95 / 718
第三章 勇者
第二十話 増員
しおりを挟む
ラルフたちが小屋に戻ると、ブレイドは物置から何やら大きな紙を取り出した。
「これは…地図?」
そこに描かれてあるのはラルフの持つ地図を細分化したような、明らかに精度の高い地図だ。
ラルフはこの地図を見てゴクリと唾を飲む。
ラルフの持つ地図はヒューマンの町にある最高の地図である。二ヶ月分の生活費を使って購入したが、これなら一年分の生活費が飛ぶ。
それに気付いたベルフィアがラルフを見る。
「そちノ地図ヨり精密な地図じゃノぅ」
「ああ…すげぇ…こんなに細分化された地図は見たことがない…。どこで売ってるんだ?」
ブレイドはラルフの問いに半笑いで答える。
「いや、売り物じゃない。これは親父が制作したこの辺りの地図さ。多分、暇つぶしだろう」
ラルフを馬鹿にした笑いではなく、親父に対して「意味あったのかよ…」と嘲笑する笑いだ。
「すっげ…どんだけ根気強い人だったんだ?英雄ってのは嘘じゃねぇな…」
「私なら途中で破り捨てそうな細かさね」
ミーシャも感心している。
「フンッここまで細かくなくても問題などない。そうじゃろ?ラルフノ持つ地図くらいで十分じゃ」
「そう、ベルフィアさんの言う通りだ。ここまで細かくなくたっていい。しかし、これを見せたかったのはここのところだ」
ここから西に少し行ったところで、炭鉱があるように描かれている。
ラルフは自分の地図を取り出し、見劣りする事に劣等感を覚えつつ、ブレイドが指した場所を確認した。
「…炭鉱がない」
「ここは、常人で踏破するのは難しい場所なんだ。親父はラルフさんも知っての通り、強かったから問題なく散策が出来たようで、寂れた炭鉱を見つけたってわけだ。中も一応、見に行ってて出口まで直通である事が描いてる」
正に幸運。ここを通れればものすごい近道だ。
ここがなければ山脈を越えるか、避けて平野を大周りするかのどちらかしかなかった。
どの道、危険である事は確かだが、命を狙われ追われている関係上、目的地までの道は出来るだけ近いに越したことはない。
「ありがとう。感謝するわ」
「ああ、そうだ…君らのおかげで早く目的地に着けるよ…本当にありがとう」
ブレイドに握手を求める。
その手を眺めると、意を決したようにラルフを、ミーシャとベルフィアを見る。
「折り入って頼みがあるんだ…良ければ…俺たちも連れて行って欲しい」
ブレイドは必死の目を見せる。
アルルはその様子をベッドから眺めていた。
「な…まぁ確かに、もう安全とは言えないよな…ここはゴブリンに責められたし、ミーシャとベルフィアがいなきゃここも無傷ってわけには行かなかったしな…」
そして、聞いた話ではブレイドは半人半魔。見た目には分からないが、ハーフにはなにかしら力を秘めていることがある。
それが感情の発露によるものなのか、力んだだけで魔族の部分が出る様であれば、人里で日常生活は難しい。もし、ドアノブをひねっただけで扉を破壊してしまうなら一発でバレる。
小屋では大丈夫そうだからそんな面倒な類では無いのだろうが、毎日緊張して生きる事が果たして出来るだろうか?
