177 / 718
第五章 戦争
第二十七話 塔内部
しおりを挟む
「侵入されただと?!何故そんな事になる!!」
灰燼は怒りに任せてダンッと近くにあった机を叩く。この空飛ぶ建造物は、自ら中に引き入れない限り入る事の出来ない難攻不落の要塞。その歴史に幕を閉じたのは鏖の襲撃からたった五分程度の短い時間だった。
ベルフィアは含み笑いをしながら、その慌てぶりに愉悦を感じていた。それに気付いた灰燼はベルフィアに手をかざして魔力を薄く引き伸ばして作った不可視の刃でザクッと喉を切り裂いた。
「……かっ……」
突然の攻撃に少々驚くが、それだけ余裕がないことを知らしめてるも同じ事。ニヤニヤ笑っている顔を崩さず憐れな老人を見た。
「貴様……」
バッと手をかざし、無数の刃で顔を切り刻む。
ザクザクッザクッ……
肉が勢いよく切られる嫌な音が出る。ベルフィアの体もそれに会わせて跳ね、縛られた鎖がガシャッジャリンッとうるさい音を立てる。
ある程度切り刻むと攻撃が止み、ガクッと項垂れるベルフィア。普通なら死んでいる。しかし相手は吸血鬼。この程度の傷はすぐに塞がる。数秒の後、何事もなかったように顔を上げた。
「……気は済んだかえ?」
ベルフィア自身も落ち着いたのか、薄ら笑いで可哀そうな人を見る目に代わっていた。その顔に向けて手をかざすも、思い直して手を下ろす。魔力の無駄だと断じて八つ当たりを控えた。
「ふんっ……とにかく今は一刻を争う……」
コツコツ……と数歩歩いてしばらく考える素振りを見せた後デスウィッチに目を向ける。
「ふむ、入られたからには仕方なかろうな……儂らの目的さえ達成出来れば良いのじゃ。となればここは事情を話し、奴の機嫌を取るのが良かろう……」
敵対すれば死ぬ。第四魔王”紫炎”は鏖と戦い、命を落とした。その上要塞の防御魔法を簡単に突破するような無茶苦茶な奴と相対すれば、下手すれば何もできずに消滅させられる事態になりかねない。「御意にございます……」老婆もコクリと頷いてその意見に賛同した。
「はっはぁっ!無様無様!!お主らがいくら頭を下げヨうと妾に手をかけタ時点で終ワりじゃ!!」
「愉快っ愉快っ!」と高笑いをしている。その笑いを静かに見つめる灰燼。ある程度笑った後、ベルフィアは憐れな老人を見据えて言い放つ。
「しかしどうじゃ灰燼とやら…モノは相談じゃが、妾を解放せぬか?妾がミーシャ様に口利きしてやっても良いぞ?こノ建物にやって来タノは妾を探しに来タからじゃ。妾が無事に戻れば万事丸く収まルと思うが?」
それを聞いてふっと顔を下げる。その状況を想像しているのだろう。
「ふむ、悪くない……悪くないが、しかし……」
そうなると研究が一時的に止まってしまう。それは避けたい。この吸血鬼を返さず鏖が引き返す方法。
「……いえいえ、仲間を返さず撤退など……その様な方法ありませぬなぁ……これは正直に申し上げて……どちらかを諦めるしかございませぬ……」
「どちらか、とは?」
「研究の一時中断か……我らの消滅か……」
ベルフィアは頭を振る。
「いいや、研究ノ永久停止かお主らノ消滅か、じゃ」
「……馬鹿な……」
老婆は鼻で笑う。しかし灰燼はそれに対して顎に触れながら納得する。
「……いや、その通り。これを返せば今後二度と研究は出来ぬものと思わねばならん……これの所有者は自分の持ち物を手放したりしないじゃろうし、これを持ち帰れたのが奇跡じゃったと言える」
布を取り去った白い美しい身体を上から下へ、下から上へ眺める。
「どうしタ?妾に惚れタノかい?」
「婆や……皮膚を剥げ」
「?」何を言われたか一瞬考えたが、それを老婆が承諾した時ベルフィアが牙を剥く。
「寄ルな糞婆ぁ!!おどれら殺すぞ!!」
「へぇへぇ……怖くありませぬなぁ……じっとしててくださいまし……まぁすぐ終わりますので……」
叫び声と鎖の軋む音だけが通路に木霊した。
*
「……今の聞こえたか?」
ラルフは耳を傾けて僅かな音を聞いていた。ウィーも目を閉じて探る。しかし、反響しすぎて位置を掴む事が出来ない。ウィーは困ったようにラルフを見上げる。
「駄目か……」
「とにかく進みましょう。中心に行ければもっと分かるでしょう」
ブレイドは松明を掲げて前を照らす。コツコツ……と石畳を硬い靴で歩くと高い音が鳴る。
「何なんだこの建物は……空間が歪んでるのか?」
外から見たら明らかに容量が無いように見える単なる塔でも中には無数の部屋が存在する。階段があったり長い通路を歩いてみたりと不思議な空間である。
「掃除大変そー」
