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ゴブリンキング
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ジャムはどうしたら良いのか分からなかった。
勇者という救世主が突然目の前に現れた事に感動し、神への感謝で胸がいっぱいだった。しかし、その救世主は戦う術を持っていない。それどころか神から与えられる特別な力を、自身の身体に男性の生殖器を付ける事に使っていたのだ。
「⋯なぜ勇者様は、神様から授けられる特別な能力を⋯そのような物にしたのですか?」
2人はゴブリンキング討伐の為、森の中を探索していた。前を歩くジャムが振り返りながら結愛に質問した。
「ん~男の子の射精の気持ちよさ知りたかったんだよね~♡それに戦うのとかマジ苦手だし~」
「⋯なぜ神様はそんな事をお許しに⋯」
「いや~最初言った時はイリスっていう名前の女神にちょー反対されたんだけど。その後神様がなんでか分かんないけど、良いよって言ってくれてさ~」
前を歩いていたジャムは立ち止まり、振り返って結愛の顔をまじまじと見た。
「神様とイリス様に会ったのですか⋯!?」
「イリスにはね~。神様は声だけだったけど⋯おじいちゃんだったよ」
「す、すごい⋯」
「??なにが?」
「神様とイリス様に会えた事がです!!」
ジャムは物凄い勢いでジャムに顔を近づけた。
「ち、ちっかぁ!急になんだし!」
「これを見てください!」
そう言いながらジャムは右手を掲げた。その手には十字架のネックレスが握られていた。
「この国で最も信奉者が多い宗教がクリシア教です。我々は父である神様と、女神イリス様を信仰の対象としています」
「へ、へえぇ~~」
「我々にとってお2人はとても特別な方々⋯そのお2人に会ったことがあるなんて⋯くっ、くううぅぅ」
「⋯はは」
ジャムは悔しそうに地団駄を踏んでいる。しかし、信仰心の無い結愛にはその気持ちがさっぱり分からなかった。
「ね~それはそうとさ、どっかで休まない?ずっと歩いてて疲れちゃったよ~」
「⋯さっきの洞穴からまだ1時間くらいしか歩いていませんよ」
「1時間もだから!こんな森の中を1時間も歩いてるんだよ?現代っ子には厳しすぎるからっ」
「⋯ではどこかで一休みしましょうか」
ジャムはやれやれと首を振り、どこか休める場所がないか周囲を見回した。
その時、一瞬何かが草むらに隠れるのが見えた。
(しまった!)
瞬間、ジャムは草むらに向かって駆け出した。
「えっ!ジャム!?」
ジャムが草むらに駆け寄ると、そこからナスゴブリンが飛び出した。右手には木の棍棒を持っている
だが、ジャムはその手をいとも容易く切り落とした。
「ギャアアアァ!!!」
ナスゴブリンの絶叫が響き渡る。悲鳴をあげながら、その場から逃げ出した。
ジャムはトドメを刺さずに、結愛のところに駆け戻った。
「勇者様!敵につけられていました!逃げましょう!」
「え、ええええっ」
ジャムと結愛はゴブリンがいる方向とは逆方向に逃げた。
「勇者様っっ止まってください」
1分程走った所でジャムが足を止めた。相変わらずついて行くのに精一杯である。
「ハーっハーっ⋯ど、どうしたの?」
「⋯奴には我々が逃げたと思わせました。今来た道を引き返し、今度は我々が奴を尾行します」
「な⋯なるほど!すごっ!ジャム頭良いね!」
「そ、そんな⋯//」
ジャムは赤面して俯いた。
(⋯可愛いなこの子。)
結愛がそんな事を思っていると、「さあ行きましょう」と言いジャムは静かに走り出した。
追跡するのは容易だった。切り落とした腕から血が垂れ落ち、それが道標になっていたからだ。
後を追って少し進むとノロノロと走るゴブリンを見つけた。背後に気を配る余裕が無いのか、一心不乱に前だけを見て走っている。
「⋯おそらく、奴の逃げる先にゴブリンキングがいます」
ゴブリンに気づかれないように、結愛の耳元で囁いた。
結愛は緊張していた。ゴブリンキングは10mあると言われてもピンと来なかったが、目の前を走っている生物の10倍大きいと思うとゾッとする。
ジャムの方を見ると、彼女も緊張しているのか、表情に余裕が無かった。
どこかから滝の音が聞こえてきた。
そのまま追跡すると、大きな湖のある場所に出た。
その湖は滝口になっていて、ここから滝の音が聞こえていたのだ。
「⋯勇者様⋯」
「⋯うん」
そして⋯その滝口の傍にはとても大きな洞穴があった。入口が15m程あり、ここならゴブリンキングも入れるだろう。
先程の負傷しているゴブリンがその洞穴に逃げ込んだ。2人は洞穴から100m程離れた草むらの中に隠れた。⋯緊張が高まる。
「⋯勇者様⋯私が偵察してきます。ここに居てください」
言うや否やジャムは駆け出していた。
「あっっまた!⋯もう」
残された結愛は、1人草むらで息を潜めて待機した。
(⋯うっっ!)