出来ないから今までここで活きてきたのだ。
なら、ここを奪われることは二つの意味で行き場を失うと言う事だ。
「アルルはどうだ?ブレイドは分かるが、お前は人里でも生きて行けるだろう?ここを離れるのは異議無いが、俺たちと来るとまた、えらい目にあうぞ?」
「ラルフさんは私とブレイドを別れさせたいの?」
その言葉には棘がある。
「い、いや…そうじゃなくてな?」
「私はブレイドの行くところに一緒に行く。私はブレイドと生きていくの」
その目はその若さに似合わない覚悟があった。十台だった若いころを思い出し、懐かしさが心を染める。
(俺にもこんながむしゃらな時期があった)と。
「その覚悟…認める。俺は賛成だ」
ラルフはブレイドたちを連れて行こうと言う。
「ここ以外に行き場所がないなら、一緒に行きましょう。ぺルタルクは美しい所よ」
ミーシャもこれには賛成だ。単なる物見遊山なら断っていたかもしれない。しかし、自分たちの境遇並に切実な状況は逆に断ることが難しい。
「ミーシャ様が仰ルなら、意義など存在しません。妾も実力は買っとル。ともに来ルがヨい」
ベルフィアは既に賛成しているとこがあったので全く関係ないが、ミーシャが賛成するなら、自分の意志など存在しない。
血の色をミーシャが青と言えば、今後その色はベルフィアにとって青なのだ。
「ありがとう。俺たちがここに案内します。これからよろしくお願いします」
ラルフの出した手を両手で握り、そのままお辞儀する。
「そういえばウィーはどうするの?」
ミーシャがふわっと思い出す。小屋内にいる全員が「あっ」という顔だ。そこで、ウィーの姿が小屋の中にないことに気付き外に出る。ウィーは柵内の前で外を眺めていた。
その視線の先を確認しに行くと、いまだ埋め切れていなかった死体にシャープエッジの他、多くの魔獣たちがその肉を食らっていた。
ウィーは涙も枯れた顔でその様子を見ていた。
一応、気持ちだけ考えて墓を作っていたが、山になればこうして自然が片付ける。
ラルフはウィーに並んで立つ。
しゃがんで目線を合わせ、肩を並べて魔獣たちの様子をともに見た。
「ごめんな、ウィー…俺はお前の仲間達との戦闘を避けられなかった。こうなっちまったのは全部俺のせいだ…本当にすまない」
ラルフはウィーに謝罪する。
だが、ウィーは全てを見ていた。
同胞達は助けてくれた人たちに対し武器を向けた。
助かったはずのザガリガを殺し、自分にも矢を放った。幸運にも怪我すらしなかったが、彼等がいなかったら死んでいたのは自分だった。
ウィーには「丘の同胞が同士討ちしたのでは?」とまで思えるほど、ゴブリンたちは最悪だった。
優しかった肉親を思い出す。
丘に初めて行った時、自分が迫害されているのを幼少の時から既に気づいていた。
しかし、両親から「いつかは受け入れられる」と言われ続け、それを信仰のように信じていた。
良い事をすれば受け入れられる。
良い武器が出来れば受け入れられる。
通い続ければ受け入れられる。
いつかは丘で住める。仲間とワイワイ言いながら、楽しく生きて行けるのだと本気で思っていた。
結局、丘は滅びた。
結局、受け入れられなかった。
結局、迫害された。
あまつさえ殺されかけた。
もう、未練はなかった。
「…俺たちと一緒に来るか?」
ウィーはその言葉を待っていた。
同胞からは永遠に聞くことはできないだろう。
「ウィー!」
ウィーは声を張り上げ、元気よく頷いてその気持ちを表した。
両親の言葉は嘘ではなかったことが証明された。
思ったのとは違うが、ウィーは受け入れられた。
この日、チーム:ルーザーズは六人に増えた。
「これは…地図?」
そこに描かれてあるのはラルフの持つ地図を細分化したような、明らかに精度の高い地図だ。
ラルフはこの地図を見てゴクリと唾を飲む。
ラルフの持つ地図はヒューマンの町にある最高の地図である。二ヶ月分の生活費を使って購入したが、これなら一年分の生活費が飛ぶ。
それに気付いたベルフィアがラルフを見る。
「そちノ地図ヨり精密な地図じゃノぅ」
「ああ…すげぇ…こんなに細分化された地図は見たことがない…。どこで売ってるんだ?」
ブレイドはラルフの問いに半笑いで答える。
「いや、売り物じゃない。これは親父が制作したこの辺りの地図さ。多分、暇つぶしだろう」
ラルフを馬鹿にした笑いではなく、親父に対して「意味あったのかよ…」と嘲笑する笑いだ。
「すっげ…どんだけ根気強い人だったんだ?英雄ってのは嘘じゃねぇな…」
「私なら途中で破り捨てそうな細かさね」
ミーシャも感心している。
「フンッここまで細かくなくても問題などない。そうじゃろ?ラルフノ持つ地図くらいで十分じゃ」
「そう、ベルフィアさんの言う通りだ。ここまで細かくなくたっていい。しかし、これを見せたかったのはここのところだ」
ここから西に少し行ったところで、炭鉱があるように描かれている。
ラルフは自分の地図を取り出し、見劣りする事に劣等感を覚えつつ、ブレイドが指した場所を確認した。
「…炭鉱がない」
「ここは、常人で踏破するのは難しい場所なんだ。親父はラルフさんも知っての通り、強かったから問題なく散策が出来たようで、寂れた炭鉱を見つけたってわけだ。中も一応、見に行ってて出口まで直通である事が描いてる」
正に幸運。ここを通れればものすごい近道だ。
ここがなければ山脈を越えるか、避けて平野を大周りするかのどちらかしかなかった。
どの道、危険である事は確かだが、命を狙われ追われている関係上、目的地までの道は出来るだけ近いに越したことはない。
「ありがとう。感謝するわ」
「ああ、そうだ…君らのおかげで早く目的地に着けるよ…本当にありがとう」
ブレイドに握手を求める。
その手を眺めると、意を決したようにラルフを、ミーシャとベルフィアを見る。
「折り入って頼みがあるんだ…良ければ…俺たちも連れて行って欲しい」
ブレイドは必死の目を見せる。
アルルはその様子をベッドから眺めていた。
「な…まぁ確かに、もう安全とは言えないよな…ここはゴブリンに責められたし、ミーシャとベルフィアがいなきゃここも無傷ってわけには行かなかったしな…」
そして、聞いた話ではブレイドは半人半魔。見た目には分からないが、ハーフにはなにかしら力を秘めていることがある。
それが感情の発露によるものなのか、力んだだけで魔族の部分が出る様であれば、人里で日常生活は難しい。もし、ドアノブをひねっただけで扉を破壊してしまうなら一発でバレる。
小屋では大丈夫そうだからそんな面倒な類では無いのだろうが、毎日緊張して生きる事が果たして出来るだろうか?
