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21 美しさとは
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わたくしは寮の部屋に戻り、ベッドへダイブいたしました。カリアーナはいつもでしたら、『はしたないです』と注意をするのに、わたくしがどうしてもの時は全く注意をいたしませんの。カリアーナは、わたくしの顔色を読むエキスパートですわね。
わたくしがベッドで足をバタつかせて、一区切りついた頃、お紅茶のいい香りが部屋中に漂います。
わたくしは、促される前にソファーへと移りました。
わたくしは、お紅茶を一口いただき、心が緩んでしまったのでしょう。堰を切ったように話はじめました。
「お父様が悪いのですわ。わたくしの出会いをすべて握りつぶしてしまったりするのですもの。こんなに上手にあしらえないなどと、自分のことなのに、知りませんでしたわ!」
「まあ!本日のお見合いはそんなにうまくいきましたのね。お嬢様の花嫁姿が楽しみですわ」
カリアーナは、両手を胸の前に組んで空を見上げるように顔をあげ目を閉じていました。想像が豊かすぎます。
「お見合いではありません!異国異文化交流会ですわよ」
わたくしは口を尖らせました。カリアーナはそれさえも喜んでいます。
「お嬢様は、なんでもできてしまって、いつも達観視しているところがございますものね。そうやって、できないことやイライラすることがあるのもいいことですわ」
わたくしはカリアーナの考えに絶句いたしてしまいました。
「それにしても、殿方とのおしゃべりなら、何の問題もございませんでしょう?」
カリアーナに言われて、わたくしはさらに絶句いたしてしまいました。確かに、生徒会のみなさまは多くは殿方です。このようになったことは1度もありません。わたくしは頭をフル回転させました。
「そ、それは、その殿方に婚約者様がいらっしゃることを知っているからですわ」
「本日はどなたとお話をされたのですか?」
カリアーナはニコニコしています。
「ゼンディール・エイムズ様よ」
「あら?エイムズ様でしたら、先日お話なされたのでは?」
「あの時は、学園長様のお客様だと思いましたし、高官様と情報交換程度のことだと思っておりましたもの。それに、公爵家のご長男様に婚約者がいらっしゃらないなんて思いませんでしょう?既婚なさっていると………考えたわけではありませんけど、思い込んでいたところはあると思いますわ」
わたくしは夢中になって理由を述べました。その理由に、さらにカリアーナは喜びます。
「まあ!では、エイムズ様を殿方だと意識なされたら、お話ができなくなってしまいましたのね?だって、殿方はお一人ではなかったのでしょう?」
カリアーナの笑顔が、ニコニコではなく、ニタニタに見えてまいりました。わたくしは苦い顔いたします。カリアーナがわたくしの眉間に人差し指を当てました。
「これはダメです。美しいお顔に皺ができてしまいます。これはいらない皺ですわ」
「わたくしは、美しくありません!そんなことを言うのは、カリアーナだけですっ!」
わたくしはプイッとカリアーナと反対を向きました。カリアーナが反論してきません。このやり取りはカリアーナが1番困った顔をすることはわたくしは知っているのです。
カリアーナの沈黙にわたくしが折れました。
「ごめんなさい。カリアーナが褒めてくれるだけでもわたくしは嬉しいのよ」
「今日は、寮のお食事ではなく、わたくしがお嬢様の好きなホワイトソースのシチューを作りましょう。材料をもらってまいりますね」
カリアーナは笑顔を向けてくれました。わたくしを励ましてくれるつもりなのはすぐにわかりました。
「それは楽しみだわ!」
わたくしも笑顔で答えられました。
〰️
それから3日後、エイミー様が朝からわたくしたちの席のまわりにマーシャ様とクララ様とケイト様をお呼びになり、5人で内緒話のようになりました。
「わ、わたくし、チャーリー様とデートすることになりましたの。昨日、屋敷にお手紙が届きましたのよ」