ジャムは洞穴の入口まで近づいたが、そこで息を止めた。洞穴の奥から異常なまでの臭気を感じたのだ。
鼻呼吸から口呼吸に変え、中の様子を窺おうとしたその時、「ギャアアアァア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!」という悲鳴が洞穴の奥から聞こえた。
ジャムは一瞬驚いたが、すぐに冷静になり中を見た。
洞穴の中は暗く、見づらかったが⋯いた。
(あれが⋯キングゴブリン⋯)
こちらに背を向けてしゃがんでいる姿は、想像よりも大きかった。10mと聞き、ある程度想像していたが、横幅もあるため数値以上に大きく見える。皮膚の色は緑色で、腰には布を1枚巻いている。
⋯右手には非常に大きく太い木の棍棒を持っていた。
(あれに叩かれたらひとたまりもないな⋯)
洞穴に漂う異常な臭気は全てキングゴブリンから出ていた。
グチャッグチャッグチャ。
(何かを食べている⋯?)
グチャッグチャッグチャッ
(食べるのに夢中で気づいてない・・・今なら殺れる・・・!)
グチャグチャグチャグチャッッ
ジャムはゴブリンキングに向かって走り出し、背中を一気に駆け上がった。
「!!!!」
(気づいた!しかし、もう遅い!!)
ジャムはゴブリンキングの肩に登った。そこから首にナイフを突き立てれば殺せる。
(終わりだ!ゴブリンキング!)
その時、ジャムは見てしまった。ゴブリンキングの口を。何を食べているのかを。
(・・・うっっ!?)
紫色の足が見えた。口からは大量の血が零れていた。
(こいつ・・・仲間を・・・!?)
ゾッとした。一瞬、恐怖で凍りついた。
「グオオオオ!!!」
「!!しまった!!」
ゴブリンキングは雄叫びをあげながら立ち上がった。
バランスを失ったジャムは地面に落下した。
ドスンッッ!
「がっ!!!」
10mの高さから落ちた落ちたジャムは吐血した。「・・・くっ・・・そ!」
素早く起き上がるとそのまま洞穴の外に逃げた。
このまま逃げるか?ジャム1人ならそうしていただろう。しかし、ジャムの頭には勇者の姿があった。
「くっそ・・・くそくそくそ!!」
ゴブリンキングが洞穴から出てきた。その足元には30匹程のナスゴブリンまでもいた。
(・・・無理だ・・・この状態で勇者様まで連れて逃げるなんて・・絶対無理だ・・・戦うしかない・・・!)
ジャムは口元に魔法陣を浮かび上がらせた。
(魔弾を奴の目に当てて怯んだところを一気にやる・・・それしかもう道は無い・・・)
ジャムはクラウチングスタートの姿勢をとった。魔弾発射と同時に駆け抜ける為だ。恐怖で身体が震える。冷や汗が止まらない。
ゴブリンキングが1歩前に進んだ。
(今だっっ!!!)