出来ないから今までここで活きてきたのだ。
なら、ここを奪われることは二つの意味で行き場を失うと言う事だ。
「アルルはどうだ?ブレイドは分かるが、お前は人里でも生きて行けるだろう?ここを離れるのは異議無いが、俺たちと来るとまた、えらい目にあうぞ?」
「ラルフさんは私とブレイドを別れさせたいの?」
その言葉には棘がある。
「い、いや…そうじゃなくてな?」
「私はブレイドの行くところに一緒に行く。私はブレイドと生きていくの」
その目はその若さに似合わない覚悟があった。十台だった若いころを思い出し、懐かしさが心を染める。
(俺にもこんながむしゃらな時期があった)と。
「その覚悟…認める。俺は賛成だ」
ラルフはブレイドたちを連れて行こうと言う。
「ここ以外に行き場所がないなら、一緒に行きましょう。ぺルタルクは美しい所よ」
ミーシャもこれには賛成だ。単なる物見遊山なら断っていたかもしれない。しかし、自分たちの境遇並に切実な状況は逆に断ることが難しい。
「ミーシャ様が仰ルなら、意義など存在しません。妾も実力は買っとル。ともに来ルがヨい」
ベルフィアは既に賛成しているとこがあったので全く関係ないが、ミーシャが賛成するなら、自分の意志など存在しない。
血の色をミーシャが青と言えば、今後その色はベルフィアにとって青なのだ。
「ありがとう。俺たちがここに案内します。これからよろしくお願いします」
ラルフの出した手を両手で握り、そのままお辞儀する。
「そういえばウィーはどうするの?」
ミーシャがふわっと思い出す。小屋内にいる全員が「あっ」という顔だ。そこで、ウィーの姿が小屋の中にないことに気付き外に出る。ウィーは柵内の前で外を眺めていた。
その視線の先を確認しに行くと、いまだ埋め切れていなかった死体にシャープエッジの他、多くの魔獣たちがその肉を食らっていた。
ウィーは涙も枯れた顔でその様子を見ていた。
一応、気持ちだけ考えて墓を作っていたが、山になればこうして自然が片付ける。
ラルフはウィーに並んで立つ。
しゃがんで目線を合わせ、肩を並べて魔獣たちの様子をともに見た。
「ごめんな、ウィー…俺はお前の仲間達との戦闘を避けられなかった。こうなっちまったのは全部俺のせいだ…本当にすまない」
ラルフはウィーに謝罪する。
だが、ウィーは全てを見ていた。
同胞達は助けてくれた人たちに対し武器を向けた。
助かったはずのザガリガを殺し、自分にも矢を放った。幸運にも怪我すらしなかったが、彼等がいなかったら死んでいたのは自分だった。
ウィーには「丘の同胞が同士討ちしたのでは?」とまで思えるほど、ゴブリンたちは最悪だった。
優しかった肉親を思い出す。
丘に初めて行った時、自分が迫害されているのを幼少の時から既に気づいていた。
しかし、両親から「いつかは受け入れられる」と言われ続け、それを信仰のように信じていた。
良い事をすれば受け入れられる。
良い武器が出来れば受け入れられる。
通い続ければ受け入れられる。
いつかは丘で住める。仲間とワイワイ言いながら、楽しく生きて行けるのだと本気で思っていた。
結局、丘は滅びた。
結局、受け入れられなかった。
結局、迫害された。
あまつさえ殺されかけた。
もう、未練はなかった。
「…俺たちと一緒に来るか?」
ウィーはその言葉を待っていた。
同胞からは永遠に聞くことはできないだろう。
「ウィー!」
ウィーは声を張り上げ、元気よく頷いてその気持ちを表した。
両親の言葉は嘘ではなかったことが証明された。
思ったのとは違うが、ウィーは受け入れられた。
この日、チーム:ルーザーズは六人に増えた。
0
あなたにおすすめの小説
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
世界最強の賢者、勇者パーティーを追放される~いまさら帰ってこいと言われてももう遅い俺は拾ってくれた最強のお姫様と幸せに過ごす~
aoi
ファンタジー
「なぁ、マギそろそろこのパーティーを抜けてくれないか?」
勇者パーティーに勤めて数年、いきなりパーティーを戦闘ができずに女に守られてばかりだからと追放された賢者マギ。王都で新しい仕事を探すにも勇者パーティーが邪魔をして見つからない。そんな時、とある国のお姫様がマギに声をかけてきて......?
