5 / 718
第一章 出会い
第四話 黒の円卓 後
しおりを挟む
「あ゛あ゛っ!!?」
ガンッと机を蹴り上げ、立ち上がる。
イラついたといった態度で”銀爪”は食って掛かる。何故ならここで折れればさっきまでの行動が無駄だし、何よりプライドが許さない。
このチンピラが魔王になれるきっかけなんてたった一つ、親の七光りだ。
前任の”銀爪”は人類の最大戦力である組織に殺されかけ、息も絶え絶えに領地に戻った。幹部、親族を集め、虫の息の中「息子が跡を継ぐのだ」と言い残し息絶えた。
この決定に猛反対した幹部ももちろんいたし、国を離れた権力者も少なくない。それもそのはず、現在の”銀爪”は上の者としての自覚が足りず、経験も足りない。彼の支持率は低迷するばかり。その上、人間との小競り合いが絶えない領地で指揮官でもあった前任の喪失は軍部でも計り知れず。一同皆、国の終わりを悲観していた。
しかしそこは魔王の血筋。
生まれながらに身体能力が高く、魔力量も基準値を大幅に超え自前の実力を見せた彼は人間の戦線に大打撃を与えた。初戦開幕で大金星を飾ったのだ。
あの時に現れた人類の組織はいなかったのでただ幸運だっただけ。指揮力に関しても当てにならなかったが、軍の印象はかなり好意的なものになった。
自国の民から呆れられながらも、かわいいバカくらいにもてはやされる様になる。
国は古株の家臣が政治を行うし、大きな決定に関しても間違っていればブレーキがかかる。逆に言えば特に何もなければ、自分の決定は何の阻害もなく通ると言う事。昔にも親の威光はあったが、帝王学やそれによる稽古など頭を悩ます束縛が多かったし親の顔色をうかがうという面倒くさいことをしていたのだ。
親父が死んでくれたおかげで何をしても許される。
その解放感は凄まじく、とにかくふんぞり返っていた。王という立場は恐怖を消し、余裕を持って行動ができると固く信じている。本当はその重圧や責任を感じなければいけないわけだが、そんなことは二の次、三の次だった。
今回、円卓という種族の今後をも左右する会議に遅れたのも、女遊びのせいである。彼は国民や家臣の想像以上に王の器がない。
今現在行っているこの無謀は、”銀爪”のたくさんの勘違いからきている。
このことから「俺は王だぞ!」という小さなプライドが声を荒げ机を蹴るに至った。
一触即発。
どちらかが動いたが最後、この場は乱戦になる。なにも知らずこの部屋に入ってもわかるほどに、空気が張り詰めていた。
だが誰も止めようとはしない。
なぜならこの後の結末はこの場にいる、”銀爪”達以外の誰もが予見しているからだ。
ぞわっ
今立った鳥肌がなぜ立ったのか、一瞬理解できなかった。ここに集まるほとんどの魔族が感じた事象。頂上であるはずの魔王達ですらこの心胆から冷え切る感覚を抑えられなかった。
ミーシャは怒っていた。”銀爪”の度重なる無礼。特に謝罪もなく円卓の場を穢し、目上を敬わず、前任の頂点まで行きついた苦労に唾を吐き、王の王たる意義、意志、権威に泥を塗る行為に。ミーシャは怒っていた。
圧倒的で絶大な殺意。
この殺意の前に足がすくみ、逃れる術を失う。
すでに一部の側近たちは自らの死を覚悟していた。
もし主が狙われても盾にすらならない。
立ち尽くして首を差し出すほかない。
ならば当の本人はどうだろうか?
”銀爪”に放たれた殺意は氷柱を心臓に突き立て氷の手でそのまま握るような、瞬時に鼓動を止めてしまいたくなるような、そんなイメージだった。
「……あっ…ぇあ…?」
声がうまく出ない。頭で考えがまとまらない。頭ではなく身体が死を覚悟していた。
「殺すぞ…」
言われて脳が追い付く
(…殺される!)
腰が抜けて椅子に座る。もはや声は出ない。
古株の家臣がここにいて操縦していればこうはいかなかった。
ならなかった。
手違いでも、こうなれば許してもらうために首を差し出したかもしれない。こんなチンピラのために、いや国のために。
ここにいるのは誰のためでもなく勝手に首を差し出した哀れな娼婦たちだけだ。ミーシャは真面目で、律儀で、頑なで、融通が利かない。後悔、先に立たず。誰もが次の第七魔王はうまくやれるように考える中。
パンッ
と手をたたく音が鳴る。
見ると”黒雲”が手をたたいていた。
その音につられ、場内の皆が”黒雲”に注目する。
「やめろ…何のための円卓か思い出せ…」
”黒雲”は黒子のように顔を隠し、滅多に顔を晒さない。しかし姿勢は堂に入ったもので、王の威厳を放つ。
ミーシャの殺気が嘘のように掻き消え、弛緩した空気が流れる。一部の家臣は息ができなかったようで息を大きく吸い込み、吸い込みすぎて咳き込んでいる。
「…失礼しました」
”蒼玉”の家臣だったらしく、家臣の粗相を詫びる。
ミーシャはフンッと鼻を鳴らし、つり上げた眉をそのままに、口をへの字に結び、腕を組んで視線を戻す。
「私はまだ怒っている」というアピールだ。許してないけど仕方なくという、子供のような態度をとる。それに和むのは”蒼玉”だけで他はビクビクしている。
「”銀爪”…円卓は初参加だったな…自国のことで手一杯となっているようだが…同族への尊敬を忘れるな…仲違いなど愚の骨頂…どんな形であれ…人間を絶滅させるまでは手を取り合うのだ…」
顔は見えないが、ミーシャは視線を感じていた。”黒雲”は”銀爪”をダシにミーシャに警告したのだ。このことから”銀爪”を歯牙にもかけていないのが良く分かる。
「あ…ああ…理解した、気を付ける」
意地でも謝罪しない小さなプライドが透けて見えるが、机に置いた足は床に戻し姿勢を正しているところから、多少は懲りたのも分かった。
「では、本題に入ろう…」
”黒雲”は執事に目配せをする。
「僭越ながら、ここからは私が進行役を勤めさせていただきます」
”黒雲”が誇る敏腕執事が主の真横に立ち、定時報告から始まる。
現在の魔族側の状況から、人類の組織の情報、特に戦力の強化面についてを議題としていた。
何事もなかったかのように、淡々と会議が進むなか、”銀爪”は段々と余裕を取り戻していた。
(王である筈の自分が、何故追い詰められねばならないのか?)
そう感じると先の恐怖も怒りに塗り固められていく。
まさにのど元過ぎれば…である。
ミーシャの横顔を恨めしく睨みつける。
自分が最も大事にしていた”王である誇り”を傷つけたのだ。
初円卓で頂点の連中を掌握し、さらに躍進をするはずの自分に唾を吐き、あまつさえ恥をかかせた。ビビらせるはずがビビらされた。”銀爪”にとってミーシャは人間以上に敵意を持つ邪魔者になった。
その視線をミーシャの後方から見ていたイミーナは心で笑う。
(いいじゃないあの子、利用できそうね)
その気持ちはほんの少し顔に表れる。微笑という形で。
ガンッと机を蹴り上げ、立ち上がる。
イラついたといった態度で”銀爪”は食って掛かる。何故ならここで折れればさっきまでの行動が無駄だし、何よりプライドが許さない。
このチンピラが魔王になれるきっかけなんてたった一つ、親の七光りだ。
前任の”銀爪”は人類の最大戦力である組織に殺されかけ、息も絶え絶えに領地に戻った。幹部、親族を集め、虫の息の中「息子が跡を継ぐのだ」と言い残し息絶えた。
この決定に猛反対した幹部ももちろんいたし、国を離れた権力者も少なくない。それもそのはず、現在の”銀爪”は上の者としての自覚が足りず、経験も足りない。彼の支持率は低迷するばかり。その上、人間との小競り合いが絶えない領地で指揮官でもあった前任の喪失は軍部でも計り知れず。一同皆、国の終わりを悲観していた。
しかしそこは魔王の血筋。
生まれながらに身体能力が高く、魔力量も基準値を大幅に超え自前の実力を見せた彼は人間の戦線に大打撃を与えた。初戦開幕で大金星を飾ったのだ。
あの時に現れた人類の組織はいなかったのでただ幸運だっただけ。指揮力に関しても当てにならなかったが、軍の印象はかなり好意的なものになった。
自国の民から呆れられながらも、かわいいバカくらいにもてはやされる様になる。
国は古株の家臣が政治を行うし、大きな決定に関しても間違っていればブレーキがかかる。逆に言えば特に何もなければ、自分の決定は何の阻害もなく通ると言う事。昔にも親の威光はあったが、帝王学やそれによる稽古など頭を悩ます束縛が多かったし親の顔色をうかがうという面倒くさいことをしていたのだ。
