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第一章
メンバーと赤毛の少女2
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三人で食事をしている中、反対の席の方からうわさ話を一人の兵が食堂にいる全員に聞こえるくらい大きな声で話していた。
うわさ話には全く興味がないが、リウは一応耳を傾けていた。
食堂は元々騒がしい場所なので、途切れ途切れにしか聞こえなかったが内容はある程度理解できた。
ガルーダ帝国の中でスパイまたは裏切者がいる可能性があるという内容。
もしそれが本当ならばとんだマヌケな奴に違いないとリウは内心思っていた。
「それが本当の話なら随分マヌケな奴だよ。」
まさに心を読まれたかのように同じようなことを口に出すエフィにリウは驚いた。
「リウはそう思わないの?」
リウの表情に気づいたエフィは悪戯っぽい表情を浮かべわざとリウに質問した。
「…思った。」
苦笑いをすると、お互いに見つめあって笑い始めた。
その様子に置いてかれたレインは口を尖らす。
そして、思い出したかのようにレインは話題を変えた。
「そういえば、リウ君聞いたよ。
司令室に呼び出されたんでしょう?」
もう情報が流れているのかと思いながら、リウはため息を吐いた。
呼び出しをされた恥ずかしい事実をメンバーに知られたくはなかった。
リウにとっての不幸中の幸いは一番知られたくない奴がこの場にいないことだ。
知られたらきっとそいつはお腹を抱えて大笑いするだろう。
「何それ、初めて聞いた。リウなんでそんな面白いこと教えてくれないのさ。」
「いや、面白くないからね。」
エフィの発言に苦笑いしながら答える。
ここではぐらかしても仕方ないので事実を全て話すことにした。
なんで呼び出されたか、そして説教・おとがめが一切無かったこと。
「良かったじゃん。」
「でもあんまり面白くなかったね!」
レインの発言にリウは怒りが湧きそうだったが、自業自得なので無理矢理押し殺した。
「でも純粋に思ったんだけどね。
なんで説教とかおとがめがなかったんだろうね?」
レインは首を傾げながらリウやエフィを見つめた。
「言い忘れたんだけど、実は俺が発砲した相手っていうのがどっかのスパイ兵だったのね。」
その発言に女子二人は首を傾げる。
レインは思考を停止したように「ドユコト?」と言い始める。
状況が全くわかっていないが、エフィは冷静に質問をする。
「なんでスパイだとわかったの?
今の話を聞くと、最初からそいつがスパイだったことを知ってたみたいに。」
確かにリウの発言では知っていたかのように聞こえる。
しかし、リウはスパイだとわかる証拠を見ていたのだ。
「夜中に自室から外を眺めてたら、なんか見に覚えのない奴が裏口から入ってくるのを確認した。」
「…それだけで?」
エフィの疑問にリウはひと言「違う。」と答えると話を続けた。
「そのあとすぐにそいつは隠ぺいスキルを使って透明化したんだ。
例外はあるけど通常隠ぺいスキルを使う場合は敵にバレたくないからだ。」
隠ぺいスキルとはダークエルフやスプリガンが得意とする姿を消す能力だ。
しかしこの能力は万能ではなく、スキルを発動してから姿を消すまでに最低でも5分はかかる。
リウはその五分の間にライフルに弾を入れ、発砲したというのが事件の真相である。
「なるほど! 馬鹿な私でもわかったよ。」
「それでそのスパイかもしれない奴どうなったの?」
「あ…それ知らない。」
リウは発砲をしたが、スパイは殺していない。
スパイは捕らえる必要はあるが、殺す必要はない。
なぜなら、ガルーダ帝国では利用できそうなスパイは二重スパイとしてまたその都市に送り返している。
そうして、敵の情報を得ているのだ。
だからリウはあえて急所は外し、右肩に当てた。
そして隠ぺいスキルで完全に透明化した為、スパイがどうなったのかわからなかった。
「まあ、ヴァルキリー司令官が知ってたってことは多分捕えたんじゃない?」
エフィの言葉にリウはそうであってほしいと願った。
丁度いい具合に朝食を食べ終え、食器が乗ったプレートを返却しようとした時レインが言った。
「お腹いっぱいになったし、他のメンバーと合流しようか?」
「そうだなってそういえば模擬戦闘について何も相談しあってない。」
はっと思い出したかのようにレインはリウを見た。
エフィは苦笑いしながら、口を開いた。
「全員集まってからでいいんじゃない?」
レインは笑顔で「そうだね!」と言いながら席を立つ。
三人で食器を返却し、リウ達は他のメンバーのところに向かった。
うわさ話には全く興味がないが、リウは一応耳を傾けていた。
食堂は元々騒がしい場所なので、途切れ途切れにしか聞こえなかったが内容はある程度理解できた。
ガルーダ帝国の中でスパイまたは裏切者がいる可能性があるという内容。
もしそれが本当ならばとんだマヌケな奴に違いないとリウは内心思っていた。
「それが本当の話なら随分マヌケな奴だよ。」
まさに心を読まれたかのように同じようなことを口に出すエフィにリウは驚いた。
「リウはそう思わないの?」
リウの表情に気づいたエフィは悪戯っぽい表情を浮かべわざとリウに質問した。
「…思った。」
苦笑いをすると、お互いに見つめあって笑い始めた。
その様子に置いてかれたレインは口を尖らす。
そして、思い出したかのようにレインは話題を変えた。
「そういえば、リウ君聞いたよ。
司令室に呼び出されたんでしょう?」
もう情報が流れているのかと思いながら、リウはため息を吐いた。
呼び出しをされた恥ずかしい事実をメンバーに知られたくはなかった。
リウにとっての不幸中の幸いは一番知られたくない奴がこの場にいないことだ。
知られたらきっとそいつはお腹を抱えて大笑いするだろう。
「何それ、初めて聞いた。リウなんでそんな面白いこと教えてくれないのさ。」
「いや、面白くないからね。」
エフィの発言に苦笑いしながら答える。
ここではぐらかしても仕方ないので事実を全て話すことにした。
なんで呼び出されたか、そして説教・おとがめが一切無かったこと。
「良かったじゃん。」
「でもあんまり面白くなかったね!」
レインの発言にリウは怒りが湧きそうだったが、自業自得なので無理矢理押し殺した。
「でも純粋に思ったんだけどね。
なんで説教とかおとがめがなかったんだろうね?」
レインは首を傾げながらリウやエフィを見つめた。
「言い忘れたんだけど、実は俺が発砲した相手っていうのがどっかのスパイ兵だったのね。」
その発言に女子二人は首を傾げる。
レインは思考を停止したように「ドユコト?」と言い始める。
状況が全くわかっていないが、エフィは冷静に質問をする。
「なんでスパイだとわかったの?
今の話を聞くと、最初からそいつがスパイだったことを知ってたみたいに。」
確かにリウの発言では知っていたかのように聞こえる。
しかし、リウはスパイだとわかる証拠を見ていたのだ。
「夜中に自室から外を眺めてたら、なんか見に覚えのない奴が裏口から入ってくるのを確認した。」
「…それだけで?」
エフィの疑問にリウはひと言「違う。」と答えると話を続けた。
「そのあとすぐにそいつは隠ぺいスキルを使って透明化したんだ。
例外はあるけど通常隠ぺいスキルを使う場合は敵にバレたくないからだ。」
隠ぺいスキルとはダークエルフやスプリガンが得意とする姿を消す能力だ。
しかしこの能力は万能ではなく、スキルを発動してから姿を消すまでに最低でも5分はかかる。
リウはその五分の間にライフルに弾を入れ、発砲したというのが事件の真相である。
「なるほど! 馬鹿な私でもわかったよ。」
「それでそのスパイかもしれない奴どうなったの?」
「あ…それ知らない。」
リウは発砲をしたが、スパイは殺していない。
スパイは捕らえる必要はあるが、殺す必要はない。
なぜなら、ガルーダ帝国では利用できそうなスパイは二重スパイとしてまたその都市に送り返している。
そうして、敵の情報を得ているのだ。
だからリウはあえて急所は外し、右肩に当てた。
そして隠ぺいスキルで完全に透明化した為、スパイがどうなったのかわからなかった。
「まあ、ヴァルキリー司令官が知ってたってことは多分捕えたんじゃない?」
エフィの言葉にリウはそうであってほしいと願った。
丁度いい具合に朝食を食べ終え、食器が乗ったプレートを返却しようとした時レインが言った。
「お腹いっぱいになったし、他のメンバーと合流しようか?」
「そうだなってそういえば模擬戦闘について何も相談しあってない。」
はっと思い出したかのようにレインはリウを見た。
エフィは苦笑いしながら、口を開いた。
「全員集まってからでいいんじゃない?」
レインは笑顔で「そうだね!」と言いながら席を立つ。
三人で食器を返却し、リウ達は他のメンバーのところに向かった。
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