お姫様の為に全力を尽くす賢者マギが無双する!?
異世界だろうがソロキャンだろう!? one more camp!
ちゃりネコ
ファンタジー
ソロキャン命。そして異世界で手に入れた能力は…Awazonで買い物!?
夢の大学でキャンパスライフを送るはずだった主人公、四万十 葦拿。
しかし、運悪く世界的感染症によって殆ど大学に通えず、彼女にまでフラれて鬱屈とした日々を過ごす毎日。
うまくいかないプライベートによって押し潰されそうになっていた彼を救ったのはキャンプだった。
次第にキャンプ沼へのめり込んでいった彼は、全国のキャンプ場を制覇する程のヘビーユーザーとなり、着実に経験を積み重ねていく。
そして、知らん内に異世界にすっ飛ばされたが、どっぷりハマっていたアウトドア経験を駆使して、なんだかんだ未知のフィールドを楽しむようになっていく。
遭難をソロキャンと言い張る男、四万十 葦拿の異世界キャンプ物語。
別に要らんけど異世界なんでスマホからネットショッピングする能力をゲット。
Awazonの商品は3億5371万品目以上もあるんだって!
すごいよね。
―――――――――
以前公開していた小説のセルフリメイクです。
アルファポリス様で掲載していたのは同名のリメイク前の作品となります。
基本的には同じですが、リメイクするにあたって展開をかなり変えているので御注意を。
1話2000~3000文字で毎日更新してます。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)
荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」
俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」
ハーデス 「では……」
俺 「だが断る!」
ハーデス 「むっ、今何と?」
俺 「断ると言ったんだ」
ハーデス 「なぜだ?」
俺 「……俺のレベルだ」
ハーデス 「……は?」
俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」
ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」
俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」
ハーデス 「……正気……なのか?」
俺 「もちろん」
異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。
たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!
掘鑿王(くっさくおう)~ボクしか知らない隠しダンジョンでSSRアイテムばかり掘り出し大金持ち~
テツみン
ファンタジー
『掘削士』エリオットは、ダンジョンの鉱脈から鉱石を掘り出すのが仕事。
しかし、非戦闘職の彼は冒険者仲間から不遇な扱いを受けていた。
ある日、ダンジョンに入ると天災級モンスター、イフリートに遭遇。エリオットは仲間が逃げ出すための囮(おとり)にされてしまう。
「生きて帰るんだ――妹が待つ家へ!」
彼は岩の割れ目につるはしを打ち込み、崩落を誘発させ――
目が覚めると未知の洞窟にいた。
貴重な鉱脈ばかりに興奮するエリオットだったが、特に不思議な形をしたクリスタルが気になり、それを掘り出す。
その中から現れたモノは……
「えっ? 女の子???」
これは、不遇な扱いを受けていた少年が大陸一の大富豪へと成り上がっていく――そんな物語である。
俺たちYOEEEEEEE?のに異世界転移したっぽい?
くまの香
ファンタジー
いつもの朝、だったはずが突然地球を襲う謎の現象。27歳引きニートと27歳サラリーマンが貰ったスキル。これ、チートじゃないよね?頑張りたくないニートとどうでもいいサラリーマンが流されながら生きていく話。現実って厳しいね。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる