幼女のゆるっと日常生活~異世界迷宮都市~

ふらんぼわーぬ

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「・・・・」

「・・・・シーンと呼んでくれ」

「はい。よろしくお願いしますシーンさん」
ルチアはペコリとお辞儀した。
今知り合ったばかりの大人を、親しげに愛称で呼ぶのはためらわれたので、あっさり引いて貰えてほっとした。
馴れ馴れしくすると良くない事が起きるからって、おとうさんが言ってたし!

「そういえば、ルチアは串焼きを食べにここに来たんだろ?礼儀正しい子にはご褒美が必要だからな。買ってきてやるよ待っているといい」
ルチアの返事も待たず、言い置くとそのまま屋台の方へ向かってしまった。

えっ!?ご褒美! 貰えるような事は何もしてないよねぇ?良いのかなぁ?でもちょっと嬉しいな。
煮込みも食べてみたいと思ってたから!大きなお鍋がクツクツしてて熱々の・・だけど銅貨5枚もするから諦めいたのよぉぉ!すーっごく贅沢な食べ物に違いないよ!はわぁまたよだれが・・・
迷宮っ子はちゃっかりしている。お得は見逃さない!!

それにしても、師匠の旦那さんかぁ。優しそうな人だけど、どうやって知り合ったんだろう。
サリーに話したら絶対にびっくりするよね!ふふっ驚かせてあげよう♪

遠ざかるシーンの後ろ姿を見ながら、一人でニヤニヤしていると、掛けてた鞄がクンッっと引かれる。
そちらを見遣ると、師匠との話を終えた二足歩行のねこちゃんが・・・話?えっ?

「ねこちゃんが!!立ってるし!!しゃべったぁぁ」
驚愕の表情で、口がパカリと開いたまま戻らない。目も零れ落ちそうなほど見開かれている。

師匠がそっとルチアのアゴに触れて口を閉じさせながら
「ルチア、この子は妖精族のケット・シー。誇り高い種族ですが、お友達になると良い事がありますよ」
そういって、いつものように神々しく嫣然と微笑んだ。

ほけーと師匠の微笑みに見惚れながら、良い事って撫でさせてくれるって事かなぁなんて考えていたら違った!

「陛下の系譜に連なるいと気高き姫君にあらせられるルチア様におかれましては~~」
跪いて、もんの凄い勢いで口上を述べるねこ。
難しすぎて、ルチアにはほぼ意味がわからなかった。眉間による皺、その皺を見て勘違いをして
「はっ、はからずも顔面に着地してしまいご不興を~~」
ねこは姫を不機嫌にさせてしまったと思い、焦りながらなんとか許しを得ようとさらに難しい言い回しで空回りが大回転中だ。

『き、きょう、えつし、ごくっ』て何だろう。拾えた言葉の意味をを考えていたせいで、ほかの言葉をルチアはちっとも聞いてなかった。


「なぁ、ねこお前バカなの?宮廷言葉で話したって人族の平民の子供が理解できるわけないだろうが!」
買い物を終えて戻ってきたシーンは呆れ顔だ。
「ぶ、無礼な!陛下の系譜に連なる姫は平民ではない!しかも言うに事欠いて、ばっ、ばかだとぉ!貴様!剣をとれ!!」
「はいはい。そういうの良いから、肉冷めるからな。」
どうにも二人の間にある空気は険しい。絶対に相性は良くないね。

ルチアは戻ってきたシーンの手にある、山盛りの串焼きにくぎ付けだ!
ここにきて、本来の目的を思い出したルチアの中から、ねこが消えた。

師匠もあちらのやりとりには我関せずで、この場に瀟洒なテーブルとイスをどこからともなく出してルチアをを座らせた。
「あまり遅くなると、夕食に響きますからね。あちらに戻る手間よりここで頂きましょうか。」

師匠に世話を焼かれるルチア。只今絶賛よだれ掛けのような前掛けの紐を結ばれている。
少々厚みのあるレースが重ねられた華やかなもので気恥ずかしい。肉汁が垂れて洋服が汚れない様にと言われたものの、今ルチアが来ているワンピースよりどう考えてもお高い感じである。洋服も汚したくはないが、この前掛けを汚すのもためらわれ動悸が・・・
しかし目の前の肉の山に勝るものなし!腹が、はようよこせ!とグゥゥ~と音を立てた。

「さあ、ルチア召し上がれ」




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