「タコ野郎!」と学園のダンジョンの底に突き落とされた僕のスキルが覚醒し、《クラーケン》の力が使える様に ~突き落としてきた奴は許さない~

土偶の友

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3章

75話 ロードはどこ?

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「学園長!」

 僕は、上空から落ちてくる学園長に向かって走る速度をあげる。

 先ほどの事もあるので、人型の姿になって敵陣を駆け抜けているのだ。
 敵も止めようとして来るけれど、触手で吹き飛ばしていく。

 僕は学園長が落ちてくる所に滑りこみで受け止める。

「学園長!? 無事ですか!? 『癒やせヒール』」

 僕は彼を助けようと回復魔法を使うけれど、初級魔法では大した効き目はない。

「がふっ」
「学園長!?」

 彼は口の端から血を流しながら、何かを訴えようとして来る。

「クトー……すまん……かった……。ワシは……ワシは……何も出来ない……男じゃ……」
「そんなことないです! 助けるには……」
「何を言う……ワシが助からない事は……ワシが一番知っておる……。じゃから……」

 そうやって諦めたような目をする学園長に対して僕は怒鳴った。

「そんな簡単に死ぬなんて言わないでください! サナは……その命を大事にしているんですから! 学園長も勝手に諦めないでください!」
「ふふ……なるほどの……」

 学園長は納得してくれたのか軽く笑っていた。

「【闇の牢獄ダークプリズン】」

 僕は彼を次元の狭間にしまう。
 ここに入れておけば、後でレイラに治してもらえるかもしれない。
 学園長には色々とお世話になった。
 だからという訳ではないけれど、決して死んでほしくはない。

 そんな事を思っていると、上空から降りてくる2人がいた。

「何……? このタコ」
「奇妙なスキルですね。生き物に変身する等みたことがありません」

 1人は妖艶な姿の女性で、もう一人はかなり細身の神経質そうなメガネをかけた男だった。

「貴方達が学園長にこんな事を?」
「当たり前でしょう? これは戦争なのよ? それよりも今の学園長を消したスキルは何? ちょっとお姉さんに教えてくれないかしら?」
「チェルシー。そんな事をしている場合ではない。ヴォルカニックウルフが死んだとの報告があった。こんなガキに時間を使っている場合ではないんだ。【未来視サイト・ビジョン】」
「ロビン……」

 男の方が何かスキルを使ったのが分かる。
 奴の左目が緑色に光り、何かを見つめている様だった。

 そして、僕に向かって突っ込んで来る。

「楽に殺してあげましょう。いたぶる趣味はないのでね」
「【タコ化:クラーケン】」

 僕は両手を触手かして奴を迎え撃つ。

「何!?」

 しかし、僕の触手は奴に動きが見切られている様で簡単にかわされてしまう。

 そのまま僕のふところに入り、一言。

「では、よい未来を」

 ドスリ

 奴の剣が僕の胸に刺さる。
 彼はそれを直ぐに確認して、引き抜いた。

「さて、それでは前線に行きますよ。ヴォルカニックウルフを倒した相手も警戒せねばなりません。急ぎ……え?」

 僕は彼が喋っている間に、彼の両足を触手で絡めとる。
 そして、そのまま握り潰した。

「ぎゃあああああああああああああ!!!???」

 彼は叫ぶばかりでうるさい。

「もう……うるさいよ。ちょっと黙って!」

 僕は握りつぶしたままの足を持ち、彼を地面に叩きつける。

「ぐっぶ……! っがっは!」

 5回ほど叩きつけたら静かになったので、とりあえず奴に聞くことにする。

「ねぇ、ロードって今どこにいるの?」
「そ……そりぇは……」

 彼の歯は所々抜けてしまったせいか上手く話せないようになっていた。
 でも、それは関係ない。

 又5回程叩きつけようとした時に、上から魔法が飛んできた。

「『旋風よ巻き起これサイクロン』!」

 ビュゥゥゥゥン!!!

