【完結】悪役令嬢をすればするほど溺沼化していくので、早くヒロインとくっついてください。

MAYY

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第一章 【出会い編】

10.逃れるか捕まるかどっち?

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「はい!?」

「サミュラに第一王子から婚約の打診があった。」

突然お父様に呼ばれたと思ったらまさかの婚約の話。しかも第一王子………皇太子じゃない!!

「いや………私なんかが荷が重すぎますわ。」

「そうか?サミュラは可愛らしくて優しい子だ。なにより周りの空気を読むのが上手いからやっていけると思うが。」

どうしちゃいましたか、お父様!?
私を誉めるなど今まではなかったじゃないですか!!

「おねえちゃまにはすなおに言えなかったみたいだけどぉ~おとうしゃま、わたちのまえではいつもおねえちゃまのことほめてまちゅよぉ~。おとうしゃまもきもちをつたえないとつたわらないでしゅよ。」

ニコニコしながらライラが言うから本当の事なんだろう。
まさか、お父様がそんな風に思ってくれてたなんで………いつも厳しくて私が嫌いだから関心がないんだと思ってた。

「お父様は私の事を嫌いだと思ってました。」

「嫌いなものか!!サミュラは大切な私の子だ!!可愛いに決まってる!!」

焦って屋敷に響き渡るように大きな声で言ったお父様。ライラの言う通り言葉足らずだっただけなんだと嬉しくなってしまった。

「これからは沢山話しましょうね、お父様。」

ぎゅっと抱きつくとお父様は感極まって叫びながら私を抱きしめてきた。
何事かと駆けつけたお母様に呆れられたのは言うまでもない。

「サミュラ、第一王子のことはどうするの?私も何度かお見かけしたけどとても素敵な方だったわ。しかも今回は第一王子からの打診だったの。王様や王妃様もサミュラだったら安心ねと言ってくださっているからあとはサミュラの気持ち次第ね。断ってもいいのよ、サミュラの気持ちが一番大事だもの。」

私を想ってくれる人たちに囲まれてこの家の子に生まれて幸せだな私。

「第一王子………会ったことないので何とも言えませんが………「おねえちゃま会ってましゅよ?ミゥおにいちゃまですぅ~。」

私の言葉を遮ったライラの言葉に驚愕した。
なんですって!?あのミゥ様が第一王子!?
王宮で会ったけど第一王子とは思わないでしょ。

そっかぁ~ミゥ様かぁ…………。
思わず自分の手を見ながら顔が赤くなってしまった。
ヤバッと思ったときにはお母様もライラもニヤニヤした顔で見ていた。

「お受け致します。」

この一言で私の人生は大きく変わっていったのは言うまでもない。
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