外れスキル【レバレッジたったの1.0】を進化させ、俺はエルフ聖女と無双する ―冒険者パーティ追放勇者、バージョンアップの成り上がり―

緋色優希

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第一章 外れスキル【レバレッジたったの1.0】

1-43 スキル品評会

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「悲しいかな、俺には『必殺のスキル』がありませんので、そうたいした事はありませんがね。
 現状は攻撃スキルよりも希少な特殊技能スキルを派生させていますので。

 もっとも踏破者クレジネスやあなた方のように強力な冒険者と組むと凄い事になりますが」

 そこでセラシアが質問してきた。
「派生型スキルと言っていたが、それは一体どういう物だ」

「ええ、正確には進化型派生タイプですね。
 本スキルがバージョンを上げるごとに俺の力を増し、またそのスキルの基本機能を進化させて、更にそのレバレッジの能力でブーストできる派生のスキルを産んでいくのです」

 これにはパーティメンバーも驚いたようだった。
 やはり上級冒険者パーティのメンバーから見たって、俺のようなスキルは特殊なのか。

 それは外れ呼ばわりもされようというものさ。

「そんなスキルの話は聞いた事もないな。
 元からあった技能や魔法のような物と、刻印したスキルの二枚看板という冒険者は少なくないが。
  かくいう私もそうなのだ」

「もし、俺が攻撃特化の進化を選んでいたら今頃は無敵の戦士が誕生していたでしょう」

「何故そうしなかった?」
 マロウスが、いかにもそれが当然のように質問を投げてくる。

「いやいやいや、俺はあなたのような種族特性からくるようなスーパー戦士じゃないのですから。
 ひ弱な人族の小僧がそっちを目指してもね」

「そこは鍛練一つだ」
 彼は微塵も揺らぐ事無く、平然と言い張った。

 くー、これだからビースト族って奴は。
 前のパーティにも一人似たような人がいたけどね。

 あの方達はわき目も振らずに我が道しか行かないから。
 あの彼らが鍛練と嘯く、肝の縮むような道行きに巻き込まれたら最後なのだ。

 うっかりと一回、彼の鍛練とやらに付き合わされてしまった事があって、あの時は本当に参ったぜ。

「ちょっと、無理言わないでくださいよ!
 それに何が来るのかわからない宝箱のような特殊技能の方が面白いじゃないですか。

 ただ強くなるならバージョンを上げていけば、いつかあの先輩も越えられるかもしれない!」

「先輩?」

「あ、クレジネスの事です。
 今、俺も彼の標的の一人なんですよね。

 俺が育つのを楽しみにしているようです。
 あの人って、無手無装備でダンジョンの管理魔物を捜してうろついていたんですよ。

 あの怪物、いや狂人に対抗できるまで強くならないと迂闊にラビワンには帰れませんね」

 これが実に冗談抜きなんだな。
 早く頑張ってスキルのバージョンを上げなくっちゃなあ。

「わっはっはっは。
 この小僧、あの踏破者クレジネスに挑戦とはいい根性しとるわい。
 気に入ったぞい」

「うわあ、あたしなら御免だわねー。
 あっさりと殺されるほど間抜けじゃないつもりだけど、あの男しつこいからなあ。

 幸い、女に興味がないらしくて助かるわ。
 そうか、ついにあの男も『育てる狩り』に目覚めちゃったのか。
 リクルったら、本当にご愁傷様ねえ」

「何ですか、その物騒なワードは。
 勘弁してください!」

 それにしてもこのお方ってば、あのバトルジャンキーの、戦闘変態が服を着て二本足で歩いているような男に付きまとわれても、自分は殺されないだけの自信があるんだな。

 凄すぎる。
 俺に対する目いっぱいの先輩からの寵愛を、是非是非お譲りしたい気持ちでいっぱいだな。

 なんだったら婿にでもどうぞ。
 この人って頑張ったら踏破者にだってなれそうな気がする。

「あの男、一旦目を付けると、とことんしつこいからな」

 その口ぶりからして、もしかするとマロウスは先輩に追い回された事があるとか?

 ビースト族の戦士も半端なく強いからな。
 魔法は使えないけど、その分は全部筋力に使われているらしいし。

 もしかすると、この人はパンチだけであの先輩や、先輩の超絶スキルを撃退していたりして。

 前のパーティのビースト族の人は修行の極みのパンチ一発で、下層の魔物の放つ強力魔法を霧散させて周囲を苦笑いさせていたからな。
 十分に有り得る話だ。

 そこへキャラバン隊長のベーゼルさんがやってきた。

「いやご苦労様。
 あなた方を護衛に雇えて最高でした。

 何分にも、ここのところ、こっち方面は物騒でしてな。
 第一休憩所を通過したので、そろそろと思っておったところでして。

 ちょうど襲撃に相応しい、見通しの悪い岩場に挟まれた場所にさしかかるところでしたから」

 あそこって襲撃の名所だったのか。
 俺はなんというか、気配などの他に、こちらを見つめる熱い視線のような物を感じていたのだ。

 クレジネス先輩に見つめられ過ぎて、毛穴感覚で視線恐怖症のような物を患っているのかね。

 女の子からの熱い視線なら大歓迎なのだが、ブライアンのところで下積みというか修行の毎日だったので、そのような物にはとんと縁がなかった。

 紅一点のシグナからは『ライバル視』しか飛んでこなかったしな。

 あいつも顔は可愛かったけど無茶苦茶に口汚いし、他には堅いブーツの爪先で蹴りを飛ばしてくるくらいだ。

 とにかく魔物とかイカれた先輩とか盗賊とか、碌な奴が見つめてこない。
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