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第九十九話 監視
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『ポイ子ン。そっちはどう~?』
「駅前からここまで以上なしです。聖也様を狙う影も今のところございません」
ポイ子は目立たない様に暗くトーンを落とした色合いの「PS」キャップを深く被り、伊達メガネとマスクをつけ、グレーのパーカーにホットパンツを合わせた、いつもと違う格好で春田のすぐ近くに付かず離れず警護に当たっていた。無断で来ているので、バレないようにも一生懸命だ。
『ポイ子よ、もう少し右に視線をずらせ。あれは誰ぞ?ベタベタしよって…』
視覚の共有化。マレフィアがポイ子にかけた魔法である。ポイ子の視界を完全に共有し、春田への脅威を注視している。駅前で春田たちに絡んでいたチャラ男の時を思えば平和そのものである。ナルルがちょっと嫉妬するくらいのものだ。
『!……動くぞ』
「分かってます」
お昼を食べ終わった後も駄弁っていた8人のグループは次の場所へ向けてトレーとゴミを片付け始める。その様子をポイ子の視界越しに見るマンション待機組から驚きの声が響いていた。
「……なんであんな奴に女が群がるわけ?あの金髪なんてもろに腕回してたし……」
「なんでだと?そんなこと聞かなくても分かるだろう?聖也はカリスマ性があるんだ」
それを聞いて頭を振るアリシア。
「どこが……あんな奴その辺にいくらでもいるじゃない……」
とは言ってみたが力の無くなった今の魔王がその力を誇示することなくあれだけの人を…それも女性を侍らせている所を見ると、あながちカリスマ性はあるのかもしれない。それか単純にこの世界の女が趣味が悪いのか。
「聖ちゃんモッテモテね。皆さん的には複雑な心境なんじゃない?」
ニーナが周りを見渡すが不服な顔などない。むしろ納得した表情だ。ヤシャは腕を組んで唸る。
「いや、流石というべきか……。あいつ口では色々不遇だと言っていたが、いざこうして見てみると楽しそうにしているじゃないか」
ナルルは口に手を当てて、笑みをこぼす。
「本当に……罪作りなヒト……」
やはり仕えるべき主だと喜びながらも、自分もその被害者だと少し困り顔で憂う。人質の皮を被り、魔王に近付いて暗殺を企てた日々を思い出したからだ。
あの頃は殺す事だけを思って何度も刃を向けたものだが、ある時それが不毛だと気付く。魔王が単純に強すぎた。
その上、魔王は彼女の暗殺の手口を、趣向を凝らした余興程度に楽しんでいたのだ。終いには彼女を四天王として大々的に発表し、顔見せこそしなかったがナルルの名を内外に知らしめた。
暗殺をすること事態が馬鹿馬鹿しくなったナルルは「もう暗殺してあげない!」と不貞腐れてしまい、それ以降は魔王のメイドとして働くことになる。
常に側にいて世話をする内に段々と気に入り、魔王に忠誠を誓い始める。そんな頃に突如離れ離れとなった。
魔王の死後、ようやく人質から解放されたはずの心に影を落とし、最近までふせっていた。魔王復活の虫の知らせがあったから自身も復活できたが、それがなかったら今も里に引きこもっていただろう。
「聖也のカリスマは魔性の物じゃ。ただの人間では抗うことなど出来まいて……」
それを聞いて鼻で笑うアリシア。
「はんっ!結局それじゃない。魅了の力を使って女をダシに力を誇示してるわけだ。卑怯な奴」
四天王三人の目がギラリと光る。その空気を察したニーナはアリシアを窘める。
「アーちゃん……そんな喧嘩売らないの。この世界に二度と来れなくなるのは嫌でしょ?」
「は?別にそんな事……」
握り締めたゲームのコントローラー、積まれたカセット、散乱するスナック菓子、注がれたジュースに目が行く。
「……あるけど……でも卑怯じゃん……」