アルルは暗い部屋を覗き込みながら呑気な事を言っている。罠もなければ兵もいない。通路と部屋ばかりで緊張感がないせいだろう。
「アルル。悠長な事言ってないで集中してくれ」
ブレイドも呆れてアルルを見る。その時ウィーがピタリと止まる。ラルフがそれに気付いて周りを確認し始めた。
「……来たな?」
「えっ?何も居ませんけど……」
「ウィーが反応している。すぐ来るぞ」
ブレイドはガンブレイドを取り出す。アルルも魔槍を前に突き出す。
「まぁ待て、これだけ部屋があるんだ。何も迎撃だけが能じゃないぜ?」
*
ミーシャは外の斬撃が鬱陶しくなってきて、近くの塔に乗り込んでみた。暗くて何も見えない空間。ふわっと白い光源を三つ放つ。外から見たらそこまで難しくないと思った探索も中に入れば大違いだと感じる。
「……こんなに部屋があるの?」
その辺の扉を開けてみる。中には物があったり無かったりで、それなりに広い。幾らかはダミーだと思ったが、魔族の城や大きな建造物には大概術式を用いて内容量をでかくしたり、魔障壁を張ったりと忙しい。
この要塞はそれに空飛ぶ機能と透明化を持っている。実に多彩な乗り物だ。第十魔王"白絶"の船"白い珊瑚"以上に多彩かも知れない。ミーシャはため息を吐く。
「はぁ……これは骨が折れるわ……もうラルフ達に合流してこの乗り物を落としちゃおっかな……」
段々面倒くさくなったミーシャはいつもの力業を考える。どうせ瓦礫の下敷きになってもベルフィアは死なない。ラルフ達を守れれば何と言う事はない。頭の中で整理しているとそれが良いアイデアだと思い始めた。
「……うん。悪くないんじゃない?あっちも中枢に向かってるはずだし、このまま私も行こっと。てゆーかこれに早く気付いていれば別れる必要なかったな……失敗失敗……」
もう少し効率について考えるべきだった。今さら考えてもどうしようもない。後悔先に立たずだ。ミーシャは怖いものなしといった風にズンズン歩き出した。
灰燼は怒りに任せてダンッと近くにあった机を叩く。この空飛ぶ建造物は、自ら中に引き入れない限り入る事の出来ない難攻不落の要塞。その歴史に幕を閉じたのは鏖の襲撃からたった五分程度の短い時間だった。
ベルフィアは含み笑いをしながら、その慌てぶりに愉悦を感じていた。それに気付いた灰燼はベルフィアに手をかざして魔力を薄く引き伸ばして作った不可視の刃でザクッと喉を切り裂いた。
「……かっ……」
突然の攻撃に少々驚くが、それだけ余裕がないことを知らしめてるも同じ事。ニヤニヤ笑っている顔を崩さず憐れな老人を見た。
「貴様……」
バッと手をかざし、無数の刃で顔を切り刻む。
ザクザクッザクッ……
肉が勢いよく切られる嫌な音が出る。ベルフィアの体もそれに会わせて跳ね、縛られた鎖がガシャッジャリンッとうるさい音を立てる。
ある程度切り刻むと攻撃が止み、ガクッと項垂れるベルフィア。普通なら死んでいる。しかし相手は吸血鬼。この程度の傷はすぐに塞がる。数秒の後、何事もなかったように顔を上げた。
「……気は済んだかえ?」
ベルフィア自身も落ち着いたのか、薄ら笑いで可哀そうな人を見る目に代わっていた。その顔に向けて手をかざすも、思い直して手を下ろす。魔力の無駄だと断じて八つ当たりを控えた。
「ふんっ……とにかく今は一刻を争う……」
コツコツ……と数歩歩いてしばらく考える素振りを見せた後デスウィッチに目を向ける。
「ふむ、入られたからには仕方なかろうな……儂らの目的さえ達成出来れば良いのじゃ。となればここは事情を話し、奴の機嫌を取るのが良かろう……」
敵対すれば死ぬ。第四魔王”紫炎”は鏖と戦い、命を落とした。その上要塞の防御魔法を簡単に突破するような無茶苦茶な奴と相対すれば、下手すれば何もできずに消滅させられる事態になりかねない。「御意にございます……」老婆もコクリと頷いてその意見に賛同した。
「はっはぁっ!無様無様!!お主らがいくら頭を下げヨうと妾に手をかけタ時点で終ワりじゃ!!」
「愉快っ愉快っ!」と高笑いをしている。その笑いを静かに見つめる灰燼。ある程度笑った後、ベルフィアは憐れな老人を見据えて言い放つ。
「しかしどうじゃ灰燼とやら…モノは相談じゃが、妾を解放せぬか?妾がミーシャ様に口利きしてやっても良いぞ?こノ建物にやって来タノは妾を探しに来タからじゃ。妾が無事に戻れば万事丸く収まルと思うが?」
それを聞いてふっと顔を下げる。その状況を想像しているのだろう。
「ふむ、悪くない……悪くないが、しかし……」
