165 / 718
第五章 戦争
第十五話 夢か現か
しおりを挟む
森王の下に急ぐ白の騎士団の一人、光弓のアイザックとエルフ最強の部隊グリーンケープの面々。その向かう足が空気を振るわせる咆哮にピタッと止まる。
やって来る何かに気を取られていると、魔法の壁を突き抜けたのは歪で巨大な魔獣。
「何だあれは……?」
アイザックは巨大な怪物に釘付けになる。その怪物の異様さもさる事ながら魔法障壁を突き破るほどの力と、何よりこの場所を把握してやって来たようなあり得なさに驚愕していた。この場所は魔法の障壁により不可侵領域となっていて、エルフの助けがなければ入る事も発見する事も出来ないからだ。
あの鏖ですらハンターの助け失くして入る事は叶わなかったのだ。今までどれほど強固だったのかうかがい知れる。
「「ゴルォォォォォ!!!」」
障壁の外で鳴いていた時とは全く違う。その咆哮は聞く者の心胆を震わせ、弱き者の心を挫く。数々の戦場を潜り抜けてきた歴戦の勇士であるグリーンケープの部下たちも震え上がって動けなくなっている。
そういうアイザックも足が震えている。自他ともに認めるエルフ最強の男がこのザマだ。部下に知られれば面目丸潰れである。アイザックは下唇を噛み締め、痛みで恐怖に耐える。
「た、隊長……」
不安がよぎる部下たちはアイザックを見る。アイザックはその視線を感じて魔獣から目を離し、部下を見渡す。
「狼狽えるな!今我らがやることは三つ!国民の避難誘導、魔獣への牽制、森王様たちの安全確保だ!部隊を別けるぞ!!」
国民の避難に十五人、魔獣への牽制に十人とアイザックを合わせた十一人、森王以下上層部の安全確保に十人。アイザックが魔獣に行くのは、本来誰も行きたがらない戦いであるからだ。
部下を信頼していないわけではなく、あの魔獣を前にただ戦いに赴かせるのは死ねと言っている事と同義。自分が参加すれば士気向上にもつながり、総合戦闘能力も格段に上がる。これが意味する事は生き残れる確率も飛躍的に上がるという事だ。
「奴を倒すことは我々では不可能だ!だが牽制と誘導なら出来る!少数精鋭で距離を保ちつつ冷静に対処するんだ!お前たちも避難誘導を任せたぞ!国民を一人残らず避難させろ!!散っ!!」
その号令と共に三方向にそれぞれ散る。近付くにつれてその全容が明らかになる。黒い毛は金属のように光沢を帯び、大鹿の角は鋼の刃のように鋭い。獅子の牙もゴリラの腕も尻尾の蛇も、どれも侮れない。戦わない方が良い事は明白。
アイザックと部下たちは弓に矢を番え、セオリー通り定位置に散らばり、周りを囲んで包囲する。しかし決してこちらから撃つことはない。戦端を開くのはあの巨大魔獣からだ。下手に刺激して周りを破壊し始めたら困る。
魔獣も何故かあの咆哮を以降、辺りを見回すくらいで動く気配もない。何が目的かと考え始めた時、何かがふわぁっと飛んできた。先程逃したラルフの取り巻きの一人。見た目はダークエルフにそっくりだが、その実強大な魔力を所有すると言われる最強の魔王”鏖”。侵入者の情報を森王の口から聞いた時は腰が抜けそうな程驚いたが、会ってみれば拍子抜けするほど普通の女の子に見えた。
羽もないのに飛んでいる所を見ると魔法か魔道具か。いずれにしても魔力とは便利なものだと感心する。エルフにも魔法はあるがどれも自然由来のものであり、特に草木に関する魔法を得意とする。空を飛ぶ魔法に関しては目下研究中といった所で、この魔法を使えるエルフはいない。
ミーシャが飛んでくると、ダークビーストの目はミーシャに照準を合わせる。他の物には目もくれず、三つの頭は全てミーシャを睨みつけた。
(……狙いは鏖か?だとするならはた迷惑な事だが……)
アイザックは弓をどちらに向けるべきか迷う。この巨大魔獣に向けてもダメージはなさそうだ。その点鏖は非力に見えるが最強と言われた魔王に果たして弓矢が通るのかどうか分からない。
そこで物理的な被害が大きそうなダークビーストの味方をする事にした。鏖を殺す事であの巨大な怪物がこの国から出て行ってくれるならそれに越した事は無い。
知性すらない魔獣であるなら鏖を殺したところで帰ってくれない可能性もあるが、これは賭けだ。他の部下たちが避難誘導をしているはずなので、万が一暴れ出しても大丈夫なはずである。
アイザックは弓矢から手を離し、口に指を咥えると軽い音で指笛を吹き始める。小鳥のさえずりにも聞こえる音にミーシャもダークビーストも一瞬気を取られたが、鳴りやむと何事もなかったように睨み合った。
分かるわけもない。この指笛はグリーンケープの仲間でしか解けない暗号となっている。要約すれば魔獣から鏖に矛先を変更すると言う事だ。きっと驚いている事だろう。何故?この魔獣の方が遥かに危険そうだし少しでもダメージを与えるならこの魔獣だろう?と。しかし部下たちはこの決定に文句も言わず鏖に照準を合わせる。気持ちではなく訓練がそうさせる。
準備は整った。後はどちらかが動くだけだ。
「さぁ、開戦の狼煙を上げろ……」
弓矢をいつでも撃てると構えて待つ。そして、数秒待たず動き出した。真っ先に動き出したのはミーシャだ。動き出しと同時に撃ちたかったが、それが出来れば生き物を辞めていると言えただろう。その姿は一瞬にして視界から消え、部下はおろかアイザックすら見失った。
思わず弓矢を下ろして探してしまう。直後、ガイィンッという金属音が辺りに響き、ダークビーストが吠えた。
「「グルァァ!!」」
デカい手を振るう。ただ振るっただけでも突風が巻き起こる。
「ぐっ……!なんてパワーだ!!」
この風の中では弓矢を飛ばす事は出来ない。自分たちが一瞬で無力になってしまった事を悟る。そんな中で金属音は幾度も鳴り響く。
ガイィンッ
ギャリッ
ギィンッ
「「グウォォ!?」」
ダークビーストの目が丸くなる。自分がダメージを受けている初めての出来事に驚き戸惑っているようだ。
「「ガアァァァァ!!」」
ドンッと地面を叩けば大地が揺れる。木の枝にいた部下も何人か予期せぬ地震で木から落ちる。こうなると地面に降りて木にしがみついている方が安全だ。殴った地面は強すぎる攻撃に耐えられずクレーターを作る。
「そこじゃない」
ミーシャは空中で転回しながらダークビーストの獅子の方の顔をぶん殴った。
ゴオォォンッ
デカい鐘のような音を鳴り響かせ獅子と大鹿の頭が玉突き事故を起こした。傍から見ていたアイザックはこの世の戦いと思えない現実を目の当たりにして木にしがみつきながら呟いた。
「……私は……夢でも見てるのか?」
やって来る何かに気を取られていると、魔法の壁を突き抜けたのは歪で巨大な魔獣。
「何だあれは……?」
アイザックは巨大な怪物に釘付けになる。その怪物の異様さもさる事ながら魔法障壁を突き破るほどの力と、何よりこの場所を把握してやって来たようなあり得なさに驚愕していた。この場所は魔法の障壁により不可侵領域となっていて、エルフの助けがなければ入る事も発見する事も出来ないからだ。
あの鏖ですらハンターの助け失くして入る事は叶わなかったのだ。今までどれほど強固だったのかうかがい知れる。
「「ゴルォォォォォ!!!」」
障壁の外で鳴いていた時とは全く違う。その咆哮は聞く者の心胆を震わせ、弱き者の心を挫く。数々の戦場を潜り抜けてきた歴戦の勇士であるグリーンケープの部下たちも震え上がって動けなくなっている。
そういうアイザックも足が震えている。自他ともに認めるエルフ最強の男がこのザマだ。部下に知られれば面目丸潰れである。アイザックは下唇を噛み締め、痛みで恐怖に耐える。
「た、隊長……」
不安がよぎる部下たちはアイザックを見る。アイザックはその視線を感じて魔獣から目を離し、部下を見渡す。
「狼狽えるな!今我らがやることは三つ!国民の避難誘導、魔獣への牽制、森王様たちの安全確保だ!部隊を別けるぞ!!」
国民の避難に十五人、魔獣への牽制に十人とアイザックを合わせた十一人、森王以下上層部の安全確保に十人。アイザックが魔獣に行くのは、本来誰も行きたがらない戦いであるからだ。
部下を信頼していないわけではなく、あの魔獣を前にただ戦いに赴かせるのは死ねと言っている事と同義。自分が参加すれば士気向上にもつながり、総合戦闘能力も格段に上がる。これが意味する事は生き残れる確率も飛躍的に上がるという事だ。
「奴を倒すことは我々では不可能だ!だが牽制と誘導なら出来る!少数精鋭で距離を保ちつつ冷静に対処するんだ!お前たちも避難誘導を任せたぞ!国民を一人残らず避難させろ!!散っ!!」
その号令と共に三方向にそれぞれ散る。近付くにつれてその全容が明らかになる。黒い毛は金属のように光沢を帯び、大鹿の角は鋼の刃のように鋭い。獅子の牙もゴリラの腕も尻尾の蛇も、どれも侮れない。戦わない方が良い事は明白。
アイザックと部下たちは弓に矢を番え、セオリー通り定位置に散らばり、周りを囲んで包囲する。しかし決してこちらから撃つことはない。戦端を開くのはあの巨大魔獣からだ。下手に刺激して周りを破壊し始めたら困る。
魔獣も何故かあの咆哮を以降、辺りを見回すくらいで動く気配もない。何が目的かと考え始めた時、何かがふわぁっと飛んできた。先程逃したラルフの取り巻きの一人。見た目はダークエルフにそっくりだが、その実強大な魔力を所有すると言われる最強の魔王”鏖”。侵入者の情報を森王の口から聞いた時は腰が抜けそうな程驚いたが、会ってみれば拍子抜けするほど普通の女の子に見えた。
羽もないのに飛んでいる所を見ると魔法か魔道具か。いずれにしても魔力とは便利なものだと感心する。エルフにも魔法はあるがどれも自然由来のものであり、特に草木に関する魔法を得意とする。空を飛ぶ魔法に関しては目下研究中といった所で、この魔法を使えるエルフはいない。
ミーシャが飛んでくると、ダークビーストの目はミーシャに照準を合わせる。他の物には目もくれず、三つの頭は全てミーシャを睨みつけた。
(……狙いは鏖か?だとするならはた迷惑な事だが……)
アイザックは弓をどちらに向けるべきか迷う。この巨大魔獣に向けてもダメージはなさそうだ。その点鏖は非力に見えるが最強と言われた魔王に果たして弓矢が通るのかどうか分からない。
そこで物理的な被害が大きそうなダークビーストの味方をする事にした。鏖を殺す事であの巨大な怪物がこの国から出て行ってくれるならそれに越した事は無い。
知性すらない魔獣であるなら鏖を殺したところで帰ってくれない可能性もあるが、これは賭けだ。他の部下たちが避難誘導をしているはずなので、万が一暴れ出しても大丈夫なはずである。
アイザックは弓矢から手を離し、口に指を咥えると軽い音で指笛を吹き始める。小鳥のさえずりにも聞こえる音にミーシャもダークビーストも一瞬気を取られたが、鳴りやむと何事もなかったように睨み合った。
分かるわけもない。この指笛はグリーンケープの仲間でしか解けない暗号となっている。要約すれば魔獣から鏖に矛先を変更すると言う事だ。きっと驚いている事だろう。何故?この魔獣の方が遥かに危険そうだし少しでもダメージを与えるならこの魔獣だろう?と。しかし部下たちはこの決定に文句も言わず鏖に照準を合わせる。気持ちではなく訓練がそうさせる。
準備は整った。後はどちらかが動くだけだ。
「さぁ、開戦の狼煙を上げろ……」
弓矢をいつでも撃てると構えて待つ。そして、数秒待たず動き出した。真っ先に動き出したのはミーシャだ。動き出しと同時に撃ちたかったが、それが出来れば生き物を辞めていると言えただろう。その姿は一瞬にして視界から消え、部下はおろかアイザックすら見失った。
思わず弓矢を下ろして探してしまう。直後、ガイィンッという金属音が辺りに響き、ダークビーストが吠えた。
「「グルァァ!!」」
デカい手を振るう。ただ振るっただけでも突風が巻き起こる。
「ぐっ……!なんてパワーだ!!」
この風の中では弓矢を飛ばす事は出来ない。自分たちが一瞬で無力になってしまった事を悟る。そんな中で金属音は幾度も鳴り響く。
ガイィンッ
ギャリッ
ギィンッ
「「グウォォ!?」」
ダークビーストの目が丸くなる。自分がダメージを受けている初めての出来事に驚き戸惑っているようだ。
「「ガアァァァァ!!」」
ドンッと地面を叩けば大地が揺れる。木の枝にいた部下も何人か予期せぬ地震で木から落ちる。こうなると地面に降りて木にしがみついている方が安全だ。殴った地面は強すぎる攻撃に耐えられずクレーターを作る。
「そこじゃない」
ミーシャは空中で転回しながらダークビーストの獅子の方の顔をぶん殴った。
ゴオォォンッ
デカい鐘のような音を鳴り響かせ獅子と大鹿の頭が玉突き事故を起こした。傍から見ていたアイザックはこの世の戦いと思えない現実を目の当たりにして木にしがみつきながら呟いた。
「……私は……夢でも見てるのか?」
0
あなたにおすすめの小説
異世界だろうがソロキャンだろう!? one more camp!
ちゃりネコ
ファンタジー
ソロキャン命。そして異世界で手に入れた能力は…Awazonで買い物!?
夢の大学でキャンパスライフを送るはずだった主人公、四万十 葦拿。
しかし、運悪く世界的感染症によって殆ど大学に通えず、彼女にまでフラれて鬱屈とした日々を過ごす毎日。
うまくいかないプライベートによって押し潰されそうになっていた彼を救ったのはキャンプだった。
次第にキャンプ沼へのめり込んでいった彼は、全国のキャンプ場を制覇する程のヘビーユーザーとなり、着実に経験を積み重ねていく。
そして、知らん内に異世界にすっ飛ばされたが、どっぷりハマっていたアウトドア経験を駆使して、なんだかんだ未知のフィールドを楽しむようになっていく。
遭難をソロキャンと言い張る男、四万十 葦拿の異世界キャンプ物語。
別に要らんけど異世界なんでスマホからネットショッピングする能力をゲット。
Awazonの商品は3億5371万品目以上もあるんだって!
すごいよね。
―――――――――
以前公開していた小説のセルフリメイクです。
アルファポリス様で掲載していたのは同名のリメイク前の作品となります。
基本的には同じですが、リメイクするにあたって展開をかなり変えているので御注意を。
1話2000~3000文字で毎日更新してます。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
掘鑿王(くっさくおう)~ボクしか知らない隠しダンジョンでSSRアイテムばかり掘り出し大金持ち~
テツみン
ファンタジー
『掘削士』エリオットは、ダンジョンの鉱脈から鉱石を掘り出すのが仕事。
しかし、非戦闘職の彼は冒険者仲間から不遇な扱いを受けていた。
ある日、ダンジョンに入ると天災級モンスター、イフリートに遭遇。エリオットは仲間が逃げ出すための囮(おとり)にされてしまう。
「生きて帰るんだ――妹が待つ家へ!」
彼は岩の割れ目につるはしを打ち込み、崩落を誘発させ――
目が覚めると未知の洞窟にいた。
貴重な鉱脈ばかりに興奮するエリオットだったが、特に不思議な形をしたクリスタルが気になり、それを掘り出す。
その中から現れたモノは……
「えっ? 女の子???」
これは、不遇な扱いを受けていた少年が大陸一の大富豪へと成り上がっていく――そんな物語である。
レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)
荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」
俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」
ハーデス 「では……」
俺 「だが断る!」
ハーデス 「むっ、今何と?」
俺 「断ると言ったんだ」
ハーデス 「なぜだ?」
俺 「……俺のレベルだ」
ハーデス 「……は?」
俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」
ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」
俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」
ハーデス 「……正気……なのか?」
俺 「もちろん」
異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。
たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!
異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。
久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。
事故は、予想外に起こる。
そして、異世界転移? 転生も。
気がつけば、見たことのない森。
「おーい」
と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。
その時どう行動するのか。
また、その先は……。
初期は、サバイバル。
その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。
有名になって、王都へ。
日本人の常識で突き進む。
そんな感じで、進みます。
ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。
異世界側では、少し非常識かもしれない。
面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。
俺たちYOEEEEEEE?のに異世界転移したっぽい?
くまの香
ファンタジー
いつもの朝、だったはずが突然地球を襲う謎の現象。27歳引きニートと27歳サラリーマンが貰ったスキル。これ、チートじゃないよね?頑張りたくないニートとどうでもいいサラリーマンが流されながら生きていく話。現実って厳しいね。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる