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40話 アクアパッチョ
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私はフユカの案内で海中都市アクアパッチョに到着した。
「ここが海中都市……」
「中々すごい所ね」
「ベッドとかどうしてるんだろー」
海中都市はその名に恥じないだけあって全てが海の底だった。家はサンゴをくり抜いたりして作られた色とりどりのものが多く、泳ぐことが前提の為か5階建て10階建ては当たり前だった。
この街はとても広く、見て回るだけでも1日は余裕で使ってしまうらしい。
そんな中の適当な空き家に入って私たちはこれからの事を話す。
「トカゲサルってどうすれば倒せるのかなー?」
「うーん。正直スキルレベルはもっと上げておきたいわ。じゃないとあの攻撃を止めれない」
「ならレベルを上げるのも大事になって来そうだねー。ステータスも直結するだろうし」
「あ、後、護石もちゃんとしたのを装備するのも大事だと思います」
おお、皆違った意見だ。やらなきゃならないことが一杯ある。
「それなら護石を探すついでに、モンスターを倒してレベルアップをしていくっていう感じでいいのかな?」
それなら皆の奴を同時にこなせるんじゃないのかな。
「そうね。それで行きましょう!」
「スキルがⅩになるまでのレベル上げって結構厳しそうだよねー」
「それは、宝集めをしている時にゲットできる。技術の実を使うのがいいかと思います」
「「「技術の実?」」」
「はい。宝箱の中に時々入ってるスキルポイントをくれる実の事です」
「何よそれ! それならスキルなんて無限に取れるじゃない!」
ナツキの言うとおりだ。そんなアイテムがあったらスキルを全てカンストするまで上げてしまえる。いや、ステータスにも使える事を考えると実質無敵になれる。
「あ、いえ、出てくるレアリティがかなり低いうえに仕様の個数制限もありますので……」
「そうなの?」
「はい……。僕も、結構探してるんですけど、中々見つからなくって1つしかゲットしたことがないんです」
「それは大変だね……」
「でもやれることはやるべきよ!」
「ねぇ。一つ思ったことがあるんだけどいいー?」
少し考えていたアキが話を止める。
「どうしたの?」
「もしかしてなんだけど、あの敵って私たちのレベルを参照にしてるとかってないー?」
「どうしてですか?」
「なんて言うか、もしカンストを相手にするんだったら、私たちって最初に一撃でハルから何から全員死んでると思っただけー」
「それは……あるかもしれないわね」
「確かに」
「ちゃんとバランスは考えられてますからねー。最初の方で出て来たのに、カンストしてないと倒せない敵とのイベントはなさそうな気がします」
「でしょうー? ならよ。私たちがするべきことは、そのラインを見極めるのー」
「「「ラインを見極める?」」」
「そうー。トカゲサルが一体どのレベルから強くなるのか。それを考えて、強くなる一歩手前で止めるのがいいと思うのー」
「どうやって判断するの?」
「それは、多分だけど、49がいいと思うー」
「49?」
「どうしてその数字なの?」
ナツキと私の疑問に、アキは聞いた話を頼りに教えてくれる。
「あたし、学校の生徒か……いえ、知り合いが話しているのを聞いたのー。レベルが50を迎えるとスキルポイントがボーナスで300も入るってー」
「ええ! そんなにも!」
「これまでのレベル上げは何だったのかしら……」
「ちょっと欲張り過ぎじゃないですかね……」
「話はまだ続くよー? それで、多くのポイントがもらえる所がラインなんじゃないかって思うのよー」
「なるほど。言われれば確かに……」
スキルポイントを300もらえてるかどうかはかなり大きい気がする。
「だから、上げるレベルを49で止めておいて、スキルをⅩに出来るように振って行けばいいと思うの」
「それは名案ね! でも、レベルが勝手に上がってしまわないかしら?」
「止められないはずだよね……」
いい案だと思うけど、それが出来ないんじゃ話にならないような気がする。
「止められますよ? レベルが上がるの」
「ええ! 本当!?」
「どうやって?」
「僕、今まで宝箱を探しまわっていたじゃないですか。その時の護石で結構出ることがあったんですよ。経験値が入るのを止める護石。その名も『成長限界の護石』って言うのがありまして。丁度4個持っているんですよ」
「本当に!?」
「すごいわね! どうして持ってるの!?」
「タイミング良過ぎー」
フユカはすごい。よくそんなに集めたものだ。
「他にもシールドを強化する護石だったり詠唱時間を短縮する護石だったり走る速度を上げる護石だったりもダース単位で持ってますから!」
「「「………………」」」
「え、どうして黙るんですか?」
「何でそんなに持ってるの!?」
「集め過ぎじゃない!?」
「そうだよー!? 一体どうやったのかなー?」
「こう。つい沢山集めてから売ろうかなーとか考えていたらつい……」
そう言って照れるフユカは可愛らしい。
「それならいいかしら? でも、私達はあんまりお金を持ってないわよ?」
「そうだね。資金稼ぎとかもやらないと」
「金策にいい敵とかっているのかなー?」
「? どうしてですか? お譲りしますよ?」
フユカはそう言ってくれるけど、彼女に甘えてはいけない気がする。
「フユカ、私たちは仲間だけど、仲間だから勝手に持って行っていいっていう訳じゃないよ」
「ハルの言う通りよ。貴方の持っている護石は貴方のもの。強制的にもらおうとするなんてことは都合が良すぎるでしょう?」
「仲間って言葉を便利に使って物をもらうのは違うってお姉さん思うなー」
「……はい。分かりました」
フユカも何か考えていたようだけど、納得してくれたらしい。
「それじゃあ明日から装備集め兼レベル上げ兼スキル上げをやって行こうか」
「今からやらないの?」
「ナツキー。もうそろそろ1時だし今日はー」
「ええ! もうそんな時間なの!?」
「そうだよ。だから私も結構眠たく……」
流石に毎日この時間に寝ているのは不味いかもしれない。
「僕もそろそろ寝ないと」
「それじゃあ又明日……9時でいいのかしら?」
「私は大丈夫だよ」
「あたしもなんとかするー」
「ぼ、僕も仕事を終わらせてでも来ます!」
「仕事!?」
「あれー? もしかしてお姉さんだったー?」
「年上ってことは考えてなかったわね……」
フユカも当然同い年くらい。若しくは中学生位で考えていたのだけど……。
「ち、違います! 僕は高校生です! ですけど、ちょっとお仕事もしていて……。それで遅くなるかもしれないというのがあります……」
「近くで狩っててもいいかもね!」
「そうね。入れたらその時に一緒にやりましょう?」
「無理しないようにねー」
「……はい! 頑張って終わらせて見せます!」
「じゃあ最後に交換して」
『フユカにフレンドコードを送りますか?』
《はい》っと。
『フユカとフレンドになりました』
「フユカ。これからよろしくね!」
「はい! これからよろしくお願いします!」
「そういえば宝箱は見つけられてないわね」
「もうー。いいじゃないー」
「それもそうね」
「それじゃあ、また明日」
「ええ」
「またねー」
「お休みなさい」
『ハルはログアウトしました』
「ここが海中都市……」
「中々すごい所ね」
「ベッドとかどうしてるんだろー」
海中都市はその名に恥じないだけあって全てが海の底だった。家はサンゴをくり抜いたりして作られた色とりどりのものが多く、泳ぐことが前提の為か5階建て10階建ては当たり前だった。
この街はとても広く、見て回るだけでも1日は余裕で使ってしまうらしい。
そんな中の適当な空き家に入って私たちはこれからの事を話す。
「トカゲサルってどうすれば倒せるのかなー?」
「うーん。正直スキルレベルはもっと上げておきたいわ。じゃないとあの攻撃を止めれない」
「ならレベルを上げるのも大事になって来そうだねー。ステータスも直結するだろうし」
「あ、後、護石もちゃんとしたのを装備するのも大事だと思います」
おお、皆違った意見だ。やらなきゃならないことが一杯ある。
「それなら護石を探すついでに、モンスターを倒してレベルアップをしていくっていう感じでいいのかな?」
それなら皆の奴を同時にこなせるんじゃないのかな。
「そうね。それで行きましょう!」
「スキルがⅩになるまでのレベル上げって結構厳しそうだよねー」
「それは、宝集めをしている時にゲットできる。技術の実を使うのがいいかと思います」
「「「技術の実?」」」
「はい。宝箱の中に時々入ってるスキルポイントをくれる実の事です」
「何よそれ! それならスキルなんて無限に取れるじゃない!」
ナツキの言うとおりだ。そんなアイテムがあったらスキルを全てカンストするまで上げてしまえる。いや、ステータスにも使える事を考えると実質無敵になれる。
「あ、いえ、出てくるレアリティがかなり低いうえに仕様の個数制限もありますので……」
「そうなの?」
「はい……。僕も、結構探してるんですけど、中々見つからなくって1つしかゲットしたことがないんです」
「それは大変だね……」
「でもやれることはやるべきよ!」
「ねぇ。一つ思ったことがあるんだけどいいー?」
少し考えていたアキが話を止める。
「どうしたの?」
「もしかしてなんだけど、あの敵って私たちのレベルを参照にしてるとかってないー?」
「どうしてですか?」
