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第1章 辺境の星 ジョリス
第2話 特殊任務
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1等調査官のジョン・ディヴィスは、スターシッパー。遠い昔し地球外を目指した宇宙船搭乗員の子孫、スターシッパー。別名 舟人であった。
持ち前の強運と長けた才知により、底辺から這い上がって来た叩き上げ。大昔風に云えば、シンデレラボーイの表現が適するが、かなり、エグい裏のコネクションの仕事にも関わって来たのだ。
22世紀の大航海時代、立身出世と巨万の富・権力を得るには、限られた惑星の資源や権益にとらわれることなく、更に大きな宇宙的視点で物を観ている者たちばかりだった。
そのため、一人の優秀な人間をコミュニティ、主に出身形態。ジョンの場合は、舟人。血縁者たちが、我が身を捨てて支援するのが、常である。
大昔の中国人社会の華僑やユダヤ人社会を想像して頂ければ幸いである。
「どんな、綺麗な女優だって、スタイルや声色、体臭、質感、性格、性の相性が、ピッタリってのは、いるわけねえだろう?」
「はたまた、そんないい女が、自分を好きになってくれることは、ソラ(太陽)がひっくり返ってもありえねぇ!」
「そんな、おとぎ話や夢物語みたいなことが、現実にあるんだ。それも、ごく身近に」
「そうさ、そのジョカルさ、ここは男の夢と欲望を実現するパラダイスさ」
この惑星は、男の天国と伝えられていた。
しかし、そのほとんどが口伝えか?文献からであり、その恩恵を享受した者から、直接、話を聞くことは皆無であった。
確かにそこは、天国ではあった。が、地獄でもあったのだ...。
「ジョカルの幼生は、ヒトのDNAを取り込むと、約一週間で成体になるんだ。その男?生物の好む理想型に!」
「容姿は、勿論!肌の色、体臭、声色、しぐさ、
極めて付けは、性癖・性的嗜好までもな...」
「まさかっ?そこまでは、ありえないでしょう!」
「それが、あるんだ。おめえは、恋人が理想だって、言ってたな?」
「案外、成体のジョカルは、彼女にそっくりかも知れんな?」
「ありえません!そんなこと...」
「得体も知れない宇宙生物と、婚約者を比較されること自体、心外でありますっ!」
「1等、地球連邦政府調査局から、連絡です。亜空間通信で、既に傍受されているはずですが...」
「君、何だその口の利き方は、上官に対して失礼じゃないか?」
「じゃあ、2等調査官殿、どう言ったらいいんで...」
「その口の利き方が、最初から...」
「もういい、止めとけ。今、ODSで確認した。熱が入って話してた、やっこさんの卵か幼生を探索&捕獲しろとさ」
「俺っ、やりますっ!」
「いいや、本官がっ!」
「クリス、おめえは故郷に可愛い彼女がいるだろう?エリート街道まっしぐらのおめえさんには、ちょっとな...」
「ボブには、荷が重過ぎるし、どうしたもんだ?」
「是非、クリーチャー・サンプル特A種ジョリスの調査担当に!お願い致します!」
「本当にいいんかい、クリス?例え、殺られなくても、ジョリスの味を知っちまったら、人間の女には戻れないんだぜ!」
「ジョリスの生態調査だけに専念すれば、いいだけのことです。自分に限っては、絶対に大丈夫です!」
「まあ、いいんだけどよ、前の奴もそう言っていたっけな...」
「えっ、何かまだ...」
「ひとりごとだ、気にするな。分かった、ボブと一緒にやってくれ」
「ラッキーっ!」
「おい、こらっ!じ、自分一人では、不可能なのでしょうか?」
「おめは、真面目過ぎんだよ!いい加減なボブと足して二で割るとちょうどいいんだ、二人でやれ!期限は、今日から1週間だ」
ジョカルが、「女狩る」と揶揄される所以は、女の姿をした狩人だからである。
また、「女禍」、女の禍いとも云われるのだ。
ジョカルは、惑星ジョリスでしか、棲息できない。理由は、オレンジ色の葉緑素、いや、葉黄素と云った方が正しいかも知れない、特有な植物の酵素であると云われている。
