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「ルチアお待ち!忘れ物はないかい?見習いの徽章は見えるところに付けたかい?」
「ないよーおばあちゃん。もう行くー」いつもは、「気を付けてお行き」くらいしか
言わないのに!すごいこれが8歳効果にちがいないね!なわけないか・・・
なによりミシェリー様のお店、うちの宿から道を挟んで目の前だし!
10歩も大股で走れば着いちゃうし。それなのに毎日心配されてたあたしって・・・
いつも通り店の入り口を開けて「おはようございます」と声をかける。
開いた扉から柔らかな花の香と、少しお薬臭い匂いが漂ってきて気が引き締まる。
今日からお仕事だから、賃金も貰えるし頑張らなくっちゃね!
「いらっしゃいルチアちゃん。今日からいよいよですね♪それとお誕生日おめでとう」
片目をつむって、にっこり微笑むミシェリー様が優しく言ってくれて、手招きしてくれる。
あの微笑み照れるけど、もじもじしてる場合ではないので、肩掛け鞄をおろして
「はい。よろしくおねがいします!今日は何から始めますか?」と駆け寄った。
「ん♪言葉遣いも丁寧で良いですね。その調子でいきましょう。まずはこれを読めるようにしましょうか」
そう言って客用のカウンターとは別にあるソファーセットのテーブルの上に分厚くて大きな書が置かれた。
「これは何ですか?」
表紙は真っ黒で淵に金と銀の蔦がからまるような装飾がされていて所々に宝石?いや魔力を感じるから
これは魔石なんだろう。すーっごい高そうな(けど重くて持てそうもない)本だ。置くときドスッ!っていったよね
「歴史書よ。主に薬の変換やそれにまつわるものが載っています。詳しくは読みながらね」
優しく流れる音楽のように言われても、ルチアは不安しかない。
「し、師匠?・・・わたし、まだ注文書に使う薬草とか単語しか分からないですよ?日常使う文字はだいぶ覚えたとは思うんですが、よ、読めますか?」
「慣れるまで一緒に読みますから大丈夫ですよ。そんな不安そうな顔しなくても大丈夫よ。」
大丈夫と何度も言われたらそうなんだろうけど、お、思っていたのとなんか違うよ!
「ええと、あの」ルチアは口ごもってしまう。
ルチア的、「職見習い」「弟子」とは、もっと薬草でごーりごりしたり、光でぱーっとしたり温めてワーッとしたりする予定であって、こんなゴツくて厳つい難しい本を読む事になるなんて!!
そ、そうだ!!分からない時はきいてみよう♪目の前にいる麗しい美人師匠の教えである。
「あの、師匠?薬草の仕分けとか乾燥とか部位の分別とか・・・お手伝いでしていた事は?」
「まぁ♪ルチアちゃん。それはお手伝いだからしてもらっていた事なのよ。つまり弟子になるという事は技術だけではなく知識も伝えられるという事です。ましてやこれから色々な職業の可能性を探りながら、見習いもするわけだし今までとは全く別と思ってくださいね。」
そういう事らしい。
どんな貴族よりも上品に座った師匠は、自分の隣を手でポンポンしてくるんですよ!
そこに座れと!きんちょうする・・・思わず右手と右足が・・・
「あっあたしが座っ座り、すわ・・」
「ルチアちゃん?落ち着いてくださいね。いつもの癖がでていますよ?言葉・・・」
それにしてもと、ミシェリーは首を傾げた。ルチアは無邪気だがあがり症ではなかったはずだ。
そして自分がうっかりしていた事に気が付いた。(いっけない!本の魔力抑えるの忘れていたわ!!)