その考えだけは譲らない。
「それはどうかな~。アリーちゃんはさ~、自分が強いと思ってる~?」
マレフィアはのんびり質問する。
「……あたしが強いのは当然じゃん」
「それはなんで~?」
「勿論、鍛えて鍛えて鍛え抜いたからよ!」
アリシアは腕を組んで誇らしげにしている。
「と言う事は鍛えれば~誰しもアリーちゃんレベルで強くなれるの~?」
「そりゃ鍛えれば誰だって強くなれるでしょ。あたしのは並大抵じゃないから追いつかれるはずないけどね」
アリシアは筋肉信者だ。鍛錬し、鍛錬し、鍛錬すればいつか頂に到達できると信じて止まない生粋の武人。その考えはヤシャに通ずるものがあるが、ヤシャは口を開く。
「確かに鍛錬を積めば誰だってそれなりに強くなる。だが誰しも打ち止めがあり、自分の限界にぶち当たる……。お前は私と武器を持たず、魔力を使わず、腕力だけで対抗できると思うか?」
「は?そんなの無理に決まってるじゃない。純粋な力勝負じゃ勝ち目なんてないでしょ」
「そんなの常識」としたり顔。総合能力で勝てないからと腕力だけを引き合いに出してきた腕力マウント。師匠が剣術指南の際にやってきたマウントに似ている。「お主も経験さえ積めば一流になれる」つまり生きてきた長さを、それまで培った技術を武器に精神的勝利を師匠は感じていた。その半年後に軽々追い抜いて師匠を黙らせたのも記憶に新しい。
今回に限ってはそれとは違う種族の差である。
「そもそも人間とオーガじゃ生まれながらに筋量に差があるんだから、まして四天王のあんたと力勝負なんて……」
「なら武器は使えないが魔力が使えるならどうだ?勝ち目は有るか?」
アリシアはきょとんとする。
「そりゃまぁ、腕力だけなら……」
「それを私が卑怯と罵ったらお前はどうする?」
「いやだから、さっきも言ったけど根本的に体のつくりが違うじゃない。力を制限するなんてそっちこそ卑怯……」
そこまで言ってハッとするアリシア。ヤシャは腕を組んでアリシアを見据える。
「答えが出たな……その通りだ。生まれながらに差があるなど当然だ。能力は使ってこそ意味がある。それを使うなというのは酷ではないか?」
「で……でもでも、元魔王の力を使うなんてやっぱり卑怯でしょ。だって今は人間なんだもん」
それを聞いてナルルが鼻で笑う。
「ふっ……高みから何でも言えるもんじゃなぁ……勇者の血統で才覚と能力に恵まれた人間が卑怯とは片腹痛い」
アリシアはジロッと睨む。
「……喧嘩売ってんの?」
「うん?事実を言うただけじゃ」
アリシアの眉が吊り上がる。コントローラーをそっと置くと足の屈伸運動だけでスッと立ち上がる。かなりの身体能力だ。怒りで攻撃するつもりだろう。
「アーちゃんいい加減にしなさい」
ニーナはとうとう叱った。その声にピタッと止まる。
「でも、母さん……」
「ダメよ。言い負かされたからって暴力に訴えちゃ」
「ちょっ……あたしは負けたわけじゃ……!」
そこまで言って押し黙る。フンッと不貞腐れてゲームを再開した。
そうして言い合っていた間に春田たちはモールの1階に移動し、何かのショーの為に設営された舞台に向かっていた。座れるように長椅子が用意されていて、子連れの家族がチラホラ見える。
春田はそこに4人で座った。木島姉妹と竹内の内訳。虎田と高橋、館川と篠崎の4人は離れて行った。
「なにかの見世物かしら?私もここ行きたかったな~」
「いずれ行きましょ~。うちが案内したげる~」
ニーナとマレフィアはウフフと笑い合う。
「ポイ子。もっと近寄れ。真後ろに陣取れ」
『了解しました』
気付かれない様に後ろに行こうとするが、春田が後ろを気にし始めた。
『……駄目です。これ以上近寄れません』
「くっ……聖也め。勘の良い奴だ」
視線に気づいたのかここに来て周りを気にし始める。ポイ子のデフォルト顔ではすぐに気づかれてしまう。マンション待機組でポイ子の顔を変えようと思案したが、マレフィアは周りを見てふと気づく。
「のぅ……子供が多いと思わんか?」
「駅前からここまで以上なしです。聖也様を狙う影も今のところございません」
ポイ子は目立たない様に暗くトーンを落とした色合いの「PS」キャップを深く被り、伊達メガネとマスクをつけ、グレーのパーカーにホットパンツを合わせた、いつもと違う格好で春田のすぐ近くに付かず離れず警護に当たっていた。無断で来ているので、バレないようにも一生懸命だ。
『ポイ子よ、もう少し右に視線をずらせ。あれは誰ぞ?ベタベタしよって…』
視覚の共有化。マレフィアがポイ子にかけた魔法である。ポイ子の視界を完全に共有し、春田への脅威を注視している。駅前で春田たちに絡んでいたチャラ男の時を思えば平和そのものである。ナルルがちょっと嫉妬するくらいのものだ。
『!……動くぞ』
「分かってます」
お昼を食べ終わった後も駄弁っていた8人のグループは次の場所へ向けてトレーとゴミを片付け始める。その様子をポイ子の視界越しに見るマンション待機組から驚きの声が響いていた。
「……なんであんな奴に女が群がるわけ?あの金髪なんてもろに腕回してたし……」
「なんでだと?そんなこと聞かなくても分かるだろう?聖也はカリスマ性があるんだ」
それを聞いて頭を振るアリシア。
「どこが……あんな奴その辺にいくらでもいるじゃない……」
とは言ってみたが力の無くなった今の魔王がその力を誇示することなくあれだけの人を…それも女性を侍らせている所を見ると、あながちカリスマ性はあるのかもしれない。それか単純にこの世界の女が趣味が悪いのか。
「聖ちゃんモッテモテね。皆さん的には複雑な心境なんじゃない?」
ニーナが周りを見渡すが不服な顔などない。むしろ納得した表情だ。ヤシャは腕を組んで唸る。
「いや、流石というべきか……。あいつ口では色々不遇だと言っていたが、いざこうして見てみると楽しそうにしているじゃないか」
ナルルは口に手を当てて、笑みをこぼす。
「本当に……罪作りなヒト……」
やはり仕えるべき主だと喜びながらも、自分もその被害者だと少し困り顔で憂う。人質の皮を被り、魔王に近付いて暗殺を企てた日々を思い出したからだ。
あの頃は殺す事だけを思って何度も刃を向けたものだが、ある時それが不毛だと気付く。魔王が単純に強すぎた。
その上、魔王は彼女の暗殺の手口を、趣向を凝らした余興程度に楽しんでいたのだ。終いには彼女を四天王として大々的に発表し、顔見せこそしなかったがナルルの名を内外に知らしめた。
暗殺をすること事態が馬鹿馬鹿しくなったナルルは「もう暗殺してあげない!」と不貞腐れてしまい、それ以降は魔王のメイドとして働くことになる。
常に側にいて世話をする内に段々と気に入り、魔王に忠誠を誓い始める。そんな頃に突如離れ離れとなった。
魔王の死後、ようやく人質から解放されたはずの心に影を落とし、最近までふせっていた。魔王復活の虫の知らせがあったから自身も復活できたが、それがなかったら今も里に引きこもっていただろう。
「聖也のカリスマは魔性の物じゃ。ただの人間では抗うことなど出来まいて……」
それを聞いて鼻で笑うアリシア。
「はんっ!結局それじゃない。魅了の力を使って女をダシに力を誇示してるわけだ。卑怯な奴」
四天王三人の目がギラリと光る。その空気を察したニーナはアリシアを窘める。
「アーちゃん……そんな喧嘩売らないの。この世界に二度と来れなくなるのは嫌でしょ?」
「は?別にそんな事……」
握り締めたゲームのコントローラー、積まれたカセット、散乱するスナック菓子、注がれたジュースに目が行く。
「……あるけど……でも卑怯じゃん……」
その考えだけは譲らない。
「それはどうかな~。アリーちゃんはさ~、自分が強いと思ってる~?」
マレフィアはのんびり質問する。
「……あたしが強いのは当然じゃん」
