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小悪魔なふたり
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「光。急なんだけど、今週末は仕事が入って。その代わり来週末遠出できる?」
あやと昼食を食べるのは、ずっと続いていた。
今日も、いつもと変わらず隣り合って座る。
珍しいことに、ティーンズ雑誌の撮影は土日のみにしているそう。それはあやから言ったことではなく、メイクアップアーティストでもある姉の強い要望で。そのため、週末に溜めて一気に撮影しているらしく、丸一日潰れてしまう。
「先週撮影って言ってたよね?」
「うん。途中までやってたけど急に大雨降ったでしょ。外の撮影だったから、雨が止むまで待機してそのまま今週末に変更になった」
「梅雨だし……仕方ないね」
あやに相談したいことがあったのだが、学校内でできる話しではないと思っていた矢先のことだった。
ふと、あやが言っていたことが頭を過る。
「あれ? 遠出って言った?」
「うん。実は監督に旅館の宿泊券をもらったんだ。彼女とどうぞって。……どうかな?」
「……宿泊券」
「…………だめかな?」
「ううんっ! 行きたい!」
思わず前のめりになってしまったと、光は返事をしてから気づいた。
――初めてのお泊り……! それって……。
「よかった。昼休憩が終わるな……。そろそろ教室に戻ろうか」
「う、うん……」
「? どうかした?」
「ううん! たくさん一緒にいれるなって。嬉しくて」
「ふふ……。よかった。喜んでくれて」
◇◆◇
宿泊地は関西の温泉施設だった。
昼間は有名な観光地をめぐり、粉モンと呼ばれる関西のソウルフードを食べ歩く。
海外旅行者が多いのもあり、綺麗なあやの姿が注目されて、身動きが取れなくなることはなかった。
ふたりが男装女装をして町を歩くとすぐに人に囲まれてしまうのが普通だったので、少々拍子抜けした気分だ。
しかし本来の姿とは言え、ティーンズ雑誌の表紙を飾る売れっ子モデルと町中を歩いていることが、嬉しくてたまらない光だった。
早めに旅館へチェックインして、大浴場で汗を流す。
夕食は部屋で。部屋付きの着物を着た仲居さんが次々に食事を運んできてくれる。
肉はもちろん、魚も野菜も新鮮で美味しかった。特に、部屋ごとに仕込むという土鍋ご飯が絶品で。昼に散々食べたにも関わらずふたりは完食してしまった。
「光、ベランダの温泉入ろう」
「えっ」
「え……。あ……あ、俺急ぎすぎた?」
「?」
何を急ぎすぎたのだろう。
あやの言っている意味がわからなくて首を傾げた。
「…………その……。俺たち、付き合って半年経ったから……。キスはしてるけど、そろそろどうかな……って」
「…………」
少し罰が悪そうに、首に手をやったあやの仕草が、初めて見る男の人のようで。
あやに指摘されて、光は涙を流していることを知った。
「……な、泣くほど嫌だった……?」
「ちが……っ、くて……」
立ったまま抱き寄せられて、浴衣の帯の少し上にそっと手を添えられた。
「キス以上のことをしてくれないから、私のことどう思ってるんだろう? って、不安になってて……」
どうして抱いてくれないの? なんて、恥ずかしすぎて。「そんな気にならない」とか言われたら男装なんかしてるからかもしれないと勘繰ってしまう。
ずっと聞きたかった。
光が男装するときは、多少男の子の所作を真似ることもある。
もちろんあやはプロとしてもっと洗練されている。特に最近はどこかアンニュイな表情をすることが増え、光よりも女の子っぽい。
男装女装をしている二人ではあるが、それを脱いでしまえば周りの人々と何ら変わらないはずだ。
けれど、光から訊くことであやを不快な思いにさせるかもしれないと思うと、こわくて訊けなかった。
光たちが付き合い出した後に彼氏ができた友人たちから、「初めての時どうだった?」なんて尋ねられても言葉を返せなかった。
どうして何も言ってくれないの? 私はなにかのパフォーマンスに利用しているの?
