幼女のゆるっと日常生活~異世界迷宮都市~

ふらんぼわーぬ

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中央の広場は祭りのように、たいそうな人出で賑わっていた。

「し、師匠~前が、見えません~広場ってこんなに混むんですかぁ?」

この混み具合、びっくりだよね! 屋台もちっとも見えないし!
どうやって進むのかなぁ?わたし邪魔にならないかな?手をきゅきゅっと引いて
師匠を見上げると、笑顔のまま歩き出したよ!!わぁぁ

ルチアは驚いたが、不思議なことに人とぶつからない。
「師匠!前から来る人達、こっち見てないです!どうやって避けてるんでしょう?」 
「少しだけね、魔法で避けてもらっています。だからすぐに通り抜けられますよ」

師匠の言う通り、最初の混雑がウソみたいに無くなった。後ろを振り返ってみると
ああ、広場のちょうど入り口あたりがそうだったんだと理解した。
移動する人達が、ちょうど混ざる場所なんだねぇ。
一人で来るときは気をつけなくちゃ!と、決心した。
そして人混みから抜けたとたんに、お腹を刺激する美味しそうな匂いが、あちこちからするぅぅよぉ。
口からよだれも溢れそう!

「おお~屋台が沢山あります!!わぁこれ全部のお店が串焼き屋さんなの?!」
我ながらちょっと興奮しすぎて、変な事言っちゃったかな!師匠いつもの微笑みじゃなくて笑ってるし! んむぅ笑われた?!
「ふふふっ全部じゃないわね。飲み物や煮込みを売っている屋台もあるのよ」
もはや、へぇぇ~としか思えない。
お腹が空いて、目に映るもの全部欲しくなる。だけど貰ったお小遣いは銅貨5枚だけだから考えて使わないといけないねっ。
値段をでかでかと掲げている屋台も結構あり、遠目にも読める範囲で拾っていく。
「串焼き、銅貨・・1枚と2枚の店がある。んー、ご、よう、て、し?ごようて、しってなんだろう」
手書きの看板は雑で、文字の手習いを始めた子供には、少々読みづらかった。
しかし、もうすっかり夢中で、煮込みかぁ~予算が・・・とぶつぶつ呟きながら、手持ちのお金と看板を見比べる。


そのまま更に進むと、目に見えない柔らかな壁みたいなものにぶつかって、繋いでいた手がはずれた。
突然だったので勢いも殺せず、ルチアは後ろにコロリと転がってしまった。
すぐに反応したミシェリーがルチアを抱き上げたが、その瞬間二人を薄緑色の光とシャラシャラとした音の洪水が取り巻いた。

「な、な、なんですか!ひゃぁ」ルチアは大混乱中だ。
ミシェリーは、何となくこう成るのではないかとの予感があったが、何の前触れもなく突然に起こるとは思っていなかったので、久しぶりにかかる負荷を軽減すべく薄く結界を張った。心持ち焦りを感じ慌ててしまったが、ルチアの前で醜態を晒すわけにもいかない。師匠の威厳を守るべく振舞う。頑張った!

言わずもがな、ハイエルフで女王様とその血を受け継ぐ姫様のご来訪である。
スクスク育っている世界樹さん大盤振る舞いの大歓迎会であった。女王は辞めたつもりでも世界樹さんには関係なく、「貴女様こそが真の女王様です!」と猛烈にアピール中だ。

しかもちゃんと空気を読んで、広場にいるほかの人間達にバレないように、別空間へ丁寧にご案内してからの大はしゃぎだった。広場と別空間は重なっているので、二人からは先ほどと変わらない広場がみえているが、まわりからはこちらを認識する事はないようだ。
ルチアが串焼きにたどり着くのは、まだもう少し後になりそうだ。

「ルチア?どこか自分におかしなところはありませんか?違和感はありませんか?頭が痛いとか記憶が曖昧とか、少しでも違和感を感じたら教えてくださいね」

どこか焦りも感じるような師匠はめずらしい。
すっごく心配されてるのかな?そんなに体のあちこち調べなくてもー

「師匠ー大丈夫です。転んだ時に打った、尻が少し痛いだけだからー」
元気いっぱい、師匠が安心するように答えた。

「・・・・尻」
師匠がなぜそこの部分を拾ったのかは分からないけど。




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