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32話
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店の閉店作業を終え、結局、連絡が来なかったと、携帯を睨みつけていた朝陽だったが、カランと入り口が開くと、驚くほど素早く振り向いた。
「あっ、朝陽さん!」
「‥凛太朗!!お前‥なんで連絡くれないんだ!!」
怒っている朝陽をよそに、ふふっと笑っている凛太朗が憎らしくて、プイッとそっぽを向いた。
「ごめんなさい‥ちょっと手続きやらなんやらで‥怒ってます?」
頬を膨らませ口を尖らせている朝陽は、聞かなくても分かるくらい怒っている。
「ごめんなさい。だって、俺‥ちゃんと朝陽さんの顔を見て言いたかったから‥」
そっぽを向いている朝陽の肩を掴み、自分の方に向けると、渋々と言わんばかりの朝陽の顔が、凛太朗を見上げる。
「‥俺、内定を貰いました!」
満面の笑みの凛太朗に、ふにゃりと顔が緩んだ朝陽が抱き付いた。
「おめでとう!!凛太朗!」
抱き寄せた凛太朗の首筋から、微かに香る凛太朗の匂い。
クンと鼻で吸い込むと、汗の匂いと爽やかな若々しい葉のフレグランスが混ざったような匂い。
ああ‥好きだ。
首元に顔を埋める朝陽に、凛太朗の腕に力が籠る。
「‥臭いですか?俺‥」
クンクンと嗅いでいる朝陽に、不安そうな声が聞こえる。
「クスクスッ‥いや、良い匂い‥」
その瞬間、身体を引き剥がされ、顎を掴まれた朝陽は、凛太朗に力強く唇を奪われる。
「‥ダメですよ、そんな事、言っちゃ‥」
クスクス笑う朝陽に、凛太朗は何度も口づけをした。
それから数か月後、凛太朗は無事に大学を卒業した。
内定を貰った某有名ホテルの入社までの休みで、凛太朗はカフェAOIの2階へ引っ越してきた。
「荷物これだけ?」
驚いた声を出す朝陽に、あっさりと凛太朗は頷いた。
段ボール6個。
そんな少ない荷物で、凛太朗は引っ越してきたのだ。
「だって、家電や日用品はここにあるし‥俺の服とかは前からちょこちょこ持って来てたし、後は本とかだけだから、こんなもんでしょ?」
そう言われると、そうか‥と納得し、二人で荷物を片付けていく。
「ねぇ?今日、引っ越し祝いしてもいい?」
「何?ソバとか食べたいのか?」
「いや、ソバじゃなくて‥なんか好きな夕食と、ケーキとか買ってさ‥」
嬉しそうな凛太朗に、朝陽の顔も緩む。
「まぁ、良いけど‥じゃあ、ここ片付け終わったら、買い物行くか?」
「‥うん!」
すんなり片付けも終わり、近所のスーパーへ歩き出す。
「そう言えば、凛太朗は、何が好きなんだ?‥いつも何でもよく食べるから、聞かなかったけど‥」
「う~ん、何でも好きだよ‥嫌いなもの無いから、朝陽さんが作ってくれた物は、何でも美味しいし‥ねっ?葵さん」
たまにこうやって葵が傍に居る事を、確認できるように話掛ける凛太朗の優しさが、朝陽は好きだった。
夕食を食べてる時も、ふと気が付くと、葵になっている事、身体を重ねている時も、日常生活に、凛太朗だけでなく、葵が居る。
それは、朝陽にとって、凄く嬉しい事でもあった。
「ほら、葵さんも好きだって、朝陽さんが作った料理」
「‥そっか、ありがとな‥」
照れてる朝陽の手を、ギュッと握ると、繋いだ手を隠すことなく歩き出す。
「前から思ってたんだけど、お前さ‥男と付き合ってるって、周りに知られても平気な感じ?」
いつもそうだ。
凛太朗は周りに隠すことなく、外でも朝陽を恋人の様に扱ってくれる。
「ん?‥嫌だった?」
不安そうな凛太朗の顔に、思わずププッと笑ってしまう。
「そうじゃない、お前が平気かってこと」
「当然、俺はまったく気にしない。周りが何と言おうが、俺は朝陽さんが好き。だって、それは事実でしょ?隠す必要を全く感じない。むしろ叫びたいくらい、俺は、朝陽さんが好きなんだー!って、ねっ?ふふっ‥」
急に大きな声を出すから、驚き目を瞠る朝陽の顔がおかしいのか、凛太朗がクスクスと笑う。
「‥バカか‥お前は‥」
真っ赤な顔を隠す様に、ぼそりと呟いた朝陽がそっぽを向いた。
だけど、繋いだ手にギュッと力が籠った。
「ふふっ‥好きだよ‥朝陽さん‥」
頬にチュッと唇が触れ、ギョッとする朝陽も愛おしい。
道を歩いていた女子学生が、キャーッと黄色い悲鳴を上げているのが見えた。
