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2章
37話 vs火の鳥
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「勝負……ですか?」
敵を用意するって……。
誰か適当な人を用意して、それで戦うというのだろうか?
「ああ、ワシはこれでも魔法を様々に使う事が出来る。そこで、召喚術を使って魔物を召喚し、戦ってみたらどうじゃ?」
「学園長は召喚術まで使えるんですね」
「勿論じゃ。魔物は倒してしまっても構わん。素材などは落とさんが、それでも、戦闘の経験をすることで、よりスキルに関して感覚が研ぎ澄まされて行くじゃろうからな」
「よろしくお願いします」
僕としても強くなったり、スキルを使いこなせるようになる事は絶対に必要なことだ。
だから、こういうチャンスはやらせてもらわなければ。
「では、場所を変えよう」
「はい」
学園長について到着したのは誰も使っていない演習場だった。
広さは30m×20mほど。
かなりの大きさを誇っている。
「さっさと召喚して問題ないかの?」
「何と戦うかは教えてもらえないんですか?」
「初見で出会ってからそれを探るのも戦闘の醍醐味じゃと思うが?」
「分かりました。お願いします」
僕は学園長の反対側に行き、そこで召喚されるのを待つ。
学園長が詠唱を始め、完了したと同時に、彼の足元に赤色の魔法陣が浮かび上がった。
そして、そこからは全身炎をまとった鳥が生まれる。
「火の鳥!?」
僕は思わず目を剝いた。
学園長が召喚した召喚獣というのは、Bランクの魔物である火の鳥だ。
高速で空を飛び、高温の炎を吐いてくる恐ろしい魔物。
Bランクにいるのも、滅多にいないことに加えて、こちらから手出ししなければ温厚であるが故にこのランクなのだ。
そんな魔物を召喚するだなんて……。
学園長は何も言わずに部屋のすみに行き、自分の身を守る結界を張っている。
自分から戦いたいと言ったけれど、こんな相手が出てくるとは……。
どうやって戦うのか。
そう考えていると、火の鳥は口を大きく拡げて僕に向ける。
「ピィィィィィィィィ!!!」
火の鳥が吠え、その喉の奥からは真っ赤な何かが見える。
僕は横に思いっきり飛ぶ。
ボアアアアアアアアアアアアア!!!
一点に集中された真っ赤な炎がすぐ横を駆け抜ける。
離れていたはずなのに熱気で肌が焼かれている様だった。
しかも、その炎が当たった壁は溶けている。
決して受けてはいけない。
「ピィィィィィィィィ!!!」
またしても火の鳥は僕に向かって炎を吹き付けてくるようだ。
でも、僕は負けられない。
相手がBランクの魔物だろうと、決して負けない。
「【保護色】」
「ピィ!?」
僕は全身を透明にし、炎を躱して奴に接近する。
奴は首をキョロキョロと動かしていて、どこにいるのか分かっていないようだ。
ザリ
その隙に足に力を込めて奴に近寄るけれど、僕が立てた足音で気付かれてしまったらしい。
奴の首がグリンと僕の方を向き、炎を吐いてくる。
ボアアアアアアアアアアアアア!!!
しかも、今度は一転に集中した威力ではなく、僕がいる方向90度の範囲を焼き尽くそうとする。
「【墨吐き】!」
僕は姿を現し、自身の身を護るように墨を吐き出す。
墨と言ってもそれは液体。
炎を多少は防いでくれるはず。
さらに、
「【触手強化】!」
触手を強化し、それを前に出して少しでも炎を受ける。
その直後に、墨をあっという間に蒸発させた炎が僕の触手を焼く。
「ぐぅ……!」
しかし、炎を広範囲に放っていたおかげか、そこまで長い時間焼かれなかった。
その隙に更に前進する。
「【保護色】」
僕は今度は見つからないように、少し速度を落として、さらに奴の後ろに回り込むようにして近付いていく。
僕には遠距離攻撃がない。
ゆくゆくは欲しい所ではあるけれど、今は使えない。
出来ることをやって奴を倒す。
「ピィィィィィィィィ!!!」
奴までもう少し、後5m程といった所で、奴は何を思ったか真下に炎を吐き出した。
「何!? 【触手強化】」
僕は真後ろに飛び、触手を強化して炎を受け止める。
ただし、その時には姿を現さないといけない。
しかも、触手は一度焼かれているのでさっきよりもダメージが大きい。
だけど、僕は炎が消えたタイミングで再び前に進む!
