81 / 98
第二章 ダルニア王国編
1.
しおりを挟む
「ふぇ!?」
思わず変な声を出してしまいましたが、私の聞き間違いであってほしいですが……。
「可愛いリティ。早く結婚したい。」
聞き間違いではありませんでした。
「……まだ学園を卒業してませんが?」
「卒業してなくても手段はいくらでもある。」
カルは私のお腹をさすりながらとんでもないことを言ってきましたわ。
えっ!?私赤ちゃんいるんですか??
………いやいやいや、最近食欲はありますがそれは普通の食欲旺盛なだけであって決して妊娠とかではないですわ………たぶん。
カルからは求められますが……さすがにないないない。
ないないないないと思いたいです。
でも……カルの子供を産める日が来るって考えると、心の中からぶわぁぁっと気持ちが沸き起こってきます。
「私たちの赤ちゃん……素敵ですわ。」
思わず呟いた私の言葉にカルの手がお腹を触れたまま止まり、周りはガヤガヤしていたのに急にピタリと静かになりしたわ。
そのお陰で私の声が思ったよりも響いた。
「リティが積極的で嬉しいよ。」
とろんとした笑みを浮かべるカルを見るとズルいです。
恥ずかしさのあまり全否定したいのにできなくなるじゃないですか。
「嫌ではないですが恥ずかしいですわ。こんな公衆の面前で……最近のカルは羞恥という言葉を存じてないような気がしますわ。」
ここは学園のお庭です。
ベタベタとお腹を触るのはやめてほしいですわ。
「………そのニヤニヤした顔はどういう意味ですか?」
「いや~、この一年でリティも俺に対して正直になったなと思って。前なら『公衆の面前で触らないで!』と言ってただろうけど嫌ではなく恥ずかしいからだから嬉しいな。」
意味を聞いた私がバカでしたわ。
そんな周りに聞こえるような声で言わないで欲しいです。
あれから一年経ちましたが、カルが鬱陶しいくらいに学園でもベタベタとしてくるので慣れてしまってます。
……慣れほど恐ろしいものはないと今痛感しました。
力を入れて離そうとしても離れないカルの手が少し忌々しいです。
そして、この一年でベタベタしている私達を周りから温かい目で見られるので穴があったらはいりたいですわ。
ーーーーーーーーーーー
ーーーーーーー
「もしかしてあの件ですか?」
私から話そうと思ってたのにもう伝わったのかな?とカルを見上げると凍りついた笑みを浮かべて目が全然笑ってなかった。
「リティ、俺が許すと思ってた?」
「思ってないです!!絶対に反対すると思ってましたわ。カルに内緒にしてたわけではないのです。マシュから留学しに来ないか?と聞かれて………もうすぐクラリスお兄様とカルは先に卒業になってしまうから寂しくて……それだったら留学して他国のことを学ぶのもアリだなって思いたのは確かですが。」
「リティ………寂しく思ってくれてて嬉しいよ。だけど、卒業して学園で毎日会えてた時間会えなくなるのに、更に他国に行くと会えなくなるのは耐えられないな。それにあいつがいるしな。」
あいつ?誰のことでしょう??
天敵でもいるのでしょうか??
でも困りましたわ………決定ではないですが話は動いてますから。。
私を見たカルは困った顔をしてため息をはいた。
「どうせ、あいつには釘を指さないとと思ってたし条件付きなら考えてもいい。」
思わず変な声を出してしまいましたが、私の聞き間違いであってほしいですが……。
「可愛いリティ。早く結婚したい。」
聞き間違いではありませんでした。
「……まだ学園を卒業してませんが?」
「卒業してなくても手段はいくらでもある。」
カルは私のお腹をさすりながらとんでもないことを言ってきましたわ。
えっ!?私赤ちゃんいるんですか??
………いやいやいや、最近食欲はありますがそれは普通の食欲旺盛なだけであって決して妊娠とかではないですわ………たぶん。
カルからは求められますが……さすがにないないない。
ないないないないと思いたいです。
でも……カルの子供を産める日が来るって考えると、心の中からぶわぁぁっと気持ちが沸き起こってきます。
「私たちの赤ちゃん……素敵ですわ。」
思わず呟いた私の言葉にカルの手がお腹を触れたまま止まり、周りはガヤガヤしていたのに急にピタリと静かになりしたわ。
そのお陰で私の声が思ったよりも響いた。
「リティが積極的で嬉しいよ。」
とろんとした笑みを浮かべるカルを見るとズルいです。
恥ずかしさのあまり全否定したいのにできなくなるじゃないですか。
「嫌ではないですが恥ずかしいですわ。こんな公衆の面前で……最近のカルは羞恥という言葉を存じてないような気がしますわ。」
ここは学園のお庭です。
ベタベタとお腹を触るのはやめてほしいですわ。
「………そのニヤニヤした顔はどういう意味ですか?」
「いや~、この一年でリティも俺に対して正直になったなと思って。前なら『公衆の面前で触らないで!』と言ってただろうけど嫌ではなく恥ずかしいからだから嬉しいな。」
意味を聞いた私がバカでしたわ。
そんな周りに聞こえるような声で言わないで欲しいです。
あれから一年経ちましたが、カルが鬱陶しいくらいに学園でもベタベタとしてくるので慣れてしまってます。
……慣れほど恐ろしいものはないと今痛感しました。
力を入れて離そうとしても離れないカルの手が少し忌々しいです。
そして、この一年でベタベタしている私達を周りから温かい目で見られるので穴があったらはいりたいですわ。
ーーーーーーーーーーー
ーーーーーーー
「もしかしてあの件ですか?」
私から話そうと思ってたのにもう伝わったのかな?とカルを見上げると凍りついた笑みを浮かべて目が全然笑ってなかった。
「リティ、俺が許すと思ってた?」
「思ってないです!!絶対に反対すると思ってましたわ。カルに内緒にしてたわけではないのです。マシュから留学しに来ないか?と聞かれて………もうすぐクラリスお兄様とカルは先に卒業になってしまうから寂しくて……それだったら留学して他国のことを学ぶのもアリだなって思いたのは確かですが。」
「リティ………寂しく思ってくれてて嬉しいよ。だけど、卒業して学園で毎日会えてた時間会えなくなるのに、更に他国に行くと会えなくなるのは耐えられないな。それにあいつがいるしな。」
あいつ?誰のことでしょう??