ジャムは魔弾を発射すると同時に駆け出していた。
(!!!)
突如目の前に物体が現れた。
魔弾は物体に当たりはじけた。魔弾が当たって尚、対空しつづけるそれはジャムの動線を完全に遮り、衝突した。
・・その物体はキングゴブリンが左腕で掴んで投げた、ナスゴブリンだった。
ドガッッ
「くっ!!」
「ゲゲゲッッ」
「!!」
ゴブリンキングは振り上げた棍棒を横に振り、ジャムをナスゴブリンごと薙ぎ払った。
「ジャム!!!」
ドガドガッドガドガドガッッ!!
凄まじい音を立てながらジャムは吹き飛んだ。ナスゴブリンはズタボロになって死んでいる。
吹き飛んだジャムはそのまま湖に落ちた。
結愛は全力でジャムに駆け寄った。ゴブリン達はゲゲゲと大声で笑い動こうとしない。
「ジャム!!」
湖に入り、近づき大声で名前を呼んでも反応が無い。しかし、呼吸はあった。・・・完全に気絶している。
ナスゴブリン達がゆっくりと近づいてきた。
(まずいっまずいっまずいっ!)
気絶しているジャムを連れてこのまま逃げる事は不可能だった。
ゴブリン達が近づいてくる。
(どうしたらいい?どうしたら・・・っ)
その時、ハッと閃いた。危険だが、逃げれるかも知らない方法を。
ゴブリン達が湖に入ってきた。
(・・・!やるしかない!!)
結愛はジャムを掴み、滝口に向かった。
ゴブリン達はゲッゲッゲっと笑っている。獲物をいたぶるように。
滝口についた。怖い。これからやる事を想像すると恐怖で膝が震える。今にも泣きそうになる。しかし、泣いたってジャムは助からない!
意を決して結愛は叫んだ。
「ジャム!!ごめん!!!」
結愛はジャムを抱きしめたまま滝から落ちた。
勇者という救世主が突然目の前に現れた事に感動し、神への感謝で胸がいっぱいだった。しかし、その救世主は戦う術を持っていない。それどころか神から与えられる特別な力を、自身の身体に男性の生殖器を付ける事に使っていたのだ。
「⋯なぜ勇者様は、神様から授けられる特別な能力を⋯そのような物にしたのですか?」
2人はゴブリンキング討伐の為、森の中を探索していた。前を歩くジャムが振り返りながら結愛に質問した。
「ん~男の子の射精の気持ちよさ知りたかったんだよね~♡それに戦うのとかマジ苦手だし~」
「⋯なぜ神様はそんな事をお許しに⋯」
「いや~最初言った時はイリスっていう名前の女神にちょー反対されたんだけど。その後神様がなんでか分かんないけど、良いよって言ってくれてさ~」
前を歩いていたジャムは立ち止まり、振り返って結愛の顔をまじまじと見た。
「神様とイリス様に会ったのですか⋯!?」
「イリスにはね~。神様は声だけだったけど⋯おじいちゃんだったよ」
「す、すごい⋯」
「??なにが?」
「神様とイリス様に会えた事がです!!」
ジャムは物凄い勢いでジャムに顔を近づけた。
「ち、ちっかぁ!急になんだし!」
「これを見てください!」
そう言いながらジャムは右手を掲げた。その手には十字架のネックレスが握られていた。
「この国で最も信奉者が多い宗教がクリシア教です。我々は父である神様と、女神イリス様を信仰の対象としています」
「へ、へえぇ~~」
「我々にとってお2人はとても特別な方々⋯そのお2人に会ったことがあるなんて⋯くっ、くううぅぅ」
「⋯はは」
ジャムは悔しそうに地団駄を踏んでいる。しかし、信仰心の無い結愛にはその気持ちがさっぱり分からなかった。
「ね~それはそうとさ、どっかで休まない?ずっと歩いてて疲れちゃったよ~」
「⋯さっきの洞穴からまだ1時間くらいしか歩いていませんよ」
「1時間もだから!こんな森の中を1時間も歩いてるんだよ?現代っ子には厳しすぎるからっ」
「⋯ではどこかで一休みしましょうか」
ジャムはやれやれと首を振り、どこか休める場所がないか周囲を見回した。
その時、一瞬何かが草むらに隠れるのが見えた。
(しまった!)