「なんて言うか、もしカンストを相手にするんだったら、私たちって最初に一撃でハルから何から全員死んでると思っただけー」
「それは……あるかもしれないわね」
「確かに」
「ちゃんとバランスは考えられてますからねー。最初の方で出て来たのに、カンストしてないと倒せない敵とのイベントはなさそうな気がします」
「でしょうー? ならよ。私たちがするべきことは、そのラインを見極めるのー」
「「「ラインを見極める?」」」
「そうー。トカゲサルが一体どのレベルから強くなるのか。それを考えて、強くなる一歩手前で止めるのがいいと思うのー」
「どうやって判断するの?」
「それは、多分だけど、49がいいと思うー」
「49?」
「どうしてその数字なの?」
ナツキと私の疑問に、アキは聞いた話を頼りに教えてくれる。
「あたし、学校の生徒か……いえ、知り合いが話しているのを聞いたのー。レベルが50を迎えるとスキルポイントがボーナスで300も入るってー」
「ええ! そんなにも!」
「これまでのレベル上げは何だったのかしら……」
「ちょっと欲張り過ぎじゃないですかね……」
「話はまだ続くよー? それで、多くのポイントがもらえる所がラインなんじゃないかって思うのよー」
「なるほど。言われれば確かに……」
スキルポイントを300もらえてるかどうかはかなり大きい気がする。
「だから、上げるレベルを49で止めておいて、スキルをⅩに出来るように振って行けばいいと思うの」
「それは名案ね! でも、レベルが勝手に上がってしまわないかしら?」
「止められないはずだよね……」
いい案だと思うけど、それが出来ないんじゃ話にならないような気がする。
「止められますよ? レベルが上がるの」
「ええ! 本当!?」
「どうやって?」
「僕、今まで宝箱を探しまわっていたじゃないですか。その時の護石で結構出ることがあったんですよ。経験値が入るのを止める護石。その名も『成長限界の護石』って言うのがありまして。丁度4個持っているんですよ」
「本当に!?」
「すごいわね! どうして持ってるの!?」
「タイミング良過ぎー」
フユカはすごい。よくそんなに集めたものだ。
「他にもシールドを強化する護石だったり詠唱時間を短縮する護石だったり走る速度を上げる護石だったりもダース単位で持ってますから!」
「「「………………」」」
「え、どうして黙るんですか?」
「何でそんなに持ってるの!?」
「集め過ぎじゃない!?」
「そうだよー!? 一体どうやったのかなー?」
「こう。つい沢山集めてから売ろうかなーとか考えていたらつい……」
そう言って照れるフユカは可愛らしい。
「それならいいかしら? でも、私達はあんまりお金を持ってないわよ?」
「そうだね。資金稼ぎとかもやらないと」
「金策にいい敵とかっているのかなー?」
「? どうしてですか? お譲りしますよ?」
フユカはそう言ってくれるけど、彼女に甘えてはいけない気がする。
「フユカ、私たちは仲間だけど、仲間だから勝手に持って行っていいっていう訳じゃないよ」
「ハルの言う通りよ。貴方の持っている護石は貴方のもの。強制的にもらおうとするなんてことは都合が良すぎるでしょう?」
「仲間って言葉を便利に使って物をもらうのは違うってお姉さん思うなー」
「……はい。分かりました」
フユカも何か考えていたようだけど、納得してくれたらしい。
「それじゃあ明日から装備集め兼レベル上げ兼スキル上げをやって行こうか」
「今からやらないの?」
「ナツキー。もうそろそろ1時だし今日はー」
「ええ! もうそんな時間なの!?」
「そうだよ。だから私も結構眠たく……」
流石に毎日この時間に寝ているのは不味いかもしれない。
「僕もそろそろ寝ないと」
「それじゃあ又明日……9時でいいのかしら?」
「私は大丈夫だよ」
「あたしもなんとかするー」
「ぼ、僕も仕事を終わらせてでも来ます!」
「仕事!?」
「あれー? もしかしてお姉さんだったー?」
「年上ってことは考えてなかったわね……」
フユカも当然同い年くらい。若しくは中学生位で考えていたのだけど……。
「ち、違います! 僕は高校生です! ですけど、ちょっとお仕事もしていて……。それで遅くなるかもしれないというのがあります……」
「近くで狩っててもいいかもね!」
「そうね。入れたらその時に一緒にやりましょう?」
「無理しないようにねー」
「……はい! 頑張って終わらせて見せます!」
「じゃあ最後に交換して」
『フユカにフレンドコードを送りますか?』
《はい》っと。
『フユカとフレンドになりました』
「フユカ。これからよろしくね!」
「はい! これからよろしくお願いします!」
「そういえば宝箱は見つけられてないわね」
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