「本官は、君をパートナーと認めたわけじゃないと、認識しておいてくれ!」
「はい、上官殿」
「...」
持ち前の強運と長けた才知により、底辺から這い上がって来た叩き上げ。大昔風に云えば、シンデレラボーイの表現が適するが、かなり、エグい裏のコネクションの仕事にも関わって来たのだ。
22世紀の大航海時代、立身出世と巨万の富・権力を得るには、限られた惑星の資源や権益にとらわれることなく、更に大きな宇宙的視点で物を観ている者たちばかりだった。
そのため、一人の優秀な人間をコミュニティ、主に出身形態。ジョンの場合は、舟人。血縁者たちが、我が身を捨てて支援するのが、常である。
大昔の中国人社会の華僑やユダヤ人社会を想像して頂ければ幸いである。
「どんな、綺麗な女優だって、スタイルや声色、体臭、質感、性格、性の相性が、ピッタリってのは、いるわけねえだろう?」
「はたまた、そんないい女が、自分を好きになってくれることは、ソラ(太陽)がひっくり返ってもありえねぇ!」
「そんな、おとぎ話や夢物語みたいなことが、現実にあるんだ。それも、ごく身近に」
「そうさ、そのジョカルさ、ここは男の夢と欲望を実現するパラダイスさ」
この惑星は、男の天国と伝えられていた。
しかし、そのほとんどが口伝えか?文献からであり、その恩恵を享受した者から、直接、話を聞くことは皆無であった。
確かにそこは、天国ではあった。が、地獄でもあったのだ...。
「ジョカルの幼生は、ヒトのDNAを取り込むと、約一週間で成体になるんだ。その男?生物の好む理想型に!」
「容姿は、勿論!肌の色、体臭、声色、しぐさ、
極めて付けは、性癖・性的嗜好までもな...」
「まさかっ?そこまでは、ありえないでしょう!」
「それが、あるんだ。おめえは、恋人が理想だって、言ってたな?」
「案外、成体のジョカルは、彼女にそっくりかも知れんな?」
「ありえません!そんなこと...」
「得体も知れない宇宙生物と、婚約者を比較されること自体、心外でありますっ!」
「1等、地球連邦政府調査局から、連絡です。亜空間通信で、既に傍受されているはずですが...」
「君、何だその口の利き方は、上官に対して失礼じゃないか?」
「じゃあ、2等調査官殿、どう言ったらいいんで...」
「その口の利き方が、最初から...」
「もういい、止めとけ。今、ODSで確認した。熱が入って話してた、やっこさんの卵か幼生を探索&捕獲しろとさ」
「俺っ、やりますっ!」
「いいや、本官がっ!」
「クリス、おめえは故郷に可愛い彼女がいるだろう?エリート街道まっしぐらのおめえさんには、ちょっとな...」
「ボブには、荷が重過ぎるし、どうしたもんだ?」
「是非、クリーチャー・サンプル特A種ジョリスの調査担当に!お願い致します!」
「本当にいいんかい、クリス?例え、殺られなくても、ジョリスの味を知っちまったら、人間の女には戻れないんだぜ!」
「ジョリスの生態調査だけに専念すれば、いいだけのことです。自分に限っては、絶対に大丈夫です!」
「まあ、いいんだけどよ、前の奴もそう言っていたっけな...」
「えっ、何かまだ...」
「ひとりごとだ、気にするな。分かった、ボブと一緒にやってくれ」
「ラッキーっ!」
「おい、こらっ!じ、自分一人では、不可能なのでしょうか?」
「おめは、真面目過ぎんだよ!いい加減なボブと足して二で割るとちょうどいいんだ、二人でやれ!期限は、今日から1週間だ」
ジョカルが、「女狩る」と揶揄される所以は、女の姿をした狩人だからである。
また、「女禍」、女の禍いとも云われるのだ。
ジョカルは、惑星ジョリスでしか、棲息できない。理由は、オレンジ色の葉緑素、いや、葉黄素と云った方が正しいかも知れない、特有な植物の酵素であると云われている。
「本官は、君をパートナーと認めたわけじゃないと、認識しておいてくれ!」
「はい、上官殿」
「...」
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