「はああああああ!!!!」
「ピィィィィィィィィ!!!???」
ズダン!
僕は触手を火の鳥の胴体に叩きつけ、ダメージを与える。
ただ、体には炎をまとっているので、叩きつけた触手も同時に焼かれた。
「まだまだああああ!!!」
僕はそれから何度か叩きつけようとしたけれど、火の鳥の体の炎は強くなって近くに立つことが出来なくなる。
「くっ!」
「ピィィィィィィィィ!!!」
火の鳥は激情を込めた声で鳴き、空に羽ばたく。
「速い!?」
一瞬で天井近くまで到達し、そこを円を描くように飛行する。
天井の高さは15m程。
それでも、十分に高く、今の僕では奴に攻撃を当てる事は出来ない。
「ピィィィィィィィィ!!!」
ボアアアアアアアアアアアアア!!!
奴は上から炎を吐き続けてくる。
「【保護色】」
僕は奴から姿を隠すようにして移動する。
「ピィィィィィィィィ!!!」
僕が姿を隠している間も、奴は周囲を炙るように炎を吐き続けている。
しかも、宙を飛びながらの為、僕が攻撃をする隙が無い。
ボアアアアアアアアアアアアア!!!
そうして考えている間も、様々な所に炎を吐き散らしていて下から近付くことは出来ない。
どうしたら……。
奴は今も円を描くように飛び、地面に向かって炎を吐き続ける。
僕は壁際に避難して考える。
奴の最大のメリットは空から炎を吐き続けること。
でも、今はそこまで高度を取ることは出来ない。
それに飛ぶ速度はかなり速いからか、同じ軌道をぐるぐる回っている。
そのことに気が付き、僕は奴よりも更に上を見る。
(行けるかもしれない)
僕は姿を消したまま、触手を壁に張りつけて上に……天井まで登る。
「ピィィィィィィィィ!!!」
奴は未だに地面に向かって炎を吐き続けている。
僕が今ここにいることに気付いていないようだ。
でも、これがラストチャンス。
一度でも気が付かれたら、警戒されてしまうだろうから。
(こわ……)
流石に15mもの高さから下を見ると、物凄く怖い。
グレーデンに突き落とされた時に無事だったとはいえ、好き好んで飛び降りたい訳ではない。
落ちないようにべったりと触手を天井につけて火の鳥の飛んでいる軌道上の真上に到着する。
(よし……勝負は一発。今!)
僕は奴のタイミングを測り、天井にくっつけていた触手を放す。
落ちながら、奴まで少しという所で姿を現した。
「ピィィィ!!!???」
驚く奴に向かってスキルを放った。
「【墨吐き】!」
奴の顔目掛けて墨を吐き、奴の視界を潰す。
そして、
「【触手強化】!」
触手を天井から落ちる勢いを使って、奴の頭に叩きつけた。
「ピィィィィィィィィ!!!!!」
奴は視界を奪われた上に、頭を叩かれて一瞬気絶する。
直ぐに意識を戻しても、その間に僕は奴の体にまとわりつく。
触手を奴の口の中に入れる。
そして、レイラから止めるように言われた巨大化を使う。
「ピィィィィィィィィ!!!」
奴の喉を破壊し、ズタズタに裂く。
でも、これでも奴はしぶとい。
というよりも、再生しているようにすら思える。
なら……やはりやるしかないようだ。
「【タコ化:クラーケン】」
奴を掴んでいる2本の触手に、クラーケンの力を注ぎ込む。
僕の触手がクラーケン化すると、火の鳥は絶叫をあげるようにして暴れまわる。
まだ力を注ぎ込んだばかりで、何もしていないのにも関わらず……だ。
「悪く思わないで」
僕は触手に力を込めて、火の鳥の首をねじ切った。
「ピィィィ……」
奴はそのまま力尽きるように地面に落ち、灰になった。
敵を用意するって……。
誰か適当な人を用意して、それで戦うというのだろうか?
