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第八十話 危機
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春田たちは夕飯もそこそこに、マンションから出た。
「どっちだ?」
マンションの入り口から出て、すぐさま東の方角を見る三人。
「あっちです!」
「あの寂れた寺か!」
小高い山の長い階段の先、廃れた寺が存在する。マレフィアの話では、神を祀ったり神事を行う場所、または神聖とされている場所は別世界につながる出入り口となっているという。気配の方角は十中八九そこで間違いない。
「迂闊だった……次元転移は他の奴らも使えるのかよ……」
「うちの知る限りではそんな事なかったんだけどなぁ……というか人類側が勝った元の世界を捨ててまでこっちの世界に来る事なんて考えられないし、一体何しに来たのか……」
その疑問はヤシャが拳と掌を合わせた時のバンッというけたたましい音に遮られた。
「おおよそ見当はつく。聖也を殺しに来たんだろう」
久々に暴れられそうな予感を感じて、その顔に不敵な笑みが零れる。
「早計ではないでしょうか?そんな血気盛んでは作らなくていい敵まで作ることになりかねませんよ?」
ポイ子は多角的に物事をとらえる傾向にあるが、それはヤシャのせっかくのやる気を阻害することになる。ヤシャはジトッとした目でポイ子を見た後、視線を戻す。
「相手が誰であれ、マレフィアが掌握できていないのは不味い。今すぐ捕まえてふん縛ろう。その後で話を聞くってのでどうだ?」
春田の答えでまとまった。ポイ子を先頭に走り出す。このフォーメーションはポイ子が真っ先に攻撃を受ける形になるがそれこそが狙いだ。物理無効を保有するポイ子は魔法でない限りダメージを受けない。
続けてヤシャ。ポイ子で攻撃を受け流し、ヤシャが思いっきり殴る。
3番目にマレフィアだ。ヤシャの攻撃で怯ませて、ヤシャとポイ子の防御役2人に守られながら、魔法を放つ。大勢いれば縦断爆撃も辞さない。
最後は春田だ。まったく何もできないので、前の3人に守られながら情報収集だ。ヤシャの言う通り十中八九、春田が狙いである事は間違いない。となればその春田の気配はどこにいようと探られる。隠れる事は実質無駄なので、ついて行くしか生き延びる方法はない。
春田を狙うのが確実なら、迎撃という形の方が好都合というのもある。
この3人の話を統合すると、多数の生命体がやって来たようだ。少なくとも3人。戦える人数を思えばちょうど良いが、最少でも3人だ。万が一5、6人来ていたら防御が間に合わず、春田の命にも届く可能性がある。
内心ドキドキしながらも3人の後についていく。
まだ修復を終えていない道路とガードレールが見えた。ヤシャが掘り返したままの状態で放置されている。立ち入り禁止の看板が追加で立っている位しか変化がない。長い階段の先の鳥居。さらにその先に廃寺が鎮座する。しかし、その鳥居の前に3人の人影が見えた。きっと元の世界と異世界とを比べて驚愕しているのだろう。
この場所は元の世界の出入り口。そこに立っていたのは1人を除いて目を疑う人物だった。
想定内の1人は下からでもわかる長い耳とボンキュボンを絵に描いたシルエット、日に焼けた健康的な肌が特徴で、マレフィアに引けを取らない長い銀髪の髪。ダークエルフとくれば最近話題にしたナルルしか考えられない。
ナルルを抜いた残りの2人が曲者だ。
当時14歳だった剣の天才。最強の名を欲しいままにする無敵の剣士。魔王を退治した唯一の存在、勇者。
異世界とこの世界の時間軸が同じであれば17年という時が流れているので今は31歳であると思うが、当時と変わらない見た目のままそこにいた。
眩い金髪。肩甲骨まで伸ばした髪をポニーテールに結い、まだ幼さの残る顔立ちだがクールビューティーと言える雰囲気を醸し出している。碧眼で鼻が高い見た目は欧州の外人を思わせる。身長は160cm丁度くらい、そんなに背は高くないものの、足が長く顔が小さいので頭身が高いモデル体型。さぞモテるであろうその存在は当時と同じく煌びやかな鎧を着込み、剣も帯刀している所から戦闘に備えている。
そしてその勇者の供回り、田舎村の村長のおてんば娘。勇者がどこに行くにもついて行っていた幼馴染という立ち位置の女性だったと記憶している。