瞬間、ジャムは草むらに向かって駆け出した。
「えっ!ジャム!?」
ジャムが草むらに駆け寄ると、そこからナスゴブリンが飛び出した。右手には木の棍棒を持っている
だが、ジャムはその手をいとも容易く切り落とした。
「ギャアアアァ!!!」
ナスゴブリンの絶叫が響き渡る。悲鳴をあげながら、その場から逃げ出した。
ジャムはトドメを刺さずに、結愛のところに駆け戻った。
「勇者様!敵につけられていました!逃げましょう!」
「え、ええええっ」
ジャムと結愛はゴブリンがいる方向とは逆方向に逃げた。
「勇者様っっ止まってください」
1分程走った所でジャムが足を止めた。相変わらずついて行くのに精一杯である。
「ハーっハーっ⋯ど、どうしたの?」
「⋯奴には我々が逃げたと思わせました。今来た道を引き返し、今度は我々が奴を尾行します」
「な⋯なるほど!すごっ!ジャム頭良いね!」
「そ、そんな⋯//」
ジャムは赤面して俯いた。
(⋯可愛いなこの子。)
結愛がそんな事を思っていると、「さあ行きましょう」と言いジャムは静かに走り出した。
追跡するのは容易だった。切り落とした腕から血が垂れ落ち、それが道標になっていたからだ。
後を追って少し進むとノロノロと走るゴブリンを見つけた。背後に気を配る余裕が無いのか、一心不乱に前だけを見て走っている。
「⋯おそらく、奴の逃げる先にゴブリンキングがいます」
ゴブリンに気づかれないように、結愛の耳元で囁いた。
結愛は緊張していた。ゴブリンキングは10mあると言われてもピンと来なかったが、目の前を走っている生物の10倍大きいと思うとゾッとする。
ジャムの方を見ると、彼女も緊張しているのか、表情に余裕が無かった。
どこかから滝の音が聞こえてきた。
そのまま追跡すると、大きな湖のある場所に出た。
その湖は滝口になっていて、ここから滝の音が聞こえていたのだ。
「⋯勇者様⋯」
「⋯うん」
そして⋯その滝口の傍にはとても大きな洞穴があった。入口が15m程あり、ここならゴブリンキングも入れるだろう。
先程の負傷しているゴブリンがその洞穴に逃げ込んだ。2人は洞穴から100m程離れた草むらの中に隠れた。⋯緊張が高まる。
「⋯勇者様⋯私が偵察してきます。ここに居てください」
言うや否やジャムは駆け出していた。
「あっっまた!⋯もう」
残された結愛は、1人草むらで息を潜めて待機した。
(⋯うっっ!)
ジャムは洞穴の入口まで近づいたが、そこで息を止めた。洞穴の奥から異常なまでの臭気を感じたのだ。
鼻呼吸から口呼吸に変え、中の様子を窺おうとしたその時、「ギャアアアァア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!」という悲鳴が洞穴の奥から聞こえた。
ジャムは一瞬驚いたが、すぐに冷静になり中を見た。
洞穴の中は暗く、見づらかったが⋯いた。
(あれが⋯キングゴブリン⋯)
こちらに背を向けてしゃがんでいる姿は、想像よりも大きかった。10mと聞き、ある程度想像していたが、横幅もあるため数値以上に大きく見える。皮膚の色は緑色で、腰には布を1枚巻いている。
⋯右手には非常に大きく太い木の棍棒を持っていた。
(あれに叩かれたらひとたまりもないな⋯)
洞穴に漂う異常な臭気は全てキングゴブリンから出ていた。
グチャッグチャッグチャ。
(何かを食べている⋯?)
