僕と間宮さんのオカルトな日常 〜日常は一瞬で”非日常”に代わる〜

鏡花

文字の大きさ
9 / 10
意思なき呪い

第9話 束の間

しおりを挟む

間宮さんは玄関で誰かと話しているようで、ピザを2箱と大きな紙袋を下げてリビングに戻ってきた。

「洋服も持ってきてもらったから、脱衣場で着替えておいで。」

「何から何まで・・・すみません。」

手慣れている感じがするのは、こういった事に慣れているのかもしれない。

だとしたら、今更だけど間宮さんは何者なのだろうか?

(さすがに聞きにくいな・・・)

リビングに戻るとピザと飲み物が用意されていて、間宮さんは電話で誰かと話しているようだった。

「おかえり、いま社長に連絡しておいたから。傷病休暇の申請手順が後ほどメールでくるはずだから、1週間くらい休んでいいと思うよ。」

その後ピザをつまみながら、社長は間宮さんの能力や体質を知っている事、そもそもその力がきっかけで社長と知り合い入社することになった、という経緯を話してくれた。

「不動産業界は事故物件とか、土地がらみのトラブルとかが多いからね。私が部長の役職についているのは、そういったトラブル対応の時に身軽に動けるようにするための措置なんだ。」

「確かに間宮さんは月に2、3回は出張してますもんね。」

「だから社長と取締役の数名は知っているし、今回の件も根回しちゃんとしてくれるから安心していいよ。」

元々は霊能者を仕事としてやっている、というよりは身内や知り合い限定でやっていて、前にいた会社もIT関係の会社だったらしい。

年配の男性とホテルから出てきたという噂は、不動産のオーナーの相談を乗っていただけで、話の内容的に流石に外では話せないからという理由ということだった。

その後は一人で帰るのは不安だろうから、と間宮さんが車を出してくれて東京から僕の実家がある神奈川まで送ってくれた。

来た時は気が付かなかったけれど間宮さんのマンションは青山の一等地にあって、不謹慎かもしれないがやっぱり霊能者って儲かるのだろうか・・・なんてことをふと考えてしまった。

たった3日間だったけれど、とうてい現実とは思えない非日常的な体験を僕は一生忘れないだろう。

「アレは私にも全容は正直わからないけれど、あやかしというよりは呪術に近いのかもしれないね。世の中には触れるだけ、近づくだけで悪い影響を与えるものが意外とあるんだよ。あんなに直接的に影響あるものは、そういないけれどね。」

「それって分かるものなんですか?」

「普通の人には見えないからね、見えないし分からないから人は不安になるんだよ。」

その後、自宅前で念の為と連絡先を交換と間宮さん特製のお守りを貰って、僕は無事に家に帰ることができた。

間宮さんが言っていたように会社の人事部と上司からメールがきていて、僕は体調が優れずに帰宅する際に怪我をしたということになっていた。

また車の中で怪我のほうは整形外科の病院に行くと思うけど、今回の件で影響あるかもしれないから念のため精神科にも行くようにと念を押された。ここの病院で私の名前を出せば、いい感じに診察してくれるからと丁寧にお医者さんの名刺までくれた。

間宮さん曰く、自分は死んだ人間をどうこうすることはできるけど、生きている人間はどうにもできないとのことだった。

僕はやっと日常に戻ってきたのだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

意味が分かると怖い話(解説付き)

彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです 読みながら話に潜む違和感を探してみてください 最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください 実話も混ざっております

(ほぼ)5分で読める怖い話

涼宮さん
ホラー
ほぼ5分で読める怖い話。 フィクションから実話まで。

洒落にならない怖い話【短編集】

鍵谷端哉
ホラー
その「ゾワッ」は、あなたのすぐ隣にある。 意味が分かると凍りつく話から、理不尽に追い詰められる怪異まで。 隙間時間に読める短編ながら、読後の静寂が怖くなる。 洒落にならない実話風・創作ホラー短編集。

都市伝説レポート

君山洋太朗
ホラー
零細出版社「怪奇文庫」が発行するオカルト専門誌『現代怪異録』のコーナー「都市伝説レポート」。弊社の野々宮記者が全国各地の都市伝説をご紹介します。本コーナーに掲載される内容は、すべて事実に基づいた取材によるものです。しかしながら、その解釈や真偽の判断は、最終的に読者の皆様にゆだねられています。真実は時に、私たちの想像を超えるところにあるのかもしれません。

【電子書籍化】ホラー短編集・ある怖い話の記録~旧 2ch 洒落にならない怖い話風 現代ホラー~

榊シロ
ホラー
【1~4話で完結する、語り口調の短編ホラー集】 ジャパニーズホラー、じわ怖、身近にありそうな怖い話など。 八尺様 や リアルなど、2chの 傑作ホラー の雰囲気を目指しています。現在 150話 越え。 === エブリスタ・小説家になろう・カクヨムに同時掲載中 【総文字数 800,000字 超え 文庫本 約8冊分 のボリュームです】 【怖さレベル】 ★☆☆ 微ホラー・ほんのり程度 ★★☆ ふつうに怖い話 ★★★ 旧2ch 洒落怖くらいの話 ※8/2 Kindleにて電子書籍化しました 『9/27 名称変更→旧:ある雑誌記者の記録』

【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】

絢郷水沙
ホラー
普通に読めばそうでもないけど、よく考えてみたらゾクッとする、そんな怖い話です。基本1ページ完結。 下にスクロールするとヒントと解説があります。何が怖いのか、ぜひ推理しながら読み進めてみてください。 ※全話オリジナル作品です。

(ほぼ)1分で読める怖い話

涼宮さん
ホラー
ほぼ1分で読める怖い話! 【ホラー・ミステリーでTOP10入りありがとうございます!】 1分で読めないのもあるけどね 主人公はそれぞれ別という設定です フィクションの話やノンフィクションの話も…。 サクサク読めて楽しい!(矛盾してる) ⚠︎この物語で出てくる場所は実在する場所とは全く関係御座いません ⚠︎他の人の作品と酷似している場合はお知らせください

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...