赤毛の美少女は当時の雰囲気を残しつつ大人になった。ぺったんこだった体付きは女性らしいシルエットを作り、キッとした眉毛も弧を描くように柔らかくなり、余裕のある女性へと進化していた。彼女は長袖のゆったりとしたワンピースを着込んで下はズボンを履いているのか、肌をあまり露出していない。おてんば時代は腰まで伸ばした髪を結う事もなくズボラな感じだったが、今は腰まで伸ばした髪をそのままに毛先を切りそろえて三つ編みに結っている。長さは変わらないのに清潔感すら漂う。
4人の間に緊張が走った。見たことがあるというだけでなく、最悪の敵。
「嘘だろ……こんなところまでやって来んのかよ……!」
魔王を死に追いやった神器こそ持っていないものの、単体でも強い2人は十分脅威だ。まずポイ子では勝てない。ヤシャは力押しで割となんとかなるだろうが、精神系の魔法は抵抗が弱いのでそこを攻められれば弱い。
マレフィアは腕力に持ち込まれなければどうとでもなる。春田は……生涯で最大のピンチと取れる出来事に春田はただただ見ている事しか出来ない。
鳥居の前で立っている3人は下で困惑している4人の気配を感じ取り、階段下を見る。その反応は顕著だった。上にいる3人も明らかに動揺し始めたからだ。
彼の四天王がフォーメーションを組んでいるのが何より驚いただろう。仲間意識も薄く、単独行動しがちな四天王の内3人が徒党を組んでいる。圧倒的な力を持つ連中と転移早々接敵しているのだから動揺に関して無理もない。敵を1人ずつ探すことを思えば楽ではあるが、急すぎる出会いだ。そして、動揺する理由として、肝心要のターゲットが見当たらないことが一番困惑させた。
「……ん?魔王はどこだ?」
気配は感じるが、どこにも見当たらない。目を瞑れば、気配だけはそこに魔王を含めた4人がいる。だが目を開けてちゃんと視認した時、やせっぽっちの男と、オーガ、帽子を被った女と銀髪の女しかいない。
二人を残してナルルは先に階段を降りる。その降り方は優雅でお姫様のような様相を呈している。ダークエルフの里のお姫様だし無理もないことだが、今のピリッとした空気には似つかわしくない。あと5mというところで足を止めてカーテシーでお辞儀をする。
「お久しぶりじゃ、お三方。わらわを覚えいるかのぅ?」
その貴族のようでありメイドのようでもあるナルルは、その口から出なさそうな年寄り言葉を使い挨拶をする。
「うん。久しぶり~ナルちゃん。どうやって来たの?」
「どうやってじゃと?お前が逢魔におらんからヒューマンに頼ったんじゃ」
ヒューマン側にも次元転移に精通した奴がいたということ。来ようと思えば、案外誰でも来られるようだ。
「……まぁそれはいい。何をしに来たんだ?あんな奴らを連れて……」
ヤシャは怒り心頭でナルルを睨みつける。
「オーガの頭首か。お前とはあの頃あまり絡まなかったな。あいつらはわらわに付いて来ただけの単なる旅行者じゃ。安心せい」
「あれほどガチガチに装備した彼らを前に安心?ナルル様は冗談が下手ですね」
ポイ子も口を挟む。マンション前でヤシャが言っていたことが真実味を帯びたことに焦りを覚えたポイ子は我慢できなかったようだ。
ふふふっと含み笑いをするナルル。
「おい。いつまで待たせる」
そこにいつの間にか近寄った勇者が訝しい顔でナルルの二段後に立っている。そのすぐ後ろに赤毛。流石に最強と言われた実力者。その動きは目で捉えられなかった。
「おい。お前たちが四天王だな?魔王はどこにいる?」
当時より少し高い声で上からビシッと言う。
「もう、アーちゃんダメよ。あまり戦闘経験がないんだから私の後ろにいなさい」
「子供扱いしないで!」
二人は昔とは逆の立場でわちゃわちゃやっている。それ自体も違和感だったが、春田は自分を除いたここにいる全員が元の世界の言語で喋っていたのでちょっと理解が遅れていた。ようやく理解できるまで記憶が蘇ってきた時、マレフィアがヤシャとポイ子の頭にねじ込んだ言語や常識のおかげで普通に喋れていた楽さを実感する。やはりマレフィアは偉大だったと感心した。
「なるほど魔王の復活を感じてやって来たわけか……」
誰にも聞こえないくらい小さな独り言でポツリと自分に言い聞かせるように吐き出すが、それに気づいたナルルが春田を見据える。
「ところで……その男は何者かのぅ?」
「あ、俺?俺はただの通りすがりだから気にしないで……」
と、マンション前でヤシャが言っていたことが確信に変わったところで命を守るため春田はとぼける事にした。しかしヤシャが春田の目の前に瞬時に手を出したところで状況は変わる。その手に握られていたのは黒刃のナイフが3本。
アサシンの技を習得していたナルルは瞬時にナイフを投げたのだ。
「聖也!逃げろ!!」
ヤシャは吠える。ナイフを投げ捨て戦闘態勢を取る。その言動を皮切りに戦闘が始まった。
