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「突然で困惑させてすまない。誰かに取られる前に婚約を申し込まないとと思ってね。すでに決定事項だが改めて言わせてもらう。」
座っている私の前に膝待ついて私の手を取り見つめてくる瞳は真剣そのものだった。
「ルクティエ、私の婚約者になっていずれ結婚してほしい。一生大切にすると誓うよ。」
私の手にキスをし、私を見つめながら返事を待つレオンハルト殿下。
急な名前呼びにドキリとした。
何度ループしても出会うことなかったレオンハルト殿下。
今回は何から何まで違って戸惑っているが、こんなにも私自身を求めてくれる人は今までいなかった。
家族にも蔑ろにされて……最後は婚約者……クソ王子にまで婚約破棄にされ結果惨めな道を歩むことになる。
ループしても繰り返しで抜け出せず、自分の人生を変えたかった。
「はい。レオンハルト殿下ありがとうございます。私でよければ幸せにしてください。」
握られていない方の手をそっとレオンハルト殿下の手へ重ね微笑んで返事をした。
「ルクティエ、受け入れてくれてありがとう。俺のことは名前で読んでほしい。」
「レオンハルト様……。」
「様は要らないんだが……今はそれで我慢しよう。」
様も要らないだなんて……とても呼べそうにないな。
「レオンハルト様、言うのが遅くなりましたが先程は助けてくださりありがとうございます。ドレスに水を含んでとても一人では這い上がれませんでしたわ。」
「驚いたよ。メイドが突き落とすのが見えて……まだ春先で凍えるほど冷たかっただろう。実行したメイドに指示を出したカムール侯爵夫妻及び妹にもなんらかの罰を与えよう。」
春先ですって!?
今までは断罪後ループしても三ヶ月前に戻るだけだった。
だから、あのクソ王子と婚約してたからどうしても変えることが出来なかった。
春先だとこれから婚約者に内定をする時期だったはず……あのクソ王子は誰と婚約してるのかな?と一瞬思ったが、いつか妹と浮気をするだろうからどうでもいいので考えるのはやめておこう。
あのクソ王子と婚約の話になる前にレオンハルト様が言ってくれて幸せだ。
「それから提案なんだが、俺と一緒に生活をしよう。」
「はい??」
あまりにも突拍子もないことを言われて思わず心の声が出てしまった。
「ルクティエをこのままここには居させたくない。ルクティエが今までどんな扱いをされてきたのか調べはついてる。」
「………………ありがとうございます。一緒に行きたいです。」
素直な気持ちを伝えるとレオンハルト様は嬉しそうに笑った。
「実はこれは決定事項だったから断れたら連れさろうと思ってたんだ。よかったよ、ルクティエ。」
レオンハルト様の言葉に一瞬目を見開いてしまった。
座っている私の前に膝待ついて私の手を取り見つめてくる瞳は真剣そのものだった。
「ルクティエ、私の婚約者になっていずれ結婚してほしい。一生大切にすると誓うよ。」
私の手にキスをし、私を見つめながら返事を待つレオンハルト殿下。
急な名前呼びにドキリとした。
何度ループしても出会うことなかったレオンハルト殿下。
今回は何から何まで違って戸惑っているが、こんなにも私自身を求めてくれる人は今までいなかった。
家族にも蔑ろにされて……最後は婚約者……クソ王子にまで婚約破棄にされ結果惨めな道を歩むことになる。
ループしても繰り返しで抜け出せず、自分の人生を変えたかった。
「はい。レオンハルト殿下ありがとうございます。私でよければ幸せにしてください。」
握られていない方の手をそっとレオンハルト殿下の手へ重ね微笑んで返事をした。
「ルクティエ、受け入れてくれてありがとう。俺のことは名前で読んでほしい。」
「レオンハルト様……。」
「様は要らないんだが……今はそれで我慢しよう。」
様も要らないだなんて……とても呼べそうにないな。
「レオンハルト様、言うのが遅くなりましたが先程は助けてくださりありがとうございます。ドレスに水を含んでとても一人では這い上がれませんでしたわ。」
「驚いたよ。メイドが突き落とすのが見えて……まだ春先で凍えるほど冷たかっただろう。実行したメイドに指示を出したカムール侯爵夫妻及び妹にもなんらかの罰を与えよう。」
春先ですって!?
今までは断罪後ループしても三ヶ月前に戻るだけだった。
だから、あのクソ王子と婚約してたからどうしても変えることが出来なかった。
春先だとこれから婚約者に内定をする時期だったはず……あのクソ王子は誰と婚約してるのかな?と一瞬思ったが、いつか妹と浮気をするだろうからどうでもいいので考えるのはやめておこう。
あのクソ王子と婚約の話になる前にレオンハルト様が言ってくれて幸せだ。
「それから提案なんだが、俺と一緒に生活をしよう。」
「はい??」
あまりにも突拍子もないことを言われて思わず心の声が出てしまった。
「ルクティエをこのままここには居させたくない。ルクティエが今までどんな扱いをされてきたのか調べはついてる。」
「………………ありがとうございます。一緒に行きたいです。」
素直な気持ちを伝えるとレオンハルト様は嬉しそうに笑った。
「実はこれは決定事項だったから断れたら連れさろうと思ってたんだ。よかったよ、ルクティエ。」
レオンハルト様の言葉に一瞬目を見開いてしまった。
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