ループ令嬢はそろそろ先に進みたい。今度は必ず幸せになってみせます。

MAYY

文字の大きさ
12 / 14

12.

しおりを挟む
「ムチエ元気出せ……少しずつだが出来るようになってきたじゃないか!母上もわかってくれるさ。」

「……わかりましたぁ~。パリス様のために頑張りますわ。」

………どんだけ最初出来なかったのでしょうか?
我が妹ながら複雑な気持ちになりますね。

「ムチエ………なんて可愛いことを……。」

いやいやいや。
感極まってますが、そこ違いますから。
ムチエは自分のために頑張らないといけないと思いますよ。

「パリス様ぁ~。大好きですぅ~。」

ギュッとお互いに抱き締め合い二人の世界にはいってますが、目の前で繰り広げられている私とレオンハルト様は無表情で眺めている。
二人の世界に入りたいならどっかでやってください。
見せられてる方が苦痛なのがわからないの?

「ふふふ。お姉様いいでしょう??パリス様はこんなにも私に愛情表現をしてくれるんですぅ~。私はお姉様とは違うんです~。」

別に構いませんよ。私も好きではなかったのでこんな愛情表現されたら鳥肌が立ち殴っていたかもしれませんね。

「ルクティエ……嬢もムチエくらい可愛げがあれば可愛がってやったのにな。」

おおっと私の名前に付け加えての発言、レオンハルト様がよほど怖かったのですね。
言ってることは瞬殺ものですが………可愛がられなくて本当によかったです。

「…………お前らいい加減にしろよ。ルクティエの気持ちを考えたことあるのか?楽しいか?俺の大事な婚約者をこれ以上傷つけるならお前らを容赦しない。」

今のはどういうこと?
何度もって………ループのこと知るはずかないのに……。
レオンハルト様が殺気だちクソ王子とムチエを睨み付けた。

「落ちこぼれレオンハルトが…いい気になりやがって。」

落ちこぼれ??落ちこぼれですって??
なにをバカなこと言ってるのかしら?

「クッ……パリス殿下、レオンハルト様を悪く言うのはおやめください。こんなに素晴らしい方はいらっしゃいませんわ。それにはっきり言わせてもらえれば、婚約者に内定もしなくて嬉しかったですわ。」

「「はっ!?」」

「元々パリス殿下がムチエと私の隙を見て密会していたのは気づいてしましたし、私がそれを言わなかったのはパリス殿下を微塵もお慕いしていなかったからですわ。」

目を見開き二人して驚愕とも言える顔をしてるが、えっ!?なぜ!?その顔をするの!?である。
ループでわかったこともあるけれどあんなに露骨にラブラブだったのに気づかれてないと思ってたのでしょうか??

「……ではこれで私達は失礼するとしよう。兄上達、先程の。」

二人を睨み付けていたが私を見る目はとても優しいものだった。

二人にはレオンハルト様がどんなに素晴らしいかは教えてあげない。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

今更気付いてももう遅い。

ユウキ
恋愛
ある晴れた日、卒業の季節に集まる面々は、一様に暗く。 今更真相に気付いても、後悔してももう遅い。何もかも、取り戻せないのです。

私が嫌いなら婚約破棄したらどうなんですか?

きららののん
恋愛
優しきおっとりでマイペースな令嬢は、太陽のように熱い王太子の側にいることを幸せに思っていた。 しかし、悪役令嬢に刃のような言葉を浴びせられ、自信の無くした令嬢は……

側妃契約は満了しました。

夢草 蝶
恋愛
 婚約者である王太子から、別の女性を正妃にするから、側妃となって自分達の仕事をしろ。  そのような申し出を受け入れてから、五年の時が経ちました。

誰でもイイけど、お前は無いわw

猫枕
恋愛
ラウラ25歳。真面目に勉強や仕事に取り組んでいたら、いつの間にか嫁き遅れになっていた。 同い年の幼馴染みランディーとは昔から犬猿の仲なのだが、ランディーの母に拝み倒されて見合いをすることに。 見合いの場でランディーは予想通りの失礼な発言を連発した挙げ句、 「結婚相手に夢なんて持ってないけど、いくら誰でも良いったってオマエは無いわww」 と言われてしまう。

アルバートの屈辱

プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。 『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。

【完結】私は死んだ。だからわたしは笑うことにした。

彩華(あやはな)
恋愛
最後に見たのは恋人の手をとる婚約者の姿。私はそれを見ながら階段から落ちた。 目を覚ましたわたしは変わった。見舞いにも来ない両親にー。婚約者にもー。わたしは私の為に彼らをやり込める。わたしは・・・私の為に、笑う。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】

皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」 「っ――――!!」 「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」 クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。 ****** ・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。

処理中です...