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6章
125話 他の者達の考え
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***ジェラルド視点***
「ふぅ……流石に疲れたな」
「お疲れ様ですわ」
俺はクレア・ドルトムント伯爵の執務室でイスに座って休む。
目の前には研究用の白衣を着た伯爵が腰を降ろす。
部屋の中は伯爵に相応しくそれなりに豪華だけれど、物自体はほとんどない。
というか、掃除は行き届いているが、使われている痕跡はあまりないようだ。
「クレア殿はその服の方が慣れているようだな」
「ええ、舞踏会なんて出ずにずっと研究をしていたいくらいです。マーキュリーの研究よりも、次は紅い真珠を作ってみたいところです」
「装飾品の最高峰と言われる【翡翠の真珠】だけではなく、【真紅の真珠】の2つ名も欲しいと?」
おれがそういうと、彼女は苦笑して首を振る。
「ふふ、いいえ、別に2つ名なんて使いどころはありませんから。ただ、新しい物を作り、それを求めて多くの人がこの街に来る。そして、次代へ残せるようにするのが私のやるべきことですから」
「立派だな」
「別に、普通の貴族であればこう考えるでしょう。私は舞踏会に出ることは嫌いですが、そこで何が行われているのか、そこに来る者達は何をしようとしているのか。そこに考えが至らない訳ではありませんから」
「それで、化粧品等を扱い、この街の存在感を高めていると?」
「この街で私ができることはそれくらいですからね。だからこそ……マーキュリーも早急に対応しないと……この街の評価自体が危なくなるのです」
そう話す彼女は少し思いつめた様な顔をしていた。
エミリオを少し休ませるために強引に現場から引き離したが、彼女もそうして良かったのかもしれない。
「そう思いつめるな。とりあえずは中毒性を取り除く事が可能になった。それだけでもとりあえずは進歩だろう?」
「しかし……マーキュリーで苦しんでいる人は大勢います」
「犯罪者として捕らえているのであれば、そこまで考えなくてもいいのでは?」
「……今はそうです。しかし、マーキュリーが出始めた時に許可をしたのは私なのですよ。その時に使った多くの者は……今もベッドで……」
彼女は後悔している。
顔は俯いていて分からないが、声だけでも十分に分かった。
おれは彼女の思考を変えるため質問をする。
「……そのマーキュリーの出どころは?」
「わかりません。最初から最後まで全くと言っていいほどに尻尾がつかめないのです」
「そんな事があるのか?」
「……はい。売人などは少し捕らえているのですが、詳しいことは何も知らず」
「そんな事があるのか? 操作を任せている者に問題は?」
「ありえません。ディオンに捜査を任せていますが、彼は昔から優秀です。しかし、今回ばかりはうまく行っていないようですが……」
「あの執事か?」
「ええ、彼は……色々と特別な事情がありまして、孤児院の出ながら政務にもそこそこ長けているのですよ」
「それで任せている……と?」
「使えるものは何でも使いませんと」
「それは確かにそうだな。だが、そのディオンでも見つからないのは……わからんな」
「はい。なので、私の方でできることをしようと思い、ジェラルド様をお呼びしたのです」
「ああ、分かっている」
「……」
「……」
しかし、おれ達の空気は少し重い。
中毒性を取り除いたとはいえ、まだまだ完全な治療ができている訳ではないからだ。
なので、少し話を変える。
「そうだ。エミリオはどうだ?」
「もう……別に言う必要はないのでは? というか、あの方は何才なのですか? 体の大きさ的には10才かと思うのですが……」
「もう少し大きい」
「流石にそうですよね。でも……あの年であの技術は目を見張るものがありますね。それを自慢する為に連れて来たのですか?」
「そんなことはない。連れて来たのはエミリオのためでもある」
「彼のため……ですか?」
「ああ、あいつの目的のためには、色んな場所にいって多くの人を治療するのが役に立つんだ」
「それで私の領地を利用しようと?」
「おれを利用しようとしているのはそっちも同じだろう?」
「ですがこちらは金銭を支払っていますが?」
「ではエミリオに治療をやめさせるか? どちらが損をするのかは明白だと思うが?」
「……分かっていますよ。たまには貴族らしい事を言ってもいいではないですか」
彼女はそう言ってちょっとだけ悔しそうな仕草をする。
おれは肩を竦めて答えた。
「慣れないことはするもんじゃない。だから研究者になったのだろう?」
「まぁ……そうですね。というか、エミリオ殿をせっかくです。我が領にお迎えしてもいいですか?」
「唐突だな」
「彼の才覚があれば、本当に【真紅の真珠】を開発できるかもしれませんから」
「マーキュリーが終わっていないのに?」
「終わらせますよ。なんとしてもね。で、どうですか?」
「ダメだよ。皆してそう言うが、譲る気はない。まぁ、エミリオが行きたいと言ったらいいが……」
「大した自信ですのね」
「これでも全ての弟子から好かれている自信はあるぞ」