そうなると研究が一時的に止まってしまう。それは避けたい。この吸血鬼を返さず鏖が引き返す方法。
「……いえいえ、仲間を返さず撤退など……その様な方法ありませぬなぁ……これは正直に申し上げて……どちらかを諦めるしかございませぬ……」
「どちらか、とは?」
「研究の一時中断か……我らの消滅か……」
ベルフィアは頭を振る。
「いいや、研究ノ永久停止かお主らノ消滅か、じゃ」
「……馬鹿な……」
老婆は鼻で笑う。しかし灰燼はそれに対して顎に触れながら納得する。
「……いや、その通り。これを返せば今後二度と研究は出来ぬものと思わねばならん……これの所有者は自分の持ち物を手放したりしないじゃろうし、これを持ち帰れたのが奇跡じゃったと言える」
布を取り去った白い美しい身体を上から下へ、下から上へ眺める。
「どうしタ?妾に惚れタノかい?」
「婆や……皮膚を剥げ」
「?」何を言われたか一瞬考えたが、それを老婆が承諾した時ベルフィアが牙を剥く。
「寄ルな糞婆ぁ!!おどれら殺すぞ!!」
「へぇへぇ……怖くありませぬなぁ……じっとしててくださいまし……まぁすぐ終わりますので……」
叫び声と鎖の軋む音だけが通路に木霊した。
*
「……今の聞こえたか?」
ラルフは耳を傾けて僅かな音を聞いていた。ウィーも目を閉じて探る。しかし、反響しすぎて位置を掴む事が出来ない。ウィーは困ったようにラルフを見上げる。
「駄目か……」
「とにかく進みましょう。中心に行ければもっと分かるでしょう」
ブレイドは松明を掲げて前を照らす。コツコツ……と石畳を硬い靴で歩くと高い音が鳴る。
「何なんだこの建物は……空間が歪んでるのか?」
外から見たら明らかに容量が無いように見える単なる塔でも中には無数の部屋が存在する。階段があったり長い通路を歩いてみたりと不思議な空間である。
「掃除大変そー」
アルルは暗い部屋を覗き込みながら呑気な事を言っている。罠もなければ兵もいない。通路と部屋ばかりで緊張感がないせいだろう。
「アルル。悠長な事言ってないで集中してくれ」
ブレイドも呆れてアルルを見る。その時ウィーがピタリと止まる。ラルフがそれに気付いて周りを確認し始めた。
「……来たな?」
「えっ?何も居ませんけど……」
「ウィーが反応している。すぐ来るぞ」
ブレイドはガンブレイドを取り出す。アルルも魔槍を前に突き出す。
「まぁ待て、これだけ部屋があるんだ。何も迎撃だけが能じゃないぜ?」
*
ミーシャは外の斬撃が鬱陶しくなってきて、近くの塔に乗り込んでみた。暗くて何も見えない空間。ふわっと白い光源を三つ放つ。外から見たらそこまで難しくないと思った探索も中に入れば大違いだと感じる。
「……こんなに部屋があるの?」
その辺の扉を開けてみる。中には物があったり無かったりで、それなりに広い。幾らかはダミーだと思ったが、魔族の城や大きな建造物には大概術式を用いて内容量をでかくしたり、魔障壁を張ったりと忙しい。
この要塞はそれに空飛ぶ機能と透明化を持っている。実に多彩な乗り物だ。第十魔王"白絶"の船"白い珊瑚"以上に多彩かも知れない。ミーシャはため息を吐く。
「はぁ……これは骨が折れるわ……もうラルフ達に合流してこの乗り物を落としちゃおっかな……」
段々面倒くさくなったミーシャはいつもの力業を考える。どうせ瓦礫の下敷きになってもベルフィアは死なない。ラルフ達を守れれば何と言う事はない。頭の中で整理しているとそれが良いアイデアだと思い始めた。
「……うん。悪くないんじゃない?あっちも中枢に向かってるはずだし、このまま私も行こっと。てゆーかこれに早く気付いていれば別れる必要なかったな……失敗失敗……」
もう少し効率について考えるべきだった。今さら考えてもどうしようもない。後悔先に立たずだ。ミーシャは怖いものなしといった風にズンズン歩き出した。
0
あなたにおすすめの小説
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
世界最強の賢者、勇者パーティーを追放される~いまさら帰ってこいと言われてももう遅い俺は拾ってくれた最強のお姫様と幸せに過ごす~
aoi
ファンタジー
「なぁ、マギそろそろこのパーティーを抜けてくれないか?」
勇者パーティーに勤めて数年、いきなりパーティーを戦闘ができずに女に守られてばかりだからと追放された賢者マギ。王都で新しい仕事を探すにも勇者パーティーが邪魔をして見つからない。そんな時、とある国のお姫様がマギに声をかけてきて......?
