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第一章 出会い
第二十四話 食料調達
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黒曜騎士団団長から恵んでもらったお金を握り締め、ラルフは「アルパザの底」に移動する。
今現在、吸血鬼騒動により警戒態勢中であり、町民の避難が済んでしまっていたため、食べ物を買う事が出来ない。
「アルパザの底」の店主は食料の貯蓄をしていることを知っているので、この金で譲ってもらうことにした。
ただちょっとしたイザコザを抱えているので話を聞いてくれるのか不明だが、頼る当てもないので開き直って頼ることにした。
店に着くやいなや店主にどやされる。
「何て事しやがったんだ!お前は!!」
ラルフを見とめるとズカズカ詰めより、腕が折れていることそっちのけで胸ぐらにつかみかかる。
「いてててて!!何すんだよ!?おっさん!俺は怪我人だぞ!手加減してくれ!」
ラルフは店主から折れた腕を庇うよう身をよじり、離すように掴んだ腕にタップする。
「吸血鬼を復活させやがって!お前のせいで商売上がったりだよ!」
バッという音と共に、投げるように手を放す。
勢いが良すぎてラルフのバランスが崩れる。
「ドラキュラ城に入ったから吸血鬼の怒りを買ったんだ。お前なんざ食われりゃ良かったんだ!」
頭から蒸気が出そうなほど怒りで沸騰している。今朝は尊敬の眼差しさえあった店主も侮蔑と恨みの睨みつける目に変わっている。
「しょうがないだろう…俺の職業はトレジャーハンターだぜ?今回のだってギャンブルに当たった結果の副作用ってやつだ」
「お前…!言うに事欠いて…!!」
今回の件をよく知るからこそ、町の代表として怒っている。
そういう気持ちであろうことが見て取れたラルフは、頭っから間違っていることを考える。
(よく怒れるもんだぜ…おっさんはおっさんでこの町をどれだけ裏切ってきたか数知れないってのによ)
裏社会で生きる以上仕方がないというのだろうが他人の失敗を責められるほど、探る腹がないとでも思っているのかと。
だがその考えをすぐさまやめる。
言っても仕方ない上、そのために来たわけではない。
「悪かった!確かに俺のせいでこうなった!マジで済まなかったと思ってる!」
両手を合わせて前で出したいが、左手が折れているので右手だけを前に出して、体全身で謝る姿勢をとる。と、謝ってみるが、次にくる言葉はこうだ。
(…謝って済む問題か)
「謝って済む問題か!!」
店主は右腕を振り上げ、殴る姿勢をとる。殴るのであれば殴ればいい、それで気が済むのならば。
プルプル手を握り締めて殴りたい衝動を我慢して、振り上げた手を下ろす。
「…はぁー…何の用だラルフ…俺に殴られに来たわけじゃねぇだろ」
ため息をつき呆れながら、受付台に戻っていく。店主の様子を確認しつつ、ラルフも受付台に移動する。
「実は、食料を譲ってほしい」
そのセリフを聞いて店主はジロリといった感じに睨みつける。
「もちろんタダでってわけじゃない。警戒中で店が開かないからな、今日食う分だけでも売ってくれればありがたいんだが」
金の入った袋を出す。
台の上に置いて、店主に渡す。
店主は袋の中をのぞいて、ラルフに確認する。
「こんな金…どこから…」
さっき恵んでもらったお金だ。というのはあまりにかっこ悪い。
「隠し財産ってやつだよ」
それを確認すると、奥に入っていき、それなりに食料を持ち出す。(持てないなぁ…)と思いながら、持ってきた店主に感謝をする。生野菜や缶詰に類するたくさんの食料を背負い、そのまま出ていこうとすると
「待ちなラルフ、金が多すぎる。釣りを出すから…」
持ってきた直後に言うセリフだろう。
最初から釣りなど出すつもりなんてない。
何も言わずに出ていこうとする殊勝(店主にとって)な心掛けに不信を感じたせいだ。何かしないと気が済まないのだろう。
ラルフは振り向きながら店主に言う。
「今は警戒中で露店も開いてない。ここでしか買えないならそれなりに出さなきゃな。ま、とにかく助かったぜ」
店主は少し考えた後、受付台から出てラルフに詰め寄る。おもむろにラルフの左腕を掴んで吊った布から引きずり出す。
「ぎゃあ!何すんだ!!マジでやめろ!!」
食料を落とし、必死に抵抗を試みようとするが、何せ激痛が走るもので、手が出せないでいた。
店主は無言で服をまくり上げ、折れた腕に回復材を振りまいた。すると折れた腕はみるみる元の形状に戻り、痛みも消えた。
「えっ?…おっさん…」
「…サービスだ」
そう言ってラルフの背中をたたき、受付台に戻っていく。それを目で追っていたが、受付台を通り越し
店主は裏に行ってしまったので顔も見えなくなった。
ラルフは左手の様子を確認した後、吊っていた布をしまって食料袋を左手に持ち替える。今一度受付を眺めて、
「サンキュー、おっさん」
ポツリと言い残し、店を出ていく。
店主は最低な人間だし、褒められたものじゃないことをいくらでもしているクズだ。
だが、人の気持ちが分からないほど落ちぶれてはいない。今回もそんな人の心をついたラルフの言動が、店主の気まぐれを誘い出した。
信じすぎていいことはないが、信じない事には始まらないこともある。
ラルフは大荷物を抱えて、そそくさと町を出た。
アルパザに入った当初に出会った守衛のリーダーに見つかれば、説明に時間がかかる。運のいいことにリーダーが不在だったので、そのまま森に入っていった。
今現在、吸血鬼騒動により警戒態勢中であり、町民の避難が済んでしまっていたため、食べ物を買う事が出来ない。
「アルパザの底」の店主は食料の貯蓄をしていることを知っているので、この金で譲ってもらうことにした。
ただちょっとしたイザコザを抱えているので話を聞いてくれるのか不明だが、頼る当てもないので開き直って頼ることにした。
店に着くやいなや店主にどやされる。
「何て事しやがったんだ!お前は!!」
ラルフを見とめるとズカズカ詰めより、腕が折れていることそっちのけで胸ぐらにつかみかかる。
「いてててて!!何すんだよ!?おっさん!俺は怪我人だぞ!手加減してくれ!」
ラルフは店主から折れた腕を庇うよう身をよじり、離すように掴んだ腕にタップする。
「吸血鬼を復活させやがって!お前のせいで商売上がったりだよ!」
バッという音と共に、投げるように手を放す。
勢いが良すぎてラルフのバランスが崩れる。
「ドラキュラ城に入ったから吸血鬼の怒りを買ったんだ。お前なんざ食われりゃ良かったんだ!」
頭から蒸気が出そうなほど怒りで沸騰している。今朝は尊敬の眼差しさえあった店主も侮蔑と恨みの睨みつける目に変わっている。
「しょうがないだろう…俺の職業はトレジャーハンターだぜ?今回のだってギャンブルに当たった結果の副作用ってやつだ」
「お前…!言うに事欠いて…!!」
今回の件をよく知るからこそ、町の代表として怒っている。
そういう気持ちであろうことが見て取れたラルフは、頭っから間違っていることを考える。
(よく怒れるもんだぜ…おっさんはおっさんでこの町をどれだけ裏切ってきたか数知れないってのによ)
裏社会で生きる以上仕方がないというのだろうが他人の失敗を責められるほど、探る腹がないとでも思っているのかと。
だがその考えをすぐさまやめる。
言っても仕方ない上、そのために来たわけではない。
「悪かった!確かに俺のせいでこうなった!マジで済まなかったと思ってる!」
両手を合わせて前で出したいが、左手が折れているので右手だけを前に出して、体全身で謝る姿勢をとる。と、謝ってみるが、次にくる言葉はこうだ。
(…謝って済む問題か)
「謝って済む問題か!!」
店主は右腕を振り上げ、殴る姿勢をとる。殴るのであれば殴ればいい、それで気が済むのならば。
プルプル手を握り締めて殴りたい衝動を我慢して、振り上げた手を下ろす。
「…はぁー…何の用だラルフ…俺に殴られに来たわけじゃねぇだろ」
ため息をつき呆れながら、受付台に戻っていく。店主の様子を確認しつつ、ラルフも受付台に移動する。
「実は、食料を譲ってほしい」
そのセリフを聞いて店主はジロリといった感じに睨みつける。
「もちろんタダでってわけじゃない。警戒中で店が開かないからな、今日食う分だけでも売ってくれればありがたいんだが」
金の入った袋を出す。
台の上に置いて、店主に渡す。
店主は袋の中をのぞいて、ラルフに確認する。
「こんな金…どこから…」
さっき恵んでもらったお金だ。というのはあまりにかっこ悪い。
「隠し財産ってやつだよ」
それを確認すると、奥に入っていき、それなりに食料を持ち出す。(持てないなぁ…)と思いながら、持ってきた店主に感謝をする。生野菜や缶詰に類するたくさんの食料を背負い、そのまま出ていこうとすると
「待ちなラルフ、金が多すぎる。釣りを出すから…」
持ってきた直後に言うセリフだろう。
最初から釣りなど出すつもりなんてない。
何も言わずに出ていこうとする殊勝(店主にとって)な心掛けに不信を感じたせいだ。何かしないと気が済まないのだろう。
ラルフは振り向きながら店主に言う。
「今は警戒中で露店も開いてない。ここでしか買えないならそれなりに出さなきゃな。ま、とにかく助かったぜ」
店主は少し考えた後、受付台から出てラルフに詰め寄る。おもむろにラルフの左腕を掴んで吊った布から引きずり出す。
「ぎゃあ!何すんだ!!マジでやめろ!!」
食料を落とし、必死に抵抗を試みようとするが、何せ激痛が走るもので、手が出せないでいた。
店主は無言で服をまくり上げ、折れた腕に回復材を振りまいた。すると折れた腕はみるみる元の形状に戻り、痛みも消えた。
「えっ?…おっさん…」
「…サービスだ」
そう言ってラルフの背中をたたき、受付台に戻っていく。それを目で追っていたが、受付台を通り越し
店主は裏に行ってしまったので顔も見えなくなった。
ラルフは左手の様子を確認した後、吊っていた布をしまって食料袋を左手に持ち替える。今一度受付を眺めて、
「サンキュー、おっさん」
ポツリと言い残し、店を出ていく。
店主は最低な人間だし、褒められたものじゃないことをいくらでもしているクズだ。
だが、人の気持ちが分からないほど落ちぶれてはいない。今回もそんな人の心をついたラルフの言動が、店主の気まぐれを誘い出した。
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