「それはなんで~?」
「勿論、鍛えて鍛えて鍛え抜いたからよ!」
アリシアは腕を組んで誇らしげにしている。
「と言う事は鍛えれば~誰しもアリーちゃんレベルで強くなれるの~?」
「そりゃ鍛えれば誰だって強くなれるでしょ。あたしのは並大抵じゃないから追いつかれるはずないけどね」
アリシアは筋肉信者だ。鍛錬し、鍛錬し、鍛錬すればいつか頂に到達できると信じて止まない生粋の武人。その考えはヤシャに通ずるものがあるが、ヤシャは口を開く。
「確かに鍛錬を積めば誰だってそれなりに強くなる。だが誰しも打ち止めがあり、自分の限界にぶち当たる……。お前は私と武器を持たず、魔力を使わず、腕力だけで対抗できると思うか?」
「は?そんなの無理に決まってるじゃない。純粋な力勝負じゃ勝ち目なんてないでしょ」
「そんなの常識」としたり顔。総合能力で勝てないからと腕力だけを引き合いに出してきた腕力マウント。師匠が剣術指南の際にやってきたマウントに似ている。「お主も経験さえ積めば一流になれる」つまり生きてきた長さを、それまで培った技術を武器に精神的勝利を師匠は感じていた。その半年後に軽々追い抜いて師匠を黙らせたのも記憶に新しい。
今回に限ってはそれとは違う種族の差である。
「そもそも人間とオーガじゃ生まれながらに筋量に差があるんだから、まして四天王のあんたと力勝負なんて……」
「なら武器は使えないが魔力が使えるならどうだ?勝ち目は有るか?」
アリシアはきょとんとする。
「そりゃまぁ、腕力だけなら……」
「それを私が卑怯と罵ったらお前はどうする?」
「いやだから、さっきも言ったけど根本的に体のつくりが違うじゃない。力を制限するなんてそっちこそ卑怯……」
そこまで言ってハッとするアリシア。ヤシャは腕を組んでアリシアを見据える。
「答えが出たな……その通りだ。生まれながらに差があるなど当然だ。能力は使ってこそ意味がある。それを使うなというのは酷ではないか?」
「で……でもでも、元魔王の力を使うなんてやっぱり卑怯でしょ。だって今は人間なんだもん」
それを聞いてナルルが鼻で笑う。
「ふっ……高みから何でも言えるもんじゃなぁ……勇者の血統で才覚と能力に恵まれた人間が卑怯とは片腹痛い」
アリシアはジロッと睨む。
「……喧嘩売ってんの?」
「うん?事実を言うただけじゃ」
アリシアの眉が吊り上がる。コントローラーをそっと置くと足の屈伸運動だけでスッと立ち上がる。かなりの身体能力だ。怒りで攻撃するつもりだろう。
「アーちゃんいい加減にしなさい」
ニーナはとうとう叱った。その声にピタッと止まる。
「でも、母さん……」
「ダメよ。言い負かされたからって暴力に訴えちゃ」
「ちょっ……あたしは負けたわけじゃ……!」
そこまで言って押し黙る。フンッと不貞腐れてゲームを再開した。
そうして言い合っていた間に春田たちはモールの1階に移動し、何かのショーの為に設営された舞台に向かっていた。座れるように長椅子が用意されていて、子連れの家族がチラホラ見える。
春田はそこに4人で座った。木島姉妹と竹内の内訳。虎田と高橋、館川と篠崎の4人は離れて行った。
「なにかの見世物かしら?私もここ行きたかったな~」
「いずれ行きましょ~。うちが案内したげる~」
ニーナとマレフィアはウフフと笑い合う。
「ポイ子。もっと近寄れ。真後ろに陣取れ」
『了解しました』
気付かれない様に後ろに行こうとするが、春田が後ろを気にし始めた。
『……駄目です。これ以上近寄れません』
「くっ……聖也め。勘の良い奴だ」
視線に気づいたのかここに来て周りを気にし始める。ポイ子のデフォルト顔ではすぐに気づかれてしまう。マンション待機組でポイ子の顔を変えようと思案したが、マレフィアは周りを見てふと気づく。
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