生きる事、華の如く

静風

文字の大きさ
7 / 8
神秘の章

邪馬台国・女王卑弥呼の秘密

しおりを挟む


2042年、温暖化により南極の氷の下からアトランティス遺跡が見つかった。
理夢華はそこへステルスドローンを飛ばし、巨人・小人・竜など、この世のものとは思えない存在を目にした。そうした存在が古代に、存在したのかどうかを臥麟という不思議な老人に聞きに行った。臥麟の話を、友人の奈美と一緒に聞いた理夢華は、完全に納得できないまでも、それなりに満足した。



奈美
「とりあえず、わかりました。本日もご教授ありがとうございましたw」
理夢華
「それでは、私たちはこれで・・・」

すると臥麟が二人を呼び止める。



臥麟
「・・・時が満ちておるようじゃのう」
奈美
「時?」
臥麟
「いや、こちらのことじゃわい」
「それよりもお二方、さっき話した、侏儒という小人が『魏志倭人伝』に描かれていた話をしたじゃろ?」
奈美
「あ、はい」
臥麟
「そこには邪馬台国の女王・卑弥呼(ひみこ)という者が書かれておってな」
奈美
「それは日本史の授業でも出てくるので、流石に私でも知ってますが」
臥麟
「その卑弥呼の正体を聞きたくないかの?」
理夢華
「それは小人・巨人・竜と関係あるのですか?」
臥麟
「少しあるよーな、ないこともないよーな」
奈美
「私は日本史好きだから聞きたいわ」

奈美は教師を志望している。そのため、日本史も興味があるのだろう。

理夢華
「関係しているなら、聞いていきましょうか」
「ただ、そもそも、卑弥呼って存在したのかしら?」
奈美
「そうね、卑弥弓呼という男性の役職もあるから、卑弥呼も役職の一つなのかも」
臥麟
「結論から言うと、卑弥呼は存在しておる」
奈美
「そうあってほしいわ~、古代のロマンよね~」
理夢華
「私は、どちらかと言えば真実が知りたいわ」
臥麟
「まず、この“卑弥呼”とは魏国側の表記であり、本来は“日巫女”もしくは“日御子”であり、太陽の巫女と言う意味じゃ」
「つまり」
奈美
「・・・つまりw」
臥麟
「“卑弥呼”は“日の巫女”であり、“アマテラス”なのじゃ」
奈美
「なるほど、天照大神も記紀神話では日の巫女とされているものね」
理夢華
「表記から推測はできるけど、他に証拠はあるのかしら?」
臥麟
「まあ、急がんと聞くのじゃ」
「卑弥呼の後を継いだのが“台与(トヨ)”という者じゃ」
奈美
「それも魏志に書いてあることよね」
臥麟
「そうじゃ。この“トヨ”が“トヨウケビメ”となるのじゃ」
奈美
「なるほど、それで伊勢神宮には、天照大神が祀られていて、その外宮には豊受大神が祀られているのね」
臥麟
「と、言う事じゃ」
「ちなみに、この邪馬台国(ヤマタイコク)の“台(タイ)”は、“台与(トヨ)”の“台(ト)”という表記から“邪馬台国(ヤマトコク)”と言うべきじゃ」
理夢華
「とすると、邪馬台国が大和政権につながるというのね」
臥麟
「そういうことじゃ」
理夢華
「つまり、卑弥呼は大和政権の大君の一人である、ということ?」
奈美
「そうすると、その可能性があるのは“神功皇后(じんぐうこうごう)”になるわね」
臥麟
「よう知っとるのぅ」
奈美
「神功皇后の年代はと・・・」

奈美がスマートグラスを使ってネット上で検索をかける。

奈美
「神功皇后の夫の仲哀天皇の即位が192年、子供の応神天皇の即位が270年、卑弥呼が魏国に使者を送ったのが238年だから、年代的には合ってそうね」
理夢華
「けど、それだと神功皇后は何年摂政をして何年生きたことになるの?」
奈美
「“仲哀天皇崩御から応神天皇即位まで初めての摂政として約70年間君臨したとされる”とあるわ・・・。そして、年齢の推定は100歳・・・」
理夢華
「当時の平均寿命ってそんなに高くないんじゃないの?それで100歳はどうなのかしら」
奈美
「確かにそうね。『魏志倭人伝』には、倭国の人は100歳になるものがいると書かれているけど、どうなのかしら」

