魔王復活!

大好き丸

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第九十八話 キッズセット

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「キュートキュート?」

なにそれは?と言わんばかりの顔で首を傾げる。

「お兄ちゃん知らないの?かこが教えたげる!」

木島の妹の加古は人見知りもせず春田に向かって一生懸命話す。

「中学一年生のキララちゃんとコノハちゃんとヒバナちゃんとナナミちゃんとジュエルちゃんが、光の星スターライトからやって来たムーから力をもらってキュートキュートに変身して、闇の星ダークネスからやって来たアクアクたちと戦うお話なんだよ!」

たくさんの事をテンションが高いせいか早口で捲し立てるように説明するので、キララちゃんとインパクトのあるジュエルちゃん。あとムーとアクアクくらいしか聞き取れなかった。が、この興奮の度合いからしてキュートキュートが好きなことは十分伝わった。

加古は自分の携帯を取り出し、ネットから画像を表示する。

「こっちがキュートキュートでこっちがアクアクだよ」

可愛らしい女の子たちが5人と多分ムーと呼ばれる生き物だろうマスコットが、個々でポーズをとり、アピールしている画像。それに対し悪の組織の幹部たちと思われる連中5人がカッコつけた画像をそれぞれ見せられる。

「へー……こんなんなんだ。真ん中のがキララちゃん?」

「そう!こっちがコノハちゃんでこっちがヒバナちゃん、これがナナミちゃんでこっちが……」

「「ジュエルちゃん」」

春田は加古が言いそうなタイミングに合わせてハモる様に発声する。思った通りのしたり顔で加古を見ていると、加古は嬉しそうにする。二人して「へへへ」と笑い合っていると、ハンバーガーセットを持って二人が戻ってきた。

「何二人して笑いあってんの?つかあんたさぁ、あんま妹に近寄らないでくれる?気持ち悪い」

「ちょっとみーちゃん言い過ぎ……」

木島と虎田が向かい側に座る。加古は興奮気味に木島に語り出す。

「お兄ちゃんはジュエルちゃんが好きなんだよ!珍しいよね!」

「ん?……加古ちゃん?」

加古はさっきのハモリに対して勘違いした様だ。

「あんた……マジ?」

木島は若干引いている。

「いや待て、こう言うのはだいたい誤解があるものだろ?ジュエルちゃんが好きなんてそれこそ誤解だよ……」

「でもジュエルちゃんだけハモったよ?……え?好きじゃないの……?」

加古は春田を悲しい顔で見ている。そんな目で見られたところで誤解は誤解だ。大変申し訳ないが空気を読まずに否定する。

「俺はキュートキュートの事なんて知らないし、今日初めて加古ちゃんから教えてもらったからよくわかんないって言うか……」

と言ったところで春田は加古の顔を見てあからさましょんぼりしているのを確認した。それを見て小さくため息をつくと優しく笑う。

「だから……えっと……ジュエルちゃんのことが好きだって?加古ちゃんが紹介してくれたメンバー全員が好きなんだよ。どの子も可愛くていいよね!」

それを聞いた時の加古の反応はいちじるしかった。

「あっ!そうだったの!?ごめんなさい。ジュエルちゃんだけが好きなのかと思って……」

「ううん。勘違いさせた俺が悪かったよね。こっちこそごめんね。じゃご飯食べようか」

加古は元気よく「うん!!」と大きく頷いた。木島はそれを見てチッと舌打ちをして加古に買ってきたフライドポテトとハンバーガーを渡す。

「春田くんやさしいね」

虎田は温かい目で春田を見ている。春田は「ははっ」と乾いた笑いをしながら虎田に一緒に買ってもらったハンバーガーセットをもらう。

加古は木島からキッズセットに付いていたオモチャを一緒に手渡される。外から見えない様に不透明な小袋に入れられていた。春田に向いて目の前で小袋を振ってみせる。「ん?」と不思議そうに見ていると「いいでしょー」と言った。