 僕とロビンを巻き込み、突風が上空に向かって飛んでいく。
 でも、絶対に離さない様にする為に触手の力を抜くことはしなかった。

 ロードの情報はなんとしてでも吐いてもらわなければならないのだから。

「放しなさい!」
「断る」
「ひゃ、ひゃなひて……」
「サッサとロードの居場所を吐けば考えてやるって」
「『岩の礫よロックバレット』!」

 チェルシーは僕だけに向かって魔法を放つ。
 それは全長3ⅿはある大岩で、僕を圧し潰さんと迫ってくる。

 でも、僕の手にはロビンが握られているということを知らないのだろうか?
 彼を盾にするように前に出すけれど、彼女は関係ないとばかりに魔法を止める様子はなかった。

「口封じ? 仲間じゃないの? 【触手強化テンタクルフェイズ】」

 バギン!

 僕はクラーケンの力で岩を軽々と握りつぶした。

「そ、そんな……」

 チェルシーは信じられないのか目を向いて見ていた。

「それで、どうして仲間ごとやろうとしたの? 本当に口封じ?」
「……『炎の礫よファイアーバレット』」
「だんまりでまとめて……か。【水流切断アクアセーバー】」

 彼女から飛んでくる炎の塊を全て撃ち落とし、彼女に近付いて行く。

 チェルシーは恐怖に引き攣った様な目をして僕から離れようとした。

「来ないで! なんなのよ。なんなのよ! 先生さえやれば簡単だと思っていたのに! なんなの!? 何なのよ!」
「なんでもいいよ。それで、ロードはどこにいるの? 教えてくれたら命は助けてあげる」
「知らないわよ! 勝手にしなさい!」

 そう言って彼女は飛び去って行こうとしたので、触手を伸ばして引き寄せる。

「きゃあ! な、何よこれ……誰か助けなさい! そこのタコを殺して!」

 そう彼女が僕に引き寄せられながら叫ぶけれど、近くにいる奴らは僕の事が怖いのか近寄って来る気配はない。

「来たらこの2人を殺すよ。大事な2人なんじゃないの?」

 さっきから他の人に指示していいたことを見ると、多分……重要な人達ではあると思う。
 でも、彼らは決して口を割らないのか、だんまりを決め込んでいる。

「仕方ない。壊れたらごめんね。【精神崩壊マインドブレイク】」

 僕はスキルを使い、目の前の男性の記憶を覗く。

 このスキルは精神を崩壊させる事も出来るけれど、こうやって相手の記憶を読んだり、消したりすることも出来る恐ろしいスキルだ。

 こうやって相手から情報を引き出したい時には最適だ。

「あ、あぁ……」

 ロビンは両眼をこれでもかと開き、口の端からは泡を出している。
 僕は彼の記憶にアクセスすると、ロードの居場所は直ぐに分かった。

「そこの天幕にいるのか……」

 何てことはない。
 奴は直ぐ近くにいて、何か体力の回復をさせる薬を飲んでいたということだった。

「な……どうして……」
「どうでもいいでしょ。【闇の牢獄ダークプリズン】」

 僕は騒ぐ2人を黒い棺の次元の狭間に送る。
 地位が高い1人を生け捕りにしたという事がわかれば、〈選ばれし者ギフターズ〉の壊滅に役に立つかもしれないからだ。

 僕は天幕に目を向けると、ロードが苦々しい顔をして出てくる所だった。

「よくもやってくれたな……。だが、他のやつらは何をやっていた? ナンバー持ちは今すぐに来い。来なければ後でまとめて断罪する」

 ロードがそう言うと、顔色を青くして5人の男女が集まって来た。

「俺が前に出てあのタコを刻む。お前達はその支援をしろ!」
「はい!」

 6体1か……。
 しかも相手はあのロード・バルバロイ。
 触手を切り落とされた事があるので油断は出来ない。
 これからどうやって戦うか。

 その事を考えていると、後ろから2人くらい駆けて来る音が聞こえた。
 しかも、僕の名を呼んでいる気がする。

「クトー様!」

 この声は……?
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