「ああ、ワシはこれでも魔法を様々に使う事が出来る。そこで、召喚術を使って魔物を召喚し、戦ってみたらどうじゃ?」
「学園長は召喚術まで使えるんですね」
「勿論じゃ。魔物は倒してしまっても構わん。素材などは落とさんが、それでも、戦闘の経験をすることで、よりスキルに関して感覚が研ぎ澄まされて行くじゃろうからな」
「よろしくお願いします」
僕としても強くなったり、スキルを使いこなせるようになる事は絶対に必要なことだ。
だから、こういうチャンスはやらせてもらわなければ。
「では、場所を変えよう」
「はい」
学園長について到着したのは誰も使っていない演習場だった。
広さは30m×20mほど。
かなりの大きさを誇っている。
「さっさと召喚して問題ないかの?」
「何と戦うかは教えてもらえないんですか?」
「初見で出会ってからそれを探るのも戦闘の醍醐味じゃと思うが?」
「分かりました。お願いします」
僕は学園長の反対側に行き、そこで召喚されるのを待つ。
学園長が詠唱を始め、完了したと同時に、彼の足元に赤色の魔法陣が浮かび上がった。
そして、そこからは全身炎をまとった鳥が生まれる。
「火の鳥!?」
僕は思わず目を剝いた。
学園長が召喚した召喚獣というのは、Bランクの魔物である火の鳥だ。
高速で空を飛び、高温の炎を吐いてくる恐ろしい魔物。
Bランクにいるのも、滅多にいないことに加えて、こちらから手出ししなければ温厚であるが故にこのランクなのだ。
そんな魔物を召喚するだなんて……。
学園長は何も言わずに部屋のすみに行き、自分の身を守る結界を張っている。
自分から戦いたいと言ったけれど、こんな相手が出てくるとは……。
どうやって戦うのか。
そう考えていると、火の鳥は口を大きく拡げて僕に向ける。
「ピィィィィィィィィ!!!」
火の鳥が吠え、その喉の奥からは真っ赤な何かが見える。
僕は横に思いっきり飛ぶ。
ボアアアアアアアアアアアアア!!!
一点に集中された真っ赤な炎がすぐ横を駆け抜ける。
離れていたはずなのに熱気で肌が焼かれている様だった。
しかも、その炎が当たった壁は溶けている。
決して受けてはいけない。
「ピィィィィィィィィ!!!」
またしても火の鳥は僕に向かって炎を吹き付けてくるようだ。
でも、僕は負けられない。
相手がBランクの魔物だろうと、決して負けない。
「【保護色】」
「ピィ!?」
僕は全身を透明にし、炎を躱して奴に接近する。
奴は首をキョロキョロと動かしていて、どこにいるのか分かっていないようだ。
ザリ
その隙に足に力を込めて奴に近寄るけれど、僕が立てた足音で気付かれてしまったらしい。
奴の首がグリンと僕の方を向き、炎を吐いてくる。
ボアアアアアアアアアアアアア!!!
しかも、今度は一転に集中した威力ではなく、僕がいる方向90度の範囲を焼き尽くそうとする。
「【墨吐き】!」
僕は姿を現し、自身の身を護るように墨を吐き出す。
墨と言ってもそれは液体。
炎を多少は防いでくれるはず。
さらに、
「【触手強化】!」
触手を強化し、それを前に出して少しでも炎を受ける。
その直後に、墨をあっという間に蒸発させた炎が僕の触手を焼く。
「ぐぅ……!」
しかし、炎を広範囲に放っていたおかげか、そこまで長い時間焼かれなかった。
その隙に更に前進する。
「【保護色】」
僕は今度は見つからないように、少し速度を落として、さらに奴の後ろに回り込むようにして近付いていく。
僕には遠距離攻撃がない。
ゆくゆくは欲しい所ではあるけれど、今は使えない。
出来ることをやって奴を倒す。
「ピィィィィィィィィ!!!」
奴までもう少し、後5m程といった所で、奴は何を思ったか真下に炎を吐き出した。
「何!? 【触手強化】」
僕は真後ろに飛び、触手を強化して炎を受け止める。
ただし、その時には姿を現さないといけない。
しかも、触手は一度焼かれているのでさっきよりもダメージが大きい。
だけど、僕は炎が消えたタイミングで再び前に進む!
「はああああああ!!!!」
「ピィィィィィィィィ!!!???」
ズダン!
僕は触手を火の鳥の胴体に叩きつけ、ダメージを与える。
ただ、体には炎をまとっているので、叩きつけた触手も同時に焼かれた。
「まだまだああああ!!!」
僕はそれから何度か叩きつけようとしたけれど、火の鳥の体の炎は強くなって近くに立つことが出来なくなる。
「くっ!」
「ピィィィィィィィィ!!!」
火の鳥は激情を込めた声で鳴き、空に羽ばたく。
「速い!?」
一瞬で天井近くまで到達し、そこを円を描くように飛行する。
天井の高さは15m程。
それでも、十分に高く、今の僕では奴に攻撃を当てる事は出来ない。
「ピィィィィィィィィ!!!」
ボアアアアアアアアアアアアア!!!
奴は上から炎を吐き続けてくる。
「【保護色】」
僕は奴から姿を隠すようにして移動する。
「ピィィィィィィィィ!!!」
僕が姿を隠している間も、奴は周囲を炙るように炎を吐き続けている。
しかも、宙を飛びながらの為、僕が攻撃をする隙が無い。
ボアアアアアアアアアアアアア!!!
そうして考えている間も、様々な所に炎を吐き散らしていて下から近付くことは出来ない。
どうしたら……。
奴は今も円を描くように飛び、地面に向かって炎を吐き続ける。
僕は壁際に避難して考える。
奴の最大のメリットは空から炎を吐き続けること。
でも、今はそこまで高度を取ることは出来ない。
それに飛ぶ速度はかなり速いからか、同じ軌道をぐるぐる回っている。
そのことに気が付き、僕は奴よりも更に上を見る。
(行けるかもしれない)
僕は姿を消したまま、触手を壁に張りつけて上に……天井まで登る。
「ピィィィィィィィィ!!!」
奴は未だに地面に向かって炎を吐き続けている。
僕が今ここにいることに気付いていないようだ。
でも、これがラストチャンス。
一度でも気が付かれたら、警戒されてしまうだろうから。
(こわ……)
流石に15mもの高さから下を見ると、物凄く怖い。
グレーデンに突き落とされた時に無事だったとはいえ、好き好んで飛び降りたい訳ではない。
落ちないようにべったりと触手を天井につけて火の鳥の飛んでいる軌道上の真上に到着する。
(よし……勝負は一発。今!)
僕は奴のタイミングを測り、天井にくっつけていた触手を放す。
落ちながら、奴まで少しという所で姿を現した。
「ピィィィ!!!???」
驚く奴に向かってスキルを放った。
「【墨吐き】!」
奴の顔目掛けて墨を吐き、奴の視界を潰す。
そして、
「【触手強化】!」
触手を天井から落ちる勢いを使って、奴の頭に叩きつけた。
「ピィィィィィィィィ!!!!!」
奴は視界を奪われた上に、頭を叩かれて一瞬気絶する。
直ぐに意識を戻しても、その間に僕は奴の体にまとわりつく。
触手を奴の口の中に入れる。
そして、レイラから止めるように言われた巨大化を使う。
「ピィィィィィィィィ!!!」
奴の喉を破壊し、ズタズタに裂く。
でも、これでも奴はしぶとい。
というよりも、再生しているようにすら思える。
なら……やはりやるしかないようだ。
「【タコ化:クラーケン】」
奴を掴んでいる2本の触手に、クラーケンの力を注ぎ込む。
僕の触手がクラーケン化すると、火の鳥は絶叫をあげるようにして暴れまわる。
まだ力を注ぎ込んだばかりで、何もしていないのにも関わらず……だ。
「悪く思わないで」
僕は触手に力を込めて、火の鳥の首をねじ切った。
「ピィィィ……」
奴はそのまま力尽きるように地面に落ち、灰になった。
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