どう切り出していいのかもわからなくて……。
「……好きだよ。ずっと、光は俺の大事な女の子だ」
「じゃあ、どうして今まで……」
「俺、ティーンズモデルを卒業したんだ」
「え?」
突然の神の引退に、涙が引いた。
「……2ヶ月後の雑誌で最後なんだけど。一応モデルの仕事は、成長して女子の服が着られなくなるまでだったんだ」
「あ……」
「さすがに高3にもなるとだいぶ成長してきて、これ以上はごまかしが効かなくなりそうだったし……。なにより、光に似合う男になりたかった」
苦笑して、あやが光をぐっと引き寄せる。
「光は気づいてた? 初めに会ったばかりの頃、俺と光の身長差が五センチもなかったの」
「え?」
「モデル界隈では、光の身長は普通だから気にならなかったんだけど。隣に立った時、光の彼氏としては役不足感が否めなくて」
まさかあやがそんな事を考えていたいるとは、まったく想像もしていなかった。
「さすがに二十センチは厳しいかもしれないけど、確実に十センチ以上差ができるまでは……なんて、勝手に期限切って、少しでもかっこいいところを光に見せたかったんだ……」
「私はぜんぜん気にしなかったな。そっか……。あ、でも、そんなに身長差があると辛いかも……」
「うん?」
「だって。私、ほとんどの人を見上げることがないから、首が痛くなりそうじゃない?」
「…………ぷっ。確かに」
「キスするときだって……あやさんいつも舌吸うから、その……あんまり顔を上げてるときついかも……」
「……そうだね」
恥ずかしいと、あやの浴衣に顔を伏せた光の耳が、ほんのり赤くなっていた。
「…………光。やっぱり風呂より先に抱きたい。……いい?」
「う…………ぅん」
ゆっくりと、光はあやを見上げた。
どちらでも恥ずかしいことには変わりないが、部屋の外よりは内だろう。
好んで男装をしていた光ではあるが、それはそこそこ身長があったからだ。兄の影響で、幼い時から活発に過ごしてきたのもある。
光の周りには、女の子であることを楽しんでいる女の子たちばかりだ。
それなのに、まったく違う光がいいと言ってくれる。
周りにたくさん可愛い女の子がいるのに、光を選んでくれた。
――それが、どんなに嬉しかったか、あやさんは気づいてる?
引け目を感じているわけでは決して無い。
ただ、あやの瞳に映る女の子は自分だけがいい……。
初めて覚えたほのかな独占欲は、あっという間に大きく育っていた。
両腕を伸ばして、少し背伸びをする。
キスをするときはいつも座っていたから、あまり気にならなかった。
「……俺達は、これくらいの身長差がいいのかもしれないね……」
両腕をあやの首に巻き付けた光の腰を抱き寄せ、あやは近づいてきたくちびるを、上から覆った。
静かな部屋に響く、深い口づけの音。
背中に感じる、あやの熱い手。
「……ぅふ……」
「声、ガマンしないで……」
セミダブルサイズのベッドに横たわり、あやが雨のように降らせるキスに、一生懸命応えた。
軽く頬を滑る指。項に感じる熱い吐息。
絡める舌は、何よりも熱い。
軽く閉じた口から少しだけ舌先を出すと、チュウチュウとそれを吸ってくるあやが、餌をねだる小鳥のようで。それだけで腰に鈍い快感が走った。
「んんっ……」
帯は締めたままなのに、少しずつ光が着ている浴衣の襟ははだけ、新しい肌が見えるたびにあやがキスを落とす。
ときに優しく、ときに強く。
直接触ってほしいと、光が言いたくなるほどに焦らされた。
「っ、あぁ……」
下着の上から脚の付け根を撫で回された。光の反応がいいところを重点的に刺激を与えられる。あやが触っている視覚的な刺激も相まって早々に全身を震わせた。
ゴクっと唾を飲んだような音がして、組み敷いているあやの表情を、光はぼんやりと見上げて驚いた。
――あやさんが、セクシーな大人の男の人に見える……。
達してしまって濡れたからと、ほんのり濡らした下着は剥ぎ取られ、心許ないと内太腿を擦る。
そんな光を試すように、あやの愛撫はようやく胸に到達した。だが、まだブラジャー越しに膨らみを楽しむ程度で、光が欲しいと思う刺激には程遠かった。
「あや……さん」
「どうした? 光」
「えっちって、入れて終わりじゃないの……?」
焦らされすぎて考えきれなくなったあやは、ポロッと思ったことを口にしていた。
「…………え?」
――あれ? 私、やっちゃった?
