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最終章
第四十一話 時の流れ
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西の大陸。かつてオークが支配していたこの大陸。”オークルド”と呼ばれる街には今、エルフたちが住んでいる。
エルフの里”エルフェニア”が消し炭となって以降、オークルドを改装してエルフたちに住みやすい環境作りに徹した。
ここはもうオークルドではない。新たなエルフェニアとして、エルフの歴史が始まった。
改装に多少の時間が掛かったものの、ようやく通常通り過ごせるようになったエルフたちはまだまだぎこちないものの、旧エルフェニア時代の活気を取り戻そうと皆が声を掛け合って楽しく過ごすように努めていた。
そんな努力を鼻で笑うのは阿久津 美咲。特にやることもなくブラブラと街を散歩している。
気に入った男を手に入れられなかった悔しさからやる気を失くした彼女は、神から授かった素晴らしい戦闘能力を持て余し、自堕落な生活を送っていた。
一応戦闘能力がエルフェニアの中では一番高いということも相まってそんな生活をしていても、注意されたり叱られたり蔑まれたりすることが一切ない。どころかすれ違う度に尊敬の眼差しを向けられる。悪いことではない。寧ろ煩わしさがなく喜ばしいことではあるのだが、エルフたちにもかつての覇気を感じられなくなって面白みに欠けている。
とうとう気付いたのだ。エルフは完璧ではないと。
きっと何千年もの間存在し続けた旧エルフェニアの消滅が彼らの自信を喪失させたのだ。
自分たちは神に最も近い恵まれた高尚な存在であり、その他全ての生物は低俗であると全人類をバカにしていたというのに、蓋を開ければ言うほど大差なかったと思い知らされたためだ。
そんな腑抜け共の街に長居したのが不味かったのか、彼女もすっかり腑抜けになった。
「つまんないな……」
そう思っても出て行く気概は無い。これ以上何か起こるのも面倒だと感じているのだ。代わり映えの無い日常にうんざりしながらも何もしない。これが今の美咲だ。
「み、美咲さん!」
その声に懐かしさを感じた。つい最近ここに移住した時に会ったのに、もう何年も会ってないような気さえ感じた。美咲はニヤニヤと振り向いた。
「歩じゃーん。元気してたぁ?」
まるで親戚のお姉さんのような気さくな感じでにこやかな笑顔を見せた。手を振る歩について来た影は一人を除いて馴染みあるものだった。
「……全員集合って感じ?しげピーは居ないけど……」
美咲は髪をかき上げた。
「元気そうだね」
「そっちも。なんか雰囲気変わった?」
アンノウンとの会話もフランクにこなす。そんな中、正孝は一人鼻で笑った。美咲との久しぶりの出会いに思うところがあるのか、再会に華を添えるつもりはないらしい。
そして茂の代わりにそこに立っているのは草臥れたハットの男。違和感は多少あれど、来訪理由を聞いた。ラルフの口から返って来た答えはあまりのも壮大で、且つ思いもよらないものだった。
「まぁもしかしたら超過酷な旅が待っているのかもな……これを踏まえて君に聞きたい。ここに残りたいか、一緒に行くか?」
「一緒に行く!」
あまりの即答っぷりに目を丸くする面々。話を聞いていなかったのかと思うレベルの即答っぷりだが、慌てず騒がず落ち着いてもう一度聞くことにした。
「あの……本当に……?」
「行く!!」
即答は変わらない。逡巡すらしない。彼女の答えは既に決まっている。
こうして異世界からの転生組をかき集め終えたラルフ一行は、ついに世界を飛び出す時が来たのだった。
エルフの里”エルフェニア”が消し炭となって以降、オークルドを改装してエルフたちに住みやすい環境作りに徹した。
ここはもうオークルドではない。新たなエルフェニアとして、エルフの歴史が始まった。
改装に多少の時間が掛かったものの、ようやく通常通り過ごせるようになったエルフたちはまだまだぎこちないものの、旧エルフェニア時代の活気を取り戻そうと皆が声を掛け合って楽しく過ごすように努めていた。
そんな努力を鼻で笑うのは阿久津 美咲。特にやることもなくブラブラと街を散歩している。
気に入った男を手に入れられなかった悔しさからやる気を失くした彼女は、神から授かった素晴らしい戦闘能力を持て余し、自堕落な生活を送っていた。
一応戦闘能力がエルフェニアの中では一番高いということも相まってそんな生活をしていても、注意されたり叱られたり蔑まれたりすることが一切ない。どころかすれ違う度に尊敬の眼差しを向けられる。悪いことではない。寧ろ煩わしさがなく喜ばしいことではあるのだが、エルフたちにもかつての覇気を感じられなくなって面白みに欠けている。
とうとう気付いたのだ。エルフは完璧ではないと。
きっと何千年もの間存在し続けた旧エルフェニアの消滅が彼らの自信を喪失させたのだ。
自分たちは神に最も近い恵まれた高尚な存在であり、その他全ての生物は低俗であると全人類をバカにしていたというのに、蓋を開ければ言うほど大差なかったと思い知らされたためだ。
そんな腑抜け共の街に長居したのが不味かったのか、彼女もすっかり腑抜けになった。
「つまんないな……」
そう思っても出て行く気概は無い。これ以上何か起こるのも面倒だと感じているのだ。代わり映えの無い日常にうんざりしながらも何もしない。これが今の美咲だ。
「み、美咲さん!」
その声に懐かしさを感じた。つい最近ここに移住した時に会ったのに、もう何年も会ってないような気さえ感じた。美咲はニヤニヤと振り向いた。
「歩じゃーん。元気してたぁ?」
まるで親戚のお姉さんのような気さくな感じでにこやかな笑顔を見せた。手を振る歩について来た影は一人を除いて馴染みあるものだった。
「……全員集合って感じ?しげピーは居ないけど……」
美咲は髪をかき上げた。
「元気そうだね」
「そっちも。なんか雰囲気変わった?」
アンノウンとの会話もフランクにこなす。そんな中、正孝は一人鼻で笑った。美咲との久しぶりの出会いに思うところがあるのか、再会に華を添えるつもりはないらしい。
そして茂の代わりにそこに立っているのは草臥れたハットの男。違和感は多少あれど、来訪理由を聞いた。ラルフの口から返って来た答えはあまりのも壮大で、且つ思いもよらないものだった。
「まぁもしかしたら超過酷な旅が待っているのかもな……これを踏まえて君に聞きたい。ここに残りたいか、一緒に行くか?」
「一緒に行く!」
あまりの即答っぷりに目を丸くする面々。話を聞いていなかったのかと思うレベルの即答っぷりだが、慌てず騒がず落ち着いてもう一度聞くことにした。
「あの……本当に……?」
「行く!!」
即答は変わらない。逡巡すらしない。彼女の答えは既に決まっている。
こうして異世界からの転生組をかき集め終えたラルフ一行は、ついに世界を飛び出す時が来たのだった。
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