グチャッグチャッグチャッ
(食べるのに夢中で気づいてない・・・今なら殺れる・・・!)
グチャグチャグチャグチャッッ
ジャムはゴブリンキングに向かって走り出し、背中を一気に駆け上がった。
「!!!!」
(気づいた!しかし、もう遅い!!)
ジャムはゴブリンキングの肩に登った。そこから首にナイフを突き立てれば殺せる。
(終わりだ!ゴブリンキング!)
その時、ジャムは見てしまった。ゴブリンキングの口を。何を食べているのかを。
(・・・うっっ!?)
紫色の足が見えた。口からは大量の血が零れていた。
(こいつ・・・仲間を・・・!?)
ゾッとした。一瞬、恐怖で凍りついた。
「グオオオオ!!!」
「!!しまった!!」
ゴブリンキングは雄叫びをあげながら立ち上がった。
バランスを失ったジャムは地面に落下した。
ドスンッッ!
「がっ!!!」
10mの高さから落ちた落ちたジャムは吐血した。「・・・くっ・・・そ!」
素早く起き上がるとそのまま洞穴の外に逃げた。
このまま逃げるか?ジャム1人ならそうしていただろう。しかし、ジャムの頭には勇者の姿があった。
「くっそ・・・くそくそくそ!!」
ゴブリンキングが洞穴から出てきた。その足元には30匹程のナスゴブリンまでもいた。
(・・・無理だ・・・この状態で勇者様まで連れて逃げるなんて・・絶対無理だ・・・戦うしかない・・・!)
ジャムは口元に魔法陣を浮かび上がらせた。
(魔弾を奴の目に当てて怯んだところを一気にやる・・・それしかもう道は無い・・・)
ジャムはクラウチングスタートの姿勢をとった。魔弾発射と同時に駆け抜ける為だ。恐怖で身体が震える。冷や汗が止まらない。
ゴブリンキングが1歩前に進んだ。
(今だっっ!!!)
ジャムは魔弾を発射すると同時に駆け出していた。
(!!!)
突如目の前に物体が現れた。
魔弾は物体に当たりはじけた。魔弾が当たって尚、対空しつづけるそれはジャムの動線を完全に遮り、衝突した。
・・その物体はキングゴブリンが左腕で掴んで投げた、ナスゴブリンだった。
ドガッッ
「くっ!!」
「ゲゲゲッッ」
「!!」
ゴブリンキングは振り上げた棍棒を横に振り、ジャムをナスゴブリンごと薙ぎ払った。
「ジャム!!!」
ドガドガッドガドガドガッッ!!
凄まじい音を立てながらジャムは吹き飛んだ。ナスゴブリンはズタボロになって死んでいる。
吹き飛んだジャムはそのまま湖に落ちた。
結愛は全力でジャムに駆け寄った。ゴブリン達はゲゲゲと大声で笑い動こうとしない。
「ジャム!!」
湖に入り、近づき大声で名前を呼んでも反応が無い。しかし、呼吸はあった。・・・完全に気絶している。
ナスゴブリン達がゆっくりと近づいてきた。
(まずいっまずいっまずいっ!)
気絶しているジャムを連れてこのまま逃げる事は不可能だった。
ゴブリン達が近づいてくる。
(どうしたらいい?どうしたら・・・っ)
その時、ハッと閃いた。危険だが、逃げれるかも知らない方法を。
ゴブリン達が湖に入ってきた。
(・・・!やるしかない!!)
結愛はジャムを掴み、滝口に向かった。
ゴブリン達はゲッゲッゲっと笑っている。獲物をいたぶるように。
滝口についた。怖い。これからやる事を想像すると恐怖で膝が震える。今にも泣きそうになる。しかし、泣いたってジャムは助からない!
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