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天啓編
深海の森・幻翠林
しおりを挟むシルフィアがいる聖なる祠の周囲を護衛するため、聖騎士団が配置されていた。聖騎士団長であるエリオットは、その場所を離れることに反対する者もいた。しかし、シルフィアは蒼翔光に会うためには神聖力の最も高い者たちが必要だと考え、エリオットとイヴを選んで派遣することを決定した。
そして、二人は幻翠林に到着した。
幻翠林は、広大な森林で、まるで緑色の海のように見えます。森の奥深くには、巨大な木々がそびえ立ち、空からは日差しが差し込んで、緑の葉が光り輝いています。風が吹くと、木々の葉がそよそよと揺れ、まるで神秘的な歌声が聞こえてくるような感覚に陥ります。地面には、色とりどりの花が咲き乱れ、小さな動物たちが飛び跳ねています。空気は新鮮で、森の中には清涼感が漂っています。幻想的な雰囲気が漂う、美しい森林です。
イヴとエリオットは幻翠林の奥に進んでいくにつれて、まるで暗い深海に沈んでいくような感覚に包まれていった。蒼い光が木々の隙間から差し込むものの、それは深い水中に沈んだ光のように薄く、不透明な青さを帯びていた。森の奥深くへと足を踏み入れるにつれ、静寂とともに重い沈黙が彼らを包み込んでいった。彼らは、まるで見たこともない深海の底にいるかのような錯覚に陥っていた。
幻翠林には様々なモンスターが生息している。その中でも、木々に似た姿をした「木霊の精霊(もくれいのせいれい)」は特に知られている。彼らは幻翠林を守る番人であり、侵入者に対しては厳重な警戒を行う。また、彼らが放つ魔法は、幻覚を見せたり、相手を混乱させたりするため、戦闘が困難な相手でもある。
甲高い声で鳴き声をあげながらイヴたちを襲ってきた木霊の精霊に対して、イヴは神聖な言葉を唱え、手にした聖水を振りかけました。すると、精霊たちは怯み、少し離れたところからイヴたちを睨みつけながら退散していきました。イヴの神聖な力によって、精霊たちは退けられたのでした。
幻翠林に生息する魔獣として、「ツインヘッドウルフ」という魔物を考えてみます。
ツインヘッドウルフは、狼のような姿をしており、頭部が2つあります。そのため、2つの異なる視点から攻撃を仕掛けてくることができます。体長は3メートル以上あり、力強い前足を持ち、走るスピードも非常に速いとされています。また、口から火炎を吐き出すことができるため、遠距離からの攻撃も得意としています。
ツインヘッドウルフは、一度獲物を捕まえたら絶対に離しません。強力な顎で獲物を噛み締め、狡猾な戦術で相手を追い詰めていきます。幻翠林には、彼らを倒すために力を合わせる必要があるでしょう。
森を歩いていると、突然大きなハウルが聞こえてきました。イヴとエリオットは構えて周囲を見渡すと、そこには二頭の巨大なオオカミが現れました。その目は赤く光り、牙をむき出しにしてイヴたちを襲ってきます。
イヴは怯まずにメイスを構え、エリオットも彼女の横に立ち、自分の盾を守りに使いながら戦いに備えました。ツインヘッドウルフは獰猛に襲いかかってきましたが、イヴとエリオットは息を合わせて戦い、最後にはエリオットが強力な一撃で二頭のオオカミを追い払いました。
イヴは安堵の表情を浮かべ、エリオットに感謝の言葉を伝えました。二人はそのまま森を進んでいきました。
更に、二人が進んでいくと、小さなツインヘッドウルフの子供が身を震わせていました。
小さなツインヘッドウルフの子供は、ぴくりと震えながら傷ついた足を引きずっていました。エリオットは剣を手にしたまま、警戒しながら近づいていきました。しかし、イヴは彼の腕を掴んで、ゆっくりと首を振りました。
「待ってください。彼らは私たちに襲いかかってきたわけではありません。傷ついた子供を放っておくわけにはいかないでしょう?」
イヴの言葉に、エリオットはしばらく考え込みました。彼は聖騎士団長として、モンスターを討伐することを使命としてきたので、イヴの言葉には戸惑いも感じていました。
しかし、彼女の優しさに触れ、エリオットは剣をしまいました。そして、イヴと一緒に小さなツインヘッドウルフの子供に近づき、静かに彼を助けることにしました。
エリオットはイヴが小さな魔獣の子供を助ける姿を見て、言い知れぬ温かさを感じた。彼女の優しさに心を打たれ、いつもなら敵として立ち向かうであろう魔獣たちに対しても、少しは考え方が変わっていた。そして、エリオットは内心で、彼女のような慈悲深さにあこがれると同時に、そのような存在になりたいと思った。
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