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綺羅びやかな衣装を纏った若者たちが今か今かとパーティーが始まるのを待っていた。
ここはボンディッド王国の王都にある貴族学園の大広間。午前中に卒業式を終え、昼過ぎからは卒業パーティーが始まるのだ。
パーティーには卒業生だけでなく在校生も参加するため人数の関係で、保護者の参加は侯爵家公爵家に限られている。なぜ侯爵家公爵家は許されるのかというと、まあ、寄付金、つまりは金だ。男爵家でも寄付金が多ければ保護者も参加できるが、そのようなことはこれまで一度もない。
学園なのでエスコートなどは必要なく、準備のできた者から集まり始め、雑談や食事を楽しみながら待っている。
ダンダンダン
ドタドタドタ
壇上で靴音がした。教師たちが入場しやっとパーティーが始まるのだとそれぞれにしていたことを止めて壇上に向いた一同。
壇上にいる者たちを見て唖然とする。
そこには開会の言葉を述べるべき学園長ではなく、一際美男子揃いの男子生徒四人と可愛らしい容姿の女子生徒だった。
「マリリアンヌ・シュケーナ! 前へ来いっ!」
金髪碧眼の美男子が会場に向けて叫ぶ。
「ここにおります」
呼ばれた女子生徒は呼ばれることがわかっていたかのように最前列の真ん中近くにいた。
美しい新緑の髪を緩やかに波打たせ、たんぽぽの瞳を真っ直ぐに壇上へ向けている。
壇上に誰もが注目している状況なので、令嬢のか弱き声でも会場のほとんどの者に聞こえた。
「フンッ! 図々しくもこのパーティーに来ていたかっ!」
鼻で嘲るように曰うと後ろにいた美男子たちまでも意地悪そうに笑った。
マリリアンヌはそんな者たちの様子に動揺することなく涼し気な様子で立っている。
「ノイタール殿下が必ず来いと仰ったではありませんか?」
マリリアンヌは顎に扇を当てて小首を傾げた。髪がフワリと動き、まるで森の妖精のようだ。
殿下と呼ばれているだけあって、ノイタールはこの国の王子である。
「うっ、うるさいっ! この恥知らずがっ!
貴様の悪行はわかっているっ! 今日この場で婚約破棄を言い渡す!
俺はこのヒリナーシェ・ロンダルと婚姻するっ!」
「ノイタールさまぁ~」
ヒリナーシェと呼ばれた女子生徒が甘ったるい声を出して腕に絡みついた。亜麻色の髪と水色の瞳の少女が男爵令嬢であることはこの学園の生徒なら誰でも知っている。
「わか……」
「承知いたしましたっ!」
マリリアンヌが返事をしようとすると後方からの渋めの美声が被る。
その声の方からマリリアンヌまでの道が開き、美オヤジが歩いてくる。
「っ! シュケーナ公爵!」
「お父様……」
ノイタールは隠すつもりもなく眉間にシワを寄せている。
美オヤジシュケーナ公爵は爽やかな顔でマリリアンヌの肩に手を置いてにっこりと笑った。
「お父様。もっとお顔を引き締めてくださいませ」
マリリアンヌの小さな小さな声はシュケーナ公爵にしか聞こえない。
「どう? 僕、かっこいい?」
「まだです」
「そっかぁ。ならマリちゃんにかっこいいパパだって見せちゃおう」
マリリアンヌはため息を扇の奥で飲み込んだ。
「ノイタール殿下。婚約破棄、シュケーナ公爵家が承知いたしました。それから、マリリアンヌがしたという悪行の数々も全て認めましょう」
「「「「えっ!!」」」」
舞台上の面々だけでなく会場中が驚いた。
「全て認めますので、それはそちらの男爵令嬢殿への慰謝料です」
執事服を着た男が舞台下から大きなバッグを舞台に置いた。
「残りは馬車に積んであります。ご令嬢の男爵家九年分の収益相当の金額となります。
護衛もつけて男爵家へ運びますのでご安心くださいね、お嬢さん。
娘が失礼しました」
シュケーナ公爵は胸に手を当て頭を下げる。とても優美でキラキラとエフェクトが見えてしまうほどだ。