「これキュートキュートのおもちゃなんだよ?5人のおもちゃがランダムで1個入ってるから開けるまでわかんないんだ。かこはキララちゃんだけ持ってないの」

「加古ったらキララちゃんが出るまで諦めないのよねぇ」

木島は虎田に呆れ顔で伝える。

「ふーん。加古ちゃんはキララちゃんが好きなの?」

「うん!」

やはり戦隊モノのレッドのポジションは女の子の間でも人気であると言う事だろう。男の子だけの特権ではない。

「まぁ加古ちゃんらしいよ」

ポテトに手をつけながら軽く答える。そんな二人に目もくれず加古は袋を開ける。

「あぁ……ナナミちゃんだ……」

開けて出てきたのは青い髪の女の子。既に持っているキャラらしく見る間にガッカリしている。

「ダブったじゃん」

「うん……」

眉毛を八の字にして悲しんでいる。

「へぇ、これがセットのおもちゃか……」

物珍しそうに見る春田。悲しそうな顔を春田に向けて、何かに気づいた様におもちゃと春田を交互に見た。

「……お兄ちゃんにあげる」

「え?……いやぁ……」

ズイッと目の前に突き出される。(いらねぇ……)と思ったが、多分先ほどの会話から物欲しそうに見えたのかもしれない。「メンバー全員が好きなんだよ」と言った手前、いらないとは言えない。木島と虎田も春田の次の行動に期待している。

「……いいの?だって加古ちゃんのおもちゃだよ……?」

「同じの持ってるからいいの。あげる」

気は進まないものの「うん、ありがとう」と受け取る。この対応は春田の性格上、当然のことだと木島はハンバーガーの包み紙を開けていく。一連の流れを見て虎田もニコッと笑いながらハンバーガーを手に取る。だがすぐにその手がピタッと止まる。木島はその様子に気付き、虎田の顔を見た。

「どした?」

その目は加古の頭を超えた先の、エスカレーターの方に向いている。その視線の先を追うと木島も「あっ」と間の抜けた声を出した。ゾロゾロとフードコート目指してやってくる4人組が見える。見たことのある顔ぶればかりだったので声が出たのは無理もない。

春田は加古に構いながらも二人の異変に気づいたが、あえて気づいてないふりをする。ここで振り向けば虎田たちが固まった理由の元凶とバッチリ目があうことになるだろう。

それが単なる時間稼ぎだったとしても、ほんの少しでもエンカウントしたくなかった。

「センパーイ!!」

公共の場だと言うのに周りの迷惑も考えず大声で叫ぶ。この聞き覚えのある声は高橋の声だ。肩越しにチラリと見ると高橋が嬉しそうに小走りでこっちにきた。

「あれ~?なんでみらいもみゆきもいるの~?」

その言葉にドキッとする。高橋といえば竹内と一緒にいるのが春田の中の常識だった。顔こそ見ていないがこのおっとりした声は館川であることは想像に難くない。どういうことか思考を巡らせていると、

「なになに?これは一体どういう状況なわけ?」

聞き馴染みこそないが、木島グループで唯一絡んだことのない女性。確か篠崎ではないかと推測する。しかし、高橋とこの二人の接点がない。高橋が気付いて春田に近付いたことで、近くを歩いていた二人を巻き込んだ説が勝手に浮上する。

(くそ……高橋め……余計なことを……)

とそこまで考えた時、高橋の腕が首に回る。

「うわっ!ちょっ……!」

突然のことに思考が追いつかない。高橋は無遠慮に抱きついてきた。加古も突然のことに驚いた。

「え?え?なになに?」

その様子に困って固まってしまう。

「ンヘヘー。先輩……ってなんで女児が……?」

高橋は加古と目があうと、突然不信感のある目で春田を見る。その手に握られた女児向けのおもちゃは、高橋の想像を飛躍させる。

「まさか先輩……」

さっきの態度から一転、ガバッと立ち退いて「ロリコン!」とオーバーリアクションしてみせた。

「やめろ、ロリコンじゃない。この子は木島こいつの妹の加古ちゃんだ。怖がるからそういう態度は……」

高橋を窘めようと振り向いた時に竹内と目があった。「よっ」という挨拶が聞こえてきそうな感じで、右手を前に出して挨拶していた。

「……お前らこそどういう状況なんだよ……」

「それはウチのセリフだ。先に質問したウチたちに答えるのが筋だろ」

篠崎は聞き捨てならないと反応する。

「ひなちゃん補習は……」

「ん~?昼までだったからここのメンツで遊ぼうって話になったの~。そっちは~?」

木島は加古を指差しながら答える。

「妹の面倒」

「でしょうね。そっちは?」

さて困ったのは春田だ。ここで虎田に呼び出されたと言えば、何の為の呼び出しか虎田への追求が始まる。密会だったはずのこの状況の打開をするなら虎田の口から「さっき偶然駅前で出会って……」くらい言ってもらわないといけないだろう。

「今日は私が春田くんに用があったから呼び出したの」

その言葉に一同固まる。

「……え?みゆき?」

木島も予想外なこの答え。

(いいのか虎田?お前まさかここで全部ぶちまけるつもりか?)

心の中で戦々恐々とする春田。修羅場確定のこの場所で、味方になれるのは自分しかいないと腹を括る。

「お父さんの誕生日が近くてプレゼントを考えていたの。男の人の意見が欲しかったけど……ほら、知り合いとかいないし……丁度いいから春田くんに手伝ってもらうことにしたの」

「あ、ああ。そうなんだ。言ってくれればウチらも手伝ったのに……」

篠崎は納得こそしていないが、虎田の笑顔に圧を感じたので、そういうことにした。

(あら?俺の勘違いだったか。言ってくれればここまで考える必要もなかったのに……)

春田は内心ホッとしながらも、手汗を拭う。

「そっちもお昼?良かったらみんなで食べましょうよ」

虎田は「もういいや」の精神でみんなを誘う。「さんせ~い」と館川が離れた机をくっ付けて相席を作ると、全員カバンを置いてナックの販売カウンターに並びに行った。

春田はおもちゃをカバンに仕舞うと席を立ち、竹内に耳打ちする。

「竹内、悪い。ちょっとこの金でキッズセット一つ頼む」

「……なんで?」

「いいだろ別に。あ、おもちゃは不透明の袋だから中身が見れないんだけど、出来るだけ良さげなやつで頼む」

竹内は春田から視線を外すと春田の隣に座っていた加古に目をやる。

「……あの子の?」

「ああ、まぁな。一体足りないんだと。ランダムだからしょうがないけどな……なんか可哀想でよ」

色々言いたげな顔をするもお金を受け取る。

「……で?どの子が欲しいの?」

「いや、だからランダムだって……」

竹内はさっと右手を出して春田の言葉を遮る。

「……”盲牌”って知ってる?麻雀で牌の図柄を指の腹で視覚に頼ることなく識別するテクニックなんだけど……とにかくアタシに任せといて……」

つまり袋の上から触って識別しようというわけだ。それはいわゆるマナー違反というやつではないだろうか?春田はおもちゃの紹介欄を見て指を差す。

「このキララちゃんってキャラクターだ」

大体の形を見て確認し、手を動かしながら想像を膨らませる。そうして「うん」と一つ頷くと「……いける」と一言。

「ちょっと聞いていい?お前盲牌できるの?」

「……麻雀する?」

「いや、しないけど。それじゃよろしく」

春田はそれだけ言って席に戻っていった。戻った席で加古のキュートキュートに関する話を延々聞かされる中、しばらくすると3人が戻ってきた。

「あれ?竹内は?」

「竹さんならすぐ戻りますよ」

高橋は当然のように春田の隣に座る。館川と篠崎は虎田と木島側に座る。とくれば、竹内は高橋の隣だ。

「なんか~今日は多いね~」

「ま、基本4人だからね」

虎田がふと篠崎のエナメルバックを見る。

「あおちゃんは今日部活?」

「そ、つっっかれたぁ……みんな真面目すぎんだよね。大会近いからって詰めすぎ……」

肩を回しながら首をコキコキ鳴らす。

「あおいは才能あんのに基本面倒臭がりだよね」

木島は篠崎の性格に難ありと頬杖をつきながら呟く。

「ウチは体動かせればそれでいいから大会とかどうでも良いんだよね。部員には言わないけどさ」

篠崎は人より運動神経が良い。この運動神経が本気でスポーツに取り組む子に組み込まれれば必ず伸びるが、本人は運動不足解消の趣味程度でやっているので宝の持ち腐れと言える。