親父が死んでくれたおかげで何をしても許される。
その解放感は凄まじく、とにかくふんぞり返っていた。王という立場は恐怖を消し、余裕を持って行動ができると固く信じている。本当はその重圧や責任を感じなければいけないわけだが、そんなことは二の次、三の次だった。
今回、円卓という種族の今後をも左右する会議に遅れたのも、女遊びのせいである。彼は国民や家臣の想像以上に王の器がない。
今現在行っているこの無謀は、”銀爪”のたくさんの勘違いからきている。
このことから「俺は王だぞ!」という小さなプライドが声を荒げ机を蹴るに至った。
一触即発。
どちらかが動いたが最後、この場は乱戦になる。なにも知らずこの部屋に入ってもわかるほどに、空気が張り詰めていた。
だが誰も止めようとはしない。
なぜならこの後の結末はこの場にいる、”銀爪”達以外の誰もが予見しているからだ。
ぞわっ
今立った鳥肌がなぜ立ったのか、一瞬理解できなかった。ここに集まるほとんどの魔族が感じた事象。頂上であるはずの魔王達ですらこの心胆から冷え切る感覚を抑えられなかった。
ミーシャは怒っていた。”銀爪”の度重なる無礼。特に謝罪もなく円卓の場を穢し、目上を敬わず、前任の頂点まで行きついた苦労に唾を吐き、王の王たる意義、意志、権威に泥を塗る行為に。ミーシャは怒っていた。
圧倒的で絶大な殺意。
この殺意の前に足がすくみ、逃れる術を失う。
すでに一部の側近たちは自らの死を覚悟していた。
もし主が狙われても盾にすらならない。
立ち尽くして首を差し出すほかない。
ならば当の本人はどうだろうか?
”銀爪”に放たれた殺意は氷柱を心臓に突き立て氷の手でそのまま握るような、瞬時に鼓動を止めてしまいたくなるような、そんなイメージだった。
「……あっ…ぇあ…?」
声がうまく出ない。頭で考えがまとまらない。頭ではなく身体が死を覚悟していた。
「殺すぞ…」
言われて脳が追い付く
(…殺される!)
腰が抜けて椅子に座る。もはや声は出ない。
古株の家臣がここにいて操縦していればこうはいかなかった。
ならなかった。
手違いでも、こうなれば許してもらうために首を差し出したかもしれない。こんなチンピラのために、いや国のために。
ここにいるのは誰のためでもなく勝手に首を差し出した哀れな娼婦たちだけだ。ミーシャは真面目で、律儀で、頑なで、融通が利かない。後悔、先に立たず。誰もが次の第七魔王はうまくやれるように考える中。
パンッ
と手をたたく音が鳴る。
見ると”黒雲”が手をたたいていた。
その音につられ、場内の皆が”黒雲”に注目する。
「やめろ…何のための円卓か思い出せ…」
”黒雲”は黒子のように顔を隠し、滅多に顔を晒さない。しかし姿勢は堂に入ったもので、王の威厳を放つ。
ミーシャの殺気が嘘のように掻き消え、弛緩した空気が流れる。一部の家臣は息ができなかったようで息を大きく吸い込み、吸い込みすぎて咳き込んでいる。
「…失礼しました」
”蒼玉”の家臣だったらしく、家臣の粗相を詫びる。
ミーシャはフンッと鼻を鳴らし、つり上げた眉をそのままに、口をへの字に結び、腕を組んで視線を戻す。
「私はまだ怒っている」というアピールだ。許してないけど仕方なくという、子供のような態度をとる。それに和むのは”蒼玉”だけで他はビクビクしている。
「”銀爪”…円卓は初参加だったな…自国のことで手一杯となっているようだが…同族への尊敬を忘れるな…仲違いなど愚の骨頂…どんな形であれ…人間を絶滅させるまでは手を取り合うのだ…」
顔は見えないが、ミーシャは視線を感じていた。”黒雲”は”銀爪”をダシにミーシャに警告したのだ。このことから”銀爪”を歯牙にもかけていないのが良く分かる。
「あ…ああ…理解した、気を付ける」
意地でも謝罪しない小さなプライドが透けて見えるが、机に置いた足は床に戻し姿勢を正しているところから、多少は懲りたのも分かった。
「では、本題に入ろう…」
”黒雲”は執事に目配せをする。
「僭越ながら、ここからは私が進行役を勤めさせていただきます」
”黒雲”が誇る敏腕執事が主の真横に立ち、定時報告から始まる。
現在の魔族側の状況から、人類の組織の情報、特に戦力の強化面についてを議題としていた。
何事もなかったかのように、淡々と会議が進むなか、”銀爪”は段々と余裕を取り戻していた。
(王である筈の自分が、何故追い詰められねばならないのか?)
そう感じると先の恐怖も怒りに塗り固められていく。
まさにのど元過ぎれば…である。
ミーシャの横顔を恨めしく睨みつける。
自分が最も大事にしていた”王である誇り”を傷つけたのだ。
初円卓で頂点の連中を掌握し、さらに躍進をするはずの自分に唾を吐き、あまつさえ恥をかかせた。ビビらせるはずがビビらされた。”銀爪”にとってミーシャは人間以上に敵意を持つ邪魔者になった。
その視線をミーシャの後方から見ていたイミーナは心で笑う。
(いいじゃないあの子、利用できそうね)
その気持ちはほんの少し顔に表れる。微笑という形で。
0
あなたにおすすめの小説
異世界だろうがソロキャンだろう!? one more camp!
ちゃりネコ
ファンタジー
ソロキャン命。そして異世界で手に入れた能力は…Awazonで買い物!?
夢の大学でキャンパスライフを送るはずだった主人公、四万十 葦拿。
しかし、運悪く世界的感染症によって殆ど大学に通えず、彼女にまでフラれて鬱屈とした日々を過ごす毎日。
うまくいかないプライベートによって押し潰されそうになっていた彼を救ったのはキャンプだった。
次第にキャンプ沼へのめり込んでいった彼は、全国のキャンプ場を制覇する程のヘビーユーザーとなり、着実に経験を積み重ねていく。
そして、知らん内に異世界にすっ飛ばされたが、どっぷりハマっていたアウトドア経験を駆使して、なんだかんだ未知のフィールドを楽しむようになっていく。
遭難をソロキャンと言い張る男、四万十 葦拿の異世界キャンプ物語。
別に要らんけど異世界なんでスマホからネットショッピングする能力をゲット。
Awazonの商品は3億5371万品目以上もあるんだって!
すごいよね。
―――――――――
以前公開していた小説のセルフリメイクです。
アルファポリス様で掲載していたのは同名のリメイク前の作品となります。
基本的には同じですが、リメイクするにあたって展開をかなり変えているので御注意を。
1話2000~3000文字で毎日更新してます。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
掘鑿王(くっさくおう)~ボクしか知らない隠しダンジョンでSSRアイテムばかり掘り出し大金持ち~
テツみン
ファンタジー
『掘削士』エリオットは、ダンジョンの鉱脈から鉱石を掘り出すのが仕事。
しかし、非戦闘職の彼は冒険者仲間から不遇な扱いを受けていた。
ある日、ダンジョンに入ると天災級モンスター、イフリートに遭遇。エリオットは仲間が逃げ出すための囮(おとり)にされてしまう。
「生きて帰るんだ――妹が待つ家へ!」
彼は岩の割れ目につるはしを打ち込み、崩落を誘発させ――
目が覚めると未知の洞窟にいた。
貴重な鉱脈ばかりに興奮するエリオットだったが、特に不思議な形をしたクリスタルが気になり、それを掘り出す。
その中から現れたモノは……
「えっ? 女の子???」
これは、不遇な扱いを受けていた少年が大陸一の大富豪へと成り上がっていく――そんな物語である。
レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)
荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」
俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」
ハーデス 「では……」
俺 「だが断る!」
ハーデス 「むっ、今何と?」
俺 「断ると言ったんだ」
ハーデス 「なぜだ?」
俺 「……俺のレベルだ」
ハーデス 「……は?」
俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」
ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」
俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」
ハーデス 「……正気……なのか?」
俺 「もちろん」
異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。
たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!
異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。
久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。
事故は、予想外に起こる。
そして、異世界転移? 転生も。
気がつけば、見たことのない森。
「おーい」
と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。
その時どう行動するのか。
また、その先は……。
初期は、サバイバル。
その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。
有名になって、王都へ。
日本人の常識で突き進む。
そんな感じで、進みます。
ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。
異世界側では、少し非常識かもしれない。
面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。
俺たちYOEEEEEEE?のに異世界転移したっぽい?
くまの香
ファンタジー
いつもの朝、だったはずが突然地球を襲う謎の現象。27歳引きニートと27歳サラリーマンが貰ったスキル。これ、チートじゃないよね?頑張りたくないニートとどうでもいいサラリーマンが流されながら生きていく話。現実って厳しいね。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる