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「ニィーア、気づいてる?」

「ルゥーのこと?」

「そうそう、子供の頃から激しいとは思ってたけど最近さらに増したわね。学園に入って心配なのかしら?」

「何が心配なんだろう?」

「ふふっ。恐れてるのよニィーアの世界が広がること?かしらね。」

不適な笑みを浮かべたバーニャは確信に満ちた顔だった。

「ルゥーがそんなことを気にするかしら?学園に入っても私はバーニャかルゥーとしかいないわ。」

「それは………私の口からは言えないけど、一つ言えるとしたらルゥドリッヒ殿下はバーニャのことを好きでたまらないということだけだわ。それが全てよ。」

首をかしげてると

「そのうちわかるわ。まずは、あそこに隠れてこちらを伺ってるルゥドリッヒ殿下を呼んであげることね。」

目線の先を見るとルゥーがこっちを見ていた。
いや、怖いよ?ルゥーなんで隠れて見てるの。

「ルゥー、どうしたの?」

前にもストーカーのように見ていたけど、逆行してからは四六時中な気がする……前はここまで酷くなかった。

「バーニャ嬢との楽しい時間を邪魔したら悪いと思ってね。」

「ルゥーもそんな気遣いしなくて普通に話しかけてね。隠れてみてる方が第一王子としてはヤバイでしょう。」

この一言で今後本当に遠慮なしに遠くからではなく近くから見られることになるとはこの時はまだわかってなかった。

「ルゥドリッヒ殿下がニィーアのことで気遣いなんてするわけないじゃない。影から周りに威嚇してたに違いないわ。」

「ん?何か言ったかなバーニャ嬢。」

にこりと笑いながらバーニャに話しかけるルゥーにバーニャは目をサッと背けてた。
私にはニィーアが呟いた言葉があまりにも小さくて聞き取れなかったんだけど何だったんだろう?

「で、ニィーア誤解されないために言っておくがあの糞おん………ビッヒ嬢のことだが『自分はニィーアに虐められてる』と大声で叫び俺に走って突っ込んで来るところを近衛騎士に押さえられるといったことがあった。」

相当毛嫌いしてるのか今自然に糞女と言おうとしたルゥー。
ヒロインもこれは無理だ。
ルゥーの気持ちは私にあると思ってはいたがそれ以前にヒロインはルゥーに相当嫌われてるっぽい。
ヒロイン何してもこうなってしまったルゥーは頑なに拒否るわ。

「近衛騎士に拘束されながら『私のことが邪魔なニィーア様に毎日虐められてますぅ~グスン。助けてくださぁぁい。』と嘆いていたがニィーアは俺かバーニャ嬢どちらかが常に側にいたんだ。あの糞女が近づくことなんて出来ない。いや、あの糞女だけではなく他の令嬢や令息達が近づくことすら出来ないでいる状況で無理な話だ。俺がそう仕向けたのに近づけるやつなんていない。」

んん?
途中までは身の潔白を説明してくれて頷けたけど、最後の方はとてつもなくルゥーからの執着が感じ取れて恐ろしかったんだけど。
しかももうビッヒ男爵令嬢のことを糞女呼ばわりは隠す気もないらしい。

「誤解しないよ。ルゥーが選んだ結果がなんであれ私は受け入れる覚悟は………してるつもりだから。」

「全然わかってないじゃないか。」

低い声を出したルゥーは私を据わった瞳で見つめ辺りが一気にスゥーと寒くなったのを感じた。
怖い、ルゥー怖い怖い。

「ルッルゥー……??」

「ニィーア、全然わかってくれてないみたいだね。これ程俺がニィーアを愛してるのに、ニィーアを心配してるのに囲いかたが足りなかったみたいだ。まだまだ俺が甘かったんだな。ニィーアの自由がありすぎるから駄目なんだな。これからはもっと伝わるように離れず俺の愛が伝わるようにもっと態度で示そう。」

なんかすごく想われてることを言われたのに怖さが残るのはルゥーの瞳が据わってるから?
バーニャどうにかして!?っとチラッと合図を送ると、首を左右にふり私に手を合わせて「御愁傷様」と言ってきた。

ルゥー逆行前よりも執着激しくない??
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