「でもあおちゃんレギュラー入りしてるんでしょ?みんなの期待に応えなきゃ……」

「あーそれそれ、そういうのがしんどい」

無茶苦茶迷惑そうな顔で嫌がる篠崎。

「よく漫画とか映画で熱い青春ものとか取り上げられたりするけど、ぶっちゃけ勘弁して欲しいってゆーか。学生全員がなんでもかんでもがむしゃらにやってるわけじゃないって気付いて欲しいのよね」

そんな枯れた本音を聞くと悲しい気持ちになる。虎田は苦笑いだし、木島は「あおいらしいわ……」と呆れ顔。館川に至っては高橋に構いたくてポテト片手に隣で「あ~ん」とかやっている。高橋も嫌がることなく受け入れるから見ているこっちが恥ずかしい。

「お前冷めてんな……」

誰も突っ込まないからこそ春田が口を出した。それを聞いた篠崎は椅子の背もたれにもたれかかって鼻で笑う。

「春田に言われたくないな」

その返答にぐぅの音も出ない。クラスメイトの中で一番冷めた目で世界を見ているであろう春田の言えるセリフではない。切り返しは篠崎の方が一枚上手だ。加古はそんな会話を傍から見てジュースをすする。

そんな会話の最中、竹内がトレーを二つ持って戻ってきた。

「ちょ……竹さんどんだけ食うんすか?」

高橋は半笑いでトレーの上を見る。竹内は「……うっさい」と高橋の座る椅子を蹴った。高橋は「あ、すいません」と腰が低くなり、椅子を引いて端の席に移動する。竹内は空いた春田の隣に席に着く。

「……ん」

春田に不透明の袋を手渡す。

「お、サンキュー」

それを受け取ると、すぐに加古に手渡す。それを不思議そうな顔で見ると手に取る。

「え?なになに?」

加古はキョロキョロ春田と木島の顔を行ったり来たりしている。

「加古ちゃんにナナミちゃんもらったでしょ?だから俺らからプレゼント」

と竹内と自分を指でさす。「いいの?」と嬉しそうに不透明の袋を開ける。

ピリッと開けると光に照らされてピンク色が見えた。その時の加古の反応は目に見えて違った。

「あっ!!」

加古が興奮気味に開けると中からキララが顔を出した。「ふわ~……」と感動のあまり面白い声をあげた後、しばらく眺める。

その後すぐに春田の顔を見る。

「お兄ちゃんありがとう!!」

「いやいや、俺もナナミちゃんをありがとう。竹内お姉ちゃんにもお礼をしてくれ」

それを聞いて竹内を見る。竹内もピースサインをして加古にアピールすると、

「竹内お姉ちゃんありがとう!!」

と元気よく感謝をした。木島が竹内を見て申し訳なさそうにしている。

「竹内さんありがとう。加古ったらこのキャラすごく欲しがってて……」

「……任して。こういうの得意だから……」

加古はこれからあるキュートキュートショーの前に興奮冷めやらぬ状況に幸せそうだ。

虎田はまるでドラマの1シーンのような光景と春田の優しさにキュンとした。主役のイケメン俳優に惚れる乙女のように胸が高鳴る。気を落ち着けるためにジュースに口をつけた。

それに気付いた木島は「ハッ」として春田を睨みつける。(調子乗んな!)と心で思ったが、加古にキララをあげたのは春田だ。虎田の反応は大袈裟だとしても妹の手前、否定することはできなかった。

「チッ……春田も……ありがと」

一応言っとくかと喧嘩腰にだが感謝を述べる。不器用な言葉だが悪い気はしなかった。
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