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第2章 死を齎す〝血塗れ少女〟
17「光」
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リカの両手が光り輝くと同時に、ティーパの身体が眩い光に包まれる。
初級魔法とは比べ物にならない程の魔力消費を強いる最上級回復魔法だが、ティーパを包み込むその光は、予想以上に力強く、温かい。
有り得ない方向へと捻じ曲がっていたティーパの首が、ゆっくりと元に戻って行くと同時に、その身体の内外の傷が全て治り、痛みが消えて行く。
「……本当に……発動……出来たの……!」
信じられない物を見たかのように、自身の両手とティーパを交互に見るリカ。
傷が完治したティーパは、むくりと起き上がると――
「よし。じゃあ、次はお前の病気だ。自分で治してみろ」
――リカに促した。
(……今なら……パンツ男が……言う……みたいに……本当に……成功……するかも……しれないの……!)
両手を重ねながら、胸に当てたリカが――
「……『セイクリッドキュア』……!」
――目を瞑り、震える声で、そう唱えると――
――最上級治癒魔法が発動して――
――全身が眩く光り輝き――
――〝聖なる熱〟が身体中を駆け巡り――
――どす黒い病魔を滅して――
「!」
――〝確かな変化〟を感じ、目を見開いたリカに――
「これで、血を拭ってみろ」
「……やっぱり、パンツなの」
――〝ハンカチの如き雰囲気〟で綺麗に折り畳まれたパンツを手渡して来たティーパを、半眼で見ながら――
――リカは、再び目を閉じて、受け取ったパンツで、目元の血液を――
「!!」
――拭いてみると――
「……出て来ないの……。拭いても拭いても、流れ出て来ていた血が……。何度魔法を掛けても、お姉ちゃんの薬でも、どうしても止まらなかったのに……。……もう、……出て来ないの……」
――全身の穴という穴から、絶え間なく流れ出ていた血液が、止まっており――
「……もう、苦しくないの……! ……身体が軽いの……! ……痛みも無いの……! ……気分も悪くないの……!」
――リカは――
「……病気が、治ったの……!!」
――その瞳から、血の代わりに大粒の涙を流して――
「……ありがとうなの……!! ……ありがとうなの……!!!」
――膝から崩れ落ち、両手で顔を覆うと、暫く泣き続けた。
初級魔法とは比べ物にならない程の魔力消費を強いる最上級回復魔法だが、ティーパを包み込むその光は、予想以上に力強く、温かい。
有り得ない方向へと捻じ曲がっていたティーパの首が、ゆっくりと元に戻って行くと同時に、その身体の内外の傷が全て治り、痛みが消えて行く。
「……本当に……発動……出来たの……!」
信じられない物を見たかのように、自身の両手とティーパを交互に見るリカ。
傷が完治したティーパは、むくりと起き上がると――
「よし。じゃあ、次はお前の病気だ。自分で治してみろ」
――リカに促した。
(……今なら……パンツ男が……言う……みたいに……本当に……成功……するかも……しれないの……!)
両手を重ねながら、胸に当てたリカが――
「……『セイクリッドキュア』……!」
――目を瞑り、震える声で、そう唱えると――
――最上級治癒魔法が発動して――
――全身が眩く光り輝き――
――〝聖なる熱〟が身体中を駆け巡り――
――どす黒い病魔を滅して――
「!」
――〝確かな変化〟を感じ、目を見開いたリカに――
「これで、血を拭ってみろ」
「……やっぱり、パンツなの」
――〝ハンカチの如き雰囲気〟で綺麗に折り畳まれたパンツを手渡して来たティーパを、半眼で見ながら――
――リカは、再び目を閉じて、受け取ったパンツで、目元の血液を――
「!!」
――拭いてみると――
「……出て来ないの……。拭いても拭いても、流れ出て来ていた血が……。何度魔法を掛けても、お姉ちゃんの薬でも、どうしても止まらなかったのに……。……もう、……出て来ないの……」
――全身の穴という穴から、絶え間なく流れ出ていた血液が、止まっており――
「……もう、苦しくないの……! ……身体が軽いの……! ……痛みも無いの……! ……気分も悪くないの……!」
――リカは――
「……病気が、治ったの……!!」
――その瞳から、血の代わりに大粒の涙を流して――
「……ありがとうなの……!! ……ありがとうなの……!!!」
――膝から崩れ落ち、両手で顔を覆うと、暫く泣き続けた。
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