幼女のゆるっと日常生活~異世界迷宮都市~

ふらんぼわーぬ

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「えっ、この光がキラキラとか、シャンシャンしてる音とかこの樹が?」

師匠の説明は、たくさんあり過ぎてよくわからないけど、物凄く特別な事が起こっているらしいのは分かった。
あらためて見上げると、葉の一枚一枚が光を纏ってしかも硝子のように透けているかのような綺麗な黄緑色をしている。
枝自体がそれぞれに揺れて、細やかな音を奏でている。
どこか師匠に通じるような神々しさで、思わず目を眇めた。

そんなルチアの顔面を目掛けて、何かが落下してきた。

「びぎゃあ!」と声を上げたのはどちらか。勢いのまま、ルチアはまたコロリと後ろ・・・

「おっと、危ない!間に合ったか?」

ルチアは誰かに抱き留められているようだったが、顔に何かが張り付いているせいで状況が見えない。

「あらシーン。来てくれたのね」師匠の声が聞こえる。
「急に二人の気配が薄らいだから、焦った。取り合えず駆けつけたが、ここまで来たら俺も世界樹に招かれた」
「あらあら。昔と変わってしまったとはいえ、今でもわたくしの伴侶と認識されているって事かしら?嬉しいわ」

えっ?伴侶?それって・・・

相変わらず顔面の何かのせいで見えないが、感触が極上で、違う!今はお師匠様の話!!
ルチアも知ってる。おとうさんは、おかあさんの伴侶!つまり婚姻してるって事だ!
てっきり独身だとばかり思っていた。何しろ一年間、お手伝いと称して通った師匠の自宅兼薬屋で男の人を見たことは無かったし、一緒に生活している気配も感じたことはなかったから。
ともかくこの状態を何とかせねばと、手足をバタバタしてみた。
串焼き情報よりも何よりも、重要だと思ったからだ。

「あ、ごめんな。ちょっとまってろ」
男の人がそういって、わたしを立たせてくれた。ついでに顔の上にあるモノもベリッっ剥がした。
それは目の前に、居た!!!

「ねこちゃぁぁぁぁぁん!!」

ルチアは、可愛くて綺麗な物が大好きだった。

わぁかっわいい♪シャーシャーいってるけども・・・
わたしじゃなく、自分の首根っこを捕まえてブラブラ揺らしてる男の人にシャーシャーしてる!!
引っかかれそうだから我慢しているが、撫でまわして抱きしめてみたい。
思わず手が、ワキワキしちゃう!!


「お前はケット・シーだね。」師匠がいつにない雰囲気だ。
ねこちゃんケット?名前?シャーするのを止め、くるりと回転して男の人から逃れて
師匠の前に跪いた。
「彼の地が終焉をむかえ、無事コアがこちらに移譲されたご報告に参りました」
何のコアかとまでは言わない。それで十分に伝わるからだ。
「そう、やっと終わりましたか。それでシーンを呼んだのね・・・」



むずかしい話はルチアの耳には聞こえない。猫から視線がそれて、ようやく目の前に立つ男に目が行ったからだ。

あれぇ?この人・・・どこかで会った事あるかなぁ?
見た事があるような~どこで・・・うーんーうーーーん宿屋のお客さんじゃない・・・
鍛冶屋・・・雑貨屋・・・違うぅ~!最近見かけたはずなのに思い出せなくて気持ちわるぅぅい!!

自分の顔をみつめて、むーんと唸るちびっこを見下ろしてシーンは苦笑いだ。

ルチアははっとした!その笑い方だ!書で見た男の人だ! ん?
あれぇ?思い出したと・・・似ているだけなのかな?そうだよねぇ。あっちはもっとオジサンだったはず!
こっちはまだお兄さんだもんね!そっくりさんなの?それなら納得なんだけど、どうして同じ人だと思っちゃったんだろうなぁ。オジサンに間違えたら、お兄さん怒っちゃうよね。


さらに見つめるルチアにシーンは声をかけた。
「はじめましてより、こんにちはの方がいいかな?俺の名前はシーンと言うんだ」

「はっ!!はじめましてルチアです!!8歳になりました!師匠の弟子です! ご挨拶を忘れていてごめんなさい。それと、さっきは助けてくれてありがとうございました」
 
「おう。ちゃんと挨拶できてえらいな良い子だ。シーンと呼んでくれてかまわんよ。シンさんでもいいけど」

「へっ?シンさん?」ルチアはコテリと首をかしげた。






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