「……なるほど。その男が魔王というわけじゃな?」
「どっちだ?」
マンションの入り口から出て、すぐさま東の方角を見る三人。
「あっちです!」
「あの寂れた寺か!」
小高い山の長い階段の先、廃れた寺が存在する。マレフィアの話では、神を祀ったり神事を行う場所、または神聖とされている場所は別世界につながる出入り口となっているという。気配の方角は十中八九そこで間違いない。
「迂闊だった……次元転移は他の奴らも使えるのかよ……」
「うちの知る限りではそんな事なかったんだけどなぁ……というか人類側が勝った元の世界を捨ててまでこっちの世界に来る事なんて考えられないし、一体何しに来たのか……」
その疑問はヤシャが拳と掌を合わせた時のバンッというけたたましい音に遮られた。
「おおよそ見当はつく。聖也を殺しに来たんだろう」
久々に暴れられそうな予感を感じて、その顔に不敵な笑みが零れる。
「早計ではないでしょうか?そんな血気盛んでは作らなくていい敵まで作ることになりかねませんよ?」
ポイ子は多角的に物事をとらえる傾向にあるが、それはヤシャのせっかくのやる気を阻害することになる。ヤシャはジトッとした目でポイ子を見た後、視線を戻す。
「相手が誰であれ、マレフィアが掌握できていないのは不味い。今すぐ捕まえてふん縛ろう。その後で話を聞くってのでどうだ?」
春田の答えでまとまった。ポイ子を先頭に走り出す。このフォーメーションはポイ子が真っ先に攻撃を受ける形になるがそれこそが狙いだ。物理無効を保有するポイ子は魔法でない限りダメージを受けない。
続けてヤシャ。ポイ子で攻撃を受け流し、ヤシャが思いっきり殴る。
3番目にマレフィアだ。ヤシャの攻撃で怯ませて、ヤシャとポイ子の防御役2人に守られながら、魔法を放つ。大勢いれば縦断爆撃も辞さない。
最後は春田だ。まったく何もできないので、前の3人に守られながら情報収集だ。ヤシャの言う通り十中八九、春田が狙いである事は間違いない。となればその春田の気配はどこにいようと探られる。隠れる事は実質無駄なので、ついて行くしか生き延びる方法はない。
春田を狙うのが確実なら、迎撃という形の方が好都合というのもある。
この3人の話を統合すると、多数の生命体がやって来たようだ。少なくとも3人。戦える人数を思えばちょうど良いが、最少でも3人だ。万が一5、6人来ていたら防御が間に合わず、春田の命にも届く可能性がある。
内心ドキドキしながらも3人の後についていく。
まだ修復を終えていない道路とガードレールが見えた。ヤシャが掘り返したままの状態で放置されている。立ち入り禁止の看板が追加で立っている位しか変化がない。長い階段の先の鳥居。さらにその先に廃寺が鎮座する。しかし、その鳥居の前に3人の人影が見えた。きっと元の世界と異世界とを比べて驚愕しているのだろう。
この場所は元の世界の出入り口。そこに立っていたのは1人を除いて目を疑う人物だった。
想定内の1人は下からでもわかる長い耳とボンキュボンを絵に描いたシルエット、日に焼けた健康的な肌が特徴で、マレフィアに引けを取らない長い銀髪の髪。ダークエルフとくれば最近話題にしたナルルしか考えられない。
ナルルを抜いた残りの2人が曲者だ。
当時14歳だった剣の天才。最強の名を欲しいままにする無敵の剣士。魔王を退治した唯一の存在、勇者。
異世界とこの世界の時間軸が同じであれば17年という時が流れているので今は31歳であると思うが、当時と変わらない見た目のままそこにいた。
眩い金髪。肩甲骨まで伸ばした髪をポニーテールに結い、まだ幼さの残る顔立ちだがクールビューティーと言える雰囲気を醸し出している。碧眼で鼻が高い見た目は欧州の外人を思わせる。身長は160cm丁度くらい、そんなに背は高くないものの、足が長く顔が小さいので頭身が高いモデル体型。さぞモテるであろうその存在は当時と同じく煌びやかな鎧を着込み、剣も帯刀している所から戦闘に備えている。
そしてその勇者の供回り、田舎村の村長のおてんば娘。勇者がどこに行くにもついて行っていた幼馴染という立ち位置の女性だったと記憶している。
赤毛の美少女は当時の雰囲気を残しつつ大人になった。ぺったんこだった体付きは女性らしいシルエットを作り、キッとした眉毛も弧を描くように柔らかくなり、余裕のある女性へと進化していた。彼女は長袖のゆったりとしたワンピースを着込んで下はズボンを履いているのか、肌をあまり露出していない。おてんば時代は腰まで伸ばした髪を結う事もなくズボラな感じだったが、今は腰まで伸ばした髪をそのままに毛先を切りそろえて三つ編みに結っている。長さは変わらないのに清潔感すら漂う。