わたくしたちは、とても興奮してきゃあきゃあと先生が来るまでお話しておりました。
昼休みにはランチの後に、お茶を持ってテラス席に移りました。エイミー様はとても嬉しそうにしておりました。
「ケイト様はいかがでしたの?」
わたくしはエイムズ様のおかげで、途中で席を離れてしまったので、あまり知らなかったのです。
「楽しかったですが、殿方として、意識はいたしませんでしたわ。それより、パティ様がコレット様のいらっしゃらない分、異国文化についてお話してくださり、それが盛り上がりましたわ」
「それは、マーシャ様がケーバルュ厶王国のお紅茶を用意してくださったからですわ。あのカップもケーバルュ厶王国のものですわよね。あのようにお気を配れるなんて、すごいですわ」
パティ様が自分以外の方を自然に褒めていらっしゃいます。
「ふふふ、それも気がついてもらえましたのね。嬉しいわ。でも、お紅茶を用意したのは、クララですのよ」
「エイムズ様からのケーキに、ぴったりなお紅茶でしたわね。ケーバルュ厶王国のお紅茶はスッキリしていて、わたくし、大好きですの」
クララ様が、朗らかにお話になります。
「そう言えば、あの時は聞けませんでしたけど、コレット様はいつからエイムズ様とお付き合いなされていらっしゃったの?」
「ゴホゴホゴホ!」
ケイト様のご質問にわたくしは思わず咳き込みました。
「あら、あれはまだゼディお兄様の片思いですのよ。わたくしとしては、お隣にコレット様が嫁いでくだされば、楽しい日々になれそうで嬉しいのですけど。うふふ」
マーシャ様はなぜか嬉しそうにしておりました。わたくしは咳を理由にレストルームに逃げました。
〰️
レストルームから出るとクララ様が待っていてくださいました。
「コレット様、大丈夫ですか?」
「はい。ありがとうございます」
本当にこの方は天使なのだわ。いつでもわたくしを癒やしてくださいますの。
「マーシャも冗談で申しておりますのよ。コレット様のお気持ちはコレット様だけのものです。ゆっくりとお考えになった方がいいわ」
わたくしはなぜか涙が出てしまい、クララ様を慌てさせることになってしまいました。
クララ様はわたくしを生徒会室へ連れて来てくださり、1度席を外しました。生徒会室のメイドがお茶を淹れてくださり、わたくしはその場で待つことにいたしました。
クララ様はすぐに戻ってまいりました。
「お休みの手続きをしてまいりましたわ。うふふ、たまにはズル休みも楽しいですわね」
天使がわたくしに笑顔を贈ってくださいます。わたくしの隣に座り、私の手をギュッと握ってくださいます。
「コレット様、先日のお茶会は楽しまれましたか?」
穏やかなお声で天から降ってくるようです。
「はい。お話も上手で博識で、素晴らしい殿方ばかりでしたわ」
わたくしは頭がフワフワとしてまいりました。
「ゼンディール様の突然のご到着にはびっくりいたしましたわね」
「はい」
「コレット様はどうしてゼンディール様のお手を取られたの?」
「………怖くなかったからですわ」
確かにあの時、あの手を取らなかったら、わたくしはこんなに悩んでいないのかもしれません。でも、まるで当然のように出された手に思わず反応してしまったのです。
「そうね、あの方は少しばかり明るすぎますけど、悪い方ではないわ。お身内には常にお優しくて、お仕事もしっかりとなさっていて、立派な方よ」
わたくしは、マーシャ様ではなく、クララ様が、エイムズ様について詳しいことを不思議に思いました。それは顔に出してしまったようです。
「ふふ、実はジルの義理のお義姉様が、ゼンディール様の妹様で、最近、公爵家同士が仲がよろしいのよ。マーシャの公爵家も含めて、お茶会をすることもありますの。わたくしも呼んでいただけていて。厚かましいのですけど、ご一緒させていただいていますのよ」
なんと、神々しい集まりでしょうか。わたくしなど、想像しただけで、気絶しそうです。
「すごいですわね。でも、美しすぎますわ」
わたくしは半分放心状態で呟いておりました。すべてが、美しすぎる集まりですわ。見てもいないのに、目がチカチカしますもの。
「まあ、コレット様はそれを気にしてますの?」
わたくしは我に帰りました。それでもそれを否定することはできませんでした。
「コレット様はお可愛らしいと、わたくしはおもいますが………。そうですか……。美しさが気になりますか……」
クララ様はしばらく思案した後、ニッコリと笑ってくださいました。
「実はわたくし、ジルとお別れしようと思ったことがございますのよ」
あんなに仲睦まじいお二人がそんなことを考えていたなんて、びっくりいたしました。
わたくしがベッドで足をバタつかせて、一区切りついた頃、お紅茶のいい香りが部屋中に漂います。
わたくしは、促される前にソファーへと移りました。
わたくしは、お紅茶を一口いただき、心が緩んでしまったのでしょう。堰を切ったように話はじめました。
「お父様が悪いのですわ。わたくしの出会いをすべて握りつぶしてしまったりするのですもの。こんなに上手にあしらえないなどと、自分のことなのに、知りませんでしたわ!」
「まあ!本日のお見合いはそんなにうまくいきましたのね。お嬢様の花嫁姿が楽しみですわ」
カリアーナは、両手を胸の前に組んで空を見上げるように顔をあげ目を閉じていました。想像が豊かすぎます。
「お見合いではありません!異国異文化交流会ですわよ」
わたくしは口を尖らせました。カリアーナはそれさえも喜んでいます。
「お嬢様は、なんでもできてしまって、いつも達観視しているところがございますものね。そうやって、できないことやイライラすることがあるのもいいことですわ」
わたくしはカリアーナの考えに絶句いたしてしまいました。
「それにしても、殿方とのおしゃべりなら、何の問題もございませんでしょう?」
カリアーナに言われて、わたくしはさらに絶句いたしてしまいました。確かに、生徒会のみなさまは多くは殿方です。このようになったことは1度もありません。わたくしは頭をフル回転させました。
「そ、それは、その殿方に婚約者様がいらっしゃることを知っているからですわ」
「本日はどなたとお話をされたのですか?」
カリアーナはニコニコしています。
「ゼンディール・エイムズ様よ」
「あら?エイムズ様でしたら、先日お話なされたのでは?」
「あの時は、学園長様のお客様だと思いましたし、高官様と情報交換程度のことだと思っておりましたもの。それに、公爵家のご長男様に婚約者がいらっしゃらないなんて思いませんでしょう?既婚なさっていると………考えたわけではありませんけど、思い込んでいたところはあると思いますわ」
わたくしは夢中になって理由を述べました。その理由に、さらにカリアーナは喜びます。
「まあ!では、エイムズ様を殿方だと意識なされたら、お話ができなくなってしまいましたのね?だって、殿方はお一人ではなかったのでしょう?」
カリアーナの笑顔が、ニコニコではなく、ニタニタに見えてまいりました。わたくしは苦い顔いたします。カリアーナがわたくしの眉間に人差し指を当てました。
「これはダメです。美しいお顔に皺ができてしまいます。これはいらない皺ですわ」
「わたくしは、美しくありません!そんなことを言うのは、カリアーナだけですっ!」
わたくしはプイッとカリアーナと反対を向きました。カリアーナが反論してきません。このやり取りはカリアーナが1番困った顔をすることはわたくしは知っているのです。
カリアーナの沈黙にわたくしが折れました。
「ごめんなさい。カリアーナが褒めてくれるだけでもわたくしは嬉しいのよ」
「今日は、寮のお食事ではなく、わたくしがお嬢様の好きなホワイトソースのシチューを作りましょう。材料をもらってまいりますね」
カリアーナは笑顔を向けてくれました。わたくしを励ましてくれるつもりなのはすぐにわかりました。
「それは楽しみだわ!」
わたくしも笑顔で答えられました。
〰️
それから3日後、エイミー様が朝からわたくしたちの席のまわりにマーシャ様とクララ様とケイト様をお呼びになり、5人で内緒話のようになりました。
「わ、わたくし、チャーリー様とデートすることになりましたの。昨日、屋敷にお手紙が届きましたのよ」
わたくしたちは、とても興奮してきゃあきゃあと先生が来るまでお話しておりました。
昼休みにはランチの後に、お茶を持ってテラス席に移りました。エイミー様はとても嬉しそうにしておりました。
「ケイト様はいかがでしたの?」
わたくしはエイムズ様のおかげで、途中で席を離れてしまったので、あまり知らなかったのです。
「楽しかったですが、殿方として、意識はいたしませんでしたわ。それより、パティ様がコレット様のいらっしゃらない分、異国文化についてお話してくださり、それが盛り上がりましたわ」
「それは、マーシャ様がケーバルュ厶王国のお紅茶を用意してくださったからですわ。あのカップもケーバルュ厶王国のものですわよね。あのようにお気を配れるなんて、すごいですわ」
パティ様が自分以外の方を自然に褒めていらっしゃいます。
「ふふふ、それも気がついてもらえましたのね。嬉しいわ。でも、お紅茶を用意したのは、クララですのよ」
「エイムズ様からのケーキに、ぴったりなお紅茶でしたわね。ケーバルュ厶王国のお紅茶はスッキリしていて、わたくし、大好きですの」
クララ様が、朗らかにお話になります。
「そう言えば、あの時は聞けませんでしたけど、コレット様はいつからエイムズ様とお付き合いなされていらっしゃったの?」
「ゴホゴホゴホ!」
ケイト様のご質問にわたくしは思わず咳き込みました。
「あら、あれはまだゼディお兄様の片思いですのよ。わたくしとしては、お隣にコレット様が嫁いでくだされば、楽しい日々になれそうで嬉しいのですけど。うふふ」
マーシャ様はなぜか嬉しそうにしておりました。わたくしは咳を理由にレストルームに逃げました。
〰️
レストルームから出るとクララ様が待っていてくださいました。
「コレット様、大丈夫ですか?」
「はい。ありがとうございます」
本当にこの方は天使なのだわ。いつでもわたくしを癒やしてくださいますの。
「マーシャも冗談で申しておりますのよ。コレット様のお気持ちはコレット様だけのものです。ゆっくりとお考えになった方がいいわ」
わたくしはなぜか涙が出てしまい、クララ様を慌てさせることになってしまいました。
クララ様はわたくしを生徒会室へ連れて来てくださり、1度席を外しました。生徒会室のメイドがお茶を淹れてくださり、わたくしはその場で待つことにいたしました。
クララ様はすぐに戻ってまいりました。
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天使がわたくしに笑顔を贈ってくださいます。わたくしの隣に座り、私の手をギュッと握ってくださいます。
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「はい」
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「そうね、あの方は少しばかり明るすぎますけど、悪い方ではないわ。お身内には常にお優しくて、お仕事もしっかりとなさっていて、立派な方よ」
わたくしは、マーシャ様ではなく、クララ様が、エイムズ様について詳しいことを不思議に思いました。それは顔に出してしまったようです。
「ふふ、実はジルの義理のお義姉様が、ゼンディール様の妹様で、最近、公爵家同士が仲がよろしいのよ。マーシャの公爵家も含めて、お茶会をすることもありますの。わたくしも呼んでいただけていて。厚かましいのですけど、ご一緒させていただいていますのよ」
なんと、神々しい集まりでしょうか。わたくしなど、想像しただけで、気絶しそうです。
「すごいですわね。でも、美しすぎますわ」
わたくしは半分放心状態で呟いておりました。すべてが、美しすぎる集まりですわ。見てもいないのに、目がチカチカしますもの。
「まあ、コレット様はそれを気にしてますの?」
わたくしは我に帰りました。それでもそれを否定することはできませんでした。
「コレット様はお可愛らしいと、わたくしはおもいますが………。そうですか……。美しさが気になりますか……」
クララ様はしばらく思案した後、ニッコリと笑ってくださいました。
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