「‥バカッ!外だぞ‥」
ふふんっと嬉しそうに歩き出す凛太朗には、何も響いてはいない様だった。
「あっ、朝陽さん!」
「‥凛太朗!!お前‥なんで連絡くれないんだ!!」
怒っている朝陽をよそに、ふふっと笑っている凛太朗が憎らしくて、プイッとそっぽを向いた。
「ごめんなさい‥ちょっと手続きやらなんやらで‥怒ってます?」
頬を膨らませ口を尖らせている朝陽は、聞かなくても分かるくらい怒っている。
「ごめんなさい。だって、俺‥ちゃんと朝陽さんの顔を見て言いたかったから‥」
そっぽを向いている朝陽の肩を掴み、自分の方に向けると、渋々と言わんばかりの朝陽の顔が、凛太朗を見上げる。
「‥俺、内定を貰いました!」
満面の笑みの凛太朗に、ふにゃりと顔が緩んだ朝陽が抱き付いた。
「おめでとう!!凛太朗!」
抱き寄せた凛太朗の首筋から、微かに香る凛太朗の匂い。
クンと鼻で吸い込むと、汗の匂いと爽やかな若々しい葉のフレグランスが混ざったような匂い。
ああ‥好きだ。
首元に顔を埋める朝陽に、凛太朗の腕に力が籠る。
「‥臭いですか?俺‥」
クンクンと嗅いでいる朝陽に、不安そうな声が聞こえる。
「クスクスッ‥いや、良い匂い‥」
その瞬間、身体を引き剥がされ、顎を掴まれた朝陽は、凛太朗に力強く唇を奪われる。
「‥ダメですよ、そんな事、言っちゃ‥」
クスクス笑う朝陽に、凛太朗は何度も口づけをした。
それから数か月後、凛太朗は無事に大学を卒業した。
内定を貰った某有名ホテルの入社までの休みで、凛太朗はカフェAOIの2階へ引っ越してきた。
「荷物これだけ?」
驚いた声を出す朝陽に、あっさりと凛太朗は頷いた。
段ボール6個。
そんな少ない荷物で、凛太朗は引っ越してきたのだ。
「だって、家電や日用品はここにあるし‥俺の服とかは前からちょこちょこ持って来てたし、後は本とかだけだから、こんなもんでしょ?」
そう言われると、そうか‥と納得し、二人で荷物を片付けていく。
「ねぇ?今日、引っ越し祝いしてもいい?」
「何?ソバとか食べたいのか?」
「いや、ソバじゃなくて‥なんか好きな夕食と、ケーキとか買ってさ‥」
嬉しそうな凛太朗に、朝陽の顔も緩む。
「まぁ、良いけど‥じゃあ、ここ片付け終わったら、買い物行くか?」
「‥うん!」
すんなり片付けも終わり、近所のスーパーへ歩き出す。
「そう言えば、凛太朗は、何が好きなんだ?‥いつも何でもよく食べるから、聞かなかったけど‥」
「う~ん、何でも好きだよ‥嫌いなもの無いから、朝陽さんが作ってくれた物は、何でも美味しいし‥ねっ?葵さん」
たまにこうやって葵が傍に居る事を、確認できるように話掛ける凛太朗の優しさが、朝陽は好きだった。
夕食を食べてる時も、ふと気が付くと、葵になっている事、身体を重ねている時も、日常生活に、凛太朗だけでなく、葵が居る。
それは、朝陽にとって、凄く嬉しい事でもあった。
「ほら、葵さんも好きだって、朝陽さんが作った料理」
「‥そっか、ありがとな‥」
照れてる朝陽の手を、ギュッと握ると、繋いだ手を隠すことなく歩き出す。
「前から思ってたんだけど、お前さ‥男と付き合ってるって、周りに知られても平気な感じ?」
いつもそうだ。
凛太朗は周りに隠すことなく、外でも朝陽を恋人の様に扱ってくれる。
「ん?‥嫌だった?」
不安そうな凛太朗の顔に、思わずププッと笑ってしまう。
「そうじゃない、お前が平気かってこと」
「当然、俺はまったく気にしない。周りが何と言おうが、俺は朝陽さんが好き。だって、それは事実でしょ?隠す必要を全く感じない。むしろ叫びたいくらい、俺は、朝陽さんが好きなんだー!って、ねっ?ふふっ‥」
急に大きな声を出すから、驚き目を瞠る朝陽の顔がおかしいのか、凛太朗がクスクスと笑う。
「‥バカか‥お前は‥」
真っ赤な顔を隠す様に、ぼそりと呟いた朝陽がそっぽを向いた。
だけど、繋いだ手にギュッと力が籠った。
「ふふっ‥好きだよ‥朝陽さん‥」
頬にチュッと唇が触れ、ギョッとする朝陽も愛おしい。
道を歩いていた女子学生が、キャーッと黄色い悲鳴を上げているのが見えた。
「‥バカッ!外だぞ‥」
ふふんっと嬉しそうに歩き出す凛太朗には、何も響いてはいない様だった。
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