「……光。俺が勝手に待たせてたけど、半年も光の裸を見るの我慢してたの。もっと堪能させてほしい」
「…………」
「光のこと、もっとドロドロに溶かして、ずっと痙攣するくらい絶頂させて。光自身も知らない光のことを知りたい」
だから、胸は挿れてから堪能する。光の不安な気持ちに返されたのが思っていた以上に卑猥すぎて、絶句したのも無理はなかった。
今は首周りや手首などが太くなっている男の子だが、実は以前から可愛い顔をして、そんなことを考えていたのか。
その後も光が感じる場所を弄られて、膣の中に指を入れられて。
恥ずかしい音が、部屋中に鳴り響く。
「……光、オナニーするんだね」
「…………」
「ふふ。黙っていてもからだはちゃんと反応してる。俺の指をしっかり締めつけてきたね……」
「……だって……。あやさんが……」
バレて恥ずかしくなってしまった光が、両腕を顔の前で交差させる。
胸の谷間が綺麗に見えて、あやは今まで我慢していたことを後悔した。
「俺のことを考えて弄ってた?」
「…………はい」
「中と外、どっちが気持ちよかった?」
「…………外」
「じゃあ、今まで待たせた分、光を天国に連れて行こう」
そう言うと光の股に顔を沈めて、両手の親指で陰唇を開く。ぷくっとした粒が出てきたのを確認すると、それをそのままパクっと銜えた。吸い込んで舐めて。併せて狭い蜜口に入れていた指を増やす。
「ひゃあぁっ! ま、待っ……て! ぅす、っちゃ、だ……だめえぇ!」
――自分で触るのと比じゃないっ! やっ、あ、待って! イッちゃう!
「イッちゃうぅ~~!」
「いいよ。気持ちよくなって」
思いっきりからだを横に向けて快感の大波から逃れようとするが、腰をあやに固定された状態では限界がある。
ぞくぞくっと捩ってベッドに倒れ込んだ光が、胸を激しくして呼吸する。それがまるで、あやを誘っているように艶やかで。
「ふふ。びちゃびちゃだね……」
ヌルっと陰唇を撫でられて、蜜口の中に入ったままの指をかき混ぜられた。
「ひゃっ! っ、あ、ああっ!」
「まだ落ちてこなさそうだね。もう一回イッておこう」
「まっ、待っ――っっ!」
泡だて器で混ぜるように、あやが激しく指を回していく。
「ひゃあぁ!」
「すごい締めつけ……」
これ以上中を弄られるのは勘弁してほしいと、荒い呼吸をしながら光はからだをねじった。
だから、忘れていて気づかなかった。
ブラジャーのホックを外されて、肩紐を下ろされる。
「やっぱり胸は直接揉んだほうがよかった?」
「あ――」
驚いて起き上がると、ぽろりとブラジャーが落ちて、たわわな乳房があやの前に現れた。
ゴクッと、つばを飲み込む音が響く。
「…………」
「あやさん?」
◇◆◇
「ゃあっ、あぁっ! あ、あぁ!」
あの後さらに二度絶頂に導かれた。全身が脱力したところに、あやが臨戦態勢の肉棒を押し込んできた。
トロトロに溶けた光の蜜口に欲望を押し込まれて幾ばくもなく。光は初めての破瓜の痛みを乗り越えて、あっという間に快感の渦の中にいた。
絶頂のたびに溢れさせた愛液が奏でる音が、耳をいやらしく汚す。
胸の片方はあやの口の中で蹂躙されて、もう片方は指で弄れられる。
それなのにあやの腰は止まらないから、断続的に訪れる刺激の強弱に翻弄され、光は理由がわからず律動に身を任せていた。
「あぁ……気持ちいいな……」
ようやく吸っていた胸から口を外したあやが、快感で涙が溢れていた光の目尻にキスをする。
「あ……や、さん……。もぅ……」
「うん。もう少し頑張って」
と、今度は反対の胸の赤い実に吸い付いた。
「んあっ! ……あぁ!」
摘まれて潰されて、ぷっくりふくらんだ乳首がとても美味しそうに見えると、あやは口の中でも快感を引き出すべく愛撫を止めない。
仰け反ってしまう腰を抑え込むように、あやの腰がグッと光を追い込む。
急にゾワゾワと膣奥が震えだすのがわかって、光は慌ててあやの背中をぽかすか叩いた。
「イッちゃうっ! イッちゃうから~!」
「…………」
ようやく顔を上げたあやだったが、ニッコリと微笑むだけだ。
腰に腕を回され、止めてもらえないとわかった光が、もうだめだと諦めたときだった。
「っ! ……一緒にイこう」
凄く感じてしまう一点を突かれ、膣道が激しく収縮する。
「ゃあああっ~!」
「……っく!」
ゴム越しの飛沫を感じる。 ビュクビュクと、何度も出ていって、落ち着いた頃にあやがからだを重ねてきた。
フルマラソンを完走した後のような激しさに、光は何も言葉にできず呼吸を繰り返すだけだ。
あやの背中に腕を回せば、汗びっしょりになっていた。
「……あや、さん……」
「……なんなの? 光がエロすぎて、ぜんぜんもたない……」
「…………」
そんなことを言われても、初めてなのだからわかるわけがない。
ゆっくり身体を起こしたあやが光を抱き起こして座る。相変わらず光の中にあやがいる状態でまだ中はじんじんしているが、処女膜を破られたときの痛みはなかった。
「俺を凄く締めつけてくるから、せっかくしたいと思っていたアレコレが全部飛んだ……」
「……それは、知りません」
「光もオナニーするんだとか知ったら、興奮するしかないでしょ?」
「そう言って、胸触るのダメです!」
あぐらをかいたあやの太ももに光のおしりが乗っていて、ちょうど目線が同じくらいになるのだ。
触りやすい場所に触りたいものがあるのだから仕方がないと。
やわやわとマシュマロおっぱいを堪能している。
「それで? どうやってしてるの?」
「……っ秘密です!」
「そうか……。まあ、いいか。実は色々知識がありそうな小悪魔な彼女には、後でゆっくり伝授いただくとして」
脇に手を入れられて、そっと上に持ち上げられる。
見た目以上に重いものが持てるのだと、光は感心していたが、まだ天を向いているあやが、肉棒から白濁まみれになったゴムを外して新品と交換するのを見て少し青ざめてしまったのも無理はない。
「ま……まだするの?」
「もちろん。言ったでしょ? 光のこと、もっとドロドロに溶かして、ずっと痙攣するくらい絶頂させたいって」
「あ……私、初めて……」
「もちろん知っているさ。だから、俺しか知らない光の中を、もっと味わいたい」
ふたたび脇に手を入れられて、そっと上に持ち上げられた。
ずぶんと肉棒が挿され、一気に最奥まで。
「~~~っ!」
「次は下から突くよ。キスしながらイきたい……」
「んふっ!」
さすが、何でも有言実行のあやだ。きっと今夜は、あやが計画していた色々をすべて試すまで寝かせてもらえない。
そんな無慈悲で悪魔いな思考にたどり着いてしまった光は、少しでも早く開放されるべく、初心者ながらお腹に力を入れるのだった。
もちろん部屋付き露天風呂にも一緒に入りました。
あやと昼食を食べるのは、ずっと続いていた。
今日も、いつもと変わらず隣り合って座る。
珍しいことに、ティーンズ雑誌の撮影は土日のみにしているそう。それはあやから言ったことではなく、メイクアップアーティストでもある姉の強い要望で。そのため、週末に溜めて一気に撮影しているらしく、丸一日潰れてしまう。
「先週撮影って言ってたよね?」
「うん。途中までやってたけど急に大雨降ったでしょ。外の撮影だったから、雨が止むまで待機してそのまま今週末に変更になった」
「梅雨だし……仕方ないね」
あやに相談したいことがあったのだが、学校内でできる話しではないと思っていた矢先のことだった。
ふと、あやが言っていたことが頭を過る。
「あれ? 遠出って言った?」
「うん。実は監督に旅館の宿泊券をもらったんだ。彼女とどうぞって。……どうかな?」
「……宿泊券」
「…………だめかな?」
「ううんっ! 行きたい!」
思わず前のめりになってしまったと、光は返事をしてから気づいた。
――初めてのお泊り……! それって……。
「よかった。昼休憩が終わるな……。そろそろ教室に戻ろうか」
「う、うん……」
「? どうかした?」
「ううん! たくさん一緒にいれるなって。嬉しくて」
「ふふ……。よかった。喜んでくれて」
◇◆◇
宿泊地は関西の温泉施設だった。
昼間は有名な観光地をめぐり、粉モンと呼ばれる関西のソウルフードを食べ歩く。
海外旅行者が多いのもあり、綺麗なあやの姿が注目されて、身動きが取れなくなることはなかった。
ふたりが男装女装をして町を歩くとすぐに人に囲まれてしまうのが普通だったので、少々拍子抜けした気分だ。
しかし本来の姿とは言え、ティーンズ雑誌の表紙を飾る売れっ子モデルと町中を歩いていることが、嬉しくてたまらない光だった。
早めに旅館へチェックインして、大浴場で汗を流す。
夕食は部屋で。部屋付きの着物を着た仲居さんが次々に食事を運んできてくれる。
肉はもちろん、魚も野菜も新鮮で美味しかった。特に、部屋ごとに仕込むという土鍋ご飯が絶品で。昼に散々食べたにも関わらずふたりは完食してしまった。
「光、ベランダの温泉入ろう」
「えっ」
「え……。あ……あ、俺急ぎすぎた?」
「?」
何を急ぎすぎたのだろう。
あやの言っている意味がわからなくて首を傾げた。
「…………その……。俺たち、付き合って半年経ったから……。キスはしてるけど、そろそろどうかな……って」
「…………」
少し罰が悪そうに、首に手をやったあやの仕草が、初めて見る男の人のようで。
あやに指摘されて、光は涙を流していることを知った。
「……な、泣くほど嫌だった……?」
「ちが……っ、くて……」
立ったまま抱き寄せられて、浴衣の帯の少し上にそっと手を添えられた。
「キス以上のことをしてくれないから、私のことどう思ってるんだろう? って、不安になってて……」
どうして抱いてくれないの? なんて、恥ずかしすぎて。「そんな気にならない」とか言われたら男装なんかしてるからかもしれないと勘繰ってしまう。
ずっと聞きたかった。
光が男装するときは、多少男の子の所作を真似ることもある。
もちろんあやはプロとしてもっと洗練されている。特に最近はどこかアンニュイな表情をすることが増え、光よりも女の子っぽい。
男装女装をしている二人ではあるが、それを脱いでしまえば周りの人々と何ら変わらないはずだ。
けれど、光から訊くことであやを不快な思いにさせるかもしれないと思うと、こわくて訊けなかった。
光たちが付き合い出した後に彼氏ができた友人たちから、「初めての時どうだった?」なんて尋ねられても言葉を返せなかった。
どうして何も言ってくれないの? 私はなにかのパフォーマンスに利用しているの?
どう切り出していいのかもわからなくて……。
「……好きだよ。ずっと、光は俺の大事な女の子だ」
「じゃあ、どうして今まで……」
「俺、ティーンズモデルを卒業したんだ」
「え?」
突然の神の引退に、涙が引いた。
「……2ヶ月後の雑誌で最後なんだけど。一応モデルの仕事は、成長して女子の服が着られなくなるまでだったんだ」
「あ……」
「さすがに高3にもなるとだいぶ成長してきて、これ以上はごまかしが効かなくなりそうだったし……。なにより、光に似合う男になりたかった」
苦笑して、あやが光をぐっと引き寄せる。
「光は気づいてた? 初めに会ったばかりの頃、俺と光の身長差が五センチもなかったの」
「え?」
「モデル界隈では、光の身長は普通だから気にならなかったんだけど。隣に立った時、光の彼氏としては役不足感が否めなくて」
まさかあやがそんな事を考えていたいるとは、まったく想像もしていなかった。
「さすがに二十センチは厳しいかもしれないけど、確実に十センチ以上差ができるまでは……なんて、勝手に期限切って、少しでもかっこいいところを光に見せたかったんだ……」
「私はぜんぜん気にしなかったな。そっか……。あ、でも、そんなに身長差があると辛いかも……」
「うん?」
「だって。私、ほとんどの人を見上げることがないから、首が痛くなりそうじゃない?」
「…………ぷっ。確かに」
「キスするときだって……あやさんいつも舌吸うから、その……あんまり顔を上げてるときついかも……」
「……そうだね」
恥ずかしいと、あやの浴衣に顔を伏せた光の耳が、ほんのり赤くなっていた。
「…………光。やっぱり風呂より先に抱きたい。……いい?」
「う…………ぅん」
ゆっくりと、光はあやを見上げた。
どちらでも恥ずかしいことには変わりないが、部屋の外よりは内だろう。
好んで男装をしていた光ではあるが、それはそこそこ身長があったからだ。兄の影響で、幼い時から活発に過ごしてきたのもある。
光の周りには、女の子であることを楽しんでいる女の子たちばかりだ。
それなのに、まったく違う光がいいと言ってくれる。
周りにたくさん可愛い女の子がいるのに、光を選んでくれた。
――それが、どんなに嬉しかったか、あやさんは気づいてる?
引け目を感じているわけでは決して無い。
ただ、あやの瞳に映る女の子は自分だけがいい……。
初めて覚えたほのかな独占欲は、あっという間に大きく育っていた。
両腕を伸ばして、少し背伸びをする。
キスをするときはいつも座っていたから、あまり気にならなかった。
「……俺達は、これくらいの身長差がいいのかもしれないね……」
両腕をあやの首に巻き付けた光の腰を抱き寄せ、あやは近づいてきたくちびるを、上から覆った。
静かな部屋に響く、深い口づけの音。
背中に感じる、あやの熱い手。
「……ぅふ……」
「声、ガマンしないで……」
セミダブルサイズのベッドに横たわり、あやが雨のように降らせるキスに、一生懸命応えた。
軽く頬を滑る指。項に感じる熱い吐息。
絡める舌は、何よりも熱い。
軽く閉じた口から少しだけ舌先を出すと、チュウチュウとそれを吸ってくるあやが、餌をねだる小鳥のようで。それだけで腰に鈍い快感が走った。
「んんっ……」
帯は締めたままなのに、少しずつ光が着ている浴衣の襟ははだけ、新しい肌が見えるたびにあやがキスを落とす。
ときに優しく、ときに強く。
直接触ってほしいと、光が言いたくなるほどに焦らされた。
「っ、あぁ……」
下着の上から脚の付け根を撫で回された。光の反応がいいところを重点的に刺激を与えられる。あやが触っている視覚的な刺激も相まって早々に全身を震わせた。
ゴクっと唾を飲んだような音がして、組み敷いているあやの表情を、光はぼんやりと見上げて驚いた。
――あやさんが、セクシーな大人の男の人に見える……。
達してしまって濡れたからと、ほんのり濡らした下着は剥ぎ取られ、心許ないと内太腿を擦る。
そんな光を試すように、あやの愛撫はようやく胸に到達した。だが、まだブラジャー越しに膨らみを楽しむ程度で、光が欲しいと思う刺激には程遠かった。
「あや……さん」
「どうした? 光」
「えっちって、入れて終わりじゃないの……?」
焦らされすぎて考えきれなくなったあやは、ポロッと思ったことを口にしていた。
「…………え?」
――あれ? 私、やっちゃった?
「……光。俺が勝手に待たせてたけど、半年も光の裸を見るの我慢してたの。もっと堪能させてほしい」
「…………」
「光のこと、もっとドロドロに溶かして、ずっと痙攣するくらい絶頂させて。光自身も知らない光のことを知りたい」
だから、胸は挿れてから堪能する。光の不安な気持ちに返されたのが思っていた以上に卑猥すぎて、絶句したのも無理はなかった。
今は首周りや手首などが太くなっている男の子だが、実は以前から可愛い顔をして、そんなことを考えていたのか。
その後も光が感じる場所を弄られて、膣の中に指を入れられて。
恥ずかしい音が、部屋中に鳴り響く。
「……光、オナニーするんだね」
「…………」
「ふふ。黙っていてもからだはちゃんと反応してる。俺の指をしっかり締めつけてきたね……」
「……だって……。あやさんが……」
バレて恥ずかしくなってしまった光が、両腕を顔の前で交差させる。
胸の谷間が綺麗に見えて、あやは今まで我慢していたことを後悔した。
「俺のことを考えて弄ってた?」
「…………はい」
「中と外、どっちが気持ちよかった?」
「…………外」
「じゃあ、今まで待たせた分、光を天国に連れて行こう」
そう言うと光の股に顔を沈めて、両手の親指で陰唇を開く。ぷくっとした粒が出てきたのを確認すると、それをそのままパクっと銜えた。吸い込んで舐めて。併せて狭い蜜口に入れていた指を増やす。
「ひゃあぁっ! ま、待っ……て! ぅす、っちゃ、だ……だめえぇ!」
――自分で触るのと比じゃないっ! やっ、あ、待って! イッちゃう!
「イッちゃうぅ~~!」
「いいよ。気持ちよくなって」
思いっきりからだを横に向けて快感の大波から逃れようとするが、腰をあやに固定された状態では限界がある。
ぞくぞくっと捩ってベッドに倒れ込んだ光が、胸を激しくして呼吸する。それがまるで、あやを誘っているように艶やかで。
「ふふ。びちゃびちゃだね……」
ヌルっと陰唇を撫でられて、蜜口の中に入ったままの指をかき混ぜられた。
「ひゃっ! っ、あ、ああっ!」
「まだ落ちてこなさそうだね。もう一回イッておこう」
「まっ、待っ――っっ!」
泡だて器で混ぜるように、あやが激しく指を回していく。
「ひゃあぁ!」
「すごい締めつけ……」
これ以上中を弄られるのは勘弁してほしいと、荒い呼吸をしながら光はからだをねじった。
だから、忘れていて気づかなかった。
ブラジャーのホックを外されて、肩紐を下ろされる。
「やっぱり胸は直接揉んだほうがよかった?」
「あ――」
驚いて起き上がると、ぽろりとブラジャーが落ちて、たわわな乳房があやの前に現れた。
ゴクッと、つばを飲み込む音が響く。
「…………」
「あやさん?」
◇◆◇
「ゃあっ、あぁっ! あ、あぁ!」
あの後さらに二度絶頂に導かれた。全身が脱力したところに、あやが臨戦態勢の肉棒を押し込んできた。
トロトロに溶けた光の蜜口に欲望を押し込まれて幾ばくもなく。光は初めての破瓜の痛みを乗り越えて、あっという間に快感の渦の中にいた。
絶頂のたびに溢れさせた愛液が奏でる音が、耳をいやらしく汚す。
胸の片方はあやの口の中で蹂躙されて、もう片方は指で弄れられる。
それなのにあやの腰は止まらないから、断続的に訪れる刺激の強弱に翻弄され、光は理由がわからず律動に身を任せていた。
「あぁ……気持ちいいな……」
ようやく吸っていた胸から口を外したあやが、快感で涙が溢れていた光の目尻にキスをする。
「あ……や、さん……。もぅ……」
「うん。もう少し頑張って」
と、今度は反対の胸の赤い実に吸い付いた。
「んあっ! ……あぁ!」
摘まれて潰されて、ぷっくりふくらんだ乳首がとても美味しそうに見えると、あやは口の中でも快感を引き出すべく愛撫を止めない。
仰け反ってしまう腰を抑え込むように、あやの腰がグッと光を追い込む。
急にゾワゾワと膣奥が震えだすのがわかって、光は慌ててあやの背中をぽかすか叩いた。
「イッちゃうっ! イッちゃうから~!」
「…………」
ようやく顔を上げたあやだったが、ニッコリと微笑むだけだ。
腰に腕を回され、止めてもらえないとわかった光が、もうだめだと諦めたときだった。
「っ! ……一緒にイこう」
凄く感じてしまう一点を突かれ、膣道が激しく収縮する。
「ゃあああっ~!」
「……っく!」
ゴム越しの飛沫を感じる。 ビュクビュクと、何度も出ていって、落ち着いた頃にあやがからだを重ねてきた。
フルマラソンを完走した後のような激しさに、光は何も言葉にできず呼吸を繰り返すだけだ。
あやの背中に腕を回せば、汗びっしょりになっていた。
「……あや、さん……」
「……なんなの? 光がエロすぎて、ぜんぜんもたない……」
「…………」
そんなことを言われても、初めてなのだからわかるわけがない。
ゆっくり身体を起こしたあやが光を抱き起こして座る。相変わらず光の中にあやがいる状態でまだ中はじんじんしているが、処女膜を破られたときの痛みはなかった。
「俺を凄く締めつけてくるから、せっかくしたいと思っていたアレコレが全部飛んだ……」
「……それは、知りません」
「光もオナニーするんだとか知ったら、興奮するしかないでしょ?」
「そう言って、胸触るのダメです!」
あぐらをかいたあやの太ももに光のおしりが乗っていて、ちょうど目線が同じくらいになるのだ。
触りやすい場所に触りたいものがあるのだから仕方がないと。
やわやわとマシュマロおっぱいを堪能している。
「それで? どうやってしてるの?」
「……っ秘密です!」
「そうか……。まあ、いいか。実は色々知識がありそうな小悪魔な彼女には、後でゆっくり伝授いただくとして」
脇に手を入れられて、そっと上に持ち上げられる。
見た目以上に重いものが持てるのだと、光は感心していたが、まだ天を向いているあやが、肉棒から白濁まみれになったゴムを外して新品と交換するのを見て少し青ざめてしまったのも無理はない。
「ま……まだするの?」
「もちろん。言ったでしょ? 光のこと、もっとドロドロに溶かして、ずっと痙攣するくらい絶頂させたいって」
「あ……私、初めて……」
「もちろん知っているさ。だから、俺しか知らない光の中を、もっと味わいたい」
ふたたび脇に手を入れられて、そっと上に持ち上げられた。
ずぶんと肉棒が挿され、一気に最奥まで。
「~~~っ!」
「次は下から突くよ。キスしながらイきたい……」
「んふっ!」
さすが、何でも有言実行のあやだ。きっと今夜は、あやが計画していた色々をすべて試すまで寝かせてもらえない。
そんな無慈悲で悪魔いな思考にたどり着いてしまった光は、少しでも早く開放されるべく、初心者ながらお腹に力を入れるのだった。
もちろん部屋付き露天風呂にも一緒に入りました。
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王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
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