お姫様の為に全力を尽くす賢者マギが無双する!?
異世界だろうがソロキャンだろう!? one more camp!
ちゃりネコ
ファンタジー
ソロキャン命。そして異世界で手に入れた能力は…Awazonで買い物!?
夢の大学でキャンパスライフを送るはずだった主人公、四万十 葦拿。
しかし、運悪く世界的感染症によって殆ど大学に通えず、彼女にまでフラれて鬱屈とした日々を過ごす毎日。
うまくいかないプライベートによって押し潰されそうになっていた彼を救ったのはキャンプだった。
次第にキャンプ沼へのめり込んでいった彼は、全国のキャンプ場を制覇する程のヘビーユーザーとなり、着実に経験を積み重ねていく。
そして、知らん内に異世界にすっ飛ばされたが、どっぷりハマっていたアウトドア経験を駆使して、なんだかんだ未知のフィールドを楽しむようになっていく。
遭難をソロキャンと言い張る男、四万十 葦拿の異世界キャンプ物語。
別に要らんけど異世界なんでスマホからネットショッピングする能力をゲット。
Awazonの商品は3億5371万品目以上もあるんだって!
すごいよね。
―――――――――
以前公開していた小説のセルフリメイクです。
アルファポリス様で掲載していたのは同名のリメイク前の作品となります。
基本的には同じですが、リメイクするにあたって展開をかなり変えているので御注意を。
1話2000~3000文字で毎日更新してます。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)
荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」
俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」
ハーデス 「では……」
俺 「だが断る!」
ハーデス 「むっ、今何と?」
俺 「断ると言ったんだ」
ハーデス 「なぜだ?」
俺 「……俺のレベルだ」
ハーデス 「……は?」
俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」
ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」
俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」
ハーデス 「……正気……なのか?」
俺 「もちろん」
異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。
たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!
掘鑿王(くっさくおう)~ボクしか知らない隠しダンジョンでSSRアイテムばかり掘り出し大金持ち~
テツみン
ファンタジー
『掘削士』エリオットは、ダンジョンの鉱脈から鉱石を掘り出すのが仕事。
しかし、非戦闘職の彼は冒険者仲間から不遇な扱いを受けていた。
ある日、ダンジョンに入ると天災級モンスター、イフリートに遭遇。エリオットは仲間が逃げ出すための囮(おとり)にされてしまう。
「生きて帰るんだ――妹が待つ家へ!」
彼は岩の割れ目につるはしを打ち込み、崩落を誘発させ――
目が覚めると未知の洞窟にいた。
貴重な鉱脈ばかりに興奮するエリオットだったが、特に不思議な形をしたクリスタルが気になり、それを掘り出す。
その中から現れたモノは……
「えっ? 女の子???」
これは、不遇な扱いを受けていた少年が大陸一の大富豪へと成り上がっていく――そんな物語である。
俺たちYOEEEEEEE?のに異世界転移したっぽい?
くまの香
ファンタジー
いつもの朝、だったはずが突然地球を襲う謎の現象。27歳引きニートと27歳サラリーマンが貰ったスキル。これ、チートじゃないよね?頑張りたくないニートとどうでもいいサラリーマンが流されながら生きていく話。現実って厳しいね。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる