神々VS人工知能『ミラクル☆HT物語』

静風

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輪廻の章

未来からの来客

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時は2062年、世界の陸地の多くは海となり、海には海上都市が建設される。そこに住む17歳の少女ヘティス。
ある日のこと、親友の尚美がヘティスの家に遊びに来ていて、対戦ゲームをしていた。

尚美
「ヘティスちゃん、つよーい!全然勝てないわ」
ヘティス
「毎日、練習してるからw」
「勉強、そっちのけでw」
尚美
「それはちょっと微妙だと思うよw」
ヘティス
「えへへ」

ゲームが終わるとお茶を入れて雑談タイムとなった。

尚美
「ねえ、最近、ゲーム研究会がオカルト研究会になって来たわよね!」
ヘティス
「そうそう、ゲームも面白いけど、ああいう不思議とか神秘とかを解明するのって面白いよね!」
尚美
「今度は何をテーマにするのかなぁ」
ヘティス
「そうね、生まれ変わりはあるかどうか、ってのはどう?」
尚美
「それ、面白そう!私は誰の生まれ変わりかなぁ」
ヘティス
「虫や動物とかだったらショックよね~」

と話しているとチャイムが鳴った。

ヘティス
「あれ、誰かしら?」

カメラを覗くと、20歳くらいの綺麗な女の子が立ってる。

ヘティス
「どちら様ですか~?」
女性
「あの~、ヘティスさんに会いたくて、未来からやってきました」

その様子を見ていた尚美が声をかける。

尚美
「ヘティスちゃん、未来からって、絶対怪しいわよ」
ヘティス
「そうね、最近流行りのオカルト詐欺かしら?」
尚美
「流行っているの?そんなの。私たちの会話を誰かがハックして、それに合わせたセールスをしてるとか」
ヘティス
「その可能性はあるわね」
「けど、ヘパもいるし、ちょっと話してみようかな」
「もしやばかったらヘパの防御システムも作動するし、通報システムも作動するから」
尚美
「じゃ、心配だから、私も一応、ついてってあげる」

ヘティスは玄関に行き、ロックを解除し、ドアを開けた。すると、その女性が入って来てヘティスに抱きついてきた。

「ママ!」

ヘティスも尚美もびっくりする。

尚美
「ヘティスちゃん、隠し子?・・・にしては大きいわね」
ヘティス
「私、まだ結婚もしてないし」
「第一、アナタ、誰で、いくつなのよ?」
蓮奈
「私、蓮奈(れんな)っていいます。歳は21歳。未来から来たの」
ヘティス
「じゃあ、未来の私が産んだ子だってこと?」
蓮奈
「そうよ」
尚美
「え~!ヘティスちゃん、結婚するんだ~!おめでと~!」
ヘティス
「信じられないわ・・・。じゃ、なんか証拠でもあるの?」

と言いつつ、蓮奈の瞳を見ると、確かにヘティスと同じ、グリーンの瞳であった。

ヘティス
(カラコンしてる可能性もあるし、まだわかんなわ・・・)

蓮奈はバックからスマートグラスを取り出した。

蓮奈
「そうね、これHTグラスの最新バージョンなんだけど、HTグラスで撮影したファイルの日時って変更できないでしょ?」
ヘティス
「そうね」
蓮奈
「これをみて」

確かに208x年x月x日となっていた。
ヘティスはこのデータを汎用性AIロボット・ヘパイトスの解析システムに入れて調べさせた。ヘパイトスの出した答えは、100%、この時代に撮影されたものであり、改竄も何もされていない、ということであった。
そして、その写真には、その蓮奈という女の子ともう一人女性が写っている。

ヘティス
(このHTグラス、見たことないし、これも未来のなのかなぁ)
蓮奈
「この隣にいるのがママよ」
ヘティス
「これ、私?」
蓮奈
「そうよ、加工とかしてないわ。嘘だと思ったら、スマートグラスで調べてみて」
ヘティス
「確かに、緑の目してるし」
「ちょっと信じられないわ・・・」

と言いつつも、徐々に蓮奈の言うことをヘティスは信じ始めている。

尚美
「確かに、ヘティスちゃんぽい。大人っぽくって綺麗なティスちゃんね」
蓮奈
「そうよ、未来のママはとっても綺麗よ」

尚美も信じ始めているようだ。

ヘティス
「で、私の結婚相手はどんな人?アナタ、けっこーキレイだから、きっとイケメンよねw」
蓮奈
「それはママから言うなって言われてるの。未来が変わってしまうかもしれないからって」
ヘティス
「へぇー、けど、アナタがここに来ている時点で未来は変わっちゃうんじゃないの?」
蓮奈
「ママが言うには、折り込まれている未来は変わらないんだってさ。けど、折り込まれていないことをしようとすると、未来は変わって、もしかしたら、それがトンデモない歪みを生んでしまうんだって」
ヘティス
「てことは、未来の私は、過去にアナタと既に会っているってことで、その必然をしないことの方が逆に未来を変えてしまうことになるのね」
蓮奈
「さすがママ、頭いい~!」
ヘティス
「えへへ。けど、何か私よりも年上の私の子に褒められているって複雑よね」
尚美
「なんか凄いことになってきたわ!今度のサークルのテーマね」

尚美もノリノリである。

ヘティス
「未来の私の子が、私に何の用なの?」
蓮奈
「ママがこれを過去のこの時代のママに渡せって言われてて」

と、言って取り出しのがデータチップである。

ヘティス
「これは?」
蓮奈
「輪廻分析システム、つまり生まれ変わりを分析できるデータプログラムなの」
ヘティス
「えー!ちょうど今日話していたところなんだけど、そんなものが・・・」
尚美
「面白そうw」

そのデータチップをヘパイトスにチェックさせた。ウイルス反応はなく、安全とのこと。そのデータをヘティスのスマートグラスにインストールしてみた。
そして、スマートグラスをつけて尚美を見た。

ヘティス
「輪廻情報は何も検出されません、って出てるけど」
蓮奈
「まず、そのグラスである程度の人をみて、データを蓄積しないとダメよ。そして、その蓄積したデータと現在見ている人のデータを照合して、輪廻の確率を割り出すの」
ヘティス
「ふむふむ」
蓮奈
「じゃ、ママ。次は私を見て」

ヘティスはスマートグラスで蓮奈を見た。すると、尚美との輪廻確率が0%と表示された。

ヘティス
「0%って今度は出てくる」
蓮奈
「つまり、私は尚美さんの生まれ変わりの可能性は0%って意味ね」
「例えば、ここが100%とか99%とか出たら、かなり高い確率で、その人の生まれ変わりってことになるわ」
ヘティス
「なるほど、じゃ、今日からこのスマートグラスでデータを蓄積していけばいいのね」
尚美
「わぁ、ヘティスちゃん、面白そう。私の子供も未来からやってこないかなぁ」
ヘティス
「玄関で立ち話もなんだから、入ってお茶でもしていきなさい、蓮奈」
蓮奈
「わーい、やさしいわ、ママ」

いつの間にか、ヘティスはママ気取りである。
居間に蓮奈を通して、お茶を入れる。

ヘティス
「で、未来の私ってどんなことしてるの?」
蓮奈
「それも言っちゃダメなのよねぇ」
ヘティス
「そうなんだ、逆に話してもいいことってあるの?」
「例えば、ママとパパはラブラブ?」

蓮奈は急に表情を変えた。

蓮奈
「それが、いつも、ママとパパって喧嘩ばっかしてて・・・」

蓮奈の目から涙がこぼれ落ちる。
ヘティスは蓮奈の涙をハンカチで拭く。

蓮奈
「全然、仲良しじゃないから、もしかしたら別の人と結婚するために過去を変えるんじゃないかと思って」
ヘティス
「ひっどーい、未来の私と旦那さん。こんな可愛いコを泣かせるなんて!」
「けど、なんで、過去を変えるって思うわけ?」
蓮奈
「多分、パパは運命の人じゃないんだわ。この輪廻分析システムで運命の人を探すように、私に託したのよ」
ヘティス
「もし、私・ママが、そのアナタのパパと結婚しない場合は、未来が変わって、アナタも生まれてことない、ってことになるのかしら?」
蓮奈
「そうなるかもしれない」
ヘティス
「じゃ、なぜ、アナタは未来が変わっちゃうかもしれないのに、こんなものを私に渡すわけ?」
蓮奈
「だって、ママに幸せになってほしいから・・・」

再び、蓮奈は泣き出す。

ヘティス
「蓮奈、わかったわ!一応、これは使うかもしれないけど、このデータを参考にママはパパを決めないから安心して!必ず、未来でアナタを産んで見せるから!」
蓮奈
「ママー!ありがとうー!」

蓮奈はヘティスに抱きついた。
ヘティスも蓮奈を抱きしめた。

ヘティス
「何かあったら、いつでもママのところに来なさい!」
蓮奈
「ありがとう、ママ」

そして、蓮奈は未来の世界へと帰って行った。
この話には続きがある。

この後、ヘティスは太古・神代の世界にタイムスリップするのであるが、そこで蓮也という王子に出会う。

そこでヘティスは彼と恋をし、喧嘩も毎日のようにした。喧嘩するほど仲がよい、とも言うが、蓮也の方はヘティスをどう思っていたのかは、彼が感情を滅多に表に出さない性格のため、わからない。
そしてしばらく蓮也と旅をし、ヘティスは自分の役割を果たし、そして彼と別れ、元の世界へと戻ってくる。

その最後の別れの時に蓮也はヘティスに、

「どれほど遠く離れていても、いつ、どこにいようとも、必ず守り続ける」

と、言った。



この言葉を信じ、いつか必ず蓮也と巡り合えるとヘティスは確信した。
元の世界に帰ると、蓮奈が待っていた。

蓮奈
「おかえり、ママ」
ヘティス
「ただいま」
蓮奈
「ママ、なんか雰囲気変わった」
ヘティス
「色々あったのよ」
蓮奈
「そうなんだ」
ヘティス
「ところで、アナタの名前って」
蓮奈
「ママ、忘れたのぉ?“蓮奈”よ」
ヘティス
「“蓮奈”よね、うふふ」
蓮奈
「どうしたの?ママ?」
ヘティス
「ママはね、アナタのその緑の瞳も、プラチナのように輝く綺麗な髪も、その不器用そうな性格も、アナタの全部が大好き」

ヘティスは蓮奈をやさしく見つめ、微笑みかけた。

ヘティス
「でね、一つ、わかったことがあるの」
蓮奈
「何?」
ヘティス
「それはね、未来のママは、未来のパパが、きっと世界一好きってことよ」
蓮奈
「どういうこと?」
ヘティス
「それはね、アナタが大人になって好きな人ができたらわかるわ」
蓮奈
「私、22歳で大人だし、ママよりも年上なんだけどなぁ・・・」
ヘティス
「うふふ」

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