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小悪魔な彼は、かっこいい。
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「中庭の階段の、三階スロープに自販機があるでしょ。明日そこで待ってて。お昼一緒に食べよう」
服を乾燥させてる間、あやと話をしながらたくさんキスをした。
あやの、「可愛い」の水花火が連発したよう。すでに情報量過多でお腹いっぱいのところに、これでもかとホールケーキを二、三個与えられた気分だ。
『男の子』と暴露されるまで、本気で憧れの女の子としか思っていなかったのに。昨日一日で、あやへの認識がずいぶん変わってしまった。
服が乾いたあと最寄り駅まで送ってくれたあやが、学校でも会いたいと言ってくれたのが嬉しくて、少し恥ずかしい。
短い髪型でも似合うユニセックスの制服姿で、光は約束の場所に立っていた。
少し天気が悪いからか、誰も自販機に買いに来ない。おかげでさっきからドキドキが止まらなかった。
横目で自販機に反射する自分の姿を確認する。
一応パンツスタイルの制服を着ているときは、女に見えるように、短い髪の毛を内巻きにしてふんわりさせている。男装をするときは外にハネるように巻くので、それだけでもだいぶ雰囲気が変わって光は好きなのだが。
――あやさん、気づいてくれるかな……?
そんな事を考えていたら、がやがやと男子生徒たちの声が聞こえてきた。どうやら体育の授業後の生徒たちが清涼飲料水を買いに来たようだ。上級生らしく、階段を上ってきた誰もが、見上げるほどに背が高い。同じクラスの運動部の男子生徒が体格がいいので、きっと彼らも何かしらの運動部なのだろう。
光の兄やあやが華奢なので、あまり大きい男子には緊張してしまう。
まだあやは来ないなと、彼らから視線を外したときだった。
「おまたせ。光ちゃん」
「え?」
彼らの後ろからやってきたのは、待ち合わせをしていたあやだった。
さらさらとした艷やかな黒髪に、焦げ茶色の縁メガネをしている。まるで秀才の鏡のような姿だ。
「お。それが亜矢斗の彼女か」
「ったく、付いてくるなって言ったそばから俺を追い越していきやがって。あ、ほら。人の彼女に近づくな」
「え?」
まったくついていけていない光を、大きい男子生徒たちが取り囲む。
その隙間を掻い潜って、あやが光の腕を掴んできた。
「ごめん。行こう」
「は、はい」
「亜矢斗。後でちゃんと紹介してくれよ」
「お前たちの品評会はいらない」
「がはは!」
「何言ってんだ? 亜矢斗のことをきちんと大事にしてくれるか、俺たちは見定めないといかんのだよ」
「だから、見定めなんて必要ない。ったく、過保護もいい加減にしろ」
あやが歩きだすと男子生徒たちが道を開けてくれる。
ちらっと隣のあやを見ると、不満そうだったが口元が笑っているようだ。
きっと仲がいいのだろうと、光は歩きながらも後ろを振り向いて、軽く会釈をした。
「高校に入学したときはそんなに無かったんだけど、この二年であいつらだけガタイがデカくなって。おかげで俺は末っ子の弟みたいな扱いされてるの。家でも学校でも、俺に近づくやつが無害かどうかを見定めるとかなんとか。……ああ、モデルのことは言ってない」
あいつらに頭を下げる必要はないと、目的地である空き教室まで腕を引かれながらやってきた。
廊下から死角になる席に、隣り合って座る。
「本当にごめん。俺から誘ったのに。好奇な目にさらすつもりは全く無かったんだ。体育の授業が押して、俺が慌てて着替えてたから気づかれて……」
「……え? それだけでバレたんですか?」
「……ほんと、ありえないよな……」
呆れるだろう? と、あやが苦笑しながら持参してきた弁当の蓋を開ける。
あやの弁当を見ると、枝豆と昆布が混ぜ込まれている雑穀米おにぎりと、蒸した鶏のささみ肉と野菜に梅ベースの味付けをされているものだという。さすが仕事でモデルをしているだけあって、食事もストイックだ。
対して今日の光の弁当は、母といっしょに作った好物のれんこんつくねが入っている。
「どうしても体育のときはお腹が空くから、おにぎりは多めに持ってきてるよ。体型管理はもちろん大事だけど、高校時代は量も取らないとすぐガス欠になるんだよね」
「あー兄もそうでした。朝食と昼食の間におにぎり食べたいって言っていたのを覚えてます」
「あいつらほどデカくなったらさすがに今のままモデルはできないから、管理が結構大変で。でも男としてはまだ身長がほしい……」
ムスッとした表情を見せるあやが可愛くて、光は笑った。
「ふふ。あやさんが、かっこいいのにかわいい」
「…………光ちゃんは、昨日のかっこいいのもいいけど、今の髪型ならスカートも可愛いんじゃない? 好きじゃない?」
「ん~嫌いじゃないんですけど、普段着もスカート持ってないから、選択肢に無くて」
「スカート似合うと思う。俺が保証する」
「売れっ子ティーンズモデルに保証されるなら、絶対自信つきますね」
「もしよければ、俺に選ばせてくれないかな?」
「え、いいんですか?!」
「…………うん」
「?」
あやの返事に少し間があったような気がしたが、光は気にせずつくねを口に入れた。
◇◆◇
しばらくして、光は歩行者天国の中を歩いていた。
今日はあやにスカートを選んでもらう日だ。なので、今日は特にメイクをせずに、髪の毛を内巻きに巻いてきた。男装ではないが、ユニセックスなTシャツとレギンスというカジュアルスタイルだ。
急遽、朝に一本撮影が入ったらしいあやから現地集合でと言われ、道沿いのテナントが並ぶ中をひたすら歩いていく。
男装しているときはすぐに女の子たちに囲まれるが、今日はさっぱりで拍子抜けしたほど。
――こんなに変わるものなんだ……。男装している方が歩き辛いって、なんか、変な感じだ。
大きな交差点から一本細い路地へ。さらに横脇に逸れる細道を進む。
関係者用の出入口らしい扉を開けると、鉄製の階段を三階へ。
ノックをして少し待つと、女性が扉を開けてくれた。
「光ちゃんね。今日は亜矢斗のわがままでここまで来てもらってありがとう」
「いえ、こちらこそ先日は送って頂きありがとうございます! ご挨拶が遅れてしまって申し訳ありません!」
出迎えてくれたのは、あやの姉だった。
車で送ってくれたときはいろんなことに驚いた後だった。あの日は緊張しすぎて、何も話せなかったことを思い出す。光は慌てて先日のお礼と自己紹介をした。
ニコッと笑った美女に案内されて中へ入ると、撮影中のあやがいた。
思わず発狂しそうになったのを、慌てて手で口を抑える。
オフホワイトのフレアーが特徴のワンピース姿。だが、ワンピースの上部は大柄の花が大胆にプリントされていて、常夏の国で遊んでいるお嬢さんのようだ。
間違いない。これは、いつもあやが表紙を飾っているティーンズ雑誌の撮影だ。
だが、
「……いつもと服のテイストが違う……」
「よく気づいてくれたのね」
ぼそっと呟いたのを、隣に立っていたあやの姉に聞かれていたらしい。
「もう少しで撮影が落ち着くから、ここに座って待っていて」
「あ、ありがとうございます……」
案内されたパイプ椅子に座るまで、光の視線はあやから動かない。
カメラマンが「OK」と言うまで、光はずっと夢心地であやを見ていた。
「おまたせ、光ちゃん。こっちに来てもらえる?」
いつの間にかカメラマン以外の撮影スタッフがいなくなっていた。あやは部屋の隅でメイクさんに直してもらっている最中だ。
あやの姉に手を引かれて向かった先は、テレビでよく見る芸能人の控室だった。
ライト付きのドレッサーの前に座らされ、あやの姉ともう一人の女性が左右に立つ。そして、なにがなんだかわからないまま、光は二人にメイクをされ、髪をセットされた。
ほんのり赤みが強いリップティントを塗られて、立つように言われる。
これまた二人がかりで着ていた服を脱がされ、ハンガーに掛けられていた服を着せられた。そこで、気づく。
「さっき、あやさんが着ていた服……」
「そうよ~。あれはワンピースだけど、これはセパレートタイプ」
光が着ているのは、カットソーがオフホワイトで花柄のミニスカートだ。あやが着ていたオフホワイトのワンピースとは、上下のデザインが逆になっている。
「え?」
「さあ、いってらっしゃ~い♪」
いまだにわからないまま、再びあやの姉に手を引かれて、撮影部屋へ。
目の前に、ニッコリと微笑んでいるあやが立っていた。
「ようこそ、光ちゃん」
「あ……あやさん……」
「驚かせたくて黙ってたんだけど、お揃い着て写真撮りたくて。やっぱり可愛いな。うん。スカート姿も可愛い」
「…………」
「光ちゃん?」
「…………い」
「え? 光ちゃん?」
「………………尊いっ!」
「は?」
「尊いですっ! プライベートのあやさんも、学校のあやさんも素敵ですけど。モデルしてるあやさんが、尊すぎて涙が出そうです……」
ずっと応援してきてよかった。とんでもないご褒美だ。と、すでに光の目には涙が浮かんでいる。
「いや、メイクしたばっかりだし! これくらいで泣かないで!」
「これくらいなんて……っ、このまま死んでも悔いはありません!」
「いや、まだ死ぬの早すぎるっ! ちょっと、ティッシュー!」
あやが目の周りを優しく抑えてくれて、冷感スプレーで顔を冷やしてくれた。
「うっ……すみません。デビューのときからずっとファンなので、感極まってしまいました……」
「うん。それは知ってる。すごく嬉しい」
「はい……」
「でも今日は、もっと楽しんで、喜んでほしい」
手を引かれて、天井から降ろされている暖色グラデーションのドレープの前に二人で立つ。
「カメラは見ないで。私だけを見て」
と、からだごとあやと向き合う。
「カメラがあると気にするでしょ? それより、この服について、光ちゃんの感想を聞かせてほしいな」
「は、はい! それでは僭越ながら……。まず! あやさんの肩部分ですが――」
それから、光は怒涛のようにこの服について感想を述べた。
ノースリーブなのに、立体的に施されたシースルーの袖が見事な仕事をしていて、花柄のデザインなのに、まるでそこに蝶が止まっているよう。
その花柄はプリントされているのに、絶妙なバランスで配置されている。
そして、ふんわりとしたフレアースカートは、とにかく数多くの切り返しとチュールが組み合わされており、まさしく花の妖精。いや、女王なのだ。
「ふふ。光ちゃん。すごいね……。デザイナーが泣いて喜んでるから、あっち見て笑って?」
「はい!」
指で示されたところを向いた瞬間、すごい回数のシャッター音が聞こえた。
「え……?」
「はい、撮影終わり」
慌ててあやを見るが、ニッコリと微笑んで、撮影終了を宣言された。
再び顔を戻すと、見間違いではない。カメラマンの後ろで号泣している男性がいる。彼がこのワンピースのデザイナーなのだという。
「光ちゃんと出会えて良かったよ。俺、この服を一年もお蔵入りさせちゃってたけど、光ちゃんに似合うスカートを考えたら、これが浮かんだんだ」
「あやさん……」
「可愛い。本当に、心から可愛いと思ってるよ」
フルメイクをしてワンピース姿のあやに「可愛い」と言われると、禁断の扉を開けてしまいそうだ。慌てて、あやは男の子だと言い聞かせる。
「二人ともお疲れ様。目的の一枚は撮ったけど、もう撤収でいいの?」
近づいてきたあやの姉が、なにか含んだような笑みを浮かべている。
「?」
さっきから周りについていけていない光は大人しく、あやの顔を伺う。
「光ちゃんがまだ疲れていないようなら、あと一着撮りたいんだけど?」
「あ……あやさんとツーショットが撮れるなら……着ます!」
「なら、今も可愛くて仕方ないけど……一旦化粧を落とそうか。姉さんよろしく」
再び控室へ連れ込まれ、何をされているかわからないうちにメイクとヘアセットが終わっていた。
プロってすごい……と感心していると、差し出された服に興奮してしまった。
――え?! 私がこれなら、あやさんは?!
今度は黒色のスーツ姿だ。リクルートスーツではなく、ゴシックパンクなものを少し落ち着かせたものか。地雷系の女子が好きそうだと思いながら控室を出る。
まだあやは準備が終わっていないらしい。
スタジオのドレープが、紫から銀のグラデーションに変わっていた。
先ほどよりだいぶ雰囲気が変わるようで、落ち着いていたはずの緊張が戻ってきた気がする。
「光ちゃん、これ持って」
渡されたのは、限りなくホンモノに近い黒い薔薇の花束だ。 ところどころにほんのり赤みが強いところがあり、より自然のものに見せている。
「カメラは気にしないで、そこに座ってて」
「わかりました」
あやの姉の言うとおりに、中央に設置された白いボックスに、カメラの方を向いて座った。
カメラマンは他のスタッフと話をするためにカメラから離れている。
着るのが難しい服なのか。なかなか戻らないあやのことを考えてソワソワしつつも、慣れない環境と強いライトに照らされて、少し眠くなってきてしまった。
――あぁ、だめだ……。楽しみすぎてよく眠れなかったのに……。
次第にまぶたが重くなり、いよいよ落ちてしまいそうなときだった。
ぎゅっと後ろから抱きしめられ、思わず顔を上げる。そして――。
「おまたせ。スーツ姿はストイックだな……」
耳元に囁かれたのは、女装中ではない、学校で聞いた少し低音の声。
「あや……先輩」
「お疲れ様。撮影は終わったよ」
「え?」
驚いて正面のカメラマンを見るが、彼はカメラから離れたままだ。
「ふふ。リモコンで撮れるんだ。ほら」
そう言って見せられたのは、手の平サイズだった。
「緊張する暇なんて、無かっただろう? かっこいいのが撮れたと思うよ」
と、まだ光を抱きしめていた腕を外して、腕を掴んで立たされる。
瞬間、パシャパシャと、おかわりと言わんばかりのシャッター音が響き、カメラマンや他のスタッフたちが満面の笑顔になった。
「あやくんいい素材見つけてきたね~。本業じゃないのが残念だよ」
「彼女の色んな顔を見るのは、彼氏の特権ですから」
「おお~熱いね~♪」
ここにいるスタッフは、あやの正体を知っているらしい。それであんなに可愛い美少女を作り上げるのだから、プロは本当にすごい。
「BLのDVDジャケットでもおかしくないな」
「光ちゃんのぼんやりした顔とか、驚いている顔と、あやの小悪魔っぷりの対比がおもしろいわね」
「これが世に出回らないのが、本当に残念だよ」
ノートパソコンの画面を見ながら大人たちが好き勝手言っている横を通り、あやに手を引かれ控室へ戻る。
「光ちゃん。お疲れ様。これで本当に終わりだから、メイク落とすよ」
「ありがとうございます……」
ようやく鏡越しにゆっくり見たあやは、黒い前髪をすべてかきあげていて。切れ長の目と、ほんのり紫がかったくちびるが、妖しさを演出していた。
「あやさん……かっこいい……」
「どう? かっこいい俺も、好きかな?」
「はい……」
「そんなに即答されると、照れるな……」
どんな服を着ているかと思えば、真っ白なタキシードだった。胸元に、赤いリボンを結んだ、黒薔薇のブートニアが挿されている。
甲斐甲斐しくメイクを落としていく様子を眺めていれば、突然首に噛みつかれた。
「俺も化粧を落とす前に、光ちゃんが俺のものだって印をつけておこうと思ったんだけど……。さすがに目立ちすぎるな」
首の左側面。その中央に、紫色のキスマークが付いていた。
「今回は衣装だったけど、次はプレゼントしたいな……」
「え? あ、ありがとう……ございます」
そう言ってもらえると嬉しいのに、鏡越しのキスマークが気になって仕方がない。
「ふふ。分かってる? 男が服をプレゼントしたい意味」
「……なんの、ことですか?」
「光ちゃんは本当に可愛いな。……男が服をプレゼントしたいって言った時は、それを脱がしたいって意味だから覚えといて」
耳元で囁かれて、意味がわかって、思わず赤面してしまった。
楽しそうに笑うあやが、首のキスマークを拭き取っていく。
綺麗にされるのを思わず躊躇ってしまった光は、「あ!」と声を出してしまった。
「どうした?」
「あ……いえ……なんでも」
「キスマーク、欲しかった?」
「――……っ!」
そんなことは無いと言いたかったが、すでに鏡の中の光は、茹でダコのように真っ赤になっている。それなのにあやは容赦なく、光の耳朶にくちびるを寄せて囁くのだ。
「ふふ。ここを出たらまたたくさんキスをしよう」
思わず両手で顔を隠すが、それが嫌ではないどころか、光も望んでいるのだと気づいている所業だ。
「あ……悪魔っ」
「ふうん? 悪魔な俺は好きじゃない?」
「う……」
それぞれの手首をつかまれ、ゆっくり顔から外された。鏡の中のあやは、数日前にキスをたくさんしたときのような、魅惑の眼差しを送っている。まだ化粧を落とす前だ。それはまるで、男役の舞台俳優のようで……。
――ううっ……。かっこいい……。
「悪魔なあやさんと……たくさん、キスしたいです……」
「キスマークは?」
「…………ぅ。…………欲しい……です」
「よく言えました」
今度は頭頂にチュッと軽くキスを落とされた。
「はい。これで終わり。カーテンの奥で着替えて。俺もすぐこれ落として着替えるから」
「はい……」
このあとまたあやの姉に車で送ってもらい、あやの家で、前回よりも深いキスを、たくさんした。
そして、制服から見えないところなら……と、胸元や背中の色んなところにキスマークを付けられた。
「ほら、光。どこに欲しい?」
「あぁ……」
「光。もっと俺を欲しがって……」
「んんっ……」
「……キスに一生懸命な光が、すごく可愛い……」
「ふぅ……、ん!」
言わないと途中で止められてしまうものだから、光が満足するまで、たくさんキスをねだった。
モデルをしているときは天使だと思っていたのに。
あやの本性は小悪魔だったらしい。
だが、惚れた弱みか。
――小悪魔なあやさんは、かっこいい……。
息が続かず酸欠状態になりそうな中、光の脳裏には、意地悪そうな笑みを浮かべているあやが浮かんでいた。
服を乾燥させてる間、あやと話をしながらたくさんキスをした。
あやの、「可愛い」の水花火が連発したよう。すでに情報量過多でお腹いっぱいのところに、これでもかとホールケーキを二、三個与えられた気分だ。
『男の子』と暴露されるまで、本気で憧れの女の子としか思っていなかったのに。昨日一日で、あやへの認識がずいぶん変わってしまった。
服が乾いたあと最寄り駅まで送ってくれたあやが、学校でも会いたいと言ってくれたのが嬉しくて、少し恥ずかしい。
短い髪型でも似合うユニセックスの制服姿で、光は約束の場所に立っていた。
少し天気が悪いからか、誰も自販機に買いに来ない。おかげでさっきからドキドキが止まらなかった。
横目で自販機に反射する自分の姿を確認する。
一応パンツスタイルの制服を着ているときは、女に見えるように、短い髪の毛を内巻きにしてふんわりさせている。男装をするときは外にハネるように巻くので、それだけでもだいぶ雰囲気が変わって光は好きなのだが。
――あやさん、気づいてくれるかな……?
そんな事を考えていたら、がやがやと男子生徒たちの声が聞こえてきた。どうやら体育の授業後の生徒たちが清涼飲料水を買いに来たようだ。上級生らしく、階段を上ってきた誰もが、見上げるほどに背が高い。同じクラスの運動部の男子生徒が体格がいいので、きっと彼らも何かしらの運動部なのだろう。
光の兄やあやが華奢なので、あまり大きい男子には緊張してしまう。
まだあやは来ないなと、彼らから視線を外したときだった。
「おまたせ。光ちゃん」
「え?」
彼らの後ろからやってきたのは、待ち合わせをしていたあやだった。
さらさらとした艷やかな黒髪に、焦げ茶色の縁メガネをしている。まるで秀才の鏡のような姿だ。
「お。それが亜矢斗の彼女か」
「ったく、付いてくるなって言ったそばから俺を追い越していきやがって。あ、ほら。人の彼女に近づくな」
「え?」
まったくついていけていない光を、大きい男子生徒たちが取り囲む。
その隙間を掻い潜って、あやが光の腕を掴んできた。
「ごめん。行こう」
「は、はい」
「亜矢斗。後でちゃんと紹介してくれよ」
「お前たちの品評会はいらない」
「がはは!」
「何言ってんだ? 亜矢斗のことをきちんと大事にしてくれるか、俺たちは見定めないといかんのだよ」
「だから、見定めなんて必要ない。ったく、過保護もいい加減にしろ」
あやが歩きだすと男子生徒たちが道を開けてくれる。
ちらっと隣のあやを見ると、不満そうだったが口元が笑っているようだ。
きっと仲がいいのだろうと、光は歩きながらも後ろを振り向いて、軽く会釈をした。
「高校に入学したときはそんなに無かったんだけど、この二年であいつらだけガタイがデカくなって。おかげで俺は末っ子の弟みたいな扱いされてるの。家でも学校でも、俺に近づくやつが無害かどうかを見定めるとかなんとか。……ああ、モデルのことは言ってない」
あいつらに頭を下げる必要はないと、目的地である空き教室まで腕を引かれながらやってきた。
廊下から死角になる席に、隣り合って座る。
「本当にごめん。俺から誘ったのに。好奇な目にさらすつもりは全く無かったんだ。体育の授業が押して、俺が慌てて着替えてたから気づかれて……」
「……え? それだけでバレたんですか?」
「……ほんと、ありえないよな……」
呆れるだろう? と、あやが苦笑しながら持参してきた弁当の蓋を開ける。
あやの弁当を見ると、枝豆と昆布が混ぜ込まれている雑穀米おにぎりと、蒸した鶏のささみ肉と野菜に梅ベースの味付けをされているものだという。さすが仕事でモデルをしているだけあって、食事もストイックだ。
対して今日の光の弁当は、母といっしょに作った好物のれんこんつくねが入っている。
「どうしても体育のときはお腹が空くから、おにぎりは多めに持ってきてるよ。体型管理はもちろん大事だけど、高校時代は量も取らないとすぐガス欠になるんだよね」
「あー兄もそうでした。朝食と昼食の間におにぎり食べたいって言っていたのを覚えてます」
「あいつらほどデカくなったらさすがに今のままモデルはできないから、管理が結構大変で。でも男としてはまだ身長がほしい……」
ムスッとした表情を見せるあやが可愛くて、光は笑った。
「ふふ。あやさんが、かっこいいのにかわいい」
「…………光ちゃんは、昨日のかっこいいのもいいけど、今の髪型ならスカートも可愛いんじゃない? 好きじゃない?」
「ん~嫌いじゃないんですけど、普段着もスカート持ってないから、選択肢に無くて」
「スカート似合うと思う。俺が保証する」
「売れっ子ティーンズモデルに保証されるなら、絶対自信つきますね」
「もしよければ、俺に選ばせてくれないかな?」
「え、いいんですか?!」
「…………うん」
「?」
あやの返事に少し間があったような気がしたが、光は気にせずつくねを口に入れた。
◇◆◇
しばらくして、光は歩行者天国の中を歩いていた。
今日はあやにスカートを選んでもらう日だ。なので、今日は特にメイクをせずに、髪の毛を内巻きに巻いてきた。男装ではないが、ユニセックスなTシャツとレギンスというカジュアルスタイルだ。
急遽、朝に一本撮影が入ったらしいあやから現地集合でと言われ、道沿いのテナントが並ぶ中をひたすら歩いていく。
男装しているときはすぐに女の子たちに囲まれるが、今日はさっぱりで拍子抜けしたほど。
――こんなに変わるものなんだ……。男装している方が歩き辛いって、なんか、変な感じだ。
大きな交差点から一本細い路地へ。さらに横脇に逸れる細道を進む。
関係者用の出入口らしい扉を開けると、鉄製の階段を三階へ。
ノックをして少し待つと、女性が扉を開けてくれた。
「光ちゃんね。今日は亜矢斗のわがままでここまで来てもらってありがとう」
「いえ、こちらこそ先日は送って頂きありがとうございます! ご挨拶が遅れてしまって申し訳ありません!」
出迎えてくれたのは、あやの姉だった。
車で送ってくれたときはいろんなことに驚いた後だった。あの日は緊張しすぎて、何も話せなかったことを思い出す。光は慌てて先日のお礼と自己紹介をした。
ニコッと笑った美女に案内されて中へ入ると、撮影中のあやがいた。
思わず発狂しそうになったのを、慌てて手で口を抑える。
オフホワイトのフレアーが特徴のワンピース姿。だが、ワンピースの上部は大柄の花が大胆にプリントされていて、常夏の国で遊んでいるお嬢さんのようだ。
間違いない。これは、いつもあやが表紙を飾っているティーンズ雑誌の撮影だ。
だが、
「……いつもと服のテイストが違う……」
「よく気づいてくれたのね」
ぼそっと呟いたのを、隣に立っていたあやの姉に聞かれていたらしい。
「もう少しで撮影が落ち着くから、ここに座って待っていて」
「あ、ありがとうございます……」
案内されたパイプ椅子に座るまで、光の視線はあやから動かない。
カメラマンが「OK」と言うまで、光はずっと夢心地であやを見ていた。
「おまたせ、光ちゃん。こっちに来てもらえる?」
いつの間にかカメラマン以外の撮影スタッフがいなくなっていた。あやは部屋の隅でメイクさんに直してもらっている最中だ。
あやの姉に手を引かれて向かった先は、テレビでよく見る芸能人の控室だった。
ライト付きのドレッサーの前に座らされ、あやの姉ともう一人の女性が左右に立つ。そして、なにがなんだかわからないまま、光は二人にメイクをされ、髪をセットされた。
ほんのり赤みが強いリップティントを塗られて、立つように言われる。
これまた二人がかりで着ていた服を脱がされ、ハンガーに掛けられていた服を着せられた。そこで、気づく。
「さっき、あやさんが着ていた服……」
「そうよ~。あれはワンピースだけど、これはセパレートタイプ」
光が着ているのは、カットソーがオフホワイトで花柄のミニスカートだ。あやが着ていたオフホワイトのワンピースとは、上下のデザインが逆になっている。
「え?」
「さあ、いってらっしゃ~い♪」
いまだにわからないまま、再びあやの姉に手を引かれて、撮影部屋へ。
目の前に、ニッコリと微笑んでいるあやが立っていた。
「ようこそ、光ちゃん」
「あ……あやさん……」
「驚かせたくて黙ってたんだけど、お揃い着て写真撮りたくて。やっぱり可愛いな。うん。スカート姿も可愛い」
「…………」
「光ちゃん?」
「…………い」
「え? 光ちゃん?」
「………………尊いっ!」
「は?」
「尊いですっ! プライベートのあやさんも、学校のあやさんも素敵ですけど。モデルしてるあやさんが、尊すぎて涙が出そうです……」
ずっと応援してきてよかった。とんでもないご褒美だ。と、すでに光の目には涙が浮かんでいる。
「いや、メイクしたばっかりだし! これくらいで泣かないで!」
「これくらいなんて……っ、このまま死んでも悔いはありません!」
「いや、まだ死ぬの早すぎるっ! ちょっと、ティッシュー!」
あやが目の周りを優しく抑えてくれて、冷感スプレーで顔を冷やしてくれた。
「うっ……すみません。デビューのときからずっとファンなので、感極まってしまいました……」
「うん。それは知ってる。すごく嬉しい」
「はい……」
「でも今日は、もっと楽しんで、喜んでほしい」
手を引かれて、天井から降ろされている暖色グラデーションのドレープの前に二人で立つ。
「カメラは見ないで。私だけを見て」
と、からだごとあやと向き合う。
「カメラがあると気にするでしょ? それより、この服について、光ちゃんの感想を聞かせてほしいな」
「は、はい! それでは僭越ながら……。まず! あやさんの肩部分ですが――」
それから、光は怒涛のようにこの服について感想を述べた。
ノースリーブなのに、立体的に施されたシースルーの袖が見事な仕事をしていて、花柄のデザインなのに、まるでそこに蝶が止まっているよう。
その花柄はプリントされているのに、絶妙なバランスで配置されている。
そして、ふんわりとしたフレアースカートは、とにかく数多くの切り返しとチュールが組み合わされており、まさしく花の妖精。いや、女王なのだ。
「ふふ。光ちゃん。すごいね……。デザイナーが泣いて喜んでるから、あっち見て笑って?」
「はい!」
指で示されたところを向いた瞬間、すごい回数のシャッター音が聞こえた。
「え……?」
「はい、撮影終わり」
慌ててあやを見るが、ニッコリと微笑んで、撮影終了を宣言された。
再び顔を戻すと、見間違いではない。カメラマンの後ろで号泣している男性がいる。彼がこのワンピースのデザイナーなのだという。
「光ちゃんと出会えて良かったよ。俺、この服を一年もお蔵入りさせちゃってたけど、光ちゃんに似合うスカートを考えたら、これが浮かんだんだ」
「あやさん……」
「可愛い。本当に、心から可愛いと思ってるよ」
フルメイクをしてワンピース姿のあやに「可愛い」と言われると、禁断の扉を開けてしまいそうだ。慌てて、あやは男の子だと言い聞かせる。
「二人ともお疲れ様。目的の一枚は撮ったけど、もう撤収でいいの?」
近づいてきたあやの姉が、なにか含んだような笑みを浮かべている。
「?」
さっきから周りについていけていない光は大人しく、あやの顔を伺う。
「光ちゃんがまだ疲れていないようなら、あと一着撮りたいんだけど?」
「あ……あやさんとツーショットが撮れるなら……着ます!」
「なら、今も可愛くて仕方ないけど……一旦化粧を落とそうか。姉さんよろしく」
再び控室へ連れ込まれ、何をされているかわからないうちにメイクとヘアセットが終わっていた。
プロってすごい……と感心していると、差し出された服に興奮してしまった。
――え?! 私がこれなら、あやさんは?!
今度は黒色のスーツ姿だ。リクルートスーツではなく、ゴシックパンクなものを少し落ち着かせたものか。地雷系の女子が好きそうだと思いながら控室を出る。
まだあやは準備が終わっていないらしい。
スタジオのドレープが、紫から銀のグラデーションに変わっていた。
先ほどよりだいぶ雰囲気が変わるようで、落ち着いていたはずの緊張が戻ってきた気がする。
「光ちゃん、これ持って」
渡されたのは、限りなくホンモノに近い黒い薔薇の花束だ。 ところどころにほんのり赤みが強いところがあり、より自然のものに見せている。
「カメラは気にしないで、そこに座ってて」
「わかりました」
あやの姉の言うとおりに、中央に設置された白いボックスに、カメラの方を向いて座った。
カメラマンは他のスタッフと話をするためにカメラから離れている。
着るのが難しい服なのか。なかなか戻らないあやのことを考えてソワソワしつつも、慣れない環境と強いライトに照らされて、少し眠くなってきてしまった。
――あぁ、だめだ……。楽しみすぎてよく眠れなかったのに……。
次第にまぶたが重くなり、いよいよ落ちてしまいそうなときだった。
ぎゅっと後ろから抱きしめられ、思わず顔を上げる。そして――。
「おまたせ。スーツ姿はストイックだな……」
耳元に囁かれたのは、女装中ではない、学校で聞いた少し低音の声。
「あや……先輩」
「お疲れ様。撮影は終わったよ」
「え?」
驚いて正面のカメラマンを見るが、彼はカメラから離れたままだ。
「ふふ。リモコンで撮れるんだ。ほら」
そう言って見せられたのは、手の平サイズだった。
「緊張する暇なんて、無かっただろう? かっこいいのが撮れたと思うよ」
と、まだ光を抱きしめていた腕を外して、腕を掴んで立たされる。
瞬間、パシャパシャと、おかわりと言わんばかりのシャッター音が響き、カメラマンや他のスタッフたちが満面の笑顔になった。
「あやくんいい素材見つけてきたね~。本業じゃないのが残念だよ」
「彼女の色んな顔を見るのは、彼氏の特権ですから」
「おお~熱いね~♪」
ここにいるスタッフは、あやの正体を知っているらしい。それであんなに可愛い美少女を作り上げるのだから、プロは本当にすごい。
「BLのDVDジャケットでもおかしくないな」
「光ちゃんのぼんやりした顔とか、驚いている顔と、あやの小悪魔っぷりの対比がおもしろいわね」
「これが世に出回らないのが、本当に残念だよ」
ノートパソコンの画面を見ながら大人たちが好き勝手言っている横を通り、あやに手を引かれ控室へ戻る。
「光ちゃん。お疲れ様。これで本当に終わりだから、メイク落とすよ」
「ありがとうございます……」
ようやく鏡越しにゆっくり見たあやは、黒い前髪をすべてかきあげていて。切れ長の目と、ほんのり紫がかったくちびるが、妖しさを演出していた。
「あやさん……かっこいい……」
「どう? かっこいい俺も、好きかな?」
「はい……」
「そんなに即答されると、照れるな……」
どんな服を着ているかと思えば、真っ白なタキシードだった。胸元に、赤いリボンを結んだ、黒薔薇のブートニアが挿されている。
甲斐甲斐しくメイクを落としていく様子を眺めていれば、突然首に噛みつかれた。
「俺も化粧を落とす前に、光ちゃんが俺のものだって印をつけておこうと思ったんだけど……。さすがに目立ちすぎるな」
首の左側面。その中央に、紫色のキスマークが付いていた。
「今回は衣装だったけど、次はプレゼントしたいな……」
「え? あ、ありがとう……ございます」
そう言ってもらえると嬉しいのに、鏡越しのキスマークが気になって仕方がない。
「ふふ。分かってる? 男が服をプレゼントしたい意味」
「……なんの、ことですか?」
「光ちゃんは本当に可愛いな。……男が服をプレゼントしたいって言った時は、それを脱がしたいって意味だから覚えといて」
耳元で囁かれて、意味がわかって、思わず赤面してしまった。
楽しそうに笑うあやが、首のキスマークを拭き取っていく。
綺麗にされるのを思わず躊躇ってしまった光は、「あ!」と声を出してしまった。
「どうした?」
「あ……いえ……なんでも」
「キスマーク、欲しかった?」
「――……っ!」
そんなことは無いと言いたかったが、すでに鏡の中の光は、茹でダコのように真っ赤になっている。それなのにあやは容赦なく、光の耳朶にくちびるを寄せて囁くのだ。
「ふふ。ここを出たらまたたくさんキスをしよう」
思わず両手で顔を隠すが、それが嫌ではないどころか、光も望んでいるのだと気づいている所業だ。
「あ……悪魔っ」
「ふうん? 悪魔な俺は好きじゃない?」
「う……」
それぞれの手首をつかまれ、ゆっくり顔から外された。鏡の中のあやは、数日前にキスをたくさんしたときのような、魅惑の眼差しを送っている。まだ化粧を落とす前だ。それはまるで、男役の舞台俳優のようで……。
――ううっ……。かっこいい……。
「悪魔なあやさんと……たくさん、キスしたいです……」
「キスマークは?」
「…………ぅ。…………欲しい……です」
「よく言えました」
今度は頭頂にチュッと軽くキスを落とされた。
「はい。これで終わり。カーテンの奥で着替えて。俺もすぐこれ落として着替えるから」
「はい……」
このあとまたあやの姉に車で送ってもらい、あやの家で、前回よりも深いキスを、たくさんした。
そして、制服から見えないところなら……と、胸元や背中の色んなところにキスマークを付けられた。
「ほら、光。どこに欲しい?」
「あぁ……」
「光。もっと俺を欲しがって……」
「んんっ……」
「……キスに一生懸命な光が、すごく可愛い……」
「ふぅ……、ん!」
言わないと途中で止められてしまうものだから、光が満足するまで、たくさんキスをねだった。
モデルをしているときは天使だと思っていたのに。
あやの本性は小悪魔だったらしい。
だが、惚れた弱みか。
――小悪魔なあやさんは、かっこいい……。
息が続かず酸欠状態になりそうな中、光の脳裏には、意地悪そうな笑みを浮かべているあやが浮かんでいた。
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