しかし、そのキラキラも周りにいる他人だからこそ見える物だ。公爵家ご当主に頭を下げられてヒリナーシェはたじろいだ。
ここはボンディッド王国の王都にある貴族学園の大広間。午前中に卒業式を終え、昼過ぎからは卒業パーティーが始まるのだ。
パーティーには卒業生だけでなく在校生も参加するため人数の関係で、保護者の参加は侯爵家公爵家に限られている。なぜ侯爵家公爵家は許されるのかというと、まあ、寄付金、つまりは金だ。男爵家でも寄付金が多ければ保護者も参加できるが、そのようなことはこれまで一度もない。
学園なのでエスコートなどは必要なく、準備のできた者から集まり始め、雑談や食事を楽しみながら待っている。
ダンダンダン
ドタドタドタ
壇上で靴音がした。教師たちが入場しやっとパーティーが始まるのだとそれぞれにしていたことを止めて壇上に向いた一同。
壇上にいる者たちを見て唖然とする。
そこには開会の言葉を述べるべき学園長ではなく、一際美男子揃いの男子生徒四人と可愛らしい容姿の女子生徒だった。
「マリリアンヌ・シュケーナ! 前へ来いっ!」
金髪碧眼の美男子が会場に向けて叫ぶ。
「ここにおります」
呼ばれた女子生徒は呼ばれることがわかっていたかのように最前列の真ん中近くにいた。
美しい新緑の髪を緩やかに波打たせ、たんぽぽの瞳を真っ直ぐに壇上へ向けている。
壇上に誰もが注目している状況なので、令嬢のか弱き声でも会場のほとんどの者に聞こえた。
「フンッ! 図々しくもこのパーティーに来ていたかっ!」
鼻で嘲るように曰うと後ろにいた美男子たちまでも意地悪そうに笑った。
マリリアンヌはそんな者たちの様子に動揺することなく涼し気な様子で立っている。
「ノイタール殿下が必ず来いと仰ったではありませんか?」
マリリアンヌは顎に扇を当てて小首を傾げた。髪がフワリと動き、まるで森の妖精のようだ。
殿下と呼ばれているだけあって、ノイタールはこの国の王子である。
「うっ、うるさいっ! この恥知らずがっ!
貴様の悪行はわかっているっ! 今日この場で婚約破棄を言い渡す!
俺はこのヒリナーシェ・ロンダルと婚姻するっ!」
「ノイタールさまぁ~」
ヒリナーシェと呼ばれた女子生徒が甘ったるい声を出して腕に絡みついた。亜麻色の髪と水色の瞳の少女が男爵令嬢であることはこの学園の生徒なら誰でも知っている。
「わか……」
「承知いたしましたっ!」
マリリアンヌが返事をしようとすると後方からの渋めの美声が被る。
その声の方からマリリアンヌまでの道が開き、美オヤジが歩いてくる。
「っ! シュケーナ公爵!」
「お父様……」
ノイタールは隠すつもりもなく眉間にシワを寄せている。
美オヤジシュケーナ公爵は爽やかな顔でマリリアンヌの肩に手を置いてにっこりと笑った。
「お父様。もっとお顔を引き締めてくださいませ」
マリリアンヌの小さな小さな声はシュケーナ公爵にしか聞こえない。
「どう? 僕、かっこいい?」
「まだです」
「そっかぁ。ならマリちゃんにかっこいいパパだって見せちゃおう」
マリリアンヌはため息を扇の奥で飲み込んだ。
「ノイタール殿下。婚約破棄、シュケーナ公爵家が承知いたしました。それから、マリリアンヌがしたという悪行の数々も全て認めましょう」
「「「「えっ!!」」」」
舞台上の面々だけでなく会場中が驚いた。
「全て認めますので、それはそちらの男爵令嬢殿への慰謝料です」
執事服を着た男が舞台下から大きなバッグを舞台に置いた。
「残りは馬車に積んであります。ご令嬢の男爵家九年分の収益相当の金額となります。
護衛もつけて男爵家へ運びますのでご安心くださいね、お嬢さん。
娘が失礼しました」
シュケーナ公爵は胸に手を当て頭を下げる。とても優美でキラキラとエフェクトが見えてしまうほどだ。
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