何事もなかったようにニコリとしながら本に触れて力を抑えた。
ルチアが座るのと同時ぐらいだったので、ふっと呼吸が楽になったことに不思議に思ったが、
これで落ち着いて本が読めると実は内心二人ともフゥ~と一息ついた。
「さあ、ルチアちゃん。本を開いてみてください」
「ないよーおばあちゃん。もう行くー」いつもは、「気を付けてお行き」くらいしか
言わないのに!すごいこれが8歳効果にちがいないね!なわけないか・・・
なによりミシェリー様のお店、うちの宿から道を挟んで目の前だし!
10歩も大股で走れば着いちゃうし。それなのに毎日心配されてたあたしって・・・
いつも通り店の入り口を開けて「おはようございます」と声をかける。
開いた扉から柔らかな花の香と、少しお薬臭い匂いが漂ってきて気が引き締まる。
今日からお仕事だから、賃金も貰えるし頑張らなくっちゃね!
「いらっしゃいルチアちゃん。今日からいよいよですね♪それとお誕生日おめでとう」
片目をつむって、にっこり微笑むミシェリー様が優しく言ってくれて、手招きしてくれる。
あの微笑み照れるけど、もじもじしてる場合ではないので、肩掛け鞄をおろして
「はい。よろしくおねがいします!今日は何から始めますか?」と駆け寄った。
「ん♪言葉遣いも丁寧で良いですね。その調子でいきましょう。まずはこれを読めるようにしましょうか」
そう言って客用のカウンターとは別にあるソファーセットのテーブルの上に分厚くて大きな書が置かれた。
「これは何ですか?」
表紙は真っ黒で淵に金と銀の蔦がからまるような装飾がされていて所々に宝石?いや魔力を感じるから
これは魔石なんだろう。すーっごい高そうな(けど重くて持てそうもない)本だ。置くときドスッ!っていったよね
「歴史書よ。主に薬の変換やそれにまつわるものが載っています。詳しくは読みながらね」
優しく流れる音楽のように言われても、ルチアは不安しかない。
「し、師匠?・・・わたし、まだ注文書に使う薬草とか単語しか分からないですよ?日常使う文字はだいぶ覚えたとは思うんですが、よ、読めますか?」
「慣れるまで一緒に読みますから大丈夫ですよ。そんな不安そうな顔しなくても大丈夫よ。」
大丈夫と何度も言われたらそうなんだろうけど、お、思っていたのとなんか違うよ!
「ええと、あの」ルチアは口ごもってしまう。
ルチア的、「職見習い」「弟子」とは、もっと薬草でごーりごりしたり、光でぱーっとしたり温めてワーッとしたりする予定であって、こんなゴツくて厳つい難しい本を読む事になるなんて!!
そ、そうだ!!分からない時はきいてみよう♪目の前にいる麗しい美人師匠の教えである。
「あの、師匠?薬草の仕分けとか乾燥とか部位の分別とか・・・お手伝いでしていた事は?」
「まぁ♪ルチアちゃん。それはお手伝いだからしてもらっていた事なのよ。つまり弟子になるという事は技術だけではなく知識も伝えられるという事です。ましてやこれから色々な職業の可能性を探りながら、見習いもするわけだし今までとは全く別と思ってくださいね。」
そういう事らしい。
どんな貴族よりも上品に座った師匠は、自分の隣を手でポンポンしてくるんですよ!
そこに座れと!きんちょうする・・・思わず右手と右足が・・・
「あっあたしが座っ座り、すわ・・」
「ルチアちゃん?落ち着いてくださいね。いつもの癖がでていますよ?言葉・・・」
それにしてもと、ミシェリーは首を傾げた。ルチアは無邪気だがあがり症ではなかったはずだ。
そして自分がうっかりしていた事に気が付いた。(いっけない!本の魔力抑えるの忘れていたわ!!)
何事もなかったようにニコリとしながら本に触れて力を抑えた。
ルチアが座るのと同時ぐらいだったので、ふっと呼吸が楽になったことに不思議に思ったが、
これで落ち着いて本が読めると実は内心二人ともフゥ~と一息ついた。
「さあ、ルチアちゃん。本を開いてみてください」
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