもブツブツ文句を言っている。
「……なによあいつ……なによあいつ!」
トイレの個室にこもると、様式の便座の上に座り、顔を隠す。
木島自身から突っかかっていったのは、自他共に認める逃げようのない事実だ。
春田に突っかかり、喧嘩をすることによって、傷心した自分の元にいつもの様に虎田が慰めに来る。春田と自分ではそりが合わないとし、「みゆきも、もうあいつに関わらないで」と春田から離れるように促す。そこで虎田の口から、事の発端や、春田が虎田にした恥ずべき行いを聞き出し、今後一切近寄らないようにする流れが……。
だから今回も同じだと思っていた。
今まで自分の性格の悪さが災いして、その都度、敵を作ってきたが、どちらも謝る事がなく、結局、仲直りもすることなく、たくさんの人と対立してきた。
虎田だけが唯一の理解者として側にいてくれたのだ。虎田が突っ張ってた自分を変えてくれた。
元から陽キャ気質だった木島が周りに認められるようになるのはそう苦労するほどでもなかった。
周りの友達も、そうした中で木島を認め、ついてきてくれた数少ない存在だった。だからこそ、仲間を守るという大義名分で色々な事を行動できる。
だが、いつもの手が使えないとなれば、作戦を変える必要がある。
「なんで謝ってくんのよ!ムカつくムカつく!」
地団駄を踏んで悔しさを表す。
大体、虎田がやって来ることが前提なのだ。
春田はいつものように何食わぬ顔で一人でいればいいのに、なんで他人に迷惑をかけるのか。
腹が立っても思い付くことはない。
ともかく、「一度、冷静になって考えることか必要だ」と心に言い聞かせる。
次の授業もあるので表情筋を揉みほぐす。
通常状態の顔を作ってトイレから出た。
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