最強すぎて追放された【最強】スキル持ちの最強魔剣士、〈最強〉を目指して最強に険しい道を進み真の最強に至る

土偶の友

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4章

98話 裸の付き合い

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 俺は少し汚れているアストリアに思った事を伝える。

 アストリアは俺が言っている事を理解できないのか、うろたえていた。

「え……でも……」
「でも?」
「リュミエールは……シュタルさんを……」
「何の話だ?」
「分からない事はないと思うんだけど……」

 彼は何か隠しているような、いや、何かが引っかかっている者があるのかもしれない。

 こういう時は簡単だ。

「よし。アストリア。一緒に風呂に入るぞ」
「うん……うん!? 何言ってるの!? 何でこの流れでそうなるの!?」
「何か言いにくい事があるんだろう? そういう時は風呂に入って裸の付き合いをするのがいいんだ。『温泉魔法ホットスプリング』」

 俺は魔法で温泉を作る。
 しかも、ついでに脱衣所等も作っておく。

「本当に入るの!? ちょっと!? 今の流れで入るのは絶対に不味いよ!? っていうかこんな街の直ぐそばでなんて……」
「安心しろ、ちゃんと目隠しはする。『結界魔法シールド』」

 俺は色を変えて周囲を囲み、空からも見えないようにした。

「よし。では先に着替えて入っているぞ。ちゃんと来いよ」
「え……でも……心の準備が……というか着替えとか……タオルとか……」
「ほれ。これでいいだろう」

 俺はそんなことを言うアストリアに『収納』からタオルや着替えを渡す。
 そして、俺はさっさと着替えて温泉に入る。

「ふぅ……リュミエールが入りたがる訳だな。こんなにも気持ちいいとは……」

 のんびりと入っていると、体に何重にもタオルを巻きつけたアストリアが入ってきた。

「ね、ねぇ。このタオルどうなってるの? 短いと思ってたらドンドン伸びていくんだけど?」
「それは魔法がかかっていてる。効果は伸縮自在、速乾等がかかっているぞ。だから好きなように使える」
「そんな高価なもの……王族とかが使うものじゃないの?」
「この前のダンジョンで出たやつだ。持って帰るといい」
「待って!? ボクが倒したダンジョンのどのボスがこれを出したの!? 相手によっては凹むんだけど!?」
「覚えてないな」
「せめてダンジョンボスではないといいなぁ……」

 アストリアはそんな事をいいながら、俺から少し離れた場所に体を沈める。

「気になるならもう一度狩りにいけばいい。今なら簡単に行けるだろう?」
「……そんなことないよ。シュタルさんが助けてくれたからできたんだから」
「お前と戦いたかったからやったまで。そして、先ほどので俺は満足した」
「……それじゃあ……これからはどうするの?」
「俺か? どうするかなぁ」

 俺はなんとなくはぐらかす。
 もう少しだけ……彼に聞いて起きたいことがある。

「お前とリュミエールが仲良く旅立つのを見守るかな」
「親目線なの?」
「そうかもしれん。お前こそどうするんだ? 光の巫女と出会ったのだろう? どこに行くのか決めたのか?」
「ボクは……わかんない。リュミエールも……どうなんだろうね」
「ちゃんと決めないと……ああ、でも、結婚式には呼んでくれよ?」
「ボクは男じゃないよ!?」

 アストリアはそう言って、いきなり立ち上がった。
 その拍子に、彼……いや、彼女のタオルがはらりと落ちる。

「……」
「……」

 彼女は慌てて体を手で隠し、温泉に浸かる。

 俺はその彼女の体を見て、思わず目を逸らす。
 綺麗だったとか、ついていると思っていたものがついていないとか、そんな事はどうでもいい。
 俺は……俺は……。

「すまん」
「もう……いいよ。記憶飛ばしてくれれば」
「それは……ちょっと難しいな」

 最強である俺の記憶を飛ばすことは恐らく出来ないだろう。
 多分、この国が崩壊するくらい強い力でなければ無理だ。

「いいよ。別に……なんとなく……こうでもしないと女って思ってもらえないと思っていたし……。それに……」
「それに?」
「! 何でもない! それで……どうなの?」
「体のことか?」
「違うよ!? 何で体を見せつけてどう? ってそれめっちゃ誘っている子になっちゃうじゃん!」
「わ、悪い……」

 あまりこっちの経験は積んで来なかったのでどうしたらいいのか分からない。
 というのか、今まではずっと男と思っていたのに、それが女だったなんて……。

 その落差になんと言ったらいいのだろうか。
 こう……今までに感じなかったものを感じる。

「ちょっと、そうやって黙らないでよ!? こっちまで変な感じになっちゃうじゃん!」
「そ、そうか? では……普通に話すか」
「そうして。じゃないと……っていうのか、いいんだよこの話題は! それで、これが終わったらどうするの!? もう決めているんでしょ! 教えてよ!」
「あ、ああ……そうだな。俺は……」

 俺は色々なことが頭の中でこんがらがり、色々と考えていたことを素直に話してしまった。

「俺は……これから魔王に会いに行こうと思っている」
「へ……」

 彼女は再び立ち上がり、またしてもタオルが落ちた。
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