幼女のゆるっと日常生活~異世界迷宮都市~

ふらんぼわーぬ

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出来上がった、貝入り潮のスープに更に蕩けさせられた。
適度なさくさくとした歯ごたえ、ぷりんとした舌ざわりなのに、噛むとクニクニして旨味が濃い。
味付けは塩だけと聞いた。それなのに、この複雑な味わいはどうだろう・・・
何故、美味しい食事はこれほどまで、体の隅々まで染みわたるのだろう・・・

もう、毎日これでいい・・・
深階層トマトと、これでいい・・・


だけど、わたしは忘れてはいけない事もやらなくちゃいけない事もあるよね・・・
わたしが泣きながらスープを食べているのを、心配そうというか困ってるような顔をして見ているシーンさんに向き合った。頭を下げようとして、匙を持ったままだった事に気が付いて、慌てておいた。


「シーンさん、さっきは本当にごめんなさい。わたしに海を教えてくれて本当にありがとう」

シーンさんに自分の気持ちを伝えてみた。あんな態度をとってしまったから、なんて嫌な子供だと思われて、許してもらえなかったらどうしようって、怖かったけどドキドキしながら伝えたの。

「こっちこそ、嫌われてもう二度と一緒に遊びたくない、そう言われたらどうしようかと思ってた。仲直りしてくれるか?」
シーンさんはわたしの言葉に最初は驚いたみたいだけど、穏やかに笑って、そう言ってくれた。
やっぱり遊んでた!って心の中で思ったのは許してほしいの・・

言いたい事がいっぱいあるのに、なんて言ったら良いのか分からなくて、ぎゅーっと抱き着いた!
照れくさくって、顔を上げられなくてずーっとぎゅうぎゅうしていたら・・・

「シーン?貴方の顔、とってもシモンみたいになってるわよ」
「うえっ、これ以上危ない人認定されたら困るなぁ」

わたしの頭の上で、二人はそんな会話していたけど、気にしない事にした。
だって、シーンさんがお父さんみたいな顔していたって事は、お父さんみたいな気持ちでわたしと遊んでくれてるって事だもの。お兄さんだと思っていたけど、お父さんかぁ~えへへ
はっ!そうすると・・・師匠が、お、お母さん?はわわわわわっ!なんて恐れ多い事を考えちゃったわたし!!
ちょっと気持ちがぐるぐるしたせいで、何時までもシーンさんにしがみ付いていたら、食事の続き!って言われちゃった~ぁ。

その後も、師匠に教えて貰いながら、少しづつ色々なものを食べた。

海の食べ物は、煮ても焼いても『美味』なるものになるんだね。

特に、二枚貝の貝殻焼きが絶品だった。
焼き台の上に乗せられて、ぶくぶくしたら出来上がりって、簡単すぎて料理とは言えないがなーってシーンさんは笑ってたけど、ん・・んもぉぅぅぅ~こんなに凄い事なのに、なんで??シーンさんにとって、これは当たり前って事?

わたしは、すっごーーく感動したよ!
二枚貝の片方をぱきっと外して、火にかければ、身が乗った貝はお鍋代わりになって、食べる時はお皿だよ!
そして食べ終わったら装飾品だよ!!!

海の食材って、最強じゃなかろうか・・・

それなのに、「今まで会えなかったのはどうしてなのかなぁ~??」
ここって、迷宮の5階層だから、食材の魔素制限も必要ないのに・・・くぅぅ
もっと早く出会いたかったよ、貝!!あ、黒のトゲトゲの魅力に負けるのもあっという間でした!!ごめんなさい!

ポロリと疑問を口にすれば、師匠もシーンさんもすぐに答えは分かったみたい。大人って凄いねぇ。


んん?家の宿屋のある場所が、東南区画だから冒険者が多くて、屋台も食事処もお肉料理が中心になっちゃうのかぁ・・・そう言われると、リヒテさんの料理もお肉が多いかも?予算?ってお金も関係してくるの?
ふむむ、商人さんが買い付けた魚介類は、商業ギルドのある西南区画の高級な食事処に卸されてるんだ。それ以外は街の外に売られていくのね・・・

「それに、肉は供給過多になりやすいわ日持ちさせようと思えば、それにりの加工技術もあるからな」

もうね、なるほどがいっぱーい!
つまり、冒険者の人はお肉一択なんだって!!いったくって何だろ?

「それで、この街の住人は、食べたい時は直接ここの浜に来ればいいだけだからなぁ。今度連れてきてもらえば・・・そうか、しまったな。宿屋って休みが無かったか・・・」

シーンさんが顎に手を当てて、渋い顔になった。
わたしもついそれに合わせて渋い顔になった。



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