暴虐の果て

たじ

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第15話

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11月11日午後7時

私はあれから"わたしのすきなこと"と紙に書かれてあったヒントについてあれこれ考えてパソコンに打ち込んでみた。

……しかし。

ピーッ。無情にエラーを告げる機械音が鳴り響くばかりで一向に正解できないでいた。

………………………………。

ひょっとせずとも私を拉致監禁した犯人に踊らされているのでは?

そうも考えたがそれならもっと目につくような場所にヒントを書いた紙を置いておくのが普通ではないだろうか。

「……うーん……。」

唸りながら考えるものの特に思い付くことはない。

「私の好きなこと……………。……………!!
まさか…………。犯人にとっての好きなこと?」

だとすれば犯人の好むこととは一体なんだろう?
赤の他人を拉致監禁すること?

パソコンに打ち込むもまたしてもエラー音が鳴り響いた。

……そういえば隣に監禁されている男が殺し合いたいとかイカれた事をモールスで送ってきていたが……。

拉致監禁した人間同士を殺し合わせることか?

ピーッというエラー音と共に"あともう少しだお。ガンバ!"というふざけたメッセージが表示される。

あともう少し……?

監禁している人間を死に至らしめる事……?

殺す事?

片端から打ち込むと目の前のコンクリート壁がウィーン、ウィーンと微かな音をたててゆっくりと上に上がっていく。

パソコン画面を見ると「すんばらしいっ!おめでとうっ!」とメッセージが表示されていた。

「……つくづく人を馬鹿にしているな。」

そう言いながら私は目の前の壁の開口部を潜って外へと出た。


    ◆  ◆  ◆  ◆

10月5日

荒垣探偵事務所から帰宅した入江真美は家の玄関口で震え動揺していた。

……どうもさっきから激しい頭痛と変な動悸がして心臓がバクバクと破裂しそうだった。

ハンドバッグからピルケースを取り出して中の錠剤を何粒か取り出して飲み込む。

しばらくすると嘘のように動悸は治まり頭に甘い痺れと共に快感が押し寄せてきた。

「……フゥ……。」

最近どうも以前よりも薬の量が増えていた。
以前までは2、3日おきに数錠飲めば良かったのが最近ではほとんど毎日薬を服用している。

マズイマズイと思いながらも真美はネットを通して手に入れたその怪しい薬にどっぷりと浸かりつつあった。


     ◆  ◆  ◆  ◆

同10月5日深夜


「京子た~~ん♡♡」

薄暗い部屋の中でパソコンデスク前の椅子に腰かけた男が一枚の写真に頬擦りしている。

その表情は弛緩しきっていて口の端からよだれが流れ落ちている。

「もうすぐ会いに行くからねぇ~~~!!」

男の目の前のパソコンの画面には残虐な殺人映像が繰り返し再生されていた。










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