天敵でもいるのでしょうか??
でも困りましたわ………決定ではないですが話は動いてますから。。
私を見たカルは困った顔をしてため息をはいた。
「どうせ、あいつには釘を指さないとと思ってたし条件付きなら考えてもいい。」
0
あなたにおすすめの小説
英雄の番が名乗るまで
長野 雪
恋愛
突然発生した魔物の大侵攻。西の果てから始まったそれは、いくつもの集落どころか国すら飲みこみ、世界中の国々が人種・宗教を越えて協力し、とうとう終息を迎えた。魔物の駆逐・殲滅に目覚ましい活躍を見せた5人は吟遊詩人によって「五英傑」と謳われ、これから彼らの活躍は英雄譚として広く知られていくのであろう。
大侵攻の終息を祝う宴の最中、己の番《つがい》の気配を感じた五英傑の一人、竜人フィルは見つけ出した途端、気を失ってしまった彼女に対し、番の誓約を行おうとするが失敗に終わる。番と己の寿命を等しくするため、何より番を手元に置き続けるためにフィルにとっては重要な誓約がどうして失敗したのか分からないものの、とにかく庇護したいフィルと、ぐいぐい溺愛モードに入ろうとする彼に一歩距離を置いてしまう番の女性との一進一退のおはなし。
※小説家になろうにも投稿
異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜
京
恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。
右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。
そんな乙女ゲームのようなお話。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
転生したら乙女ゲームのヒロインの幼馴染で溺愛されてるんだけど…(短編版)
凪ルナ
恋愛
転生したら乙女ゲームの世界でした。
って、何、そのあるある。
しかも生まれ変わったら美少女って本当に、何、そのあるあるな設定。
美形に転生とか面倒事な予感しかしないよね。
そして、何故か私、三咲はな(みさきはな)は乙女ゲームヒロイン、真中千夏(まなかちなつ)の幼馴染になってました。
(いやいや、何で、そうなるんだよ。私は地味に生きていきたいんだよ!だから、千夏、頼むから攻略対象者引き連れて私のところに来ないで!)
と、主人公が、内心荒ぶりながらも、乙女ゲームヒロイン千夏から溺愛され、そして、攻略対象者となんだかんだで関わっちゃう話、になる予定。
ーーーーー
とりあえず短編で、高校生になってからの話だけ書いてみましたが、小学生くらいからの長編を、短編の評価、まあ、つまりはウケ次第で書いてみようかなっと考え中…
長編を書くなら、主人公のはなちゃんと千夏の出会いくらいから、はなちゃんと千夏の幼馴染(攻略対象者)との出会い、そして、はなちゃんのお兄ちゃん(イケメンだけどシスコンなので残念)とはなちゃんのイチャイチャ(これ需要あるのかな…)とか、中学生になって、はなちゃんがモテ始めて、千夏、攻略対象者な幼馴染、お兄ちゃんが焦って…とかを書きたいな、と思ってます。
もし、読んでみたい!と、思ってくれた方がいるなら、よかったら、感想とか書いてもらって、そこに書いてくれたら…壁|ω・`)チラッ
皇子の婚約者になりたくないので天の声に従いました
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
幼い頃から天の声が聞こえるシラク公爵の娘であるミレーヌ。
この天の声にはいろいろと助けられていた。父親の命を救ってくれたのもこの天の声。
そして、進学に向けて騎士科か魔導科を選択しなければならなくなったとき、助言をしてくれたのも天の声。
ミレーヌはこの天の声に従い、騎士科を選ぶことにした。
なぜなら、魔導科を選ぶと、皇子の婚約者という立派な役割がもれなくついてきてしまうからだ。
※完結しました。新年早々、クスっとしていただけたら幸いです。軽くお読みください。
どうして私が我慢しなきゃいけないの?!~悪役令嬢のとりまきの母でした~
涼暮 月
恋愛
目を覚ますと別人になっていたわたし。なんだか冴えない異国の女の子ね。あれ、これってもしかして異世界転生?と思ったら、乙女ゲームの悪役令嬢のとりまきのうちの一人の母…かもしれないです。とりあえず婚約者が最悪なので、婚約回避のために頑張ります!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる