それが運命というのなら

藤美りゅう

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それが運命というのなら#3

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 将星は迷う事なく理月のアパートに向かい、部屋の前まで到着してしまった。そこでやっと将星から体を下ろされると、鍵は? そう訪ねられ、もそもそと尻のポケットから鍵を取り出した。
「なん、で……ここ、知ってんだ……?」
「おまえに会う前に、ここに来たからな。いいから早く開けろ」
 将星も切羽詰まった声を発している。

 なんとか鍵を開け、中に入ると同時に互いに激しく唇を貪った。荒々しく服を脱ぎ捨て、ベッドに雪崩れ込む。
「早く、早く……抱いてくれ……」
 なんて事を口走っているんだ、僅かに残る理性がそう言っている。
 全裸になった理月は、将星に向かって足を開き、自ら後孔に指を差し入れた。そこはグチュグチュと卑猥な音をたてながら蜜を溢し、自分の指をすんなり飲み込んでいく。将星は理月の淫靡いんびな姿に生唾を飲み込んだのか大きく喉が動いた。

 上半身裸の将星の体は、彫刻のように美しい筋肉の鎧を身にまとい、右肩から手首までトライバルのタトゥー、胸の辺りには狼らしき獣の顔のタトゥーが睨みを効かせている。狼の鋭い目が将星に似ていると思った。

 求める理月に将星は視姦するようにじっと見下ろしている。視線を逸らす事なく将星は自分のベルトに触れた。ファスナーが下ろされ黒い下着が見え、そこは、大きく膨れ上がっているのが布越しでも分かった。
「将星……! 早く、それ……ここに、挿れてくれよ……!」
 左手で自分の後ろを弄りながら空いた右手を伸ばし将星の中心に触れようとした。が、その右手を強く掴まれ、
「本当にいいんだな? おまえを抱くぞ?」
 鼻先に将星の端正な顔立ちが近付いてくると、ゾクゾクと理月の全身が疼いた。
 下着から将星の中心が露わになる。そのいきり立った中心に、理月は思わず目を丸くした。
「こんな小せぇ穴に、ホントに入んのか?」
 先を理月の後孔に当てながら、不安そうな声を漏らす。
「男は……初めてか……?」
「ああ……男は初めてだし、オメガとやるのも初めてだ」
 そう言って将星に組み敷かれると、噛み付くようなキスをされた。

「挿れるぞ……!」
 言われた瞬間、グチュリと卑猥な音を立て、将星の中心が理月の中に埋まっていく。
「う……っ、うあぁ……!」
 挿れられて瞬間、その余りの快感に理月は吐精してしまった。
「はっ! 挿れただけでイッたのかよ!」
 最初は馴染ませるようにゆっくりと浅い所を何度も擦り上げられる。
「すっげ……中の締まり、凄えな……」
「あぁっ……! んんっ……あっ! あっ……」
 その動きに合わせて、理月の口からは意思とは関係なく、声が漏れ続けた。
 (俺が……こんなみっともない声を……)
 だが、快感の波は留まる事を知らない。浅い所を攻められると今度は奥に欲しくなる。
「しょ……せい、奥……! もっと奥突いて!」
 頭で思う言葉と口から出る言葉のあまりの違いに、理月は段々と訳が分からなくなってくる。
 将星の中心がギリギリまで抜かれ、理月は思わず両足を将星の背中に絡み付けた。
「いやだ……! 抜くな!」
「抜かねえよ!」
 そのギリギリまで抜かれた将星の中心が、勢い良く奥まで一気に侵入してきた。
 パチュン! と濡れた音と肌がぶつかる音が部屋に響いた。将星はそれを何度も繰り返し、激しく腰を打ち付けた。
「あぁ! あっ……! あっ、いい! いい……! もっと、将星! もっと……!」
 体の至る所に、将星の舌が生き物のように這い回り、時折キツく吸われ跡を残らされる。胸の突起を強く吸っては甘噛みされると、その度に射精感が増していくのを感じた。

 不意に体が反転し、今度は後ろから責め立てられた。
 その時、首の後ろに将星の唇が触れた。ペロリと舐められると、そこだけが切り取られたように熱を持った。
「あ、あぁ……」
 理月の体が小刻み震える。
 熱く疼きが増し、噛んで欲しくて堪らなくなる。将星にそこを噛まれしまったら、将星と番になってしまう。
「そこは……ダメだ……」
「噛みてぇ……なぁ、いいだろ? 噛ませてくれよ……」
 すでに将星は、歯を立て甘噛みをしては、そこを何度もキツく吸っている。
「んっ……あっ、あっ!」
 将星にこのまま噛まれてしまいたい、そう思っている自分もいた。
 (か、噛まれる……)
 理月のほんの僅かに残った理性なのか、無意識に左手で首の後ろを覆った。その瞬間、手首に激痛が走った。
「!」
 その部分だけ肉が削げたかもしれないと思うほどの激痛だった。

 左手がなかったら、本当に噛まれていた。
「ダメだ……将星……」
 体を捻り将星の顔を見ると、発情した獣のように、フーッフーッと息を荒くし、その衝動を受け流すようにキツく目を閉じ自分の左手を噛んでいる。その手が離れると理月の血と唇を噛みしめる将星の血で口の周りが赤かった。その顔はまるで、狩った獲物を捕食した獣のようだ。
 将星は首を噛む事から意識を逸らすかのように、激しく腰を打ち付けてきた。
「プロテクター……ないのか?」
 後ろから腰の律動を止める事なく将星が尋ねる。
「んっ、あっ……そこの……引き出し……あ……っ……」
 理月はベッド横にあるローチェストに力なく手を伸ばす。
 将星の長い腕が伸び、荒っぽく引き出しを開けた。将星は黒い首輪のようなプロテクターを取り出すと、理月の首に素早く付けた。

 (まさか、これを付ける日が来るなんて……)

 その瞬間、理月の心がポッキリと折れたような気がした。
このオメガだと主張する、プロテクターを付ける事だけはしたくなかった。自分には必要ない物だと思っていたからだ。
 腕には自信がある、いくつもの格闘技を習得し、自分の身は守れると思っていた。だが、そんなものはオメガのヒートを前では何の役には立たないのだと思い知る。
 今はこのヒートが治るまで、頭を空にして将星に抱かれ続けるしかないのだ。

「出る……!」
 理月の奥に将星の熱い精液が注がれていく。
「ん……っ!あっ!将星……しょ、せい!!はっ……あ、あぁ……!!」
 理月は、達すると同時に背中に回していた腕に力を込め、将星の背中に強く爪を立てた。
 この快楽だけが、せめてもの救いだと思うしかなかった。
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