幼女のゆるっと日常生活~異世界迷宮都市~

ふらんぼわーぬ

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あたしね今日8歳になったよ。特別なー誕生日なんだよ!
いよいよお師匠様の所で職見習いになれるんだ。

ドキドキし過ぎて何時もより早く目が覚めちゃって、意味もなくうろうろしたり
窓を開けてお天気の確認したりして、これじゃあまるっきり変な子みたいじゃない!
昨日までのお子ちゃまなあたしじゃぁないのよ!大人への第一歩なのよ!
部屋で手を握り締めて立ち尽くしていたら、おばあちゃんが覗き込んで、

「おや、ルチア一人で起きられたのは偉いけど、寝巻のままでどうしたんだい?」
なんて言われて、身支度すらしてなかったことに少し慌てた。

「えっとね、今起きたの!今から支度するの! それよりお腹すいた!」

「じゃあ身支度ができたら厨房においで。朝はいつも通りだけど、夜は誕生日の
 お祝いの御馳走があるから楽しみにしておいで!」

お祝いだって!御馳走だって!んふふふふ楽しみ。お菓子もあるといいな!
顔がムニムニとニヤケそうになるのを我慢して急いで着替えて、おばあちゃんの後を
追いかけて宿屋の厨房に向かった。



 ここは、何処の国にも属さない迷宮都市。自由貿易都市とも呼ばれてるんだよ!

別の国では、ダンジョン街なんて言ったりもするらしいけど、違いは良く分からない。

うちは新人の駆け出し冒険者相手の格安の宿だからね。みんなが話すのは迷宮でいかに頑張ったか、
怖くてへっぴり腰で逃げまどったとかねぇ。畑では腰がやられるって?えーっと、どういう事?
大人の話によれば、商人が泊まる宿と違いそこまで情報が集まるわけじゃないんだって。 情報って?

そしてあたしは、7歳の時に神殿で受けた「適正覚醒の儀」で無属性の魔力を確認
されたから将来は「錬金術師」「付与術師」「薬師」になろうと思えばなれるらしい。

けど、それらを選ばずにおばあちゃんの宿屋を継いでもいいし、お母さんみたいに
冒険者になって迷宮に潜るお仕事をしても良いんだって!適正って言うのは、あれば無いより成長が早くなったり
その職業に就きやすくなる補助のスキルが、新たに得られたりしやすくてお得なんだって!

あたしとしては、全部魅力的すぎて全く決められる気がしなかったよ。

そんな時ハイエルフのミシェリー様が、「私のところへいらっしゃい」って言ってくれて天にも昇る気持ちって初めて知った。
だってね、ミシェリー様って話に聞くどんなお姫様より絶対に綺麗なの!見つめられるとドキドキしてぽーっとしちゃうくらいすごいのよ!すンっごいのよ!いい匂いもするし長い髪の毛もすべすべのサラサラで他では見たことないもん!
なんで、こんな荒くれ者でガサツな奴らが集まるような場所にいるのか不思議!
迷宮都市の七不思議の一つと言われてるって、親友のサリーが言ってたし!
他の不思議はまた後でね!

しかも! 今までお弟子さんとか見習いとか居たことがないらしいの!
あの時、もしかしたらあたしに秘めたる謎の力が眠っていて凄い人になるのを見抜いたのかもしれないよ!って言ったら、じいちゃんに爆笑されて、からかわれて泣いたのは思い出したくないのに、むぅぅ思い出しちゃったわ・・・
あんまり大泣きするほど笑われたから、ついパンをこねるのし棒でなぐったけど・・・
おばあちゃんもいい笑顔でひっぱたいて仇をうってくれたけどねー。うん、忘れよう!

朝ごはんは、黒パンと野菜のスープ。気を取り直して、たべよっと♪
はぁおいしい~♪うちのスープはこの街一番じゃないかと密かに思ってるの!
じゃなかったら、毎日食べ過ぎたりしないよねっ♪えへっ
沢山のお野菜さんが、ゴロゴロだけどとっても柔らかく煮込まれていて、入ってるお肉も口に入れると溶けちゃうぐらい柔らかくって、心がとっても温かくなる味なんだよ!

料理人のリヒテさんに感謝だ!従業員の食堂から厨房へ食器を返したら
いよいよ出発だー!ひゃー忘れてたのにまたドキドキしてきた!
とはいえ、昨日まで「お手伝い」として一年通った職場だし、何が変わるって話でもないんだけどねー
8歳になったから!そしてお手伝いじゃなくって「見習い」になるから!



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