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第十四章 驚天動地
第41.5話 不明な行動
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突如として巨大化したケルベロス。浮力だけと化し、姿勢制御等の術式を諸々失った浮遊要塞は、巨大化で重くなったケルベロスのせいで一方向に傾いた。要塞の中が大変なことになっていることは想像に難く無いが、そんな要塞の外には人影がポツリ。
「ほらね。こうなると思った」
それは竜魔人として復活を遂げた八大地獄の一人、ノーン。他の仲間たちが要塞内を探索する中、ノーンだけは外で待ち構えていた。ケルベロスを追い詰めれば、命惜しさに確実に元の姿に戻り、突き破って出てくるだろうと踏んでいたのだ。さらに、要塞の通路で巨大化されたら攻撃場所が足に限定され、本来であれば然程(さほど)ダメージを与えることは出来ない。外で陣取れば、その心配は皆無。
全てノーンの想像通りに事が運んだわけだが、二つ見落としている。一つはいつも所持している槍がない事、二つ目はたった一人で何が出来るのかという事だ。
しかしノーンはケルベロスに向かって跳躍する。化け物に向かっていく女性。字面だけで見ても勝ち目など存在しないが、それでも行くのは竜魔人の強靭な体を手に入れた自信からか、それとも別の理由からか。
「おいでワンちゃん。遊んだげる♪」
鋭い敵意にケルベロスも気づいた。
「ゴォンッ!!」
腹の底から発した咆哮は衝撃波を伴ってノーンに直撃する。
「わっぷ!」
空中で勢いが殺され、ケルベロスに届く事なく垂直に落ちる。突き破った場所から離れ、落ちるノーンに対し、着地狩りを決めようとしている。浮遊要塞が傾き放題となているので、今頃要塞内はてんやわんや。すぐにもノーンを狙ったのは、内部に居る連中以上に攻撃をされそうだったから。
相手がどれほどの手練れかが分からない。一発一発が致命傷な攻撃を仕掛けてくるかも知れない。ケルベロスがいくら頑強な身体を持っていようと、嬉々として、わざわざ攻撃を仕掛けてくる異常な奴らに構っていられるほどの余裕はない。
とっとと殺して安全確保。これが最優先だ。
ゾクッ……
体の芯から冷えるような恐怖が走る。ノーンは金色の瞳を見開いて特異能力を発動させていた。能力発動時、ノーンと目があった生き物に言い知れぬ恐怖を植え付けて動きを阻害する。火や水に該当されるエレメンツのような派手さはないため一見地味だが、精神を摩耗させること出来る能力はかなり特殊と言える。まとめると出来るのは動きの阻害。この一点に尽きる。
ノーンはケルベロスを睨みながら着地に成功し、そのまま要塞内に戻って命の危機は去った。
恐怖に支配されたケルベロス。ノーンが隠れたことにより、自由が効く。はずだった。
体が震えてどうしようも無い。ケルベロスが突然動かなくなった理由は、ノーンの特異能力によるものではなく、空にヒビが入ったからだ。実はノーンになど目もくれず、それよりも高い位置に現れた次元の穴に目が行った。そこから顔を出した存在に愕然とする。
その名はミーシャ。唯一絶対の王。同じ神に創造された最強の化身。
「……これは一体どういうこと?説明しなさい」
ミーシャの背後からゾロゾロとラルフたちも顔を出す。
「おいおい、ワンコ相手に説明も何も……ここは一つサトリに聞いてみようぜ。心を読むあいつなら事情を説明出来る……出てこないけどね」
「ほらね。こうなると思った」
それは竜魔人として復活を遂げた八大地獄の一人、ノーン。他の仲間たちが要塞内を探索する中、ノーンだけは外で待ち構えていた。ケルベロスを追い詰めれば、命惜しさに確実に元の姿に戻り、突き破って出てくるだろうと踏んでいたのだ。さらに、要塞の通路で巨大化されたら攻撃場所が足に限定され、本来であれば然程(さほど)ダメージを与えることは出来ない。外で陣取れば、その心配は皆無。
全てノーンの想像通りに事が運んだわけだが、二つ見落としている。一つはいつも所持している槍がない事、二つ目はたった一人で何が出来るのかという事だ。
しかしノーンはケルベロスに向かって跳躍する。化け物に向かっていく女性。字面だけで見ても勝ち目など存在しないが、それでも行くのは竜魔人の強靭な体を手に入れた自信からか、それとも別の理由からか。
「おいでワンちゃん。遊んだげる♪」
鋭い敵意にケルベロスも気づいた。
「ゴォンッ!!」
腹の底から発した咆哮は衝撃波を伴ってノーンに直撃する。
「わっぷ!」
空中で勢いが殺され、ケルベロスに届く事なく垂直に落ちる。突き破った場所から離れ、落ちるノーンに対し、着地狩りを決めようとしている。浮遊要塞が傾き放題となているので、今頃要塞内はてんやわんや。すぐにもノーンを狙ったのは、内部に居る連中以上に攻撃をされそうだったから。
相手がどれほどの手練れかが分からない。一発一発が致命傷な攻撃を仕掛けてくるかも知れない。ケルベロスがいくら頑強な身体を持っていようと、嬉々として、わざわざ攻撃を仕掛けてくる異常な奴らに構っていられるほどの余裕はない。
とっとと殺して安全確保。これが最優先だ。
ゾクッ……
体の芯から冷えるような恐怖が走る。ノーンは金色の瞳を見開いて特異能力を発動させていた。能力発動時、ノーンと目があった生き物に言い知れぬ恐怖を植え付けて動きを阻害する。火や水に該当されるエレメンツのような派手さはないため一見地味だが、精神を摩耗させること出来る能力はかなり特殊と言える。まとめると出来るのは動きの阻害。この一点に尽きる。
ノーンはケルベロスを睨みながら着地に成功し、そのまま要塞内に戻って命の危機は去った。
恐怖に支配されたケルベロス。ノーンが隠れたことにより、自由が効く。はずだった。
体が震えてどうしようも無い。ケルベロスが突然動かなくなった理由は、ノーンの特異能力によるものではなく、空にヒビが入ったからだ。実はノーンになど目もくれず、それよりも高い位置に現れた次元の穴に目が行った。そこから顔を出した存在に愕然とする。
その名はミーシャ。唯一絶対の王。同じ神に創造された最強の化身。
「……これは一体どういうこと?説明しなさい」
ミーシャの背後からゾロゾロとラルフたちも顔を出す。
「おいおい、ワンコ相手に説明も何も……ここは一つサトリに聞いてみようぜ。心を読むあいつなら事情を説明出来る……出てこないけどね」
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