理夢華もスマートグラスをかけて調べ出した。

理夢華
「あの頃の中国には神仙思想があって東の海に蓬萊(ホウライ)という山があって、不老不死の仙人が住むとされているわ。だから、そうしたことが投影されて誇張表現になってるかもしれないわ」
奈美
「その可能性はあるわね」
理夢華
「だから考古学的に調べるべきよ。で、弥生人の人骨を調べると、どうも平均寿命は30歳前後らしいわ」
奈美
「思ったよりも短いはね。けど、織田信長の時代に“人間五十年”と言われてぐらいだし、それくらいなのかも」
臥麟
「ふむふむ、よー調べとるw」
「で、それらの情報からどう推測される?」
理夢華
「多分、この卑弥呼と台与の二人を合わせて“神功皇后”にしたのよ」
臥麟
「そういうことじゃw」
奈美
「けど、なぜその二人の合わせた呼び名にしたのかしら?」
臥麟
「つまり、こうじゃ」
「古代、倭国から大和や日本へと変容した時に、大陸から独立した国家であることを宣言した時があった」
奈美
「遣隋使の有名なアレね。“日出処(ひいずるところ)の天子、書を日没処(ひぼっするところ)の天子に致す”」
臥麟
「うむ」
「そうした時に、過去に大陸の冊封に入っていたことをなかったことにするために、女王の名前を変更して一つにしたのではないか、と言う説じゃ」
奈美
「なるほど、大陸との臣下の関係をチャラにしたわけね」
臥麟
「そういうことじゃ」
理夢華
「あと、疑問なのは、なぜ邪馬台国は南にあるの?」
「『魏志倭人伝』の通りに読んでいくと、南の海に突き出てしまうわ」
奈美
「しかも、当時の日本地図も逆さまになっているし」
臥麟
「これは魏国の戦略が関係するのじゃよ」
「つまり、魏・呉・蜀の三国時代では、魏の敵国である呉の背後に同盟国があることにしたかったのじゃ」
奈美
「なるほど、そうすれば呉への牽制になるってことね」
臥麟
「そういうことじゃ」
理夢華
「とすると、変更されたのは方角だけなので、邪馬台国は畿内説になるのね」
臥麟
「まあ、九州地方には山門(ヤマト)という地名がある。だから邪馬台国は九州に元々あり、畿内に広がったのかもしれぬ。そして、女王・卑弥呼は、その九州も畿内も同時に治めていて、政治によって、または季節によって移動していたのかもしれぬのぅ」
奈美
「つまり、畿内・九州スイング説ねw」
臥麟
「ま、そんなとろかのぅw」
「さて、ここからが巨人・小人・竜とも関係してくる話じゃ」
奈美
「え?そうなの?」

二人は顔を見合わせた。
この『魏志倭人伝』の卑弥呼の話がどのように巨人・小人・竜につながるのか、ということを二人は思った。



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし

かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし 長屋シリーズ一作目。 第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。 十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。 頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。 一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。

彼女が望むなら

mios
恋愛
公爵令嬢と王太子殿下の婚約は円満に解消された。揉めるかと思っていた男爵令嬢リリスは、拍子抜けした。男爵令嬢という身分でも、王妃になれるなんて、予定とは違うが高位貴族は皆好意的だし、王太子殿下の元婚約者も応援してくれている。 リリスは王太子妃教育を受ける為、王妃と会い、そこで常に身につけるようにと、ある首飾りを渡される。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜

深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。 処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。 なぜなら彼女は―― 前世で“トップインフルエンサー”だったから。 処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。 空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。 タイトルは―― 『断罪なう』。 王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。 すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、 国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。 そして宣言される、前代未聞のルール。 支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。 処刑台は舞台へ。 断罪はエンタメへ。 悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。 これは、 処刑されるはずだった悪役令嬢が、 “ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。 支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、 それとも――自由か。

大好きなおねえさまが死んだ

Ruhuna
ファンタジー
大好きなエステルおねえさまが死んでしまった まだ18歳という若さで

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

処理中です...