4人の間に緊張が走った。見たことがあるというだけでなく、最悪の敵。
「嘘だろ……こんなところまでやって来んのかよ……!」
魔王を死に追いやった神器こそ持っていないものの、単体でも強い2人は十分脅威だ。まずポイ子では勝てない。ヤシャは力押しで割となんとかなるだろうが、精神系の魔法は抵抗が弱いのでそこを攻められれば弱い。
マレフィアは腕力に持ち込まれなければどうとでもなる。春田は……生涯で最大のピンチと取れる出来事に春田はただただ見ている事しか出来ない。
鳥居の前で立っている3人は下で困惑している4人の気配を感じ取り、階段下を見る。その反応は顕著だった。上にいる3人も明らかに動揺し始めたからだ。
彼の四天王がフォーメーションを組んでいるのが何より驚いただろう。仲間意識も薄く、単独行動しがちな四天王の内3人が徒党を組んでいる。圧倒的な力を持つ連中と転移早々接敵しているのだから動揺に関して無理もない。敵を1人ずつ探すことを思えば楽ではあるが、急すぎる出会いだ。そして、動揺する理由として、肝心要のターゲットが見当たらないことが一番困惑させた。
「……ん?魔王はどこだ?」
気配は感じるが、どこにも見当たらない。目を瞑れば、気配だけはそこに魔王を含めた4人がいる。だが目を開けてちゃんと視認した時、やせっぽっちの男と、オーガ、帽子を被った女と銀髪の女しかいない。
二人を残してナルルは先に階段を降りる。その降り方は優雅でお姫様のような様相を呈している。ダークエルフの里のお姫様だし無理もないことだが、今のピリッとした空気には似つかわしくない。あと5mというところで足を止めてカーテシーでお辞儀をする。
「お久しぶりじゃ、お三方。わらわを覚えいるかのぅ?」
その貴族のようでありメイドのようでもあるナルルは、その口から出なさそうな年寄り言葉を使い挨拶をする。
「うん。久しぶり~ナルちゃん。どうやって来たの?」
「どうやってじゃと?お前が逢魔におらんからヒューマンに頼ったんじゃ」
ヒューマン側にも次元転移に精通した奴がいたということ。来ようと思えば、案外誰でも来られるようだ。
「……まぁそれはいい。何をしに来たんだ?あんな奴らを連れて……」
ヤシャは怒り心頭でナルルを睨みつける。
「オーガの頭首か。お前とはあの頃あまり絡まなかったな。あいつらはわらわに付いて来ただけの単なる旅行者じゃ。安心せい」
「あれほどガチガチに装備した彼らを前に安心?ナルル様は冗談が下手ですね」
ポイ子も口を挟む。マンション前でヤシャが言っていたことが真実味を帯びたことに焦りを覚えたポイ子は我慢できなかったようだ。
ふふふっと含み笑いをするナルル。
「おい。いつまで待たせる」
そこにいつの間にか近寄った勇者が訝しい顔でナルルの二段後に立っている。そのすぐ後ろに赤毛。流石に最強と言われた実力者。その動きは目で捉えられなかった。
「おい。お前たちが四天王だな?魔王はどこにいる?」
当時より少し高い声で上からビシッと言う。
「もう、アーちゃんダメよ。あまり戦闘経験がないんだから私の後ろにいなさい」
「子供扱いしないで!」
二人は昔とは逆の立場でわちゃわちゃやっている。それ自体も違和感だったが、春田は自分を除いたここにいる全員が元の世界の言語で喋っていたのでちょっと理解が遅れていた。ようやく理解できるまで記憶が蘇ってきた時、マレフィアがヤシャとポイ子の頭にねじ込んだ言語や常識のおかげで普通に喋れていた楽さを実感する。やはりマレフィアは偉大だったと感心した。
「なるほど魔王の復活を感じてやって来たわけか……」
誰にも聞こえないくらい小さな独り言でポツリと自分に言い聞かせるように吐き出すが、それに気づいたナルルが春田を見据える。
「ところで……その男は何者かのぅ?」
「あ、俺?俺はただの通りすがりだから気にしないで……」
と、マンション前でヤシャが言っていたことが確信に変わったところで命を守るため春田はとぼける事にした。しかしヤシャが春田の目の前に瞬時に手を出したところで状況は変わる。その手に握られていたのは黒刃のナイフが3本。
アサシンの技を習得していたナルルは瞬時にナイフを投げたのだ。
「聖也!逃げろ!!」
ヤシャは吠える。ナイフを投げ捨て戦闘態勢を取る。その言動を皮切りに戦闘が始まった。
「……なるほど。その男が魔王というわけじゃな?」
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