幼女のゆるっと日常生活~異世界迷宮都市~

ふらんぼわーぬ

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膨大な時間をかけて、調薬も錬金術も発展してきた事をルチアは理解し始めた。
表情が死んだ遠い目をした子供を見かけたら・・・それはルチアである。

「じゃあ本日はここまでにいたしましょうね」と言って師匠が本を閉じてくれて、
ルチアはようやく一息ついた。はぁぁ、くたびれたよ・・

顔には張り付けたような笑顔が浮かんではいたが、内心は大荒れの大嵐だ。
なんでぇぇぇぇ!詐欺師が大手を振って水薬の開発責任者として王様から褒賞を貰っていたなんてっ!
歴史書が見せた内容がとてもいじわるぅぅぅ!真実の欠片だって?!。
実際に起きた出来事なんだって・・・師匠の言葉をを思い出し、

そんな真実知りたくなぁぁぁぁぁうわぁぁぁぁん
ますます荒れた・・・・

真面目な研究者が騙されたり、奴隷にされたりして酷かった、しかも牢に繋がれたりと散々だったよ!
大人って汚い!!!そしてそんな連中を搔い潜った猛者たる研究者は湯水のごとく金を溶かし失敗をやまほど積み上げていた。荒ぶる心が色々柔らかいところを削っていくようだ!!

今、ルチアには世界の裏側が見えているに違いない!

涙目になりながら、ぐっと堪える小さな娘が可愛らしくて、ミシェリーはそっと抱き寄せて膝に乗せ、背中を撫でながら精神を落ち着かせる魔力を流していく。普段のルチアなら、抱っこされただけで、真っ赤になってあわあわ慌てて可愛らしい反応をを見せるのだろうが少々、動揺が激しいあまり自分の状態にまだ気が付いていないようだ。

「ルチアは、実験の失敗が多い錬金術師は悪い人だと思いますか?」

その問いに静かに首をふり、そうは思わないと伝える。
どうしてそう思ったのかは、うまく伝えられない。伝えられないが、それは必要な事だと感じていた。

「果てしない失敗の中から砂粒ほどの成功を拾うのです。途方もないお仕事ですわね錬金術というのは。」
それが研究者というものだと教えられた。

何も過酷な道ばかりではなく、街に住み生活に便利な道具を作ったり、薬師だけでは作れない特級の薬を作ったりして生活している者たちもいるらしい。
やはり自分だけでは、この先の事はまだ決めかねるかなぁと思う・・・

「後ですねぇ、少し特殊な方達もおりまして『塔の住人』と呼ばれていて、過去の失敗した実験ばかり検証している変じ・・・奇特な方達!もおりますの。実態は公表されてはいないようですから、あくまでも仮の呼び名みたいなものですねぇ」
なんだその変態は!今のルチアは少々荒んでいるせいで心の声が辛辣!

「悪いことばかりでもないのですよ。時代と技術が進んだ事で、かつては成果がだせなかった実験が成功したり、
今ある調薬の手順を簡略化する方法をを見つけたり、ダメな事は何がダメだったのか解明されたりもしましたね。勘違いしがちな若い研究者に現実を突きつけたり高すぎるプライドをバッキバキにするお仕事です。」
なんだその性格破綻者は!

ルチアの顔もこの時ばかりは、かつてないほど険しく厳つい表情になっていたが、ミシェリーから見ればそれすらも可愛くて仕方ないのである。

「若い研究者は、自分の閃きが人生をかけるほどだと勘違いしやすくてね、突き進んで手遅れになる前に、先人が同
じ閃きでどれだけの失敗と残骸を積み上げたか知らせて、有意義な研究に方向を変えてあげるのだから、とても親切ですよね?そんなお顔しちゃいけませんよ?ルチア?」

師匠の膝の上という天上の御褒美にも気が付かず、ルチアは生まれて初めて深い深いため息を吐いた。




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