「……それは……中々ですね」
「まぁ、そんなことはいい。おれも流石にこれだけの治療は疲れた。クレア殿も流石に厳しいだろう?」
「そう……ですね。確かにそれはあります……が。それで、何か御用があって来たのでは?」
「……」
貴族としてあまり優秀でないと言う伯爵だが、最低限の事は察している様だった。
大貴族としてやってきたということはあるようだ。
「ああ、もし……エミリオの事を気に入っている様であれば、味方をして欲しい」
「味方……? 何のことでしょうか?」
「1級回復術師……その位を持っているあなたにお願いしている」
「ああ……協会のことですか。そこまでする必要があるのですか?」
「必要になるかもしれないと。説得されてな」
「まぁ……いいでしょう。でも、それはマーキュリーの件が終わってからになりますよ? でなければ、私は参加するかは分かりませんからね」
「それでもいい。あいつなら……本当に治療してしまうかもしれんぞ」
「……期待し過ぎです。ですが、そうなったら嬉しいのは我々ですからね。少しだけ楽しみにしておきます」
「ああ、ではな」
「ええ、それでは」
おれは要件だけを伝えると、自分の部屋に戻る。
今の内に打てる手は打っておく。
そして、後はマーキュリーの治療方法をどのようにしていくのか。
そのことに思考を移していった。
******
******
「しかし、ロベルトは本当に何か持っているのでしょうか?」
「どうした急に」
国王はドルトムント伯爵に借りた部屋で、王妃と共に雑談をしているとその様に問われた。
時間は夜で、後は寝るだけ。
灯りもベッド脇の灯りくらいしかつけていない。
「簡単です。これまで数週間。彼と居続けましたが、彼からなにか光る物は感じていません」
「それは……まぁ……」
「そうですよね? 今も貴族たちとの交流をするのではなく、孤児院に入り浸っている。どう考えても貴族としての責務から逃げているのでは?」
「確かに……な……」
「でしょう? というか、そもそもが本当に彼なのですか? 他に怪しい可能性のある方はいないのですか?」
そう疑っている王妃を前に、国王はじっくりと考えを深める。
「確かに……もしかすると、その可能性は……ありえるか。やつにつけている護衛も特に異常は見られないとしか言っておらんからな。弟はそれなりに魔法を使うようだ。という程度か」
「弟……ですか」
「何か感じるものが?」
「いえ……ですが、もう少ししっかりと観察しないといけないのでは? ロベルトが……本当にその力を持っているのであれば、こちらに引き込まなければいけませんからね」
「ああ、分かっている。今回の中でもし見つからなければ……」
「ええ」
それっきり、2人は静かに寝入ることになった。
「ふぅ……流石に疲れたな」
「お疲れ様ですわ」
俺はクレア・ドルトムント伯爵の執務室でイスに座って休む。
目の前には研究用の白衣を着た伯爵が腰を降ろす。
部屋の中は伯爵に相応しくそれなりに豪華だけれど、物自体はほとんどない。
というか、掃除は行き届いているが、使われている痕跡はあまりないようだ。
「クレア殿はその服の方が慣れているようだな」
「ええ、舞踏会なんて出ずにずっと研究をしていたいくらいです。マーキュリーの研究よりも、次は紅い真珠を作ってみたいところです」
「装飾品の最高峰と言われる【翡翠の真珠】だけではなく、【真紅の真珠】の2つ名も欲しいと?」
おれがそういうと、彼女は苦笑して首を振る。
「ふふ、いいえ、別に2つ名なんて使いどころはありませんから。ただ、新しい物を作り、それを求めて多くの人がこの街に来る。そして、次代へ残せるようにするのが私のやるべきことですから」
「立派だな」
「別に、普通の貴族であればこう考えるでしょう。私は舞踏会に出ることは嫌いですが、そこで何が行われているのか、そこに来る者達は何をしようとしているのか。そこに考えが至らない訳ではありませんから」
「それで、化粧品等を扱い、この街の存在感を高めていると?」
「この街で私ができることはそれくらいですからね。だからこそ……マーキュリーも早急に対応しないと……この街の評価自体が危なくなるのです」
そう話す彼女は少し思いつめた様な顔をしていた。
エミリオを少し休ませるために強引に現場から引き離したが、彼女もそうして良かったのかもしれない。
「そう思いつめるな。とりあえずは中毒性を取り除く事が可能になった。それだけでもとりあえずは進歩だろう?」
「しかし……マーキュリーで苦しんでいる人は大勢います」
「犯罪者として捕らえているのであれば、そこまで考えなくてもいいのでは?」
「……今はそうです。しかし、マーキュリーが出始めた時に許可をしたのは私なのですよ。その時に使った多くの者は……今もベッドで……」
彼女は後悔している。
顔は俯いていて分からないが、声だけでも十分に分かった。
おれは彼女の思考を変えるため質問をする。
「……そのマーキュリーの出どころは?」
「わかりません。最初から最後まで全くと言っていいほどに尻尾がつかめないのです」
「そんな事があるのか?」
「……はい。売人などは少し捕らえているのですが、詳しいことは何も知らず」
「そんな事があるのか? 操作を任せている者に問題は?」
「ありえません。ディオンに捜査を任せていますが、彼は昔から優秀です。しかし、今回ばかりはうまく行っていないようですが……」
「あの執事か?」
「ええ、彼は……色々と特別な事情がありまして、孤児院の出ながら政務にもそこそこ長けているのですよ」
「それで任せている……と?」
「使えるものは何でも使いませんと」
「それは確かにそうだな。だが、そのディオンでも見つからないのは……わからんな」
「はい。なので、私の方でできることをしようと思い、ジェラルド様をお呼びしたのです」
「ああ、分かっている」
「……」
「……」
しかし、おれ達の空気は少し重い。
中毒性を取り除いたとはいえ、まだまだ完全な治療ができている訳ではないからだ。
なので、少し話を変える。
「そうだ。エミリオはどうだ?」
「もう……別に言う必要はないのでは? というか、あの方は何才なのですか? 体の大きさ的には10才かと思うのですが……」
「もう少し大きい」
「流石にそうですよね。でも……あの年であの技術は目を見張るものがありますね。それを自慢する為に連れて来たのですか?」
「そんなことはない。連れて来たのはエミリオのためでもある」
「彼のため……ですか?」
「ああ、あいつの目的のためには、色んな場所にいって多くの人を治療するのが役に立つんだ」
「それで私の領地を利用しようと?」
「おれを利用しようとしているのはそっちも同じだろう?」
「ですがこちらは金銭を支払っていますが?」
「ではエミリオに治療をやめさせるか? どちらが損をするのかは明白だと思うが?」
「……分かっていますよ。たまには貴族らしい事を言ってもいいではないですか」
彼女はそう言ってちょっとだけ悔しそうな仕草をする。
おれは肩を竦めて答えた。
「慣れないことはするもんじゃない。だから研究者になったのだろう?」
「まぁ……そうですね。というか、エミリオ殿をせっかくです。我が領にお迎えしてもいいですか?」
「唐突だな」
「彼の才覚があれば、本当に【真紅の真珠】を開発できるかもしれませんから」
「マーキュリーが終わっていないのに?」
「終わらせますよ。なんとしてもね。で、どうですか?」
「ダメだよ。皆してそう言うが、譲る気はない。まぁ、エミリオが行きたいと言ったらいいが……」
「大した自信ですのね」
「これでも全ての弟子から好かれている自信はあるぞ」
「……それは……中々ですね」
「まぁ、そんなことはいい。おれも流石にこれだけの治療は疲れた。クレア殿も流石に厳しいだろう?」
「そう……ですね。確かにそれはあります……が。それで、何か御用があって来たのでは?」
「……」
貴族としてあまり優秀でないと言う伯爵だが、最低限の事は察している様だった。
大貴族としてやってきたということはあるようだ。
「ああ、もし……エミリオの事を気に入っている様であれば、味方をして欲しい」
「味方……? 何のことでしょうか?」
「1級回復術師……その位を持っているあなたにお願いしている」
「ああ……協会のことですか。そこまでする必要があるのですか?」
「必要になるかもしれないと。説得されてな」
「まぁ……いいでしょう。でも、それはマーキュリーの件が終わってからになりますよ? でなければ、私は参加するかは分かりませんからね」
「それでもいい。あいつなら……本当に治療してしまうかもしれんぞ」
「……期待し過ぎです。ですが、そうなったら嬉しいのは我々ですからね。少しだけ楽しみにしておきます」
「ああ、ではな」
「ええ、それでは」
おれは要件だけを伝えると、自分の部屋に戻る。
今の内に打てる手は打っておく。
そして、後はマーキュリーの治療方法をどのようにしていくのか。
そのことに思考を移していった。
******
******
「しかし、ロベルトは本当に何か持っているのでしょうか?」
「どうした急に」
国王はドルトムント伯爵に借りた部屋で、王妃と共に雑談をしているとその様に問われた。
時間は夜で、後は寝るだけ。
灯りもベッド脇の灯りくらいしかつけていない。
「簡単です。これまで数週間。彼と居続けましたが、彼からなにか光る物は感じていません」
「それは……まぁ……」
「そうですよね? 今も貴族たちとの交流をするのではなく、孤児院に入り浸っている。どう考えても貴族としての責務から逃げているのでは?」
「確かに……な……」
「でしょう? というか、そもそもが本当に彼なのですか? 他に怪しい可能性のある方はいないのですか?」
そう疑っている王妃を前に、国王はじっくりと考えを深める。
「確かに……もしかすると、その可能性は……ありえるか。やつにつけている護衛も特に異常は見られないとしか言っておらんからな。弟はそれなりに魔法を使うようだ。という程度か」
「弟……ですか」
「何か感じるものが?」
「いえ……ですが、もう少ししっかりと観察しないといけないのでは? ロベルトが……本当にその力を持っているのであれば、こちらに引き込まなければいけませんからね」
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