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第十三章 再生
第四十九話 会合
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アルパザでの死闘が終わり、戦場を後にしたマクマインに待っていたのは”王の集い”への招集だった。人魔同盟という失策を咎めようと呼び出したに違いない。
「この際だ、王の集いから脱退し、新たに組織を立ち上げるのも悪くないかもしれんな……」
エルフの王、森王レオ=アルティネスの立ち上げた人族の繋がり。コソコソと長同士が会合し、魔族に対する戦いや、暮らしの良し悪しを決定する国際連合。
組織に迎合するメリットは、他種族の技術や職人の貸し出し、物資の輸出入に関する国家維持に向けた様々な支援を受けられる点だろう。
デメリットは動きを阻害されることに他ならない。何事にも連携が必要と謳う王の集いに自由は許されない。とはいえ、もし自由に行動出来たとしても、マクマインのように魔族と関わるのは間違っているが、それは棚に上げる。
『そんなことして何になるの?国が回らなくなっちゃっても僕は知らないよ?』
アシュタロトの言い分も分かる。王の集いのメリットを捨ててまで自由意志を優先すれば確実にイルレアン国は滅ぶ。ほとんどの物資を輸出入に頼っているイルレアンにとって、ここで絶たれては干上がるだけだ。もし神の力を当てにしているなら即刻考えを改めるべきだ。アシュタロトに消えられて困るのはマクマインなのだから。
「勘違いするな。脱退するのは私個人だ。代わりにイルレアン国の王にお任せするつもりだ」
王の集いに唯一公爵の位で組織に属していたマクマイン。今それを正しい形に戻すだけだと詭弁を垂れる。
『また暗躍するつもりなの?まぁ表に出過ぎたってのがあるんだろうけど……』
「ああ、冷静さを欠いていた。思い返してみても恥ずかしい限りだ。イミーナが奴を殺すのに失敗し、ゼアルを倒された時に踏み止まるべきだったのだ。それが出来なかったのは未熟さ故だろうな……」
マクマインは王の集いへの参加のための通信機を弄る。野営地で一際大きな天幕を張り、人払いを済ませたこの場所は何もかもが遠くに聞こえる。スッと机の上に置いて喉を鳴らして声の通りを確認する。
もう起動するものと思って黙っていたアシュタロトにマクマインはしたり顔を向ける。
「だがそれで良い。老いさらばえたこの身で、生涯最後の目標を見つけた。私の命がある限り、必ずやあの者共を血祭りに上げてやる。その誓いを貴様に捧げよう」
アシュタロトは一瞬呆けたが、同じくしたり顔で返す。
『受けてあげるよ。その誓いを……』
しばらくアシュタロトと見つめ合い、満足したマクマインは通信機を起動させた。
*
白き空間。汚れることのない白は清らかで潔癖なイメージと冷たさを感じさせる。そこに集うのは、この異世界を作りし神々。ほとんど全員がそこに集結する。
中でも可哀想なほどに項垂れている者が机のような白い物体に突っ伏している。アルテミスである。
『最悪だにゃ……こんな屈辱は味わったことがないにゃよ』
『いや、嘘をつけ。これくらいなら何度だって味わっただろう?何でも盛るのは良くない癖だぞ』
そこにアトムと思しき声が響く。体を創造していないために気配だけが漂っているように感じる。
『はあぁぁあっ!?お前に言われたくはないにゃ!デカいばっかで大味の癖に!!』
『大は小を兼ねるという。ふむ、理に適っているな。ところで貴様は?……なるほど、間抜けということか』
『やるにゃら相手になるにゃ!!』
バッと立ち上がって牽制する。睨みつけた虚空の先にアトムが居るのだろう。そんな子供のような喧嘩を止めるでもなく他の神々は思考を巡らせている。
『ユピテルとバルカンは八大地獄に付いていると言ったな。其はあれらで勝てると思うか?』
『先ず無理。ソフィーに加担して分かったのは、この世界の理を超えさせていることは確かね。どうやって造ったんだか……』
『サトリ……熱心……』
『うむ。しかし熱心ということだけで放置する領域は既に超えている。ここらで灸を据える必要があるだろう』
『はっ!どうするというんにゃ?守護獣すら相手にならにゃいのに、一体どこの誰が相手になるにゃ?ウチらが手を下すんにゃ?』
『それで負けたのはどこのどいつだ?』
『お前も負けたにゃ!!』
『其らは黙っていろ。どちらも完膚なきまでにやられておいて罵れる質か?』
『しかしネレイド、アルテミスの言うことも一理あります。如何するおつもりでしょうか?』
イリヤは諭すように静かに語りかける。ネレイドは一拍置いて言葉を発する。
『バルカンからの情報で八大地獄の強化を図っていると聞いた。これをぶつけるのは当然として、吾らも戦力を設けようと思う』
『……創造?』
ミネルバの質問に『うむ』と一言。
『無駄なことを……そんなことをしている間に世界は滅茶苦茶だ。それよりもエレクトラがやった人間の強化の方が早くて容易い』
『それで勝てたらここでこうしてないでしょ?蒸し返していないで何か考えたら?』
『……言うでは無いか。しかし貴様がやったソフィーとかいう女。本当に強かったのか?白の騎士団とやらで一番強いのはゼアルだと聞いた。そういう観点から言っても選択に難があったのではないかと推察するが?』
エレクトラはムッとしてアトムを睨む。ソフィーは一角人の中では間違いなく一番強い。しかし最強かと問われればどう答えたものか困ったと見える。
『何を言ってるにゃ?ゼアルとかいう男もアシュタロトに強化されてたにゃ。ゼアルも負けてたにゃ』
その答えにさらにエレクトラの顔が険しくなった。アトムはそれを知っていながらエレクトラの失策を突いたようだ。性根が腐っている。その視線にばつが悪くなったアトムは苦々しい口調で吐き捨てる。
『ふんっ!あれもダメこれもダメ。いっそ我らの力を一つに纏めて浴びせてやれば消滅しないものか』
不貞腐れたアトムの言葉にネレイドが飛びつく。
『それだ』
『ぬ?それだと?大砲でも作るつもりか?力を結集させるというなら惜しむつもりはない。しかし当てられるか?』
『……違う……アトム……勘違い』
ミネルバの指摘にアトムは疑問符を浮かべる。
『吾らの力を一つの個体に収束させる。……造るよりも早く容易いか。その通りだな』
『けどそんな容量のある人間がいるもの?収束させたら弾けたりしない?』
『ロングマンを使うのはどうかにゃ?あの男にゃら多分耐えられると思うにゃ』
『間抜けが。奴は我らを敵視している。そんな奴に力を与えては反旗を翻すのは目に見えている』
『じゃあどうするにゃ!?』
アトムとの諍いが絶えないアルテミス。ネレイドはそんなふたりを無視して言葉を紡ぐ。
『イチかバチか……か。ならば試すのは一人。人類最強を使用する』
以降神々の会合は終結した。
人類最強を謳うヒューマン。その名はゼアル。
神々の力が結集し、ゼアルは頂へと登る。
「この際だ、王の集いから脱退し、新たに組織を立ち上げるのも悪くないかもしれんな……」
エルフの王、森王レオ=アルティネスの立ち上げた人族の繋がり。コソコソと長同士が会合し、魔族に対する戦いや、暮らしの良し悪しを決定する国際連合。
組織に迎合するメリットは、他種族の技術や職人の貸し出し、物資の輸出入に関する国家維持に向けた様々な支援を受けられる点だろう。
デメリットは動きを阻害されることに他ならない。何事にも連携が必要と謳う王の集いに自由は許されない。とはいえ、もし自由に行動出来たとしても、マクマインのように魔族と関わるのは間違っているが、それは棚に上げる。
『そんなことして何になるの?国が回らなくなっちゃっても僕は知らないよ?』
アシュタロトの言い分も分かる。王の集いのメリットを捨ててまで自由意志を優先すれば確実にイルレアン国は滅ぶ。ほとんどの物資を輸出入に頼っているイルレアンにとって、ここで絶たれては干上がるだけだ。もし神の力を当てにしているなら即刻考えを改めるべきだ。アシュタロトに消えられて困るのはマクマインなのだから。
「勘違いするな。脱退するのは私個人だ。代わりにイルレアン国の王にお任せするつもりだ」
王の集いに唯一公爵の位で組織に属していたマクマイン。今それを正しい形に戻すだけだと詭弁を垂れる。
『また暗躍するつもりなの?まぁ表に出過ぎたってのがあるんだろうけど……』
「ああ、冷静さを欠いていた。思い返してみても恥ずかしい限りだ。イミーナが奴を殺すのに失敗し、ゼアルを倒された時に踏み止まるべきだったのだ。それが出来なかったのは未熟さ故だろうな……」
マクマインは王の集いへの参加のための通信機を弄る。野営地で一際大きな天幕を張り、人払いを済ませたこの場所は何もかもが遠くに聞こえる。スッと机の上に置いて喉を鳴らして声の通りを確認する。
もう起動するものと思って黙っていたアシュタロトにマクマインはしたり顔を向ける。
「だがそれで良い。老いさらばえたこの身で、生涯最後の目標を見つけた。私の命がある限り、必ずやあの者共を血祭りに上げてやる。その誓いを貴様に捧げよう」
アシュタロトは一瞬呆けたが、同じくしたり顔で返す。
『受けてあげるよ。その誓いを……』
しばらくアシュタロトと見つめ合い、満足したマクマインは通信機を起動させた。
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白き空間。汚れることのない白は清らかで潔癖なイメージと冷たさを感じさせる。そこに集うのは、この異世界を作りし神々。ほとんど全員がそこに集結する。
中でも可哀想なほどに項垂れている者が机のような白い物体に突っ伏している。アルテミスである。
『最悪だにゃ……こんな屈辱は味わったことがないにゃよ』
『いや、嘘をつけ。これくらいなら何度だって味わっただろう?何でも盛るのは良くない癖だぞ』
そこにアトムと思しき声が響く。体を創造していないために気配だけが漂っているように感じる。
『はあぁぁあっ!?お前に言われたくはないにゃ!デカいばっかで大味の癖に!!』
『大は小を兼ねるという。ふむ、理に適っているな。ところで貴様は?……なるほど、間抜けということか』
『やるにゃら相手になるにゃ!!』
バッと立ち上がって牽制する。睨みつけた虚空の先にアトムが居るのだろう。そんな子供のような喧嘩を止めるでもなく他の神々は思考を巡らせている。
『ユピテルとバルカンは八大地獄に付いていると言ったな。其はあれらで勝てると思うか?』
『先ず無理。ソフィーに加担して分かったのは、この世界の理を超えさせていることは確かね。どうやって造ったんだか……』
『サトリ……熱心……』
『うむ。しかし熱心ということだけで放置する領域は既に超えている。ここらで灸を据える必要があるだろう』
『はっ!どうするというんにゃ?守護獣すら相手にならにゃいのに、一体どこの誰が相手になるにゃ?ウチらが手を下すんにゃ?』
『それで負けたのはどこのどいつだ?』
『お前も負けたにゃ!!』
『其らは黙っていろ。どちらも完膚なきまでにやられておいて罵れる質か?』
『しかしネレイド、アルテミスの言うことも一理あります。如何するおつもりでしょうか?』
イリヤは諭すように静かに語りかける。ネレイドは一拍置いて言葉を発する。
『バルカンからの情報で八大地獄の強化を図っていると聞いた。これをぶつけるのは当然として、吾らも戦力を設けようと思う』
『……創造?』
ミネルバの質問に『うむ』と一言。
『無駄なことを……そんなことをしている間に世界は滅茶苦茶だ。それよりもエレクトラがやった人間の強化の方が早くて容易い』
『それで勝てたらここでこうしてないでしょ?蒸し返していないで何か考えたら?』
『……言うでは無いか。しかし貴様がやったソフィーとかいう女。本当に強かったのか?白の騎士団とやらで一番強いのはゼアルだと聞いた。そういう観点から言っても選択に難があったのではないかと推察するが?』
エレクトラはムッとしてアトムを睨む。ソフィーは一角人の中では間違いなく一番強い。しかし最強かと問われればどう答えたものか困ったと見える。
『何を言ってるにゃ?ゼアルとかいう男もアシュタロトに強化されてたにゃ。ゼアルも負けてたにゃ』
その答えにさらにエレクトラの顔が険しくなった。アトムはそれを知っていながらエレクトラの失策を突いたようだ。性根が腐っている。その視線にばつが悪くなったアトムは苦々しい口調で吐き捨てる。
『ふんっ!あれもダメこれもダメ。いっそ我らの力を一つに纏めて浴びせてやれば消滅しないものか』
不貞腐れたアトムの言葉にネレイドが飛びつく。
『それだ』
『ぬ?それだと?大砲でも作るつもりか?力を結集させるというなら惜しむつもりはない。しかし当てられるか?』
『……違う……アトム……勘違い』
ミネルバの指摘にアトムは疑問符を浮かべる。
『吾らの力を一つの個体に収束させる。……造るよりも早く容易いか。その通りだな』
『けどそんな容量のある人間がいるもの?収束させたら弾けたりしない?』
『ロングマンを使うのはどうかにゃ?あの男にゃら多分耐えられると思うにゃ』
『間抜けが。奴は我らを敵視している。そんな奴に力を与えては反旗を翻すのは目に見えている』
『じゃあどうするにゃ!?』
アトムとの諍いが絶えないアルテミス。ネレイドはそんなふたりを無視して言葉を紡ぐ。
『イチかバチか……か。ならば試すのは一人。人類最強を使用する』
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