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第1話 完璧で最強
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「俺らって、一体何者なんだろう」
クラスの仲良しな、不思議な5人組。
いつも他のエンジョイ組とは、また違った集団。
自分達でも、何者なのかを理解できない。
出逢いは、1年前の入学式。
俺らは、“將羅高校”に入学した。
入学式が始まると、校長の長い話や、来賓の祝辞など、意味の分からない時間を過ごした。
急に分針の針が、速度を落としたかのように、のっしりと重い時間が流れ出した。
そんな中、重かった時の流れは急に、フワッと浮き上がり、緩やかに流れ出した。
絶対面白いことが始まる。全員がそう思った。
そう思った理由は明確で、その場に登場したブッ飛んだ格好の男のおかげだ。
「新入生諸君。これから俺が、將羅高校、通称“將高”のルールを説明する。
あぁ、俺の名前は、月山景弥。將高の次期生徒会長に任命された。
ここ將高では、いじめと不登校と、意味のないこと以外は、大概何をしても自由だ。
たとえば、今の俺のように、“着ぐるみ”を着たってかまわない。」
その男は、国民的人気のゆるキャラ、“ヘローケティ”の着ぐるみを着ているのである。
リボンを付けた、真っ白な猫のようなキャラで、口の部分から生徒会長の顔が見える。
会場の雰囲気は、一気に上昇し、これからの高校生活にワクワクする気持ちが生まれてきた。
「ただ、授業中は制服で受けること。ふざけすぎるのはいけない。
度を弁えて、これからの高校生活を楽しんでほしい。
この3年間は、お前らの青春だ。一生の思い出だ。悔いのないように、自分らしく過ごすんだな。
それじゃあ、そろそろ恥ずかしくなってきたから、挨拶は終わり。」
一気に会場を沸かせたその男は、最後まで時の流れを落とすことはなかった。
俺はあの時、明るい希望が見えてきた。
憧れというか、羨ましさというか、色々と明るい気持ちで溢れた。
あんな人になりたい
だなんて、笑われるだろうけど、でも本当にそう思った。
人を楽しませる、笑わせる、自然と明るい雰囲気を作るような、そんな人になりたかった。
だけど、そんな望みは、その後崩れそうになった。
入学式も終わり、各教室でクラスごとの学活が行われた。
入学直後の、微妙な空気に包まれている。
こんな時、月山会長だったら、この重い空気を打開できるのだろうか?
俺なんかじゃ、この空気を軽くはできない、というか勇気がないと察した。
仲良し組だけが集まって話しているような、回りをキョロキョロ窺うような、謎の距離感が生じていた。
一人で居る俺が虚しく感じてきた。
このままじゃ、青春っぽいこと、できないじゃないか!
俺だけが、スタート地点から、置いてかれているような気がした。
「ヤベェ、うんこしてぇ...!」
教室の至るところから、クスクスと笑うような声がたくさん聞こえてきた。
その言葉を発したのは、出席番号三番の、いかにもバカそうな顔をした男だ。
「トイレ行ってきていいかな...?」
「早く行ってこいよ。教室で漏らすんじゃねぇぞ?」
このやりとりに、またしても回りからは笑い声が聞こえた。
さっきよりも大きな、笑い声が教室を包んでいった。
その声が、どんどん俺を小さくしていった。
教室の端に追いやられていくような、大きいものに怯えているような感覚にとらわれた。
このままじゃいけない。
「はは、いっそのこと、教室で漏らしちまえよ!」
咄嗟に俺の口から、声が出た。
俺は必死に口を押さえたが、みんなにその声は届いてしまった。
「.......」
教室にまたしても、静寂が帰ってきた。
顔がみるみるうちに、紅くなっていくのが見ないでも分かる。
終わった...。
もう何も考えたくなかった。
っていう、トラウマ物語を聞いてもらった訳なんだけど、クッソつまんなかったと思うから話を変えます。
というか、まだ自己紹介してなかったと思うので、しよっか。
俺の名前は、景樹琳音。
ごめんね、うちの両親中二病でさ、難しい名前を付けてくれたんすわ。
そんで、今はトラウマ事件から、約半年が経ったくらいで、あ、半年も経ってないか...?
まぁ、今は8月で、夏休みの真っ盛りです。課題めんどい。
部活は、バスケ部に所属している。
今はちゃんと友達も作れて、親友5人組を結成している。
まあ、後は追々色々と話してくからさ。
俺らのことを話し出したら、もう止まらないくらいの話題が出てきちゃうからね。
色々とマジでブッ飛んでるところがあるんだけど、世界観はしっかり捉えてね。
物語を見失わないように、よろしくお願いします。
本当に、マジで俺らって、とんでもない連中なんですよ。
伝説とかいくつか作ってきたんだけど、いや、ガチで。
それをみんなに聞いてほしい訳よ。
焦らずとゆっくり聞いていただければ、幸いです。
超高速で頭に詰め込んでほしくないのよ。
じっくりとゆっくりと、俺らの物語を楽しんでほしいんすわ。
ほんじゃ、期待はしすぎんなよ。ハードルはなるべく低くしとくと、物語が面白く感じるかもね。それがコツ。
それじゃあ、次も読んでくれよな?
約束だぞ?
あ、できない?
うん、そうね。
じゃあ、また会えることを願ってるよ。
◆◇作品の更新速度は遅めだと思いますが、読んでくださる方は気長にお待ちいただけると幸いです◇◆
クラスの仲良しな、不思議な5人組。
いつも他のエンジョイ組とは、また違った集団。
自分達でも、何者なのかを理解できない。
出逢いは、1年前の入学式。
俺らは、“將羅高校”に入学した。
入学式が始まると、校長の長い話や、来賓の祝辞など、意味の分からない時間を過ごした。
急に分針の針が、速度を落としたかのように、のっしりと重い時間が流れ出した。
そんな中、重かった時の流れは急に、フワッと浮き上がり、緩やかに流れ出した。
絶対面白いことが始まる。全員がそう思った。
そう思った理由は明確で、その場に登場したブッ飛んだ格好の男のおかげだ。
「新入生諸君。これから俺が、將羅高校、通称“將高”のルールを説明する。
あぁ、俺の名前は、月山景弥。將高の次期生徒会長に任命された。
ここ將高では、いじめと不登校と、意味のないこと以外は、大概何をしても自由だ。
たとえば、今の俺のように、“着ぐるみ”を着たってかまわない。」
その男は、国民的人気のゆるキャラ、“ヘローケティ”の着ぐるみを着ているのである。
リボンを付けた、真っ白な猫のようなキャラで、口の部分から生徒会長の顔が見える。
会場の雰囲気は、一気に上昇し、これからの高校生活にワクワクする気持ちが生まれてきた。
「ただ、授業中は制服で受けること。ふざけすぎるのはいけない。
度を弁えて、これからの高校生活を楽しんでほしい。
この3年間は、お前らの青春だ。一生の思い出だ。悔いのないように、自分らしく過ごすんだな。
それじゃあ、そろそろ恥ずかしくなってきたから、挨拶は終わり。」
一気に会場を沸かせたその男は、最後まで時の流れを落とすことはなかった。
俺はあの時、明るい希望が見えてきた。
憧れというか、羨ましさというか、色々と明るい気持ちで溢れた。
あんな人になりたい
だなんて、笑われるだろうけど、でも本当にそう思った。
人を楽しませる、笑わせる、自然と明るい雰囲気を作るような、そんな人になりたかった。
だけど、そんな望みは、その後崩れそうになった。
入学式も終わり、各教室でクラスごとの学活が行われた。
入学直後の、微妙な空気に包まれている。
こんな時、月山会長だったら、この重い空気を打開できるのだろうか?
俺なんかじゃ、この空気を軽くはできない、というか勇気がないと察した。
仲良し組だけが集まって話しているような、回りをキョロキョロ窺うような、謎の距離感が生じていた。
一人で居る俺が虚しく感じてきた。
このままじゃ、青春っぽいこと、できないじゃないか!
俺だけが、スタート地点から、置いてかれているような気がした。
「ヤベェ、うんこしてぇ...!」
教室の至るところから、クスクスと笑うような声がたくさん聞こえてきた。
その言葉を発したのは、出席番号三番の、いかにもバカそうな顔をした男だ。
「トイレ行ってきていいかな...?」
「早く行ってこいよ。教室で漏らすんじゃねぇぞ?」
このやりとりに、またしても回りからは笑い声が聞こえた。
さっきよりも大きな、笑い声が教室を包んでいった。
その声が、どんどん俺を小さくしていった。
教室の端に追いやられていくような、大きいものに怯えているような感覚にとらわれた。
このままじゃいけない。
「はは、いっそのこと、教室で漏らしちまえよ!」
咄嗟に俺の口から、声が出た。
俺は必死に口を押さえたが、みんなにその声は届いてしまった。
「.......」
教室にまたしても、静寂が帰ってきた。
顔がみるみるうちに、紅くなっていくのが見ないでも分かる。
終わった...。
もう何も考えたくなかった。
っていう、トラウマ物語を聞いてもらった訳なんだけど、クッソつまんなかったと思うから話を変えます。
というか、まだ自己紹介してなかったと思うので、しよっか。
俺の名前は、景樹琳音。
ごめんね、うちの両親中二病でさ、難しい名前を付けてくれたんすわ。
そんで、今はトラウマ事件から、約半年が経ったくらいで、あ、半年も経ってないか...?
まぁ、今は8月で、夏休みの真っ盛りです。課題めんどい。
部活は、バスケ部に所属している。
今はちゃんと友達も作れて、親友5人組を結成している。
まあ、後は追々色々と話してくからさ。
俺らのことを話し出したら、もう止まらないくらいの話題が出てきちゃうからね。
色々とマジでブッ飛んでるところがあるんだけど、世界観はしっかり捉えてね。
物語を見失わないように、よろしくお願いします。
本当に、マジで俺らって、とんでもない連中なんですよ。
伝説とかいくつか作ってきたんだけど、いや、ガチで。
それをみんなに聞いてほしい訳よ。
焦らずとゆっくり聞いていただければ、幸いです。
超高速で頭に詰め込んでほしくないのよ。
じっくりとゆっくりと、俺らの物語を楽しんでほしいんすわ。
ほんじゃ、期待はしすぎんなよ。ハードルはなるべく低くしとくと、物語が面白く感じるかもね。それがコツ。
それじゃあ、次も読んでくれよな?
約束だぞ?
あ、できない?
うん、そうね。
じゃあ、また会えることを願ってるよ。
◆◇作品の更新速度は遅めだと思いますが、読んでくださる方は気長にお待ちいただけると幸いです◇◆
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